自分や子どものお腹、太もも周りに見慣れない赤紫色のブツブツを見つけ、不安を感じている方もいるかもしれません。

ファブリー病は細胞内の特定の酵素が不足することで様々な不調を引き起こす病気であり、皮膚の発疹など視覚的に確認できる特徴的なサインが現れることがあります。

その一方で、この疾患には外見からは重篤な辛さが見えにくいという特有の二面性も存在します。周囲から健康そうに見えても、見えないところで強い痛みや臓器への負担が生じているケースが少なくありません。

本記事では、ファブリー病において確認されやすい見た目の特徴や一般的な湿疹との見分け方を解説します。同時に、外見からは伝わりにくい症状の辛さや、医療機関を受診する際の目安、家族の症状が気になるときの見方についてもお伝えします。

※この記事は疾患啓発を目的としています。

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外見からわかるファブリー病の代表的な身体的特徴

ファブリー病にはいくつか外見に現れやすい特徴があります。

ただし全ての患者に同じようなサインが出るわけではなく、個人差が大きい点に注意が必要です。日本先天代謝異常学会のファブリー病診療ガイドライン2020も、病気のタイプや性別によって現れる症状が異なることを示しています※1。

お腹や太ももに現れやすい赤紫の発疹「被角血管腫」の特徴と発生部位

皮膚に現れる被角血管腫は、ファブリー病を疑うきっかけになりやすい代表的な症状の一つです。

ただ、最初に出る症状として最も多いのは手足の痛み(四肢末端痛)で、被角血管腫だけで発症することはまれです※1。

北海道大学皮膚科学教室が公開している解説によると、被角血管腫は直径数ミリから1センチほどの、赤色から黒色の小さな盛り上がり(丘疹)として現れます。

この発疹が出やすいのは、下腹部やおへその周り、お尻、陰部、太ももといったいわゆる「水着で隠れるエリア」です。幼いころから生じ、年齢を重ねるにつれて数が増える傾向があります※2。

痛みや強いかゆみが目立たない場合は、気づかないまま過ごしてしまうこともあります。

被角血管腫とは

赤色から黒色の小さな盛り上がりとして現れる皮膚症状です。ファブリー病では、酵素が足りないために分解されずにたまった物質が、血管の壁などに障害を起こします※2。

眼科検査で見つかる「角膜混濁」や血管の蛇行

目の変化も重要な視覚的マーカーとして知られています。代表的なのは角膜渦状混濁と呼ばれる症状です※1。

これは黒目の表面にある角膜が白く濁る現象ですが、肉眼でパッと見てわかるような変化ではありません。

眼科での細隙灯顕微鏡という特殊な機器を使った検査によって、細かい渦巻き状の濁りとして確認されます。この濁り自体で視力が大きく落ちることは少なく、日常生活での見え方に大きな影響は出にくいと報告されています※3。

それでも、眼科の検査がきっかけで病気に気づく手がかりになることがあります。

顔つきや体型に病気特有の変化は現れるのか?

遺伝性の病気や代謝疾患の中には、顔立ちや骨格に明らかな特徴を伴うものがあります。

厚生労働省の指定難病の概要では、特徴的な顔つきや骨の変形はムコ多糖症などによくみられるものとして挙げられており、ファブリー病の特徴として挙げられている皮膚症状は被角血管腫です※4。

全体の印象としてはごく健康な人と変わらないように見えるため、病気を抱えていることに周囲が気づきにくいという実態があります。ガイドラインも、子どものうちは外から確認できる症状に乏しく、発症から診断までに平均10年以上かかると指摘しています※1。

見た目のサインのポイント

皮膚の被角血管腫と目の角膜混濁がファブリー病の代表的な「見た目」のサインです。ただし、角膜の変化は眼科の機器でないと確認できず、顔つきや体型にはほとんど変化が出ません。

年齢や性別によって「見た目の症状」はどう変わる?

発疹の出やすさや症状が表面化するタイミングは、年齢や性別、さらには病気のタイプによって異なります。

小児期・思春期(古典型男性)に見られやすい皮膚変化のタイミング

酵素の働きが極めて低いか全くない男性のタイプ(古典型)では、幼児期から学童期にかけて症状が現れ始めるのが一般的です※1。

この時期の男児において、お腹周りや太ももに少しずつ赤紫色の発疹が目立ち始めます。

ただ、同時期に起こりやすい手足の痛みが単なる成長痛と誤認されたり、皮膚の赤みが思春期の肌荒れやニキビとして見過ごされたりする例があります。ガイドラインは、成長痛との取り違えは女の子にも起こり、男の子では手足の強い痛みや汗が出ないこと、腹痛による不登校が精神的な問題と受け取られることもあるとしています※1。

初期の段階で正しい診断にたどり着くのが難しい理由の一つです。

遅発型や女性保因者における皮膚症状の出にくさ

成人以降になってから心臓や腎臓の異常で発覚するタイプ(遅発型)の男性では、子どもの頃の手足の痛みや汗の異常がなく、皮膚の血管腫も通常みられません※1。

また、女性(ヘテロ接合体)の場合も症状の個人差が極めて大きくなります。

症状が軽い方もいますが、ガイドラインによると女性も65歳を超えるとほとんどの方に心肥大がみられるため、症状がなくても定期的な経過観察が必要とされています※1。

女性患者においては皮膚の発疹が現れない人も多いため、「皮膚にブツブツがないからファブリー病ではない」と自己判断するのは避けてください。

「保因者」ではなく「患者」と考える理由

以前は、病気の遺伝子を受け継いだ女性を「保因者」と呼ぶことがありました。しかし女性も年齢とともにほとんどの方が心肥大などの症状を発症するため、ガイドラインでは「女性ヘテロ患者」と呼んでいます※1。

「見た目ではわからない」からこそ生じる辛さと周囲の誤解

外見的な特徴以上に当事者を苦しめるのが、見た目には表れない重篤な症状です。周囲に理解されにくいことが、大きな精神的負担につながります。

手足の激痛や「汗が出ない苦しさ」が周囲に伝わらない理由

ファブリー病の初期から見られる症状に、手足の先が焼けつくように痛む四肢末端痛があります。ガイドラインは、この痛みを患者が感じる症状の中で最も苦痛を伴うものとしています※1。

さらに、汗をうまくかけない低汗症や無汗症を伴う方も多いです。小児慢性特定疾病情報センターも、汗をかきにくいことによる体温の上昇を典型的な症状に挙げています※5。

暑さや運動のときは要注意

汗が出ないことで体温調節ができず、体に熱がこもる「うつ熱」と呼ばれる危険な状態に陥るリスクを抱えています。夏場の外出や体育、部活動の前には、休憩や水分補給の取り方を周囲と共有しておくと安心です。

学校の体育の時間や夏の部活動、職場の屋外作業などで急激な痛みや体調不良を訴えても、外見に異常がないために「怠けている」「仮病ではないか」と誤解される場面が少なくありません。

ガイドラインも、手足の痛みは外から確かめられない症状であるため周囲の理解が得られにくく、精神的な苦労を伴うことが多いとしています※1。健康そうに見えるという事実が、かえって患者を孤立させてしまう要因になります。

見えないところで進行する心臓・腎臓への影響

外見の元気さとは裏腹に、体内では少しずつ臓器への負担が蓄積していきます。

とくに心臓の壁が厚くなる心肥大や、腎臓の働きが落ちて尿タンパクが出る腎機能障害は静かに進行する代表的な症状です。古典型では20歳ごろから尿タンパクが、30歳ごろから心肥大がみられるようになります※1。

心肥大で現れやすい症状や放置したときのリスクを詳しく知りたいときは、心肥大の初期サインや原因、治療を解説した記事が参考になります。

顔色も良く体格もしっかりしているため、一見すると何の問題もないように思えます。

しかし実際には心不全や腎不全のリスクが高まっている場合があり、「見た目に変化がないから安心」とは言い切れない臨床的特徴を持っています。

一般的な湿疹や他の皮膚疾患とどう見分ける?

体に赤いブツブツを見つけたとき、それがアレルギーによるただの湿疹なのか、それとも被角血管腫なのか迷う場面があるかもしれません。自己判断は禁物ですが、目安となるポイントがいくつか存在します。

指で押しても色が消えない?被角血管腫を見分けるポイント

一般的なアレルギー性湿疹や蕁麻疹は強いかゆみを伴い、時間とともに形を変えたり消えたりすることが多いです。

対して被角血管腫は年齢とともに数が増えていくもので、一度現れると自然に消えることは滅多にありません。

かゆみの強い発疹が続き、蕁麻疹かもしれないと感じているときは、治りにくい蕁麻疹の原因や治療法を解説した記事が参考になります。

押したときの色の変化を目安にする方法もあります。透明なガラス板や指で発疹を少し強めに押すと、通常の炎症による赤みであれば一時的に周囲の血流が押し出されて白っぽく退色しますが、被角血管腫の場合は押しても赤紫の色が残りやすいといわれています。

押して確かめる方法は目安にとどめる

押したときの色の変化で被角血管腫を見分けられるかについて、公的な資料で裏づけを確認することはできませんでした。見分けるためというより、受診時に医師へ伝える情報の一つとして使い、判断は医療機関に任せてください。

皮膚症状と一緒にチェックしたい「見逃しやすい初期サイン」

皮膚の見た目だけでなく、同時に起きている体の異変がないかを振り返ることも大切です。

発熱したときやお風呂上がりに手足の先が激しく痛むか。気温が高い場所にいたり運動をしたりしても汗をほとんどかかないか。

あるいは、原因のわからない頻繁な下痢や腹痛といった消化器症状が続いていないか。こうした症状が皮膚の発疹と重なっている場合、通常の皮膚炎とは異なる疾患が隠れているサインとして注意を払う必要があります。ガイドラインも、手足の痛み、汗の異常、下痢・腹痛をファブリー病の症状として挙げています※1。

治験を試すのも一つの方法

病院で直接治療を受ける以外に、治験に参加するというのもひとつの手段です。日本ではファブリー病でお困りの方に向け治験が行われています。

治験ジャパンでも治験協力者を募集しています。例えば過去には東京や神奈川、大阪などの施設で行われた試験もありました。

治験にご参加いただくメリットとして挙げられるのは、主に下記3点です。

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ご自身の健康に向き合うという意味でも、治験という選択肢を検討してみるのも良いでしょう。実施される試験は全て、安全に配慮された状況下で行われます。

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気になる皮膚症状があるときの受診先と相談の流れ

体に消えない赤紫の発疹や気になる症状がある場合、どこに相談すればよいのでしょうか。

まずは発疹を直接診察してもらうため、皮膚科を受診するのが一般的な入り口となります。もし小さなお子さんであれば小児科へ相談してください。

成人の場合で、すでに手足の強い痛みや動悸、息切れといった心機能の異常を伴っているなら、内科や循環器内科、腎臓内科を受診するのも一つの選択肢です。

医師に相談する際は、以下の内容をメモして伝えると診察がスムーズに進みます。

  • いつ頃からその発疹があるのか
  • 指で押したとき色が消えるかどうか
  • 手足の痛みや汗が出にくいといった感覚があるか
  • 家族や親族に心臓や腎臓の病気を持つ人がいるか

家族歴はファブリー病の診断で重要な手がかりとされており、家族の中に手足の痛み、腎臓の病気、心肥大、脳卒中が重なってみられる場合はこの病気が疑われるきっかけになります※1。

診察の結果、より専門的な検査が必要と判断された場合は、大学病院などに設置されているファブリー病専門外来や遺伝診療科、代謝内科といった専門機関を紹介される流れとなります。日本先天代謝異常学会のホームページでは、ファブリー病の精密検査を行う施設を検索できます※1。

受診後にどのような検査を受けるのか、費用の目安も含めて知りたいときは、ファブリー病の検査方法と費用相場を解説した記事が参考になります。

家族の発疹や症状が気になるとき|家族だからこそ気づけるサイン

子どもや配偶者、親の体に赤紫のブツブツを見つけて、「もしかして」と調べている方もいるかもしれません。

ファブリー病は本人が症状をうまく言葉にできなかったり、周りから誤解されたりしやすい病気です。そのため、身近な家族の気づきが受診のきっかけになることがあります。

子どもの「手足が痛い」「汗をかかない」を見過ごさない

古典型では、幼児期から学童期にかけて手足の痛みや汗の出にくさが最初の症状として現れます※1。

ガイドラインは、こうした症状が成長痛と間違われたり、痛みや腹痛で学校に行けない状態が精神的な問題と受け取られたりすることがあるとしています※1。

次のような様子が重なっていないか、普段の生活の中で振り返ってみてください。

  • 手や足の先が「焼けるように痛い」と訴えることがある
  • 暑い日や運動のあとでも汗をほとんどかいていない
  • 下痢や腹痛を繰り返している
  • お腹まわりやお尻、太ももに消えない赤紫のブツブツがある

いずれもガイドラインがファブリー病の症状として挙げているものです※1。

当てはまるものがあれば、いつ頃から、どんな場面で起きたかをメモしておくと、受診したときに医師へ伝えやすくなります。

親族の病歴が診断の手がかりになる

ファブリー病は遺伝する病気のため、家族歴は診断の重要な手がかりとされています。ガイドラインは、家族の中に手足の痛み、腎臓の病気、心肥大、脳卒中が重なってみられる場合は、この病気を疑わせる所見になるとしています※1。

親族に話を聞く機会があれば、次のような人がいないかを確認しておくと受診時に役立ちます。

  • 手足の強い痛みを訴えている(いた)人
  • 尿タンパクを指摘された人や、腎不全・透析治療を受けている人
  • 心肥大を指摘された人
  • 若くして脳梗塞などの脳卒中を起こした人

家族に同じ病気の人がいないまま新たに発症する例も、日本の研究では6.8%あると報告されています※1。親族に思い当たる人がいないからといって、ファブリー病の可能性がないとは言い切れません。

遺伝のしかたと「女性は関係ない」という誤解

ファブリー病は「X連鎖遺伝」という形で受け継がれます。性別を決める染色体のうち、X染色体の上に原因となる遺伝子があるため、親の性別によって子どもへの伝わり方が変わります。ガイドラインが示す遺伝のパターンは次のとおりです※1。

病気を持つ親 息子への影響 娘への影響
父親 発症しない 全員が病気の遺伝子を受け継ぐ
母親 50%の確率で受け継ぎ、発症する 50%の確率で受け継ぐ

病気の遺伝子を受け継いだ女性は、以前は「保因者」と呼ばれることもありましたが、年齢とともにほとんどの方が心肥大などの症状を発症します※1。

一方で、女性は白血球で測る酵素の働きが低下しないことが多く、この検査では見つかりにくいとされています。前の章で見たように、皮膚の発疹が出ないことも多くあります※1。

並べてみると、女性は「見た目」でも「一般的な酵素の検査」でも見つけにくいという点で共通しています。ガイドラインも、女性の多くは家族歴から診断されるとしています※1。

同じ遺伝子の変化を持つ家族どうしでも、症状の重さには差があります。特に女性は、子どもの頃から手足の痛みが出て腎不全に至る方もいれば、60代になって心肥大で気づく方もいます※1。家族の誰かが軽症だからといって、ほかの家族も軽いとは限りません。

検査を受けるかどうかは相談しながら決められる

ファブリー病を確かめるには、血液で酵素の働きを調べる検査や遺伝子の検査が行われます。男性は白血球の酵素の働きが大きく低下するため診断に役立ちますが、女性の場合は遺伝子の検査が必要です。これらの検査は保険が適用されます(衛生検査所で行った場合)※1。

症状がまだない家族が検査を受けるかどうかは、本人の意思で決めることです。ガイドラインでは、症状のない人の診断のために遺伝学的検査を行う場合、遺伝カウンセリングを受け、書面で同意してから検査を行う流れが示されています※1。

遺伝カウンセリングとは、遺伝に関する情報を一方的に伝えるのではなく、本人や家族が内容を理解したうえで自分で決められるよう支える相談の場です。

子どもの検査を考えるとき

遺伝の情報は一生変わらず、血縁者の間で一部を共有しています。未成年の子どもに検査が必要な場合は、親などの同意に加えて、子ども本人にも理解の程度に合わせた説明をし、了解を得ることが望ましいとされています※1。検査の時期や伝え方は、医師や遺伝の専門家と相談しながら決めてください。

家族の症状が気になったときのポイント

手足の痛み、汗の出にくさ、消えない赤紫の発疹が重なっていないかを確認し、親族の病歴とあわせてメモしておきましょう。女性は見た目や一般的な検査で見つけにくいため、家族歴が大きな手がかりになります。気になる点があれば、まずは皮膚科や小児科で相談してください。

ファブリー病の見た目や症状に関するよくある疑問

病気に対する不安から、さまざまな疑問を抱く方も多いはずです。ここでは誤解されやすいポイントを整理してお伝えします。

体にできた赤紫の発疹は人にうつる?

ファブリー病は遺伝子の変化によって起こる病気で、ウイルスや細菌が原因で起こる感染症ではありません※1。そのため、プールや公衆浴場の利用、他者との接触によって発疹や病気そのものが人にうつることはありません。

正しい知識が広まることで、周囲の偏見や無用な孤立を防ぐことができます。

治療を受ければ皮膚の発疹や見た目は消える?

現在行われている治療の柱は、不足している酵素を点滴で補う酵素補充療法や、飲み薬を用いた薬物療法(薬理学的シャペロン療法)です。酵素補充療法は2週間に1回の点滴を続ける必要があります※1。

これらは病気の根本的な進行を抑え、全身の臓器を守ることを主な目的としています。

ただし、ガイドラインは、酵素補充療法で被角血管腫が良くなるという研究報告はなく、国内の治療経験でも改善や進行を抑えられた例はないとしています※1。すでに出来てしまった被角血管腫が、内科的治療だけで消えて元の肌に戻るわけではありません。

どうしても見た目が気になる場合や、衣類に擦れて出血を伴うようなケースでは、炭酸ガスレーザーなどの治療が行われることがあります※2。

治療で何が改善し、何がまだ分かっていないのかを知りたいときは、ファブリー病の治療で期待できることと完治の現状を解説した記事も参考にしてください。

大人になってから急に発疹に気づくこともある?

大人になってから発疹が現れたと感じるケースもあります。子どもの頃から数個程度の目立たない発疹があったものの気に留めておらず、加齢とともに少しずつ数が増え、ある日目視で自覚するパターンです※2。

また、健康診断で心肥大や尿タンパクを指摘され、精密検査を受ける過程で「そういえばお腹に赤いブツブツがある」と改めて皮膚を確認し、見つかる例もあります。

ファブリー病と診断された場合の寿命や日常生活への影響は?

遺伝性の希少疾患と聞くと、将来への強い恐怖や寿命への影響を心配されるかもしれません。かつては治療法が限られていましたが、現在では酵素補充療法と薬理学的シャペロン療法という治療手段があります※1。

ガイドラインは、酵素補充療法で生活の質の維持・改善がみられ、寿命の改善も期待できるとしています(推奨の強さは「弱い推奨」、根拠の強さは4段階で下から2番目のC)。一方で、心臓や腎臓の障害がすでに進んでいると効果が出にくいという報告もあり、早期の診断と治療が重要と位置づけています※1。

心臓や腎臓の機能が大きく損なわれる前に治療を始めることが、日常生活を守るうえで大切になります。

寿命や予後についてさらに詳しく知りたいときは、治療によって変わるファブリー病の寿命と予後を解説した記事もあわせてご覧ください。

ファブリー病の「見た目」において最も明確なサインは、腹部や臀部などに見られる赤紫色の発疹です。

しかし本当に目を向けるべきは、外見からは分かりにくい手足の激痛や発汗の異常、そして静かに進む臓器への影響です。

単なる湿疹と決めつけず、もし複数の体調不良が重なっている場合は、専門の医療機関へ早めに相談することが健康を守る第一歩となります。周囲の理解と適切な医療へのアクセスが、患者さんの生活の質を支える大きな力となります。