肥満とは?特徴や種類について解説

2020年6月23日

肥満は糖尿病や高血圧など、いわゆる生活習慣病のリスクを高めます。肥満気味の方は、早急に改善に努めるべきといえるでしょう。

今回の記事では、肥満とは何か、肥満になるとどうなるのか、また肥満の対処法などについて解説します。
肥満に関する理解を深めたい方は、ぜひご覧ください。

肥満とは?

肥満状態とは

肥満とは、体内に過剰な脂肪がある状態のことを指す言葉です。
一般的には、BMIの数値を基に肥満かどうか判断されます。

BMIとは、Body Mass Indexの頭文字を取った言葉で、手軽に肥満の度合いを調べることができる便利な計算式です。以下のように定義されており、身長と体重から算出できます。

・BMI=体重[㎏]/(身長[m] × 身長[m])

例えば、身長170㎝、体重60㎏の人の場合、BMIは以下のように計算できます。

・BMI=60/(1.7×1.7)≒ 20.76

男女共にBMI=22の状態が標準体型とされおり、25を超えると肥満と診断されます。日本肥満学会が定める肥満度分類では、BMIが18.5未満は低体重、18.5~25が標準体重、25~30が肥満度1、30~35が肥満度2、35~40が肥満度3、40以上が肥満度4と分類されます。

BMIを用いれば手軽に肥満かどうか確かめることができます。
しかし、BMIは単純に体重を身長で割った値のため、体脂肪の割合を計ることはできません。同じ体重60㎏の人の中でも、筋肉質な方もいれば、少し脂肪が多めの方もいます。

BMIが25以下であっても、実際には体脂肪が多く、健康的な状態とはいえない方も少なくありません。このような状態のことを、隠れ肥満と呼びます。
隠れ肥満は見た目からは気付きにくく、知らぬ間に生活習慣病のリスクが高い状態になるので、注意が必要です。

肥満の2つのタイプ

肥満とされる方々の体型は、大きく2つに分類することができます。1つは下半身に脂肪が付くタイプで、洋ナシ型と呼ばれます。もう1つのタイプは、ウエスト周りに脂肪が付くポッコリお腹が特徴で、リンゴ型と呼ばれています。

シルエットの違いは、体に蓄積された種類の異なる脂肪によって生じます。
以下では、リンゴ型と洋ナシ型の特徴と違いについて解説します。

リンゴ型の特徴

リンゴ型とは、お腹周りの脂肪が多い肥満のことで、男性や閉経後の女性によく見られます。
リンゴ型の方は、内臓脂肪が多い状態です。内臓脂肪型肥満といった名称で呼ばれることもあります。

内臓脂肪が過剰な状態になると、生理活性物質であるサイトカインのバランスが乱れ、血圧や血糖値などに影響を及ぼします。生活習慣病のリスクも高まるため、リンゴ型の方は、すぐに対処すべきでしょう。

洋ナシ型の特徴

洋ナシ型はお尻や下半身の脂肪が多い肥満タイプで、女性によく見られます。皮下脂肪の割合が多いことから、皮下脂肪型肥満と呼ばれることもあります。

皮下脂肪が体に与える影響は内臓脂肪と比べると小さいので、洋ナシ型の方は、リンゴ型の方よりも生活習慣病の発症リスクが低いといえるでしょう。
ただし、皮下脂肪は燃焼しにくく、ダイエットは大変です。

肥満になるとどうなる?

肥満になると、生活習慣病の発症リスクが高まります。具体的には、糖尿病、高血圧、脂質異常症といった病を発症する危険性があります。

以下では、これら3つの病と肥満の関係について説明します。

1. 糖尿病

糖尿病とは、細胞がブドウ糖を上手く吸収できずに血液中のブドウ糖の濃度、いわゆる血糖値が高くなる病です。
血糖値が高い状態が続くと、動脈硬化や神経障害などのさまざまな合併症を発症します。無自覚の間に症状が進行していくことが少なくないため、注意が必要です。

血液中のブドウ糖は、インスリンの働きにより細胞内に取り込まれます。肥満の方、とくに内臓脂肪型肥満の方の場合、このインスリンの機能が低下しているため、血糖値が高くなります。

2. 高血圧

高血圧とは、血管にかかる圧力が強くなり、負担がかかる症状のことです。
高血圧になっても自覚症状がない場合が多く、知らぬ間に進行していることが多々あります。高血圧になると、腎臓や心臓の機能低下、脳出血、動脈硬化といった症状が表れることがあるので、放置しておくのは大変危険です。

肥満になると高血圧になる理由には、主に2つのことが考えられます。
1つは、肥満になったことで供給しなければならない血液量が増えたため、もう1つは血管の収縮により血管にかかる負荷が大きくなるためです。

血管の収縮に関しては、とくに内臓脂肪型肥満の方によく見られます。内臓脂肪型肥満の方は、インスリンの機能が低下していることが多く、これにより血管が収縮します。

なぜ肥満になるのか?

肥満の原因

肥満になる原因は、摂取するエネルギーが消費エネルギーを上回り、余分なエネルギーが脂肪として蓄えられることにあります。
肥満になる人は、摂取エネルギーが多いか、もしくは消費エネルギーが少ないといった問題を抱えていると考えられるでしょう。

この2つの問題が生じる4つの原因についてご紹介します。

1. 暴飲暴食

暴飲暴食をするということは、エネルギーを過剰に摂取することを意味します。
毎日適度な運動を心掛けている人でも、過剰な量の食事を摂っていると十分にエネルギーを消費できずに、余分なエネルギーが脂肪となって体に蓄えられてしまいます。

脂っこい食事、甘い物、アルコールなどを頻繁に摂取していると、肥満になるので要注意です。また、不規則な食事習慣も肥満の原因になるので、注意しましょう。

2. 基礎代謝の低下

呼吸や心臓の鼓動、腸の活動といった生命維持に必要な最低限のエネルギーのことを、基礎代謝と呼びます。人の場合は、1日で平均1200kcalのエネルギーが基礎代謝で消費されているといわれています。

基礎代謝の消費エネルギーは人によっても異なります。また、運動不足や老化が基礎代謝の低下を招く場合もあるため、注意が必要です。
最近お腹周りが気になるという方は、基礎代謝が低下しているかもしれません。早めに自身の生活を見直すべきでしょう。

3. 便秘の慢性化

便秘が慢性化することで肥満になることもあります。
お腹の中に長時間便が留まると、再吸収が行われ、必要以上に糖分や脂肪分が吸収されます。これにより肥満が進行するのです。

また、宿便自体も肥満の原因の1つです。多い人では5㎏ほどの宿便が腸内に貯まるといわれています。

4. ホルモンや自律神経の乱れ

ホルモンや自律神経の乱れにより肥満が進行することもあります。
ホルモンや自律神経のバランスが崩れる原因はさまざまですが、代表的なのがストレスです。

強いストレスの発散方法として暴飲暴食する習慣がついた結果、肥満を引き起こす場合があります。

また、強いストレスによって消化機能が影響を受け、必要以上にカロリーを吸収するような体質になってしまうケースもあるでしょう。

肥満の対処

肥満に対処するためには、運動をして消費エネルギーを増やす、食事を改善して摂取エネルギーを適度に抑えるの2つを実行するとよいでしょう。
以下では、肥満を改善するための運動と食事のポイントをご紹介します。

運動の習慣をつける

肥満を改善するためには、日々の運動習慣が大切です。
ウォーキングやジョギング、ジムやスポーツクラブに参加するなどの運動習慣をつけるとよいでしょう。

また、日常生活の中で体を動かすこともおすすめです。
例えば、エレベーターを使わずに階段を利用する、近くのスーパーまでは車を使わずに徒歩で行くといったことを、毎日の生活の中で心掛けるとよいでしょう。小さな変化ですが、コツコツ積み上げていくことで、肥満の解消につながります。

毎日の食事を改める

毎日の食事を改めることでも肥満は改善されます。
「食事のカロリーをチェックする」、「食事のバランスに気を配る」、「食事時間を規則正しくする」といった点を心掛けるとよいでしょう。

食事時間や頻度に関しては、朝、昼、晩の3食に分けて毎日同じような時間にするのがおすすめです。
極端に食事回数を減らしたり、時間外の間食したりといった習慣は、体にとってよくありません。

肥満の治験とは?

肥満は見た目だけからでは分からないこともあります。心配な場合は、病院で医師に相談しましょう。
また、治験を利用するというのも一つの手段です。専門医による診察とアドバイスが受けられるほか、治験協力費として謝礼が出ます。

ただし、治験ではまだ認可されていない治療が行われるため、リスクもあります。しっかり理解したうえで登録しましょう。

肥満気味の方は少しずつ改善しよう

肥満になるとどのような危険があるのか、肥満の原因、肥満への対処法などについて解説しました。
肥満を放置しておくと、糖尿病や高血圧の発症リスクが高くなるため、決して甘くみてはいけません。自身の健康のためにも、肥満気味な方は少しずつ改善に取り組むべきです。

肥満が気になってきたら、まずは食事と運動を見直しましょう。小さなことから習慣づけて、少しずつ改善に努めてください。

ここで解決!治験に関するFAQ

治験とはなんですか?
治験とは、『医薬品の製造販売承認申請の際に提出すべき資料のうち臨床試験の試験成績に関する資料の収集を目的とする試験の実施』、つまり、「国から薬としての販売承認を受けるために行う臨床試験」のことです。
治験ボランティアはアルバイト/バイトなのですか?
法的にはアルバイト/バイトではありません。治験ボランティア参加は負担軽減費(謝礼金)の支給がありますが、時間的拘束や、交通費などの負担を軽減する目的でお支払いするもので、治験協力費ともよばれます。
治験って安全ですか?副作用はありませんか?
治験薬は事前に生体への安全性を確認し、問題ないと予想されるものだけが使用され、治験実施についても、国の基準に沿い、参加者の方の安全に配慮した綿密な治験実施計画書に基づいて慎重に進められています。
健康被害が生じた場合は?
治験薬の副作用などにより、何らかの健康被害が生じた場合には、治験薬との因果関係が否定できない場合に限り、治験依頼者(製薬メーカー)から補償を受けることができます。補償の扱いは治験により異なりますので、それぞれの治験説明の際、医師や治験コーディネーターが詳しくお話しします。
都合のいい日程で参加ができますか?
治験の日程は予め決められております。決められた期間内での選択できる場合は、その日程内で調整していただきます。