糖尿病とは?症状からチェックまでご紹介

2020年6月16日

糖尿病は国が定める重要疾患のひとつです。

ここでは糖尿病について、その症状や原因、糖尿病になりやすい年齢や生活パターンはどんなものか、糖尿病リスクが高いかどうかを知るためのチェック項目、糖尿病の治療方法など、幅広い情報をお届けします。

糖尿病の症状と原因は?

糖尿病の主な症状と原因

まずは糖尿病の症状と原因についてご説明しましょう。

糖尿病には1型糖尿病と2型糖尿病とがありますが、近年も患者が増え続けており、糖尿病全体の9割以上を占めているのが2型糖尿病です。今回の記事においては糖尿病=2型糖尿病として解説していきます。

糖尿病の症状

糖尿病は初期の段階では目立つ症状が出てこないため、非常に早期発見が難しいという側面があります。

糖尿病が多少進行してくると、以下のような症状が出てきます。

糖尿病の進行による症状例

のどが異様に渇く

食欲が異常なほど旺盛になる

食欲が増して以前より食べているにもかかわらず体重が増えないどころか減少する

体が以前より疲れやすくなる

食後の眠気が以前よりひどくなる

排尿回数が増える

目がかすむ

足の冷えやむくみが以前よりひどくなる

足のしびれが起こりやすくなる

足がつる、こむら返りが起こる頻度が以前より多くなる

足の皮膚が以前より乾燥する、ひび割れる

皮膚や外陰部にかゆみを感じることが以前より多くなる

皮膚の傷の治りが遅くなる

糖尿病はこうした自覚症状が出た時点で、初期ではなく、ある程度進行してしまっている可能性が非常に高いといえるでしょう。

さらに重症化してくると、以下のような症状も起こってきます。

重症化した糖尿病による症状例

糖尿病神経障害による手足の感覚などの異常

糖尿病網膜症による視力の低下や失明

糖尿病腎症による腎機能の低下や腎不全

糖尿病によって動脈硬化のリスクも高くなるため、心筋梗塞や脳梗塞を引き起こす恐れもあります。

糖尿病は初期段階ではほとんど自分で気付ける機会がなく、ある程度進行した段階であっても「のどが渇く」「疲れやすくなる」など、ちょっとした体調の変化のみであれば、患者本人も見過ごしがちな病気です。

しかし、こうしたちょっとしたサインを見逃してしまい重症化すると、取り返しがつかないレベルの症状が出てしまうリスクが高いという点が、糖尿病の非常にやっかいなところといえるでしょう。

糖尿病は今や国民病のひとつと呼ばれるほどに患者数が増えている病気です。誰がいつ糖尿病になってもおかしくない、ということを理解しておきましょう。

重症化する前に治療が開始できるよう、上記の症状に思い当たるものが少しでもあれば、医師に診てもらうことを強くおすすめします。

糖尿病になる原因

糖尿病になる原因として挙げられるのは、遺伝的要素および生活習慣の乱れです。

これらの原因によってインスリンの出や効きが悪くなり、それが血糖値の上昇につながります。

とくに生活習慣の乱れによる影響は大きいため、「日々の生活をどうおくるか」という点をしっかりと考えていく必要があります。

糖尿病になりやすい人はどんな人?糖尿病リスクのセルフチェック

糖尿病になりやすい人とはどんな年齢の人で、どんな生活パターンの人なのか、自分の糖尿病リスクはどのくらい高いのか、それらについて知っておきましょう。

糖尿病にかかりやすい年齢と生活パターン

令和2年1月14日に厚生労働省より発表された「平成30年 国民健康・栄養調査」の結果によると、糖尿病にかかりやすい年齢は40歳以上といわれています。

糖尿病が強く疑われる人の割合は、年齢階級別・男女別に見ると以下のとおりに示すことができます。

年齢階級 男性 女性
20~29歳 0.0% 0.0%
30~39歳 1.0% 0.5%
40~49歳 6.8% 3.5%
50~59歳 18.6% 4.7%
60~69歳 24.8% 12.8%
70歳以上 24.6% 15.7%

こうして見ると、男女ともに40歳以上になると糖尿病が強く疑われる人の割合がぐっと増えていることがわかります。[注1]

糖尿病にかかりやすい生活パターンとしては、暴飲暴食、運動不足、睡眠不足など生活習慣・生活サイクルの乱れが挙げられます。規則正しい健康的な生活、という生活パターンから外れてしまうと、糖尿病のリスクが高まってしまうということです。

[注1]厚生労働省:平成30年 国民健康・栄養調査結果の概要 [pdf]

https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000615383.pdf

糖尿病リスクの高さを知るためのチェック項目

今のところ自覚症状がまったくない人でも、糖尿病のリスクはあります。

下記のチェック項目に当てはまるものを確認してみてください。

*肥満もしくは肥満に近い体型である
*家族に糖尿病患者がいる
*ほとんど運動をしていない
*いつも食べすぎてしまう
*飲酒量が人より多い
*多大なストレスを日々感じている
*睡眠時間が1日6時間未満である
*6時間以上の睡眠をとっていても、寝つきが悪い、途中で目が覚めるなどの問題がある

これらの項目に当てはまる数が多いほど、糖尿病のリスクが高いと考えられます。

「家族に糖尿病患者がいる」という項目は個人の努力では変えられませんが、運動習慣や睡眠時間、飲酒量・食事量などの項目については自身の努力で改善が可能です。

今のところ自覚症状がまったくないとしても、当てはまる項目があれば可能なかぎり改善を目指していきましょう。

糖尿病の治療方法とは

糖尿病の3つの治療法

糖尿病の治療方法についてご説明する前に、まず糖尿病の治療について知っておかなければいけないことがあります。糖尿病の治療は「完治」を目指すものではない、という点です。

糖尿病治療によって血糖値の状態を改善すること自体は可能ですが、血糖値状態の改善が、糖尿病の完治ということではありません。血糖値の状態が改善したからといって油断すると、また血糖値は上昇してしまいます。

つまり、血糖値が上昇しやすい体質を根本から治すということはできないということです。

糖尿病治療は血糖値を正常範囲、あるいはできるだけ正常範囲に近い状態を維持し続ける=血糖値をコントロールし続けるための治療、というスタンスで行われます。
なかでも糖尿病治療には「治療の三本柱」と呼ばれるものが存在します。

*食事療法
*運動療法
*薬物療法

まず始めに行われるのが食事療法と運動療法で、医師の指導のもと、食事と運動に関する生活習慣の改善をしていきます。

食事療法と運動療法を実施してもそれだけでは血糖値が目標値に達しない場合は、薬物療法が行われます。薬物療法は、血糖値降下の作用を持つ内服薬が処方されるのが一般的ですが、場合によってはインスリン注射が使われることもあります。

ちなみに、薬物療法が必要になった場合も、食事療法と運動療法は継続する必要があります。

「糖尿病の症状への対処は薬におまかせ」といった考え方では治療の効果が得づらく、長い人生における血糖コントロールが難しくなってしまうのです。

糖尿病治療を受けながら報酬がもらえる方法とは

糖尿病は非常に患者数が多い病気、そして一度糖尿病になってしまったらずっと血糖コントロールを継続していかなければならない病気です。現在よりもさらによい治療が望まれています。

糖尿病の薬物治療として使うための新薬の開発なども進められており、その新薬の効果を試すための治験もたびたび実施されています。

新薬の治験への参加をおすすめする理由としては、新しい薬の効果をいち早く試せること、治験参加期間中はそれまで処方されていた薬がいったんストップするため費用がかからないこと、さらに治験協力費がでることがあげられます。

治療が思うように進まない、治療費がかさむといった問題は糖尿病患者に共通する悩みといえます。新たな治療を試すことができるうえ、モニターとして社会の役に立つ治験について興味を持つ人もいるでしょう。
ただし、治験にはリスクがつきものです。必ず主治医と相談したうえで、慎重に検討するようにしてください。

糖尿病は完治しない病気だからこそ早期発見と適切な治療が大切

糖尿病は、一度なってしまうと完治しません。糖尿病の治療は血糖コントロールをし続けるということであり、一生をかけた長期戦となります。

治療の負担を少なくするためには、早期発見が要といえるでしょう。日々の生活習慣に気をつけ、わずかな自覚症状であっても見逃さずに診察を受け、治療につなげることが大切です。

治療が思うように進まない、治療費がかさむといった悩みをもつ糖尿病患者は少なくないでしょう。新薬の治験について興味がある人は、必ず主治医と相談し、検討してみてください。

ここで解決!治験に関するFAQ

治験とはなんですか?
治験とは、『医薬品の製造販売承認申請の際に提出すべき資料のうち臨床試験の試験成績に関する資料の収集を目的とする試験の実施』、つまり、「国から薬としての販売承認を受けるために行う臨床試験」のことです。
治験ボランティアはアルバイト/バイトなのですか?
法的にはアルバイト/バイトではありません。治験ボランティア参加は負担軽減費(謝礼金)の支給がありますが、時間的拘束や、交通費などの負担を軽減する目的でお支払いするもので、治験協力費ともよばれます。
治験って安全ですか?副作用はありませんか?
治験薬は事前に生体への安全性を確認し、問題ないと予想されるものだけが使用され、治験実施についても、国の基準に沿い、参加者の方の安全に配慮した綿密な治験実施計画書に基づいて慎重に進められています。
健康被害が生じた場合は?
治験薬の副作用などにより、何らかの健康被害が生じた場合には、治験薬との因果関係が否定できない場合に限り、治験依頼者(製薬メーカー)から補償を受けることができます。補償の扱いは治験により異なりますので、それぞれの治験説明の際、医師や治験コーディネーターが詳しくお話しします。
都合のいい日程で参加ができますか?
治験の日程は予め決められております。決められた期間内での選択できる場合は、その日程内で調整していただきます。