ぜんそくとは?症状からチェックまでご紹介

2020年6月16日

風邪をひいてなかなか咳が止まらない人や、子どもがよく咳をするので気になるという人は、一度ぜんそくを疑ってみましょう。

ぜんそくの治療は時間がかかるといわれていますが、さまざまな薬によって改善することが可能です。

今回は、ぜんそくの主な症状と原因、かかりやすい年齢・生活パターンとセルフチェック項目などについてご説明します。

あわせて、ぜんそくの治療方法と治験についても触れていきますので、ぜひ参考にしてください。

ぜんそくとは?

ぜんそくの主な症状と原因

ここでは、ぜんそくの主な症状と原因について解説します。

ぜんそくの症状

ぜんそくの主な症状

呼吸が苦しくなるほどの激しい咳やたんが出る
 ※たんがでない空咳の症状もよくある

呼吸時にゼーゼー、ヒューヒューという音が出る

軽い風邪をひいたときに出るコンコンという咳と比べると、呼吸がより苦しいと感じるでしょう。よくに発作時は、呼吸するときにゼーゼー、ヒューヒューといった喘鳴(ぜんめい)が起こりやすくなります。

また近年は喘鳴がなく、咳だけの症状が出る咳ぜんそくも増加傾向にあります。

上記以外にも、
● 胸の痛み
● 背中の張り
● 走ったあと・運動したあとの動悸や息切れが普段より激しい
などの症状が出ることもあります。

ぜんそくになる原因

ぜんそくの原因は気道の炎症です。炎症を起こした気道は非常に敏感になるため、わずかな刺激でもぜんそくの発作が出やすくなります。

炎症を引き起こす原因は、アレルゲン由来のものとそれ以外とに分けることができます。

要因
アレルゲン由来 ダニ・ハウスダスト・花粉・ペットの毛やフケ・真菌(カビ)・食べ物など
それ以外の要因 運動・たばこ・過労やストレス・風邪などの感染症・大気汚染・天候や気温の変化・解熱剤や鎮痛剤などの薬・香水のにおいなど

子どものぜんそくの大半はアレルゲンが原因となることが多いのですが、大人になってからぜんそくを発症すると、ぜんそくを誘発した原因が特定できないケースが少なくありません。

ただし、風邪などの感染症によって咳やたん、呼吸困難などの症状が長引いてぜんそくを発症したのであれば、主原因は感染症である可能性が高いでしょう。

ぜんそくに移行しやすい感染症の例としては、百日咳・マイコプラズマ肺炎・結核・急性気管支炎・アトピー性咳嗽(がいそう)などがあげられます。

ぜんそくかと思ったら?

風邪をひきやすい方や小さなお子さんがいる方などはとくに、ぜんそくを心配されるでしょう。

ここでは、ぜんそくにかかりやすい年齢と生活パターン、ぜんそくのセルフチェック項目についてご説明していきます。

ぜんそくにかかりやすい年齢と生活パターン

ぜんそくにかかりやすい年齢は子どもと大人とで大きく異なります。
子どもがかかる小児ぜんそくの場合、その8割~9割は6歳までに発症するとされています。とくに発症しやすいピーク年齢は1~2歳です。
大人のぜんそくの場合、小児ぜんそくほどピーク年齢が集中していません。基本的には高齢になればなるほど患者数は増えていく傾向にあります。
なお、小児ぜんそくの経験のない人でもぜんそくを発症する可能性はあります。とくにアレルギー体質の人は注意が必要です。

生活パターンによってもぜんそくのリスクは高くなると考えられています。
不規則な生活やストレスなどで免疫機能が正常に働いていない状態の人や、換気が少ない密閉空間で長時間仕事をしている人は、ぜんそくのリスクが高いといわれています。大気汚染などが心配される環境で過ごす方も要注意です。

また、ハウスダスト・動物・食べ物といった身近なアレルゲンもぜんそくの要因となります。
とくに子どものぜんそくはアレルギー由来のものが少なくありません。ぜんそく症状を予防・軽減するためには、適切な環境を整えることが大切です。

そのほか、たばこや香水のにおいなどもぜんそくのリスクを高めるため、喫煙習慣がある人、香水をよく使う人などは注意してください

もしかしてぜんそく?と思った時のチェック方法

ここではぜんそくのセルフチェック項目をご紹介します。気になる方はぜひ実際にチェックしてみてください。

・ぜんそくセルフチェック項目

・呼吸音が、ゼーゼー・ヒューヒューという感じになっているときがある

・咳が出る症状がかなり長引いている

・咳止めの薬を何日か服用しても効果が感じられない

・夜中や明け方に咳き込むことや息苦しくなることが多い

・寝ている時も息苦しさや咳で目が覚めてしまうことが多い

・運動をすると咳き込むことや息苦しくなることが多い

・たばこの煙や線香の煙などを吸い込むと咳き込んでしまう

・ちょっとホコリを吸っただけでも咳き込んでしまうことが多い

・座った時に、気がつくと前かがみの姿勢で呼吸している

・咳だけでなくたんも出ることが多い

・台風時など気圧の変化が大きい時に息苦しさを感じることが多い

・会話時に息苦しさを感じることがある

・歌おうと思っても歌の息が以前のように続かなく息苦しい

・唇の色が紫っぽくなることがある

上記の症状に当てはまる数が多ければ多いほど、ぜんそくである可能性は高いと考えられます。複数の項目が当てはまる場合には早めの受診をおすすめします。

なお、チェック項目の最初にあげたゼーゼー・ヒューヒューという呼吸音=喘鳴(ぜんめい)は、ぜんそくの症状のなかでも特徴的な症状です。
喘鳴の症状がある人はぜんそくの可能性が高いと考えられますので、医師の診察を受けることを強くおすすめします。

ぜんそくの治療方法とは

2種類のぜんそく治療薬

ぜんそくの治療は基本的に手術などではなく、薬を使って行われます。
治療に使われる薬は、主に以下の2種類に分けられます。

*起こってしまった発作を素早く鎮めるための発作治療薬
*ぜんそく発作の症状が起こらないよう日々のコントロールをするための長期管理薬

発作治療薬としてもっともよく使われるのは、即効性の高い短時間作用型β2刺激薬(吸入薬)です。
ほかにも経口投与できるテオフィリンなどが使われますが、副作用が強く出るといわれているため、服用には注意が必要です。
また、副作用が少なく安全性が高い吸入薬である抗コリン薬や、静脈注射として用いる気管支拡張剤のアミノフィリンは緩やかな効果が期待できます。

長期管理薬としてもっともよく使われるのは、吸入ステロイドです。効果があらわれるまで数日かかるものの、強力な抗炎症作用を持ち、副作用リスクが少ないというメリットがあります。
また、抗IgE抗体(皮下注射)なども長期管理薬として使われる薬です。アレルギーによるぜんそくに効果的といわれています。
そのほか、気管支拡張作用を持つ吸入薬である長時間作用性β2刺激薬や、吸入ステロイドと長時間作用性β2刺激薬の両方を配合した吸入剤、抗炎症作用と気管支拡張作用の両方を持ち、経口投与ができるロイコトリエン受容体拮抗薬やテオフィリン徐放製剤など、さまざまな薬が治療に使われています。

ぜんそく治療を受けながら報酬がもらえる方法とは

ぜんそくは完治が難しい病気といわれています。治療が長期化すればそのぶん、金銭面・精神面で負担を感じる人も少なくないでしょう。

そこで検討してみていただきたいのが、ぜんそく治療に関する治験の参加です。
参加が認められた場合には、新しいぜんそく治療を試せるうえ、協力費として報酬がもらえます。

治験の多くは新薬開発のために行われるものです。従来のぜんそく治療薬よりも効果的な薬が投与してもらえる可能性もあるでしょう。

ぜんそく治療が思ったように進まない人や、治療費の負担が大きいと感じる人は、ぜひ検討してみてください。
ただし治験は身体的なリスクをともないます。必ず主治医と相談のうえで申し込んでください。

ぜんそく治療は根気が必要

ぜんそくは完治が難しい病気といわれており、治療には根気が必要です。

ぜんそくは子どもと大人でもかかりやすい年齢が異なります。小児ぜんそくの大半が6歳前後までに発症するのに対し、大人のぜんそくは加齢にともなって患者数が増加する傾向があります。

また、小児ぜんそくはアレルゲンが原因となっているケースが多く、大人のぜんそくの場合はその原因が多岐にわたるため、特定が難しいといえるでしょう。
大人になってから過労やストレス、アレルゲンなどの要因によってぜんそくを発症することもありますので、注意が必要です。

ぜんそくの治療は吸入薬や経口薬、皮下注射などの薬を使った投薬治療が一般的です。発作治療薬として用いられる短時間作用型β2刺激薬、長期管理薬のステロイド吸入薬をはじめとして、さまざまな薬が用いられます。

ぜんそく治療は長引くことが多く、金銭面・心身面の負担を感じる人も少なくありません。
ぜんそく治療に関する治験に参加すれば、新しい薬の効果を試せるだけでなく、治験協力費として報酬までもらえるというメリットがあります。治療費が気になる人や治療がうまくいかない人は、主治医と相談のうえ治験への参加を検討してみることをおすすめします。

ここで解決!治験に関するFAQ

治験とはなんですか?
治験とは、『医薬品の製造販売承認申請の際に提出すべき資料のうち臨床試験の試験成績に関する資料の収集を目的とする試験の実施』、つまり、「国から薬としての販売承認を受けるために行う臨床試験」のことです。
治験ボランティアはアルバイト/バイトなのですか?
法的にはアルバイト/バイトではありません。治験ボランティア参加は負担軽減費(謝礼金)の支給がありますが、時間的拘束や、交通費などの負担を軽減する目的でお支払いするもので、治験協力費ともよばれます。
治験って安全ですか?副作用はありませんか?
治験薬は事前に生体への安全性を確認し、問題ないと予想されるものだけが使用され、治験実施についても、国の基準に沿い、参加者の方の安全に配慮した綿密な治験実施計画書に基づいて慎重に進められています。
健康被害が生じた場合は?
治験薬の副作用などにより、何らかの健康被害が生じた場合には、治験薬との因果関係が否定できない場合に限り、治験依頼者(製薬メーカー)から補償を受けることができます。補償の扱いは治験により異なりますので、それぞれの治験説明の際、医師や治験コーディネーターが詳しくお話しします。
都合のいい日程で参加ができますか?
治験の日程は予め決められております。決められた期間内での選択できる場合は、その日程内で調整していただきます。