爪水虫・爪白癬症は水虫と同じカビが引き起こす病気
爪水虫・爪白癬症の症状は見た目にしか現れない
爪水虫・爪白癬症の原因は白癬菌というカビ
爪水虫・爪白癬症を予防する方法は水虫にならないこと
爪水虫・爪白癬症は市販の水虫薬で治療できる?
爪水虫・爪白癬症は顕微鏡で検査を行う
爪水虫・爪白癬症の治療法は2パターンある
治験への参加はより良い爪水虫・爪白癬症の薬の開発につながる
水虫を予防して爪水虫・爪白癬症になるのを防ぎましょう
爪水虫・爪白癬症は足の爪の色が変色してしまう皮膚疾患の一つです。足の爪が黄色や白に濁っているのであれば、爪水虫・爪白癬症の可能性が考えられます。
今回は爪水虫・爪白癬症の症状や原因、予防方法などについて解説します。爪水虫・爪白癬症になると見た目が悪くなってしまうだけではなく、様々な問題が起きてしまいますので、まずはご自身が爪水虫・爪白癬症ではないかチェックしてみましょう。
爪水虫・爪白癬症は水虫と同じカビが引き起こす病気
爪水虫・爪白癬症とは爪の色が濁りのある黄色や白に変色してしまう病気のことです。日本では5人に1人が爪水虫・爪白癬症になっているといわれており、再発しやすい病気でもあります。
爪水虫・爪白癬症は水虫の一種です。水虫は足の皮膚にできるものと考えている方も多いかもしれませんが、水虫は感染症ですから、足に限らず角質層のある皮膚には起きてしまう病気とされています。爪も皮膚の一部で角質層があるため、感染してしまうと爪水虫・爪白癬症になってしまうのです。
爪水虫・爪白癬症は白癬菌というカビが爪に侵入して起こる感染症です。皮膚にできる水虫のようにジュクジュクしてしまうことはありません。痛みを感じるなどという症状も出ないのですが、周囲の人に感染してしまう病気ですので、適切な治療を行う必要があります。
爪水虫・爪白癬症の症状は見た目にしか現れない
爪水虫・爪白癬症を発症してしまうと、爪の色が黄色や白に変色したり、爪が分厚くなったり、爪の形が変わってしまうなどの症状が起きます。
日本には1000万人以上の爪水虫・爪白癬症の患者さんがいるといわれていますが、中でも一番多いのが遠位爪下型といわれる症状です。遠位爪下型になると爪の先端が黄色く変色してしまい、爪が分厚くなったりもろくなったりします。
またそれ以外には爪の先端がくさび形に濁るケースや、爪の表面全体が白くなる表在型、爪の付け根部分のみが濁ってしまう混濁型という症状もあります。
足の水虫の場合、感染してしまうと皮膚がジュクジュクしてしまうというのが特徴の一つです。しかし爪水虫・爪白癬症の場合は、そういった症状はありません。症状はあくまで見た目の変化です。痛みやかゆみなどを感じることもないため、見た目で判断する必要があります。
爪水虫・爪白癬症の原因は白癬菌というカビ
爪水虫・爪白癬症が起きてしまう原因は、白癬菌というカビの一種です。爪水虫・爪白癬症を発症してしまう理由を解説しましょう。
白癬菌は皮膚や爪のケラチンを養分に繁殖する
白癬菌は皮膚や爪の中にあるケラチンという成分を栄養として繁殖します。ただ、白癬菌が爪に付着したからといって、必ずしも爪水虫・爪白癬症になるわけではありません。付着した角質層が繁殖しやすい条件にあった場合、爪水虫・爪白癬症になってしまうのです。
爪水虫・爪白癬症に感染してしまう多くの人は、足に水虫を持っています。白癬菌が足の皮膚で繁殖してしまった結果、爪にも繁殖するようになるのです。
白癬菌は皮膚や爪に付着して最短24時間で感染してしまうといわれています。また足に傷があったりした場合は、感染がさらに早まることもあるようです。
白癬菌が爪に感染すると水虫を再発しやすくなる
爪水虫・爪白癬症も水虫も治療しても再発しやすい感染症です。水虫の治療をしている間に爪水虫・爪白癬症の症状が出ても、見た目以外に変化のない爪水虫・爪白癬症は放置されやすい傾向にあります。
しかしそのまま放置しておくと、白癬菌がまた足の皮膚で繁殖してしまい水虫をぶり返してしまう可能性が高いです。爪水虫・爪白癬症になった時は、足の水虫と同時に治療しなければ、いつまでたっても感染を繰り返してしまいます。
爪水虫・爪白癬症を予防する方法は水虫にならないこと
爪水虫・爪白癬症の多くは、足の水虫から白癬菌が侵入して起こってしまいます。そのため爪水虫・爪白癬症を予防する最大の方法は、足の水虫を予防することです。水虫を予防するために気をつけたいことを3つご紹介しましょう。
1. 銭湯やプールを利用した後は足を綺麗に洗う
白癬菌は私たちの身の回りの様々なところに潜んでいます。外部から白癬菌に感染してしまう場所は、銭湯やプールなどです。公共の場である銭湯やプールを利用した後は足を綺麗に洗う習慣をつけましょう。
2. 靴の中を清潔な状態に保つ
靴下や靴を履いている足は蒸れて高温多湿になりやすく、白癬菌が繁殖しやすい環境にあります。靴下と靴を履くのが一般的で、素足で過ごす時間が減っている現代は、白癬菌が感染しやすい環境になっているといえるでしょう。
1日靴や靴下を履き続けた場合も、1日の終わりに足の清潔を保ちましょう。靴の中は白癬菌以外の雑菌の温床にもなりやすい場所です。抗菌や殺菌を心がけ、靴自体も清潔な状態に保つことをおすすめします。
3. バスマットはこまめに洗濯する
家庭内では、バスマットをこまめに洗濯し、清潔に保つようにしましょう。高温多湿のお風呂場にあるバスマットは白癬菌の温床になりやすいです。家族が爪水虫・爪白癬症や水虫を持っている場合、バスマットを介して感染してしまうことがあります。
水虫のリスクは家族に水虫患者がいる場合が一番高いです。日本皮膚学会の調べでは、靴を8時間以上履いている人の水虫感染リスクの寄与度が1.43なのに対し、家族に感染者がいる場合は22.27となっています。家族に水虫を感染させないためにも、バスマットは頻繁に洗濯・乾燥させるようにしてください。
爪水虫・爪白癬症は市販の水虫薬で治療できる?
足の水虫になってしまったことがある方の中には、市販の水虫薬で治療した経験がある方もいることでしょう。しかし爪水虫・爪白癬症の場合、市販の水虫薬で治療することはできません。
これは市販の水虫薬の成分が爪に浸透しないからです。市販の水虫薬にはブテナフィン・テルビナフィン・アモロルフィン・ラノコナゾールなどの有効成分が配合されています。これらの成分は、足の皮膚の角質層には効果を発揮するのですが、皮膚よりもかなり硬い爪の角質層には届かないのです。
そのため爪水虫・爪白癬症になってしまった場合は、病院での治療が必要となります。見た目の症状しかないからといって放っておけば、足の水虫が再発する可能性が高いです。爪水虫・爪白癬症になったら速やかに病院にかかりましょう。
爪水虫・爪白癬症は顕微鏡で検査を行う
爪水虫・爪白癬症の症状は爪の変色、変形や爪がもろくなるといったものです。しかしこれらの症状が出たからといって、必ず爪水虫・爪白癬症であるとは限りません。
爪水虫・爪白癬症の疑いがあって病院に行くと、顕微鏡を使って爪の角質層を検査します。この時に白癬菌が見つかった場合のみ、爪水虫・爪白癬症と診断されるのです。同じような症状が出ている場合でも、白癬菌がなければ他の原因があります。
爪水虫・爪白癬症の治療法は2パターンある
爪水虫・爪白癬症の治療は飲み薬によって行われてきました。しかし最近では塗り薬による治療も可能になってきています。それぞれどんな治療法を行うのか見ていきましょう。
飲み薬による治療が一般的
新しく塗り薬での治療法ができたとはいえ、現在も爪水虫・爪白癬症の治療方法として一般的なのは飲み薬による治療です。飲み薬による治療は、治療を開始してから完治まで約1年の期間が必要だと言われています。
現在爪水虫・爪白癬症に効果的な薬として使われているのは、イトリゾールという薬です。この薬は完治率が91.5%と高いのですが、1週間内服して3週間休む治療というバルス治療を行います。
もう1つよく処方されるのがラミシールという薬です。ラシミールは毎日服用して半年間飲み続けます。イトリゾールより短い期間の治療なのですが、完治率は75%です。
爪水虫・爪白癬症の飲み薬には副作用として肝機能障害があります。このため治療中は定期的に検査を行い、肝機能障害が悪化していないかを調べなくてはなりません。
また爪水虫・爪白癬症の治療薬は併用できない薬の種類も多いです。すでになんらかの薬を服用している場合や、爪水虫・爪白癬症の治療中に他の薬を服用する場合は、必ず医師に相談しましょう。
爪水虫・爪白癬症の治療はすでに生えている爪を治す治療ではありません。飲み薬を飲むことによって、新しく生える爪を感染しないようにするものです。2~3ヵ月で1ミリほどしか治すことができませんので、爪水虫・爪白癬症の疑いがあればできるだけ早く治療を開始しましょう。
飲み薬が服用できない場合塗り薬が処方される
爪水虫・爪白癬症の治療薬には肝機能障害の副作用があるため、すでに肝機能障害がある場合は飲み薬を服用できません。この場合は、塗り薬が処方されます。
塗り薬の場合も完治までには1年近くがかかると言われています。毎日爪全体に薬を塗ることになるのですが、根気強く続けても完治率は15%とまだ低いのが現状です。また薬の値段も飲み薬と比べると高くなります。肝機能障害があってやむを得ない場合以外は、飲み薬での治療が確実です。
治験への参加はより良い爪水虫・爪白癬症の薬の開発につながる
爪水虫・爪白癬症の薬はまだまだ改善の余地が多い薬です。特に肝機能障害を患っている人にとっては、塗り薬での完治率が15%しかないのは問題の一つと言えるでしょう。
そこで爪水虫・爪白癬症に効果のある治療薬の開発が勧められています。治療薬の開発にあたり求められるのが治験モニターです。治験モニターには条件がありますが、条件を満たしていれば誰でも参加できます。治験モニターになることは、今症状を抱えている多くの患者さんを救うことになるのです。
水虫を予防して爪水虫・爪白癬症になるのを防ぎましょう
爪水虫・爪白癬症は痛みやかゆみなどの症状はありませんが、水虫を再発させたり、家族に感染させたりという弊害があります。爪水虫・爪白癬症にならないためには、まず水虫にならないことが大切です。日頃から足を清潔な状態にしておくことを心がけておきましょう。
もし爪水虫・爪白癬症になったら放置しないですぐに治療することをおすすめします。
ここで解決!治験に関するFAQ
- 治験とはなんですか?
- 治験とは、『医薬品の製造販売承認申請の際に提出すべき資料のうち臨床試験の試験成績に関する資料の収集を目的とする試験の実施』、つまり、「国から薬としての販売承認を受けるために行う臨床試験」のことです。
- 治験ボランティアはアルバイト/バイトなのですか?
- 法的にはアルバイト/バイトではありません。治験ボランティア参加は負担軽減費(謝礼金)の支給がありますが、時間的拘束や、交通費などの負担を軽減する目的でお支払いするもので、治験協力費ともよばれます。
- 治験って安全ですか?副作用はありませんか?
- 治験薬は事前に生体への安全性を確認し、問題ないと予想されるものだけが使用され、治験実施についても、国の基準に沿い、参加者の方の安全に配慮した綿密な治験実施計画書に基づいて慎重に進められています。
- 健康被害が生じた場合は?
- 治験薬の副作用などにより、何らかの健康被害が生じた場合には、治験薬との因果関係が否定できない場合に限り、治験依頼者(製薬メーカー)から補償を受けることができます。補償の扱いは治験により異なりますので、それぞれの治験説明の際、医師や治験コーディネーターが詳しくお話しします。
- 都合のいい日程で参加ができますか?
- 治験の日程は予め決められております。決められた期間内での選択できる場合は、その日程内で調整していただきます。