がんとは?特徴や種類について解説

2020年6月23日

がんという病気を知らない人はいないと思いますが、がんの原因や、どのような特徴を持った病なのかと聞かれれると、答えられる人は少ないのではないでしょうか。

がんは、正しい知識を持っていれば、ある程度防ぐことができる病です。年齢問わず、がんに関する基本的なことは知っておくべきでしょう。

今回の記事では、がんの特徴、がんの成長過程、がんの治験などについてご紹介します。がんに関する知識を深めたい方は、ぜひご覧ください。

がんとはどんな病気?

がんの仕組み

正常な細胞が傷つくと、場合によっては修復が上手くいかず、正常に機能しなくなることがあります。この傷ついた細胞の中には、一部がん細胞に変わってしまうものもあります。このがん細胞によって引き起こされる病が、がんです。

厳密には、細胞のなかにある遺伝子が傷つくことで、細胞はがん化します。私たちの遺伝子には、がんの増殖を促す遺伝子が766種存在するとされています。
一方で、がんの増殖を防ぐ遺伝子というものも存在しており、これら2つが拮抗することでがんの増殖は抑えられています。

がん患者は、これら2つのバランスが崩れた状態になっています。バランスが崩れると、がんの増殖を抑えることができず、このがん細胞により体が蝕まれてしまいます。

がん細胞は、他の組織の栄養を奪うという特性があります。この特性により、がんに蝕まれた体は衰弱していきます。
さらに、がんは血液やリンパ液の流れに乗って体中に広まるため、ひとつの腫瘍と取り除いても、また別の箇所に転移するといったことがよくあります。

がんの特徴

がんといえば、転移や再発などの特徴をイメージする人も少なくありません。もちろん、これらはよく知られたものではありますが、その他にも「誰もが発症する可能性がある」「予防である程度防げる」「早期治療が大切」「他人にうつることはない」といった特徴も押さえておきましょう。

がんは、日本人の死因第一位の病気であり、約3割の人はがんで亡くなっているとされています。このデータから分かるように、がんは誰もが発症する恐れのある身近な病気です。
また、別のデータでは、一生のうちでがんになる確率は、男性の場合は63%、女性の場合は48%となっており、2人に1人はがんを発症します。決して他人事として考えるべきではありません。

がんはある程度予防できることが分かっています。
たとえば、タバコを控える、食生活を改める、毎日運動する習慣を身に付けるといったことで、がんになりにくい体を作ることが可能です。誰もが発症するリスクがある病なので、今から予防に取り組みましょう。

なお、がんはある程度予防できるものの、完全に防ぐことはできません。どんなに気を使っていても、がんになってしまうことはあります。
そこで重要となってくるのが、早期治療です。がんは、比較的早い段階で見つけることができれば、今の医学でも十分対処可能な病といえます。
早期発見するためには、定期的に健康診断を受診することが大切です。健康診断を受診する習慣がない方は、この機会にぜひ受診してみてください。

冒頭にも述べた通り、がんは遺伝子が傷つくことで発症する病で、インフルエンザのように人から人に感染することはありません。身近にがん患者がいるからといって、感染を恐れる必要はありません。
ただし、がんの中には遺伝性のものがいくつか存在するので、家族の中でがんを発症した方がいる場合、発症するリスクが高いと考えられます。

がんを発症した家族がいる場合は、環境要因の面も意識する必要があります。
食べているもの、生活習慣などが似通っていることが多く、その生活スタイルの中にがんの原因が隠れているかもしれません。
家族の誰かががんを発症した場合は、一度生活を見直してみるべきでしょう。

がんの原因

がんの原因

がんは、がん化した細胞により引き起こされる病です。
人体にある無数の細胞達は、常日頃から外部から刺激を受けています。しかし、細胞自身には回復力があるので、傷ついてもすぐに修復されます。

細胞の回復力を上回る刺激が与えられると、細胞の修復が上手くいかず、正常に機能しなくなります。このような状態になった細胞の例として、皮膚にできるシミなどが挙げられます。
傷ついた細胞に更なる刺激を与え続けると、細胞ががん化して、がんを発症します。

このがん化が引き起こされる具体的な原因には、以下のようなものが挙げられます。

・がんが引き起こされる原因

・加齢

・喫煙や飲酒

・強いストレス

・睡眠不足

・ウィルス感染

上記のようなさまざまな要因が複雑に絡み合った結果、がんを発症するのです。

腫瘍の良性、悪性とは

体の中にできる腫瘍は、良性腫瘍と悪性腫瘍の大きく2つに分けることができます。がんは、いわゆる悪性腫瘍と呼ばれるものであり、この悪性腫瘍を早期に発見することが、がん予防においてとても大切なことです。

腫瘍には、人体の正常な新陳代謝とは無関係に増殖できるという特性があります。これは、良性腫瘍、悪性腫瘍のいずれも共通しています。

悪性腫瘍は、この共通する特性に加え、良性腫瘍にはない2つの性質を持っています。それは、浸潤と転移をする、悪液質を発症するという性質です。

浸潤とは、周囲に染み出ることを意味します。また悪性腫瘍は、周囲の環境に染み出て、次々と体の至る所に転移します。
悪液質は、周囲の正常な組織の栄養を奪っていく性質のことで、これにより悪性腫瘍ができると体が衰弱してしまいます。

がんの種類

がんの分類方法は、発生する箇所で分類するもの、がんの形状で分類するものの2つがあります。ここでは、これら2つの分類方法について解説します。

1. 発生部位でのがんの分類

がんの発生部位は、「上皮細胞」「造血器」「非上皮性細胞」の大きく3つに分けることができます。

この中で最も発生頻度が高いのが、上皮細胞で、全体の約8割を占めます。
上皮細胞とは、文字通り上皮を構成する細胞のことです。上皮細胞から発生するがんには、大腸がん、胃がん、肺がん、乳がん、舌がん、咽頭がんなどが挙げられます。

がんは造血器から発生することも多々あります。造血器とは、血液を作る臓器のことで、骨髄やリンパ節が該当します。
造血器で発生するがんには、白血病、骨髄腫、悪性リンパ腫などが挙げられます。

非上皮性細胞から発生するがんもあります。非上皮性細胞には、筋肉や骨といった部位が該当します。
非上皮性細胞から発生するがんには、骨肉腫、平滑筋肉腫、脂肪肉腫、血管肉腫などが挙げられます。

2. がんの形状での分類

がんの中には一カ所に固まって増殖するタイプのものがあり、このようながんは固形がんといった名で呼ばれています。ほとんどのがんは、この固形がんに属します。

一方、造血器から発生するがんは、かたまりを作らず、血液がんといった名で呼ばれています。

がんの成長過程と早期発見

記事上部でも解説したように、がんは細胞の中の遺伝子が傷つき、正常に機能しなくなることで発症します。
しかし、遺伝子が傷ついたからといって、必ずしも細胞ががん化する訳ではありません。

ここでは、正常な細胞はどういった時にがん化するのか、がん化が起こる時には遺伝子にどのような変化が起きているのかなど、がんの成長過程について説明します。

がん遺伝子とがん抑制遺伝子の均衡が崩れると、がんが進行する

細胞には、がん遺伝子に加え、がん抑制遺伝子というものも存在します。
がん抑制遺伝子の主な働きは、がんの増殖の抑制、がん化した細胞に対するアポトーシスの誘導、などです。これらの働きにより、傷ついた細胞が修復され、がん化した細胞の増殖が抑えられます。

このがん抑制遺伝子が上手く機能しなくなると、がん化した細胞の増殖が抑えられず、がんが進行します。

遺伝子が突然変異する

がん遺伝子とがん抑制遺伝子の均衡が崩れる原因は、遺伝子の突然変異にあります。
遺伝子の突然変異が起こると、遺伝子の並びにおかしな点が生じるため、遺伝子自体が正常に働かなくなります。その結果、拮抗していたがん遺伝子とがん抑制遺伝子のバランスが崩れ、がんが進行します。

遺伝子の突然変異が起こる原因はさまざまですが、代表的なものには、喫煙、紫外線を浴びる、焦げた食物を摂取するといったものが挙げられます。

エピジェネティックな変異によるがんの発生

突然変異だけではなく、エピジェネティックな変異もがんの進行に関与していることが分かっています。

エピジェネティックな変異とは、細胞分裂によっても薄まることのない遺伝子の異常のことです。具体的には、ヒストン修飾、DNAメチル化といったものが挙げられます。

DNAメチル化では、DNA鎖の一部の塩基がメチル化されます。この塩基に起きた異常は、細胞分裂をした場合でも引き継がれます。

遺伝子異常の診断でがんを早期発見

上述の成長過程から分かるように、がんは遺伝子に何らかの異常が起きることで進行します。つまり、遺伝子の異常を見つけることができれば、早期にがんを発見できるということです。

最近では、遺伝子異常の診断でがんを発見する研究が精力的に行われています。
具体的には、突然変異やエピジェネティックな変異を検知する、便に含まれるがん細胞のDNAの異常を検知するといった試みが実施されています。

がんの治験とは?

がんに関する治験も行われています。
治験は、国の認可を得るために行われる臨床試験です。つまり、臨床試験の中の一つが治験であるということになります。

治験は、薬や治療法の安全性を確かめるための重要な手続きである一方で、がん患者が受ける選択師の一つとも考えられます。そのため、治験のメリットやデメリットについては把握しておくことをおすすめします。

なお治験とよく似たものに、臨床試験という言葉がありますが、これらは明確に異なるので注意しましょう。

治験のメリット・デメリット

治験の最大のメリットは、通常受けられない治療が試せるという点でしょう。
がん患者のなかには、かなり進行している状態の人や、現在使われている薬に耐性ができてしまった人などもいます。そうした患者にとっては、治験は新しい有効な治療手段となる可能性もあるでしょう。

治験のデメリットとしては、まだ完全に薬の有効性や安全性が担保されていないという点があげられます。
広く出回っている治療法と比べるとリスクが高いため、治験を受ける場合は相応の覚悟と、担当医との相談が必要になるでしょう。

がんの予防と早期発見に努めよう

がんの特徴やがんの成長過程、がんの治験などについて解説しました。がんは日本人の死因トップの病気であり、誰もが発症するリスクを抱えています。
しかし、規則正しい生活を送ることである程度予防することができます。加えて、定期健診を行い早い段階で見つければ、今の医学でも十分対処可能といえるでしょう。

ぜひ他人事だとは思わずに、日頃からがんに備えた生活習慣を心掛けてください。

ここで解決!治験に関するFAQ

治験とはなんですか?
治験とは、『医薬品の製造販売承認申請の際に提出すべき資料のうち臨床試験の試験成績に関する資料の収集を目的とする試験の実施』、つまり、「国から薬としての販売承認を受けるために行う臨床試験」のことです。
治験ボランティアはアルバイト/バイトなのですか?
法的にはアルバイト/バイトではありません。治験ボランティア参加は負担軽減費(謝礼金)の支給がありますが、時間的拘束や、交通費などの負担を軽減する目的でお支払いするもので、治験協力費ともよばれます。
治験って安全ですか?副作用はありませんか?
治験薬は事前に生体への安全性を確認し、問題ないと予想されるものだけが使用され、治験実施についても、国の基準に沿い、参加者の方の安全に配慮した綿密な治験実施計画書に基づいて慎重に進められています。
健康被害が生じた場合は?
治験薬の副作用などにより、何らかの健康被害が生じた場合には、治験薬との因果関係が否定できない場合に限り、治験依頼者(製薬メーカー)から補償を受けることができます。補償の扱いは治験により異なりますので、それぞれの治験説明の際、医師や治験コーディネーターが詳しくお話しします。
都合のいい日程で参加ができますか?
治験の日程は予め決められております。決められた期間内での選択できる場合は、その日程内で調整していただきます。