膵炎と診断されたとき、多くの方が食事について大きな不安を抱えることでしょう。
「何を食べたらいいのか」「逆に食べてはいけないものは何か」という疑問は、日々の生活に直結する切実な問題です。
膵炎の治療において、食事の管理は症状の悪化を防ぎ、膵臓の負担を減らすために非常に重要な役割を果たします。
この記事では、膵炎の際に「食べてはいけないもの」を具体的な食品名を挙げて分かりやすく一覧で解説します。
なぜそれらを避けるべきなのかという理由から、症状を悪化させないための食事のポイント、さらには「食べて良いもの」まで網羅的にご紹介します。
正しい食事管理は、つらい症状を和らげ、回復を早めるための第一歩です。
この記事を参考に、ご自身の食生活を見直してみましょう。
※この記事は疾患啓発を目的としています。
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膵炎で絶対に避けるべき「三大悪」とは?
膵炎の食事療法を始めるにあたり、まず絶対に避けなければならないものが3つあります。
これらは膵臓に直接的なダメージを与え、症状を悪化させる大きな原因となるため、厳格に管理する必要があります。
アルコール:膵炎の最大の敵
アルコールは、急性膵炎・慢性膵炎ともに最大の原因であり、症状を悪化させる最も危険な因子です。
アルコールが体内に入ると、膵臓は消化酵素を過剰に分泌しようとします。
さらに、アルコールの代謝物であるアセトアルデヒドが膵臓の細胞を直接傷つけ、炎症を引き起こしたり悪化させたりします。
これにより、膵臓が自分自身を消化してしまう「自己消化」という危険な状態に陥ることがあります。
生涯にわたる禁酒が基本
急性膵炎の既往がある方や慢性膵炎と診断された方は、原則として生涯にわたる禁酒が必要です。
「少量なら大丈夫だろう」という考えは非常に危険であり、再発のリスクを著しく高めるため、完全に断つことが治療の基本となります(参考:日本消化器病学会 1)。
タバコ:膵炎リスクを高める隠れた原因
アルコールと並んで、喫煙も膵炎のリスクを高める重要な因子です。
タバコに含まれる有害物質は、膵臓の血流を悪化させ、膵液の流れを滞らせることで炎症を引き起こしやすくします。
また、喫煙は慢性膵炎の進行を早め、膵がんのリスクも高めることが多くの研究で報告されています。
膵臓の健康を守るためには、禁酒と同時に禁煙も不可欠です(参考:日本消化器病学会 1)。
脂っこい食事:膵臓への過剰な負担と時期による違い
脂肪分の多い食事は、膵臓に大きな負担をかけます。
脂肪を分解するためには、膵臓から分泌される「リパーゼ」という消化酵素が大量に必要になります。
高脂肪食を摂取すると、膵臓はリパーゼを過剰に分泌しようとフル稼働し、疲弊してしまいます。
進行度による脂肪制限の違い
急性膵炎の回復期や、慢性膵炎で腹痛がある時期(代償期)には、1日の脂肪摂取量を20〜30g程度に抑える厳格な制限が推奨されます。
しかし注意点として、慢性膵炎が進行して腹痛がなくなり、消化吸収能力が落ちた時期(非代償期)には、過度な脂肪制限はかえって低栄養や体力低下の原因となります。
そのため、進行期には消化酵素薬を併用しながら十分な脂肪(1日40〜60g程度)を摂取することがガイドラインで推奨されています(参考:日本消化器病学会 2)。
膵炎の症状を悪化させる具体的な「食べてはいけないもの」リスト
ここでは、具体的にどのような食品や料理を避けるべきか、カテゴリー別に詳しく見ていきましょう。
避けるべき食品カテゴリー
脂肪分の多い食品
脂肪分は膵臓に最も負担をかける栄養素です。
以下の食品は特に脂肪が多いため、制限が必要な時期には厳しく控える必要があります(参考:厚生労働科学研究費補助金研究班 3)。
刺激物・消化に悪い食品
香辛料などの刺激物は、胃酸の分泌を促し、それが膵臓を刺激してしまう可能性があります。
また、消化に悪い食品も負担となるため注意が必要です(参考:厚生労働科学研究費補助金研究班 3)。
特定の料理・調理法
特定の料理は、調理過程で多くの油や刺激物を使用する傾向があります。
避けるべき飲食物
食事だけでなく、飲み物にも注意が必要です(参考:厚生労働科学研究費補助金研究班 3)。
膵炎の食事療法における「食べ方」の注意点
何を食べるかだけでなく、「どのように食べるか」も膵臓を休ませる上で非常に重要です。以下のポイントを意識しましょう(参考:日本消化器病学会 1)。
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規則正しい食事と少量頻回食一度にたくさんの量を食べる「暴飲暴食」は、膵臓に一度に大きな負担をかけるため絶対に避けなければなりません。食事は1日3食、決まった時間に摂ることを基本とします。症状によっては、1回の食事量を減らし、食事の回数を分ける「少量頻回食」が推奨されることもあります。
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食事の温度と消化熱すぎるものや冷たすぎるものは、胃腸に刺激を与え、消化活動に影響を及ぼす可能性があります。極端な温度のものは避けましょう。
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食事の姿勢と咀嚼食事はリラックスした状態で、ゆっくりとよく噛んで食べることが大切です。よく噛むことで唾液の消化酵素が働き、胃腸での消化吸収を助け、結果的に膵臓の負担を減らすことに繋がります。
膵炎の食事で「食べて良いもの」「積極的に摂りたいもの」
厳しい食事制限の中で、安心して食べられる食品の例をご紹介します(参考:厚生労働科学研究費補助金研究班 3)。
膵臓に優しい主食
消化が良く、エネルギー源となる炭水化物は重要です。
膵臓に優しいタンパク質源
タンパク質は体の修復に不可欠ですが、脂肪制限が必要な時期は低脂肪なものを選ぶことが条件です。
膵臓に優しい副菜
消化しやすいように調理法を工夫しましょう。
調味料の選び方
調理の際は、油を使わず「茹でる」「蒸す」「煮る」といった調理法を選び、薄味を基本とします。
治験を試すのも一つの方法
病院で直接治療を受ける以外に、治験に参加するというのもひとつの手段です。
日本では膵炎でお困りの方に向け治験が行われています。
治験ジャパンでも治験協力者を募集しています。例えば過去には東京や神奈川、大阪などの施設で行われた試験もありました。
治験にご参加いただくメリットとして挙げられるのは、主に下記3点です。
- 最新の治療をいち早く受けられることがある
- 専門医によるサポート、アドバイスが受けられる
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ご自身の健康に向き合うという意味でも、治験という選択肢を検討してみるのも良いでしょう。実施される試験は全て、安全に配慮された状況下で行われます。
膵炎の種類別(急性・慢性)食事の注意点
膵炎には急性と慢性があり、病態や時期によって食事療法の進め方が大きく異なります。
急性膵炎の場合
急性膵炎の重症期には、膵臓を徹底的に休ませるため、絶食・絶水となり、点滴で水分と栄養を補給するのが一般的です。
症状が落ち着いてきた回復期になると、医師の許可のもと、まずは水分から開始します。
その後、流動食、お粥と、状態を見ながら徐々に固形食へと移行していきます。
回復期から退院後の注意
この時期の脂肪分の制限は特に厳しく行われます。
退院後も、再発予防のために低脂肪食を継続することが非常に重要です(参考:慶應義塾大学病院 4)。
慢性膵炎の場合
慢性膵炎では、長期にわたる食事管理が不可欠です。
基本となるのは生涯にわたる禁酒・禁煙です。
重要なのは、病気の進行度によって食事内容が変わる点です。
腹痛を繰り返す「代償期」においては、痛みを防ぐために厳格な脂肪制限(1日30g程度)が必要です。
非代償期の食事管理
しかし、さらに進行して膵臓の機能が低下し、腹痛が消えて消化吸収能力が落ちる「非代償期」に入ると、過度な脂肪制限は逆に低栄養を引き起こしてしまいます。
非代償期では、消化酵素薬をしっかりと内服しながら、必要なエネルギーと脂肪分を十分に摂取することがガイドラインで推奨されています(参考:日本消化器病学会 2)。
膵炎と食事に関するFAQ
A. コーヒーに含まれるカフェインは胃酸の分泌を促進し、膵臓を刺激する可能性があるため、基本的には避けるのが望ましいです。特に症状が強い時期は控えましょう。
A. オリーブオイルは健康に良い油とされていますが、膵炎で脂肪制限が必要な時期においては、どんな種類の油であっても膵臓への負担となります。「炒める」から「蒸す」「茹でる」に変えるなど、油を使わない工夫を優先しましょう。
A. 納豆は良質なタンパク質源ですが、製品によっては脂肪分がやや高めの場合があります。ヨーグルトは、無脂肪または低脂肪のものを選べば食べられます。
A. はい、バナナは消化が良く、エネルギー補給にも適しているため、膵炎の食事に適した果物の一つです。
A. 刺身は調理に油を使わないため良いように思えますが、魚の種類によります。トロやブリ、サバなどの脂の多い魚は避け、たい、ひらめ、かれいなどの淡白な白身魚であれば食べられる場合があります。
まとめ
膵炎の治療において、「食べてはいけないもの」を正しく理解し、避けることは症状の改善と再発予防に不可欠です。
食事管理の重要ポイント
最終的には、ご自身の症状や進行状態に合わせて食事内容を調整する必要があります。
必ず主治医や管理栄養士の指導のもと、適切な食事管理を行ってください。
