眉間のシワは表情や加齢、生活習慣などが原因で目立ちやすく、見た目の印象に影響を与える悩みの一つです。
この記事では「眉間のシワ 改善」をテーマに、シワができるメカニズムからマッサージ、医療的アプローチ、セルフケアまで、対策を詳しく解説します。
皮膚科専門医 川島眞医師の監修のもと、あなたの悩みに寄り添い、効果的な改善法をお届けします。
眉間のシワはなぜできる?メカニズムと悪化要因
眉間のシワができる仕組みと悪化要因を解説します。
表情筋(皺眉筋・鼻根筋)の緊張
眉間にシワができる原因の一つは、表情筋の緊張によるものです。
特に皺眉筋(すうびきん)や鼻根筋(びこんきん)が繰り返し収縮することで、皮膚に折り目がつき、シワが生じます。
これらの筋肉は眉を寄せる、目を細めるなどの日常的な表情で頻繁に使われます。
なぜこれがシワにつながるのかというと、筋肉の収縮が繰り返されると皮膚を圧迫し、表皮や真皮に元に戻れなくなる変化を生じるためです。
例えば、眉間にシワを寄せながら集中してパソコン作業をする際や、怒った表情を繰り返すことで、筋肉が過剰に緊張し続けて、シワができてしまうことがあります。
そのため、表情筋が緊張状態になるような表情の癖を見直すことが、シワ予防の第一歩となります。
加齢による皮膚の弾力・コラーゲン減少
年齢を重ねると皮膚の弾力性が低下し、眉間のシワが目立ちやすくなります。
これは皮膚の真皮層にあるコラーゲンやエラスチンが減少するためです。
コラーゲンやエラスチンの成分は肌のハリや弾力を保つ役割を果たしますが、30代以降は生成量が減少し、シワが定着しやすくなることがあります。
さらに女性の場合、ホルモンバランスの変化(特にエストロゲンの減少)がコラーゲン生成を抑制することがあるとされています。
若い頃は表情によるシワが一時的でも、加齢やホルモンバランスの変化により肌の回復力が低下すると、シワが深く刻まれてしまうのです。
眉間のシワを改善するにはコラーゲン生成を促すケアや、肌の老化を遅らせる習慣が大切です。
紫外線、乾燥、生活習慣(姿勢・眼精疲労)
外部環境や生活習慣も、眉間のシワを悪化させる要因です。
まず紫外線に関しては真皮のコラーゲンを破壊し、肌の弾力を奪うとされています。
特にUVA(波長の長い紫外線)が真皮層まで到達し、コラーゲンを分解するともいわれています。
次に乾燥は表皮のバリア機能を弱め、シワを目立たせる場合があります。
眼精疲労も眉を寄せる癖を助長し、シワ悪化につながる可能性があります。
例えば、長時間のスマホ使用や前かがみの姿勢は、眼精疲労や筋肉の緊張を引き起こし、眉間のシワを悪化させる場合があります。
これらの要因を防ぐには、紫外線対策や保湿、姿勢の改善が不可欠です。
眉間のシワはマッサージで改善できるのか?
マッサージは眉間のシワに効果があるのかを解説します。
表情筋マッサージの目的とその限界
表情筋マッサージは、眉間のシワ改善に一定の効果が期待されます。
血流を促進し、筋肉の緊張を一時的に緩和することで、シワが目立ちにくくなる可能性があります。
しかし、真皮層の深いシワに対しては、根本的な改善効果は限定的です。
シワの原因がコラーゲン減少や皮膚の老化にある場合、表面のマッサージだけでは解決しません。
眉間のシワ改善を目指すなら、マッサージは補助的な手段として取り入れるのが賢明です。
市販本や動画で紹介される手技の効果
市販の本やYouTubeで紹介されるシワ改善マッサージには、皺眉筋をつまむ、耳周りをほぐすなどの手技が含まれます。
これらは自宅で簡単に実践できる点で人気です。
ただし、効果には個人差があり、即効性は期待しにくいです。
また、継続しないと実感が得られず、間違った力加減や方法では、逆に肌に摩擦ダメージを与えるリスクもあります。
実際過度なマッサージで肌が赤くなる、乾燥が進むといったトラブルも報告されています。
マッサージを行う場合は、正しい手技を学び、適度な力で行うことが大切です。
皮膚科医が推奨する眉間のシワ改善法とは?
皮膚科専門医が推奨する眉間のシワ改善法を解説します。
ボトックス注射の効果と特徴
ボトックス注射は眉間のシワ改善に効果的な手段の一つです。
ボツリヌストキシン(注射)を用いて、皺眉筋などの表情筋の動きを抑え、シワの原因に直接アプローチします。
効果は施術後約3~7日で現れ、持続期間は3~6ヶ月程度である場合が多いです。
費用相場は日本で1回あたり2万~5万円程度。
施術は10~15分で終わり、ダウンタイムが短いのも特徴です。
ただし、副作用としてまれに腫れや内出血が生じる場合があります。
また技術の差が現れる施術であり、信頼できる医療機関を選ぶには、医師の資格や実績を確認し、カウンセリングを重視することが重要です。
ヒアルロン酸注入との違いと併用の可能性
ヒアルロン酸注入は凹んだシワやボリューム不足を補う治療法です。
ボトックスが筋肉の動きを抑えるのに対し、ヒアルロン酸は皮膚の真皮に注入し、シワを物理的に押し上げます。
例えば、眉間の深いシワにはヒアルロン酸が使用されるケースが多いです。
ただし、ボトックス注射とヒアルロン酸注入どちらが適しているかは、シワの種類や肌状態によって異なります。
医師の診断を受け、適切な施術を選ぶことが不可欠です。
セルフケアやコスメで改善は可能か?
眉間のシワはセルフケアで改善するのかを解説します。
ナイアシンアミドなどの有効成分
ナイアシンアミドやレチノールなどの有効成分は、軽度の眉間シワの改善に役立ちます。
ナイアシンアミドは表皮のターンオーバーを促し、肌のキメを整える効果が期待されます。
市販品を選ぶ際は、医薬部外品でナイアシンアミドが有効成分として表示されたものを選ぶのがおすすめです。
ただし、深いシワには効果が限定的のため、即効性は期待せず長期的なケアが必要です。
毎日の表情習慣・生活改善の重要性
眉間のシワを予防するには、日常の表情や生活習慣を見直すことが欠かせません。
眉を寄せる癖を減らし、リラックスした表情を意識するだけでも、シワの定着を防げます。
また、姿勢の改善(特に前かがみを避ける)、十分な睡眠(7~8時間)、紫外線対策(SPF30以上の日焼け止め使用)などが肌環境を整える手助けをしてくれます。
眉間のシワを根本から改善するために必要なこと
眉間のシワを根本から治療するために必要なことを解説します。
「一時的な効果」ではなく「構造的なアプローチ」
マッサージやコスメは一時的な改善に役立つ可能性がある一方、深いシワには構造的なアプローチが必要です。
ボトックスやヒアルロン酸注入は、シワの原因(筋肉やボリューム不足)に直接対処します。
生活習慣の改善と医療的手段の組み合わせが、眉間のシワを根本的に改善することにつながります。
「老化は止められない」 が「進行を遅らせる」のは可能
老化そのものを止めることはできませんが、シワの進行を遅らせることは可能です。
紫外線対策や、コラーゲン生成を促すケア、生活習慣の改善は、見た目年齢に大きな差を生みます。
新たな治療法を試すのも一つの方法
病院で直接治療を受ける以外に、治験に参加するというのもひとつの手段です。
日本では眉間のシワでお悩みの方に向け治験が行われています。
治験ジャパンでも治験協力者を募集しています。
例えば過去には東京や神奈川、大阪などの施設で行われた試験もありました。
治験にご参加いただくメリットとして挙げられるのは、主に下記3点です。
・最新の治療をいち早く受けられる
・専門医によるサポート、アドバイスが受けられる
・治療費や通院交通費などの負担を軽減する目的で負担軽減費が受け取れる
ご自身の健康に向き合うという意味でも、治験という選択肢を検討してみるのも良いでしょう。
実施される試験は全て、安全に配慮された状況下で行われます。
眉間のシワに関するよくある質問(FAQ)
眉間のシワに関するよくある質問を紹介します。
マッサージで本当にシワは消えるの?
マッサージは軽度のシワや筋肉の緊張を和らげるには役立つとされていますが、深いシワを消す効果は限定的です。
根本的な改善には、医療的アプローチを検討しましょう。
ボトックスは副作用が怖いけど安全?
ボトックスは適切な医療機関で施術を受ければ安全性は高いです。
まれに腫れや不自然な表情が起きる場合がありますが、信頼できる医師の診断を受けることでリスクを最小限に抑えられます。
カウンセリングで不安を解消してから施術を決めましょう。
医療施術以外でできることは?
紫外線対策、保湿ケア(ナイアシンアミド配合品など)、表情癖の改善、姿勢の改善が有効です。
生活習慣の見直しと継続的なケアで、シワの予防が可能です。
毎日の小さな努力が肌に差を生みます。
記事監修者情報

Dクリニックグループ代表
日本皮膚科学会認定専門医として、アトピー性皮膚炎など皮膚疾患の診療・研究に長年従事。
本記事では医学的情報の正確性と内容監修を担当。
所属学会:
- 日本皮膚科学会
- 日本美容皮膚科学会
- 日本皮膚アレルギー学会
- 日本香粧品学会
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