マンジャロによる治療で目標体重を達成した喜びも束の間、「薬をやめたら元に戻ってしまうのではないか」という不安を抱えている方は少なくありません。
せっかく努力して得た成果が水の泡になる事態は、誰しも避けたいものです。
この記事でわかること
本記事は、マンジャロ(チルゼパチド)中止後のリバウンドについて、大規模臨床試験SURMOUNT-4の実データを軸に「どのくらい・どの割合の人が戻るのか」を整理します。
やめ方や生活習慣の具体的な進め方は、姉妹記事「マンジャロをやめたらどうなる?」で詳しく扱っています。
※この記事は疾患啓発を目的としています。
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マンジャロをやめるとリバウンドする?データが示すリバウンド率
結論
マンジャロの使用を中止すると、ある程度の体重増加、いわゆるリバウンドが起こる可能性は高いとされています。
これは意志の弱さの問題ではなく、身体の生理的な反応によるものです。
SURMOUNT-4試験が示したリバウンドの実態
マンジャロ(チルゼパチド)の体重減少効果と中止後の影響を調べた大規模な臨床試験がSURMOUNT-4です。
この試験では、まず参加者全員が36週間マンジャロの投与を受け、平均で体重の約20.9%を減少させました(参考:JAMA SURMOUNT-4 1)。
その後、参加者を2つのグループに分け、一方にはマンジャロの投与を継続し、もう一方には偽薬(プラセボ)を投与して52週間(約1年)の経過を観察しました。
結果は明確でした。マンジャロを継続したグループはさらに体重が5.5%減少したのに対し、偽薬に切り替えたグループは、平均で体重が14.0%増加しました(参考:JAMA SURMOUNT-4 1)。
| 期間・群 | 体重の変化 |
|---|---|
| 導入期(全員・36週) | 平均 −20.9% |
| 継続群(36→88週) | さらに −5.5% |
| 中止群(36→88週) | +14.0%(再増) |
中止群の82%が減量分の25%以上を再増
2025年に公表されたSURMOUNT-4の追加解析では、中止(偽薬)群308人のうち約82%が、中止後1年で減量できた体重の25%以上を取り戻したと報告されています(参考:JAMA Internal Medicine SURMOUNT-4追加解析 2)。
さらに、体重の戻りが大きいほど、ウエスト周囲径・血圧・コレステロール・血糖などの改善も元に戻る傾向が示されました(参考:JAMA Internal Medicine SURMOUNT-4追加解析 2)。
なぜマンジャロ中止後に食欲が戻るのか
マンジャロは「GIP」と「GLP-1」という2つのホルモンの受容体に作用する薬です。
これらのホルモンは脳の満腹中枢に働きかけて食欲を抑え、胃の動きを緩やかにして満腹感を持続させる働きがあります(参考:JAMA SURMOUNT-4 1)。
マンジャロの投与を中止すると、この外部からの作用がなくなります。すると、身体は元の状態に戻ろうとする「恒常性(ホメオスタシス)」の働きにより、抑制されていた食欲が再び現れるようになると言われていますが、公的文献上の根拠は乏しいです。
加えて、体重が減少すると、身体はエネルギー消費を抑えようとして基礎代謝が低下する傾向にあるとも言われますが、これも公的文献上の根拠は乏しいです。食欲が戻った状態では、以前と同じように食べていても体重が増えやすくなる可能性があります。
リバウンドの速度と、体重が戻りやすい時期
リバウンドは、薬をやめた直後から急激に始まるわけではありません。SURMOUNT-4のデータでは、偽薬グループの体重は中止後から徐々に増加していきました(参考:JAMA SURMOUNT-4 1)。
一方で「中止後3ヶ月から半年が最も戻りやすい」といった時期の特定については、公的文献上の明確な根拠は乏しいです。薬の効果が抜けて食欲が戻る時期には個人差があるため、中止後しばらくは体重の推移に注意しておくとよいでしょう。
マンジャロ中止後のリバウンドを防ぐには
ここまで見たとおり、マンジャロ中止後のリバウンドはデータ上も多くの人に起こります。ただし、避けられない運命というわけではありません。
リバウンドを抑える鍵は「やめ方」と「中止後の生活習慣」の2つです。それぞれの具体的な進め方は、姉妹記事で詳しく解説しています。
やめ方のポイント
自己判断での急な中止は避ける
目標体重に達しても、すぐに投与を完全にやめるのではなく、医師と相談のうえで進めることが大切です。
投与量や間隔を少しずつ減らす「段階的減薬(テーパリング)」がリバウンド対策として挙げられることがありますが、公的文献上の根拠は乏しく、実施の可否は医師の判断によります。
また、最小用量を続ける「維持療法」という選択肢もあります。なお肥満症治療薬では、中止後に肥満に関連する健康障害の増悪が認められた場合、必要性を十分に検討したうえで投与再開が可能とされています(参考:日本肥満学会 3)。
中止後の生活習慣
薬のサポートがなくなった後は、食事・運動・睡眠を土台にした体重維持が中心になります。
各項目の具体的なやり方は、上記の姉妹記事にまとめています。
治験を試すのも一つの方法
病院で直接治療を受ける以外に、治験に参加するというのもひとつの手段です。日本では肥満治療でお困りの方に向け治験が行われています。
治験ジャパンでも治験協力者を募集しています。例えば過去には東京や神奈川、大阪などの施設で行われた試験もありました。
治験にご参加いただくメリットとして挙げられるのは、主に下記3点です。
- 最新の治療をいち早く受けられることがある
- 専門医によるサポート、アドバイスが受けられる
- 治療費や通院交通費などの負担を軽減する目的で負担軽減費が受け取れる
ご自身の健康に向き合うという意味でも、治験という選択肢を検討してみるのも良いでしょう。実施される試験は全て、安全に配慮された状況下で行われます。
マンジャロ中止後のよくある疑問(FAQ)
SURMOUNT-4試験の追加解析では、中止(偽薬)群のうち約82%が、中止後1年で減量できた体重の25%以上を取り戻したと報告されています(参考:JAMA Internal Medicine SURMOUNT-4追加解析 2)。
ただし個人差があり、生活習慣の維持状況によって戻り方は変わります。
マンジャロ(チルゼパチド)を36週間使用して体重を減らした後、継続群と中止(偽薬)群に分けて約1年間の体重変化を比較した大規模な臨床試験です(参考:JAMA SURMOUNT-4 1)。
中止群では平均14.0%の体重再増が見られ、継続群はさらに5.5%減少しました。
SURMOUNT-4では、中止群は約1年で平均14.0%体重が増加しました(参考:JAMA SURMOUNT-4 1)。これは導入期に減った約20.9%の相当部分が戻った計算になります。
戻る量は生活習慣次第で変わるため、数値はあくまで平均的な目安です。
食欲抑制を謳うサプリメントは多数ありますが、マンジャロのような医薬品と同等の効果を持つものはなく、科学的根拠が乏しいものがほとんどです。
サプリメントに頼るのではなく、食事内容の工夫(高タンパク・高食物繊維など)で対処するのが基本です。使用を検討する場合は、事前に医師や薬剤師に相談してください。
まとめ
この記事の要点
マンジャロ中止後のリバウンドは、SURMOUNT-4という臨床試験のデータが示すとおり、多くの人に起こります。中止群は約1年で平均14.0%の体重再増が見られ、追加解析では約82%が減量分の25%以上を取り戻しました(参考:JAMA SURMOUNT-4 1)(参考:JAMA Internal Medicine SURMOUNT-4追加解析 2)。
ただし、これは避けられない運命ではありません。医師と相談しながらのやめ方と、中止後の生活習慣の見直しで、リバウンドを抑えられる可能性があります。
具体的なやめ方や生活習慣の整え方は、姉妹記事「マンジャロをやめたらどうなる?」を参考にしてください。焦らず自分のペースで、健康的な体型維持に取り組んでいきましょう。
