花粉症のシーズン、日中のくしゃみや鼻水も辛いですが、何より「鼻が詰まって夜寝られない」のが一番のストレスではありませんか?

布団に入った途端に鼻呼吸ができなくなり、口呼吸で喉がカラカラ、息苦しくて何度も目が覚めてしまう……。

そんな睡眠不足は、翌日の仕事や家事のパフォーマンスも奪ってしまいます。

「今すぐに鼻を通したい」

「とにかく朝までぐっすり眠りたい」

そんな切実な悩みを抱えるあなたのために、この記事では今すぐ試せる対処法から、市販薬の正しい選び方、子供が苦しんでいる時のケアまで、網羅的に解説します。

今夜から実践して、安らかな眠りを取り戻しましょう。

※この記事は疾患啓発を目的としています。

花粉症でお困りの方へ

治験という方法で負担軽減費を受け取りながら、より良い治療の選択肢を見つける方が増えています。

※負担軽減費とは:治験協力者が負担する交通費や時間的拘束などがあるためお金が支給されます。

治験ジャパンでは参加者の皆様に医療費の負担を軽減しながら、最新治療を受ける機会のご提供が可能です。

なぜ花粉症だと夜に眠れなくなるのか?【原因を解説】

そもそも、なぜ昼間よりも夜、布団に入ってからの方が鼻づまりや咳がひどくなるのでしょうか。

それには人間の体の仕組みと環境要因が深く関わっています。

自律神経の切り替え(副交感神経優位)

人間の体は、夜リラックスして眠ろうとすると、自律神経が「交感神経(活動モード)」から「副交感神経(リラックスモード)」へと切り替わります。

 副交感神経が優位になると、全身の血管が拡張します。

これは鼻の粘膜にある血管も同様で、血管が広がって粘膜が腫れぼったくなるため、空気の通り道が狭くなり、鼻づまりが悪化しやすい状態になります(参考:厚生労働省 2)。

「モーニングアタック」と夜間の花粉落下

日中、空気中を舞っていた花粉は、人が活動を停止する夜間になると床や布団の上にゆっくりと落下してきます。

寝ている間、私たちの顔のすぐ近くには、降り積もった花粉が存在することになります。

さらに明け方、自律神経が再び切り替わるタイミングで過敏反応が起きる現象は「モーニングアタック」とも呼ばれ、早朝覚醒の一因となります。

これを防ぐためにも、室内のこまめな清掃が推奨されています(参考:環境省 1)。

口呼吸による喉の渇きと睡眠の質低下

鼻が詰まると強制的に「口呼吸」になります。

口呼吸では、本来鼻が持っている加湿・空気清浄機能が働かないため、乾燥した冷たい空気が直接喉を刺激します。

これにより喉の痛みや咳が誘発され、深く眠ることができなくなってしまうのです。

【今すぐできる】鼻づまりで眠れない時の即効対処法

ここからは、家庭で試せる対処法を紹介します。

「苦しくて眠れない!」という時に役立つかもしれません。

1. 呼吸が楽になる「寝姿勢」の工夫

鼻づまり解消のために、寝る姿勢を工夫することで楽になる場合があります。

  • 上体を少し起こして寝る
    • 枕の下にクッションや畳んだタオルケットを入れ、頭から背中にかけてなだらかな傾斜を作ります。頭を高くすることで、鼻粘膜への血流の滞留が緩和され、鼻が通りやすくなると言われています。
  • 詰まっている側を上にして横向きに寝る
    • 脇の下への圧迫と自律神経反射の関係を利用し、詰まっている側を上にして横向きに寝ることで、一時的に鼻の通りが良くなることがあるとされています(※効果には個人差があります)。

2. 鼻の通りを良くする「温熱・加湿」法

鼻を温めたり加湿したりすることは、鼻粘膜の血流を良くし、症状を和らげる効果が期待できます(参考:国立保健医療科学院 5)。

一般的に「蒸しタオル」などが家庭でのケアとして知られています。

水で濡らして絞ったタオルを電子レンジ等で温め、鼻の付け根(眉間のあたり)から鼻全体を覆うように乗せ、温かい蒸気を吸い込むことで、鼻腔内の湿度が保たれます。

※火傷には十分注意してください。

3. 鼻づまり解消のツボ(東洋医学的アプローチ)

東洋医学において、鼻づまりに有効とされるツボがあります。

  • 迎香(げいこう)
    • 小鼻(鼻の膨らみ)の左右すぐ横にあるくぼみ。
  • 上迎香(じょうげいこう)/鼻通(びつう)
    • 迎香から少し上、鼻の骨と軟骨の境目あたりのくぼみ。

これらのツボを、気持ちいいと感じる強さで押すことでスッキリすると感じる方もいます。

医学的な標準治療ではありませんが、セルフケアの一つとして試してみるのも良いでしょう。

4. マスクをして寝る(加湿・花粉防御効果)

マスクをして寝ることは、以下の2つのメリットがあり、公的機関のマニュアルでも推奨されています(参考:環境省 1)。

  1. 加湿効果:
    • 自分の吐く息でマスク内が高湿度になり、鼻や喉の粘膜を乾燥から守ります。
  2. 花粉の吸入減少:
    • 寝具に落ちて舞い上がった花粉を吸い込む量を減らせます。一般的なマスクでは吸い込む花粉をおよそ3分の1から6分の1に減らす効果があるとされています。 息苦しくないよう、通気性の良いものを選ぶのがポイントです。

眠れない夜におすすめの市販薬と正しい使い方

「どうしても辛い」時は、我慢せずに薬に頼るのも一つの手です。

ただし、選び方には注意が必要です。

「点鼻薬」の即効性と使いすぎのリスク

シュッとスプレーするだけで鼻が通る「血管収縮剤入り点鼻薬」は、即効性が高く非常に便利です。

しかし、使いすぎには注意が必要です。

 頻繁に使いすぎると、体が薬に慣れてしまい、逆に薬が切れた時に以前よりもひどい鼻づまりを起こす「薬剤性肥厚性鼻炎(点鼻薬性鼻炎)」になるリスクがあります(参考:厚生労働省 2)。

パッケージの用法用量を守り、短期的な使用に留めるか、医師の指導の下で使用しましょう。

睡眠を妨げない内服薬の選び方

花粉症の飲み薬(抗ヒスタミン薬)には、副作用として「眠気」が出るものと、出にくいものがあります(参考:日本耳鼻咽喉科免疫アレルギー感染症学会 3)。

  • 眠くなる成分:
    • 第1世代抗ヒスタミン薬など。鎮静作用が強く、眠気やパフォーマンス低下を起こしやすいとされています。
  • 眠くなりにくい成分:
    • 第2世代抗ヒスタミン薬(ロラタジン、フェキソフェナジンなど)。眠気などの副作用が少なく、日中の活動への影響が少ない薬です。

薬剤師や登録販売者に相談し、自分の生活スタイルに合った薬を選びましょう。

子供が花粉症で眠れない時のパパ・ママ向け対処法

小さなお子さんが鼻づまりで苦しそうにしていると、親としても辛いものです。

子供は鼻腔が狭く、大人よりも鼻づまりになりやすいため、適切なケアが必要です。

体勢の工夫

子供の場合も大人同様、「頭を高くする」ことで呼吸が楽になることがあります。

寝かしつけの時に縦抱きにしたり、布団の下にバスタオルなどを入れて上半身全体が少し高くなるスロープを作ってあげたりする方法があります。

鼻吸い器の活用

まだ自分で鼻をかめない乳幼児の場合は、市販の「鼻吸い器」を使って、寝る前に鼻水を取り除いてあげましょう(参考:日本耳鼻咽喉科免疫アレルギー感染症学会 3)。

お風呂上がりなど、体が温まって鼻水が柔らかくなっているタイミングが効果的です。

小児科・耳鼻科を受診すべきタイミング

  • 夜中に何度も起きてしまう
  • いびきがひどい、無呼吸のような状態がある
  • 口呼吸で唇がカサカサになっている このような症状が続く場合は、早めに医療機関を受診してください。

翌日の睡眠を守る!日中からできる「寝るため」の対策

今夜の対策だけでなく、明日以降も快適に眠るためには、日中からの予防が大切です。

寝室に花粉を持ち込まない「花粉除去ルーティン」

寝室は花粉を持ち込まないように対策しましょう(参考:環境省 1)。

  • 外干しした布団や洗濯物は、しっかり花粉を払うか、掃除機をかけてから取り込む。
  • 帰宅時、上着は玄関で脱ぎ、すぐにシャワーを浴びて髪や体についた花粉を洗い流す。
  • 空気清浄機を使用する。

お風呂のタイミング

入浴で身体を温めることは、鼻の通りを良くするためにも有効とされています。

アルコール・喫煙の影響

「寝酒」は逆効果となることがあります。

アルコールは血管を拡張させる作用があるため、鼻の粘膜の充血を悪化させ、鼻づまりをひどくする可能性があります(参考:環境省 1)。

花粉症の時期は、過度な飲酒は控えた方が無難です。

また、タバコの煙も粘膜を直接刺激するため、症状悪化の原因となります。

毎年つらいなら検討したい「根本治療」

対症療法だけでは限界がある場合、体質そのものを改善する治療法も選択肢に入ります。

  • アレルゲン免疫療法(舌下免疫療法など)
    • スギ花粉などのアレルゲンを少量ずつ体内に投与し、体を慣れさせていく治療法です。長期的な継続(3年以上推奨)が必要ですが、症状を根本から和らげたり、治癒したりする可能性があります(参考:日本アレルギー学会 4)。
  • 手術療法(レーザー治療など)
    • 鼻の粘膜をレーザーで焼灼するなどして、アレルギー反応の場を減らす治療です。鼻づまりに対して特に高い効果が期待できます(参考:厚生労働省 2)。

これらはシーズン前の開始が必要な場合や、専門的な判断が必要となりますので、耳鼻咽喉科医にご相談ください。

治験を試すのも一つの方法

病院で直接治療を受ける以外に、治験に参加するというのもひとつの手段です。日本では花粉症でお困りの方に向け治験が行われています。

治験ジャパンでも治験協力者を募集しています。例えば過去には東京や神奈川、大阪などの施設で行われた試験もありました。

治験にご参加いただくメリットとして挙げられるのは、主に下記3点です。


ご自身の健康に向き合うという意味でも、治験という選択肢を検討してみるのも良いでしょう。実施される試験は全て、安全に配慮された状況下で行われます。

よくある質問(FAQ)

Q. 鼻うがい(鼻洗浄)は寝る直前にしてもいいですか?

A. 鼻洗浄(鼻うがい)は、鼻腔内の花粉や鼻水を洗い流す方法として有効です(参考:厚生労働省 2)。ただし、洗浄液が鼻に残らないよう、正しい方法で行うことが大切です。使用方法やタイミングについては医師の指示や製品の説明書に従ってください。

Q. アロマオイルは効果がありますか?

A. メントールなどの香りによる清涼感で鼻が通ったように感じることがあります。リラックス効果として取り入れることはできますが、アロマ自体が花粉症を治すものではありません。

まとめ

花粉症で眠れない夜は、心身ともに本当に辛いものです。

まずは今夜、以下のことを試してみてください。

  1. 枕を高くして、上体を起こして寝る
  2. 鼻を温めて保湿する
  3. 加湿とマスクで喉・鼻を守る

それでも眠れない場合は、無理せず市販薬や医療機関の力を借りましょう。良質な睡眠は、健康を保つための基本です。

あなたの今夜の眠りが、少しでも安らかなものになりますように。

参考資料・文献一覧

  1. 環境省「花粉症環境保健マニュアル2022」 https://www.env.go.jp/content/900406385.pdf
  2. 厚生労働省「的確な花粉症の治療のために(第2版)」 https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000077514.pdf
  3. 日本耳鼻咽喉科免疫アレルギー感染症学会「鼻アレルギー診療ガイドライン2020年版準拠(患者さん向けガイド)」 https://allergyportal.jp/documents/bien_guide_2021.pdf
  4. 一般社団法人日本アレルギー学会「アレルゲン免疫療法の手引き 2025」 https://www.jsaweb.jp/uploads/files/%E3%82%A2%E3%83%AC%E3%83%AB%E3%82%B2%E3%83%B3%E5%85%8D%E7%96%AB%E7%99%82%E6%B3%95%E3%81%AE%E6%89%8B%E5%BC%952025.pdf
  5. 国立保健医療科学院「花粉症に対する各種治療法に関する科学的根拠をふまえた評価研究」 https://mhlw-grants.niph.go.jp/project/5826