参加するならどの治験? 治験の種類をご紹介!

2019年3月13日

治験の種類

治験モニターというと、みなさんはどんなイメージをお持ちでしょうか?

「高額な報酬を手にできる割のいいモニター」といったイメージが、
まずは思いつくかもしれません。

『病気の人が承認前の「お薬の候補」を治療目的で使用する検査』といった
イメージもあるでしょう。

承認前の「お薬の候補」を実際に使用してもらい、効果・効能をはじめとする様々な
データを収集する臨床試験を、一般には「治験」と一括りにして表現しています。

しかし細かく見ていくと「治験」は主に3つの段階に分かれており、それぞれ「第Ⅰ相試験」、
「第Ⅱ相試験」、「第Ⅲ相試験」と呼ばれています。

治験は「臨床試験」とも言い換えられ、この臨床試験が「第Ⅰ相試験」、「第Ⅱ相試験」、
第Ⅲ相試験」の3つによって構成されているのです。

第Ⅰ相から第Ⅲ相までそれぞれ特色が大きく異なるため、治験に対するイメージもどの段階の試験を
受けるのかで、かなり変わってくるでしょう。

以下ではそれぞれの試験の特色について見ていきます。

第Ⅰ相試験

第Ⅰ相試験では健康な成人に対し、「薬の候補」が投与されます。

「治験は病気を持った人が受けるもの」というイメージを持つ人もいるかもしれませんが、
第Ⅰ相試験では健康な人が対象です。

効果や効能の検証というよりは安全性の確認に主眼がおかれ、他には薬が体内に取り込まれてから
排出されるまでの経路や時間の検証も行われます。

「安全性の確認」などと言うと怖いイメージを思う浮かべるかもしれませんが、人へ投与する前に
十分な検証が行われているので、それほど警戒しなくても大丈夫です。

現在は後発医薬品(ジェネリック医薬品)の普及促進が活発なため、
後発医薬品の臨床試験が多く行われています。

後発医薬品は新薬(先発品)と同じ有効成分を含むお薬であり、その安全性は既に新薬によって
保証されているので、後発医薬品の治験であればリスクを抑えることが可能です。

治験へ応募すると試験の内容やリスクについて、専門家から詳細な説明を受けることができるので
心配な場合はそこで判断するのがよいでしょう。

第Ⅱ相試験

第Ⅱ相試験は少数の患者を対象に「薬の候補」の効果・効能や、安全性について検証が行われます。

第Ⅰ相と大きく異なるところは、実際に疾患を持つ患者に薬が投与されること
効果・効能が検証されることでしょう。

「薬の候補」が本当に治療効果を持つのかが、第Ⅱ相試験では問われます。

第Ⅲ相試験

第Ⅲ相試験では「薬の候補」を、さらに多くの患者に使用してもらうことで、第Ⅱ相試験で得られた
結果をさらに深く検証します。

第Ⅲ相試験でも対象となるのは実際に疾患を持つ患者となるため、健康な人が参加できる試験は
第Ⅰ相試験のみとなります。

第Ⅲ相試験で安全性と有効性の最終確認が済むと、そこでようやく販売可能な医薬品として承認が
おりることになります。

まとめ

治験には高額な報酬がもらえるという以外に「危ない」、「怪しい」、「リスクが高い」といった
ネガティブなイメージがつきまとっていることも多いと思います。

しかし第Ⅰ相、第Ⅱ相、第Ⅲ相と段階ごとに区切ってそれぞれの特色を眺めると、
自分に合った治験の受け方が見えてくるのではないでしょうか。

第Ⅰ相試験は健康な人を対象とし、第Ⅱ・Ⅲ相試験は疾患をもった人が受けることになるので、
どんな方にも治験に参加する機会は開かれています。

抗ガン剤などリスクの高い試験から、新薬(先発品)により既に安全性の保証された後発医薬品の
試験まで、検証される「薬の候補」のバリエーションも様々です。

自身の条件に合致する案件が見つかれば、参加を検討するのもいいでしょう。