「膠原病になりやすいのは、真面目な性格の人」

「ストレスを溜め込むとなりやすい」

このような話を聞いて、不安を感じたことはありませんか?

膠原病と診断された方の中には、「自分が頑張りすぎたせいではないか」「もっと気楽に生きていれば病気にならなかったのではないか」と、自分自身を責めてしまう方が少なくありません。

この記事では、医学的な観点から「膠原病と性格の関係」について解説し、ストレスが体に与える影響や、病気と上手く付き合っていくための心の持ち方についてお伝えします。

結論から言うと、あなたの性格が原因で病気になったわけではありません(参考:日本リウマチ学会 1)

正しい知識を知ることで、少しでも肩の荷を下ろし、前向きに治療と向き合うきっかけになれば幸いです。

※この記事は疾患啓発を目的としています。

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「膠原病になりやすい性格」は医学的に存在するのか

インターネット上や口コミでは「膠原病になりやすい性格」について様々な説が飛び交っていますが、医学的にはどのように考えられているのでしょうか。

医学的な結論は「特定の性格が原因ではない」

まずもっとも重要な事実として、現在の医学において「特定の性格が直接的な原因となって膠原病を発症する」という明確な根拠(エビデンス)はありません (参考:日本リウマチ学会 1)。

日本リウマチ学会をはじめとする専門機関やガイドラインにおいても、性格が単独の発症要因として挙げられることはなく、性格を変えれば病気が防げる・治るといった単純なものではないのが現実です。

「神経質だからなった」「くよくよする性格だからなった」といった言葉に科学的な裏付けはないため、ご自身の性格を否定する必要は全くありません。

なぜ「真面目な人がなる」と言われるのか

では、なぜ世間では「真面目な人」「几帳面な人」がなりやすいと言われることが多いのでしょうか。これにはいくつかの背景が考えられます。

一つは、「ストレスとの関連性」です。

真面目で責任感が強い方や、完璧主義な傾向がある方は、知らず知らずのうちに過度な負荷を抱え込んでしまうことがあります(参考:厚生労働省 7)。

過度なストレスは免疫機能のバランスに影響を与え、病状の悪化に関与する可能性があるため、結果的に「無理を重ねてきた時期」と「発症・悪化」が重なり、性格と結びつけて解釈されやすい側面があります(参考:順天堂大学 5)。

もう一つは、患者さん自身の心理的な「振り返り」です。

病気になったとき、人はどうしても「なぜ自分が?」という原因を探したくなります。その過程で「あの時、仕事を頑張りすぎていた」という経験が、「自分の性格がいけなかった」という結論に結びつきやすいと考えられます。

ストレスと免疫システムの深い関係

性格そのものが直接の原因ではありませんが、「ストレス」は膠原病(自己免疫疾患)の状態に影響を与える要因の一つであることが分かっています(参考:産業医科大学 3)。

ストレスが免疫に与える影響とは

私たちの体は、免疫機能によって守られています。

しかし、長期間にわたり強いストレスや過労、睡眠不足にさらされると、免疫システムに悪影響を及ぼし、自分自身を攻撃してしまう自己免疫反応の誘因や、炎症の悪化(再燃)につながる可能性があると考えられています(参考:順天堂大学 5)。

つまり、性格に問題があるのではなく、「体が悲鳴を上げるほどのストレス負荷がかかっていた」可能性については、今後の管理のために目を向ける意味があるかもしれません。

「性格」よりも「ストレスの受け止め方」が鍵

ここで大切なのは、性格を変えることではなく、「ストレスへの対処法(コーピング)」を見直すことです。

「真面目」「頑張り屋」という性格は、決して悪いことではありません。

むしろ、膠原病のように長く付き合っていく病気の治療においては、医師の指示を守って服薬を管理したり、生活習慣を整えたりする上で、その真面目さが大きな強み(プラスの要因)になります。

性格を否定するのではなく、その特性ゆえに無理をしすぎていないかを確認し、適度に休息を取り入れる技術を身につけることが推奨されます(参考:産業医科大学 3)。

膠原病の発症に関わる本当の要因

「性格のせいではないなら、なぜ私は膠原病になったの?」という疑問を持つ方もいるでしょう。

膠原病の発症には、単一の原因ではなく、いくつもの要因が複雑に絡み合っています(参考:岐阜大学 2)。

遺伝的要因と環境的要因の複雑な絡み合い

膠原病は「多因子疾患」と呼ばれ、一つの原因だけで発症するものではありません。

生まれ持った「遺伝的ななりやすさ(素因)」を持っている人に、ウイルス感染、紫外線、喫煙、過労、そして強いストレスなどの「環境要因」がいくつか重なったときに、発症のスイッチが入ると考えられています(参考:難病情報センター 4)。

つまり、たまたまそのタイミングで複数の条件が揃ってしまった結果であり、誰かのせいでも、あなたの行いのせいでもありません (参考:岐阜大学 2)。

女性ホルモンやライフステージの影響

膠原病の多く(全身性エリテマトーデスや関節リウマチなど)は、女性に多く発症することが知られています(参考:東京女子医科大学 6)。

特に、妊娠・出産、更年期など、女性ホルモンのバランスが大きく変化する時期は、発症や病状変化のきっかけになりやすいことが指摘されています(参考:日本リウマチ学会 1)。

これもまた、本人の性格とは無関係な生理的なメカニズムです(参考:難病情報センター 4)。

膠原病と上手く付き合うためのメンタルケア・心の持ち方

性格が原因ではないとはいえ、ストレスをコントロールすることは病状の安定(寛解維持)にとって非常に重要です(参考:産業医科大学 3)。

「頑張りすぎない」勇気を持つ

真面目な方ほど、「迷惑をかけてはいけない」と思いがちです。

しかし、膠原病の治療においては「休むことも治療の一部」と割り切る考え方が大切です(参考:順天堂大学 5)。

自分の限界を認め、早めにブレーキをかけることは、安定した療養生活を送るための積極的な選択です。

周囲への頼り方とストレス発散

痛みや倦怠感、将来への不安を一人で抱え込まないでください。

主治医や医療スタッフ、家族に正直な状態を伝えることは、適切な治療支援を受けるために不可欠です。

また、同じ悩みを持つ人と交流できる患者会などを活用することも、心理的な支えになります。

趣味の時間を持ったり、リラックスできる環境を整えたりして、心身の緊張を解く時間を意識的に作りましょう(参考:産業医科大学 3)。

治験を試すのも一つの方法

病院で直接治療を受ける以外に、治験に参加するというのもひとつの手段です。日本では膠原病でお困りの方に向け治験が行われています。

治験ジャパンでも治験協力者を募集しています。例えば過去には東京や神奈川、大阪などの施設で行われた試験もありました。

治験にご参加いただくメリットとして挙げられるのは、主に下記3点です。


ご自身の健康に向き合うという意味でも、治験という選択肢を検討してみるのも良いでしょう。実施される試験は全て、安全に配慮された状況下で行われます。

よくある質問 (FAQ)

Q. ストレスを減らせば膠原病は治りますか?

ストレス管理だけで病気が完治するわけではありませんが、再燃(症状の悪化)を防ぎ、病状を安定させるために非常に重要です。薬物療法と並び、日常生活での「自己管理」の大切な柱の一つです(参考:産業医科大学 3)。

Q. 「膠原病体質」は遺伝しますか?

膠原病そのものが単純に遺伝するわけではありませんが、発症に関与する「なりやすさ(遺伝的素因)」が関係している可能性はあります(参考:岐阜大学 2)。しかし、素因があっても必ず発症するわけではなく、環境要因の影響も大きいため、過度な心配は不要です。

Q. 家族にどう説明すれば理解してもらえますか?

「見た目は元気そうに見えても、体内では免疫の異常が起きていて疲れやすい病気であること」や「性格ではなく、体質や環境要因が複雑に絡み合って起きていること」を伝えてみてください(参考:難病情報センター 4)。公的機関の資料を一緒に見ることも、客観的な理解を助けます。

まとめ

「膠原病になりやすい性格」という医学的な定義はありません(参考:日本リウマチ学会 1)。

あなたが病気になったのは、あなたの性格が悪かったからでも、努力が足りなかったからでもありません

どうぞ、自分自身を責めないでください。

一方で、日々のストレスを上手にコントロールすることは、これからの体調管理において大きな助けとなります。

持ち前の「真面目さ」を、自分を追い詰めるためではなく、「自分を大切にするため」に使ってあげてください。

主治医とよく相談しながら、体も心も無理のないペースで歩んでいきましょう。

(注釈) 本記事は一般的な医学情報に基づき作成されていますが、個々の病状や診断については、必ず主治医の診断・指導に従ってください。

参考資料・文献一覧

  1. 日本リウマチ学会「リウマチ・膠原病を心配したら」 https://www.ryumachi-jp.com/general/collagen-diseases/
  2. 岐阜大学医学部「膠原病って何?」 https://www.med.gifu-u.ac.jp/diabetes/patient/connective-q.html
  3. 産業医科大学「膠原病の最近の考え方」 https://www.uoeh-u.ac.jp/kouza/1nai/pdf/colkanja-collargen.pdf
  4. 難病情報センター「全身性エリテマトーデス(SLE)(指定難病49)」 https://www.nanbyou.or.jp/entry/53
  5. 順天堂大学医学部附属順天堂医院「全身性エリテマトーデス」 https://hosp.juntendo.ac.jp/clinic/department/collagen/disease/disease02.html
  6. 東京女子医科大学 膠原病リウマチ痛風センター「膠原病とは」 https://twmu-rheum-ior.jp/diagnosis/kougenbyo/about-kougenbyo.html
  7. 独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)「職業場面における難病」 https://www.nivr.jeed.go.jp/research/kyouzai/p8ocur0000000yva-att/kyouzai25-03.pdf