関節リウマチと診断されると、「これからどんな生活を送ればいいのか」「今まで通り動いても大丈夫なのか」と強い不安を感じる方が多いでしょう。
関節リウマチの治療は、近年「バイオ製剤」などの新しい薬の登場により劇的に進化しました。
しかし、薬を飲むだけで十分というわけではありません。
薬物療法と同じくらい重要なのが、日常生活における「関節の保護」と「生活習慣の改善」です。
知らず知らずのうちに続けている習慣が、関節の炎症を長引かせ、変形を進行させてしまうこともあります。
この記事では、医学的根拠に基づき、関節リウマチの患者さんが「してはいけない10項目」を具体的に解説します。
これらを意識することで、痛みをコントロールし、自分らしい生活を守るための第一歩を踏み出しましょう(参考:日本リウマチ学会 1)。
※この記事は疾患啓発を目的としています。

治験という方法で負担軽減費を受け取りながら、より良い治療の選択肢を見つける方が増えています。
※負担軽減費とは:治験協力者が負担する交通費や時間的拘束などがあるためお金が支給されます。
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関節リウマチで「してはいけない」基本の10項目リスト
関節リウマチは、自己免疫の異常によって関節に炎症が起こる病気です。
日常生活の何気ない動作が炎症を増幅させることがあるため、以下の10項目には特に注意が必要です。
1. 関節に負担がかかる激しい運動(マラソン・ジャンプ等)
関節の炎症が強い時期に、マラソンやエアロビクス、サッカーなどの激しい運動を行うことは避けましょう。
高い負荷や衝撃がかかると、炎症が悪化し、軟骨や骨の破壊を早めてしまう可能性があります。
ただし、「全く動かさない」のも禁物です。
炎症が落ち着いている時期に、水中ウォーキングやストレッチなどの低負荷な運動を行うことは、関節機能の維持に有効であると推奨されています(参考:日本リウマチ学会 2)。
2. 喫煙(タバコは治療効果を下げ、悪化を早める)
喫煙は関節リウマチにおいて、最も避けるべき習慣の一つです。
タバコに含まれる成分が体内の自己抗体(抗CCP抗体など)の産生を促し、発症リスクを高めるだけでなく、治療薬(メトトレキサートなど)の効果を弱めてしまうことが明らかになっています(参考:日本リウマチ学会 1)。
3. 関節を冷やすこと(血流悪化による痛みの増強)
「冷え」はリウマチの痛みを増強させる要因となります。
関節が冷えると血流が悪くなり、筋肉がこわばりやすくなります。
冬場の防寒はもちろん、夏場のエアコンによる冷えすぎにも注意し、サポーターや入浴などで関節を温める工夫をしましょう。
ただし、関節が熱を持って腫れている急性期(炎症が強い時期)には、冷湿布などで冷やすことが推奨される場合もあります(参考:日本リウマチ学会 2)。
4. 長時間、同じ姿勢を続けること(関節の固まり防止)
デスクワークや長時間のテレビ視聴など、同じ姿勢をとり続けると関節の周囲が固まり、動かしにくくなります。
リウマチ特有の「朝のこわばり」に近い状態を日中も作ってしまうことになります。
30分に一度は立ち上がったり、軽く関節を回したりして、血流を促しましょう。
5. 体重増加・肥満(膝や足首への過重負担)
体重が増えると、下半身の関節(膝、股関節、足首)にかかる負担が大幅に増加します。
リウマチによって弱くなっている関節に過度な荷重がかかると、変形が加速します。
また、脂肪組織から放出される物質が炎症に関与する可能性も指摘されています(参考:国立長寿医療研究センター 3)。
6. 正座や和式トイレの使用(関節を深く曲げる動作)
膝を深く曲げる「正座」や「和式トイレ」の使用は、膝関節に非常に強い負担をかけます。
また、和式トイレでの立ち座りは足首や指関節にも無理な力がかかります。
生活環境を洋式(椅子、ベッド、洋式トイレ)に整えることが、関節保護の基本です(参考:日本リウマチ学会 2)。
7. 重い荷物を指先だけで持つこと(関節保護の欠如)
指の関節はリウマチが最も出やすい部位です。
重いバッグを指先にひっかけて持ったり、重い鍋を片手で持ち上げたりする動作は、指の変形を誘発します。
荷物は肩にかけたり、両手で包み込むように持つなど、大きな関節(肩や肘)を使う意識を持ちましょう。
8. 首に負担をかける動作(頸椎亜脱臼のリスク回避)
関節リウマチは首の骨(頸椎)にも影響を及ぼします。
特に「環軸椎亜脱臼」という状態になると、脊髄を圧迫し、手足の痺れや麻痺を引き起こす恐れがあります。
首を激しく回す、重いものを頭の上に乗せる、といった動作は避け、異常を感じたらすぐに主治医に相談してください(参考:難病情報センター 4)。
9. ストレスと過労の蓄積(免疫バランスの乱れ)
精神的なストレスや肉体的な過労は、自律神経の乱れなどを通じて体調に悪影響を与えます。
リウマチの活動性が高まるきっかけになることもあるため、十分な睡眠をとり、休息時間を意識的に確保することが重要です。
10. 自己判断での薬の中断(リバウンドの危険性)
「調子が良いから」「副作用が心配だから」と、自分の判断で薬を減らしたり中断したりすることは非常に危険です。
一見症状がなくても、体の中では炎症が続いており、薬をやめた途端に激しい痛みが再発(フレア)し、関節破壊が一気に進むことがあります(参考:京都大学医学部附属病院 5)。
【食事編】リウマチで食べてはいけないものはある?

「リウマチに特定の食べ物が効く」「これを食べると悪化する」といった情報を目にすることがありますが、医学的に「これを食べてはいけない」という特定の食材はありません(参考:厚生労働省eJIM 6)。
特定の「禁止食材」はないが、注意すべき食習慣
大切なのは、特定の食品を排除することではなく、全体のバランスです。
- 砂糖や塩分の摂りすぎ:
- 高血圧や糖尿病などの合併症を防ぐため、またステロイド服用中の副作用リスクを抑えるために、過剰な摂取は控えましょう。
- 加工食品の頻用:
- 栄養バランスを崩しやすく、健康維持の観点からもほどほどにすべきです。
アルコールとの付き合い方
適量であれば問題ありませんが、抗リウマチ薬である「メトトレキサート」を服用している場合、アルコールとの併用により肝障害のリスクが高まる可能性があるため注意が必要です。
主治医と相談し、飲酒量を制限するなどの対策が推奨されます(参考:日本リウマチ学会 1、帝京大学医学部 7)。
逆に「積極的にやったほうがいいこと」は?
「してはいけないこと」ばかりに目を向けるとストレスになります。
以下のポジティブな行動を生活に取り入れましょう。
- 適度な運動(リウマチ体操):
- 炎症が落ち着いている時に、ゆっくりと関節を動かすストレッチを行うことは、関節の可動域を維持するために不可欠です。
- 関節の保温:
- お風呂でゆっくり温まる、機能性インナーを活用するなど、血流を保つ工夫をしましょう。
- 道具の活用:
- 万能オープナーや電動歯ブラシ、クッション性の高い靴など、関節への負担を減らす「便利グッズ」を積極的に活用してください。

病院で直接治療を受ける以外に、治験に参加するというのもひとつの手段です。日本では関節リウマチでお困りの方に向け治験が行われています。
治験ジャパンでも治験協力者を募集しています。例えば過去には東京や神奈川、大阪などの施設で行われた試験もありました。
治験にご参加いただくメリットとして挙げられるのは、主に下記3点です。
最新の治療をいち早く受けられることがある
専門医によるサポート、アドバイスが受けられる
治療費や通院交通費などの負担を軽減する目的で負担軽減費が受け取れる
ご自身の健康に向き合うという意味でも、治験という選択肢を検討してみるのも良いでしょう。実施される試験は全て、安全に配慮された状況下で行われます。
よくある質問(FAQ)
Q. リウマチになりやすい性格はある?
科学的な根拠はありません。ただし、ストレスや過労を溜め込みやすい性格傾向が、結果として体調管理に影響する可能性は考えられます。「適度に手を抜く」ことも治療生活を続ける上で大切です。
Q. 仕事は辞めなければいけない?
多くの方が仕事を続けています。現在は薬の効果が高いため、職場環境(長時間立ちっぱなしを避ける、重い物を持たない等)を調整することで継続は十分に可能です。産業医や主治医と相談しましょう。
Q. 完治することはある?
「完治(病気が跡形もなく消える)」という言葉はあまり使われませんが、薬によって症状が全くない状態が続く「寛解(かんかい)」を目指すことができます。早期に適切な治療を開始し、生活習慣を整えることで、健康な人と変わらない生活を送ることが可能です(参考:順天堂大学医学部附属順天堂医院 8)。
まとめ:正しい知識で関節の変形と進行を防ごう
関節リウマチの日常生活において「してはいけないこと」の根底にあるのは、「関節を過度に酷使しないこと」と「炎症を誘発する生活習慣を避けること」です。
- 激しい運動を避け、適度なストレッチを。
- 禁煙を徹底し、冷えと肥満を予防する。
- 道具を頼り、関節を深く曲げる動作を避ける。
- 薬物療法を継続し、ストレスを溜めない。
これら10項目は、あなたの自由を奪うための制限ではなく、将来の自由な動きを守るための「投資」です。
主治医と二人三脚で、無理のない範囲から生活を見直していきましょう。
参考資料・文献一覧
- 日本リウマチ学会「メトトレキサート」 https://www.ryumachi-jp.com/jcr_wp/media/2024/01/mtx_2024.pdf
- 日本リウマチ学会「第1部 関節リウマチの基礎(患者向け)」 https://www.ryumachi-jp.com/jcr_wp/media/2022/03/life_1-2.pdf
- 国立長寿医療研究センター「高齢者の関節疾患」 https://www.ncgg.go.jp/hospital/iryokankei/letter/042.html
- 難病情報センター「46 悪性関節リウマチ」 https://www.nanbyou.or.jp/entry/43
- 京都大学医学部附属病院 リウマチセンター「京大リウマチ通信」 https://www.kuhp.kyoto-u.ac.jp/department/division/rdc.html
- 厚生労働省eJIM「関節リウマチ」 https://www.ejim.mhlw.go.jp/pro/overseas/c05/10.html
- 帝京大学医学部内科学講座「メトトレキサート(リウマトレックス®)」 http://www2.med.teikyo-u.ac.jp/rheum/disease/mtx.html
- 順天堂大学医学部附属順天堂医院「膠原病・リウマチ内科:関節リウマチ」 https://hosp.juntendo.ac.jp/clinic/department/collagen/disease/disease01.html
