「最近、疲れが取れない」
「階段を上がると動悸がする」
そんな症状を感じていませんか?
健康診断で「貧血気味」と指摘されても、「よくあることだから」「立ちくらみもないし大丈夫」と放置してしまう人は少なくありません。
しかし、医学的な観点から申し上げると、貧血の放置は心臓や全身の臓器に深刻な負担をかけ続ける危険な状態と言えます。
なぜなら、貧血が続くことは、心臓や脳といった生命維持に不可欠な臓器に、常に十分な酸素が行き渡らない状態(低酸素状態)を強いることと同義だからです。
この記事では、貧血を放置した場合に体の中で何が起こるのか、特にリスクの高い「心臓への負担」や、隠れているかもしれない病気について、医学的知見に基づき解説します。
※この記事は疾患啓発を目的としています。

治験という方法で負担軽減費を受け取りながら、より良い治療の選択肢を見つける方が増えています。
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貧血が続くとどうなる?体の中で起きている「酸素不足」の連鎖
貧血とは、血液中の赤血球(ヘモグロビン)が減少し、酸素を全身に運ぶ能力が低下している状態です。
これを放置すると、体は酸素不足を補うために代償機能(埋め合わせようとする働き)を働かせ、様々な臓器に負担がかかります。
心臓への負担増大(心不全・心肥大のリスク)
最も大きな影響を受ける臓器の一つが心臓です。
ヘモグロビンが減ると、血液の酸素運搬能力が低下します。
それでも全身に必要な酸素を届けるため、心臓は拍動の回数を増やし、より多くの血液を送り出そうとポンプ機能をフル回転させます(参考:愛知医科大学病院 1)。
- 動悸・頻脈:
- 安静にしていても心臓がドキドキしたり脈が速くなるのは、心臓が必死に血液を循環させているサインです。
- 心負荷の増大:
- このような過重労働が長期間続くと、心臓への負担が蓄積し、心機能の低下や心肥大、場合によっては「高拍出性心不全」と呼ばれる状態に至るリスクがあります(参考:日本透析医学会 2)。
「貧血だと思っていたら、実は心臓に大きな負担がかかっていた」というケースもあるため、注意が必要です。
脳の酸欠とパフォーマンスへの影響
脳は多くの酸素を必要とする臓器です。
貧血により脳への酸素供給が不十分になると、日常生活のパフォーマンスに影響が出ることがあります。
- 集中力の低下:
- 仕事や家事がはかどらない、疲れやすい。
- 頭重感・めまい:
- 頭がボーッとしたり、立ちくらみが起きる。
- 気力の低下:
- やる気が出ないといった症状が現れることもあります(参考:厚生労働省 3)。
これらは「ただの疲れ」と見過ごされがちですが、貧血の治療によって改善する可能性があります。
爪・肌・髪への影響
酸素や栄養は生命維持に重要な臓器へ優先的に送られるため、爪や皮膚、髪といった組織への供給は後回しにされがちです。
- スプーン爪:
- 爪が薄くなり、中央が凹んで反り返る(鉄欠乏性貧血に特徴的)。
- 肌の顔色:
- 顔色が青白く見えたり、肌トラブルの原因になることがあります。
- 抜け毛:
- 毛根への栄養不足により、髪への影響が出ることがあります(参考:日本内科学会 4)。
異食症(氷を噛みたくなる衝動)
「無性に氷をガリガリ食べたくなる」という症状(氷食症)がある場合、鉄欠乏性貧血である可能性が高いことが知られています。
これは鉄欠乏に伴う特異的な症状の一つと考えられています(参考:日本内科学会 4)。
「症状がない」が一番怖い?慢性貧血の落とし穴

「私は立ちくらみもしないし、元気だから大丈夫」と思っている人ほど注意が必要です。
なぜ「ふらつき」がなくても危険なのか
急激に出血した場合は強いめまいが起きます。
ですが、鉄欠乏性貧血のように時間をかけてゆっくり進行する貧血の場合、脳や体が低酸素状態に「慣れて(順応して)」しまうことがあります。
ヘモグロビン値が大幅に下がっていても、日常生活を送れている人がいるのはこのためです。
しかし、「自覚症状がない」ことと「体にダメージがない」ことはイコールではありません。
自覚がないままでも、心臓などの臓器への負担は継続しています。
【セルフチェック】見逃してはいけないサイン
以下のような症状が続いていませんか?
当てはまる場合は、内科を受診してください。
- 階段や坂道を上ると、以前より息切れしやすい
- 動悸がする、脈が速い
- 爪が白っぽい、割れやすい、反り返っている
- 下まぶたの裏側が白っぽい
- 氷や生米など、栄養のないものを無性に食べたくなる
- 疲れやすく、だるさが抜けない
その貧血、原因は「鉄不足」だけじゃないかも?
貧血の治療で重要なのは、鉄分を補うだけでなく、「なぜ貧血になったのか(原因)」を突き止めることです。
女性に多い原因(月経・婦人科疾患)
閉経前の女性の場合、月経による出血が主な原因です。
特に、子宮筋腫や子宮内膜症などの婦人科疾患があると経血量が増え(過多月経)、食事だけでは補えないほどの鉄分が失われることがあります。
「生理痛が重い」「経血量が多い」と感じる場合は、婦人科での相談も検討してください(参考:厚生労働省 3)。
男性・閉経後女性に多い原因(消化管出血など)
男性や閉経後の女性が貧血になる場合、背後に病気が隠れている可能性があります。
月経による出血がないにもかかわらず貧血になるということは、消化管など体のどこかから出血している疑いがあります。
- 胃潰瘍・十二指腸潰瘍
- 胃がん・大腸がん
- 大腸ポリープ・痔
これらが原因で慢性的に出血し、貧血として発見されるケースがあります。
単に鉄剤を飲んで数値を改善させるだけでなく、必要に応じて内視鏡検査などで出血源を確認することが重要です(参考:日本臨床検査医学会 5, 国立がん研究センター 6)。
貧血を根本から治す!治療のポイント
貧血の多くを占める「鉄欠乏性貧血」は、適切な治療を行えば改善が期待できる病気です。
医療機関での治療(鉄剤)
基本は「鉄剤(経口薬)」の内服です。
不足している鉄分を効率的に補うために処方されます。
最近では胃への負担や飲みやすさに配慮された製剤も用いられています。
治療期間は「貯蔵鉄」が貯まるまで
ここが最も重要なポイントです。
鉄剤を飲み始めると、比較的早期にヘモグロビン値が上昇し、症状が改善することがあります。
しかし、自己判断で薬をやめてはいけません。
体の中には、血液中の鉄とは別に、肝臓などに蓄えられる「貯蔵鉄(フェリチン)」があります。
貧血の治療では、この貯蔵鉄が十分に回復するまで治療を続ける必要があります。
一般的には、貧血(ヘモグロビン値)が改善した後も、さらに3〜4ヶ月程度鉄剤の内服を継続することが推奨されています(参考:日本内科学会 4)。
医師の指示に従い、しっかりと「鉄の貯金」を作ることが再発予防につながります。
食事療法の役割
食事療法は、治療後の再発予防や、軽度の鉄不足の改善に役立ちます。
レバーや赤身肉などに含まれる吸収率の良い「ヘム鉄」や、ビタミンCと一緒に摂ることで吸収が高まる野菜などの「非ヘム鉄」をバランスよく摂取しましょう。
ただし、すでに貧血を発症している場合、食事だけで必要な鉄分を補うことは難しいため、まずは医療機関での適切な治療を受けることが優先されます。

病院で直接治療を受ける以外に、治験に参加するというのもひとつの手段です。日本では貧血でお困りの方に向け治験が行われています。
治験ジャパンでも治験協力者を募集しています。例えば過去には東京や神奈川、大阪などの施設で行われた試験もありました。
治験にご参加いただくメリットとして挙げられるのは、主に下記3点です。
最新の治療をいち早く受けられることがある
専門医によるサポート、アドバイスが受けられる
治療費や通院交通費などの負担を軽減する目的で負担軽減費が受け取れる
ご自身の健康に向き合うという意味でも、治験という選択肢を検討してみるのも良いでしょう。実施される試験は全て、安全に配慮された状況下で行われます。
まとめ:貧血は体のSOS
貧血は単なる体質ではなく、背景に原因がある病気の状態です。
「たかが貧血」と放置せず、適切な治療を受けることで、心臓への負担を減らし、将来の健康を守ることにつながります。
- 動悸や息切れは体が酸素不足を訴えているサイン
- 男性や閉経後女性の貧血は、消化管等の検査が重要
- 治療は「貯蔵鉄」が十分に貯まるまで根気よく続ける
この3点を心に留め、健診で指摘されたり気になる症状がある場合は、早めに医療機関へ相談してください。
参考資料・文献一覧
- 愛知医科大学病院「検査相談コーナー(血液・尿検査) 貧血とはどういうことですか?」 https://www.aichi-med-u.ac.jp/hospital/sh10/sh1009/index.html
- 日本透析医学会「慢性腎臓病患者における腎性貧血治療のガイドライン 2015年版」 https://www.jsdt.or.jp/tools/file/download.cgi/1684/2015%E5%B9%B4%E7%89%88%E3%80%8C%E6%85%A2%E6%80%A7%E8%85%8E%E8%87%93%E7%97%85%E6%82%A3%E8%80%85%E3%81%AB%E3%81%8A%E3%81%91%E3%82%8B%E8%85%8E%E6%80%A7%E8%B2%A7%E8%A1%80%E6%B2%BB%E7%99%82%E3%81%AE%E3%82%AC%E3%82%A4%E3%83%89%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%80%8D.pdf
- 厚生労働省「働く女性の心とからだの応援サイト 貧血・かくれ貧血」 https://www.bosei-navi.mhlw.go.jp/health/anemia.html
- 岡田定「5.鉄欠乏性貧血の治療指針」(日本内科学会雑誌 第99巻 第6号) https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika/99/6/99_1220/_pdf
- 日本臨床検査医学会「臨床検査のガイドライン JSLM2018 36.貧血」 https://www.jslm.org/books/guideline/36.pdf
- 国立がん研究センター「がん情報サービス 貧血」 https://ganjoho.jp/public/support/condition/anemia/index.html
- 日本鉄バイオサイエンス学会「鉄欠乏性貧血の診療指針」 https://jbis.bio/archives/%E7%9B%AE%E6%AC%A1%EF%BC%9A%E9%89%84%E6%AC%A0%E4%B9%8F%E6%80%A7%E8%B2%A7%E8%A1%80%E3%81%AE%E8%A8%BA%E7%99%82%E6%8C%87%E9%87%9D%EF%BC%BF%E5%85%AC%E9%96%8B%E7%94%A8
