「20代、30代の頃はこれほどではなかったのに、40代になってから生理中の頭痛がひどくなった」
「生理が始まると、こめかみがズキズキして仕事も家事も手につかない」
このようにお悩みではありませんか?
実は、40代女性の多くが、これまでとは違う頭痛のパターンや痛みの強さに戸惑いを感じています。
結論からお伝えすると、40代特有の生理中のひどい頭痛は、「プレ更年期(周閉経期)」における女性ホルモンの急激な減少が大きく関わっています(参考:日本女性医学学会 1)。
この記事では、40代の女性の体で何が起きているのかという原因から、痛むときに今すぐできる対処法、そして薬に頼らない予防法までを網羅的に解説します。
つらい頭痛の不安を解消し、少しでも快適に過ごすためのヒントとしてお役立てください。
※この記事は疾患啓発を目的としています。
生理痛・月経困難症でお困りの方へ

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40代で「生理中の頭痛」が増える・重くなる原因
なぜ、40代に入ってから生理中の頭痛が悪化するのでしょうか。
そこには、年齢に伴うホルモンバランスの変化が密接に関係しています。
最大の要因は「エストロゲン(卵胞ホルモン)」の急激な低下
生理中に起こる頭痛の多くは、「月経関連片頭痛」と呼ばれます(参考:日本頭痛学会 2)。
排卵期から生理前にかけて分泌が増える女性ホルモン「エストロゲン(卵胞ホルモン)」は、生理が始まる直前に急激に減少します。
この急激な変動(エストロゲン離脱)が脳内の神経伝達物質「セロトニン」の減少を引き起こし、脳の血管拡張や痛みを感じる神経(三叉神経)への刺激につながると考えられています(参考:日本頭痛学会 3)。
セロトニンには痛みを抑制したり血管を収縮させたりする働きがあるため、これが減ることで痛みを感じやすくなってしまうのです。
40代特有の「プレ更年期」によるホルモン乱高下
一般的に閉経の前後5年間を「更年期」と呼びますが、その前段階である40代前半〜半ばは「プレ更年期(周閉経期)」とも呼ばれます。
この時期は卵巣機能が少しずつ低下し始めますが、脳は「もっとホルモンを出せ」と指令を出し続けるため、ホルモンの分泌量が不安定になります(参考:日本女性医学学会 1)。
若い頃よりもエストロゲンの分泌量の「山」と「谷」の差が激しくなることがあり、この「急降下」の落差が大きいほど、頭痛も重くなりやすい傾向にあります。
「片頭痛」と「緊張型頭痛」の併発
40代女性の頭痛を複雑にしているのが、複数の頭痛タイプが混ざり合っているケースです。
- 片頭痛:
- 生理周期に合わせて起こる、ズキズキと脈打つような痛み。吐き気や光・音への過敏さを伴うことも。
- 緊張型頭痛:
- デスクワークや加齢による首・肩の凝り、ストレスからくる、頭全体が締め付けられるような痛み。
40代は仕事や家庭での責任が重くなりやすい時期でもあります。
生理による「片頭痛」に加え、日々の疲労による「緊張型頭痛」が同時に起こることで、痛みがより頑固で治りにくくなっている可能性があります。
生理中の頭痛への即効対処法【薬・ツボ・緩和ケア】
「今まさに痛くてつらい」という時に試していただきたい、具体的な対処法をご紹介します。
「冷やす」か「温める」か?痛みのタイプで見極める
頭痛対処の基本ですが、間違えると逆効果になることもあるため注意が必要です(参考:日本頭痛学会 2)。
- ズキズキ痛む場合(片頭痛タイプ):【冷やす】
- こめかみや痛みのある部分を、冷却シートや氷枕で冷やしてください。拡張した血管を収縮させることで痛みが和らぎます。このタイプの場合、入浴などで温めると血管がさらに広がり、痛みが悪化することがあります。できるだけ光や音を遮断し、暗く静かな部屋で安静にしましょう。
- 締め付けられる痛みの場合(緊張型頭痛タイプ):【温める】
- 後頭部から首筋にかけて重苦しい痛みがある場合は、蒸しタオルなどで首や肩を温め、血行を良くすることが有効です。ストレッチで筋肉をほぐすのも良いでしょう。
生理中は両方が混在していることも多いですが、「ズキズキ」と脈打つ痛みが強い時は、まずは冷やして安静にすることを優先してください。
鎮痛薬(痛み止め)を飲む正しいタイミング
「痛み止めはクセになるから我慢する」という方もいらっしゃいますが、我慢して痛みがピークに達してから飲むと、薬が効きにくくなることがあります。
鎮痛薬を飲むベストなタイミングは、「頭痛が来そうだなという予兆があった時」や「痛みが始まった直後」です(参考:日本頭痛学会 2)。
また、生理周期に伴う頭痛であることが明確な場合、医師の診断のもと、生理が始まる数日前から予防的に薬を服用する「短期予防療法」という方法もあります。
自己判断で行わず、必ず医師に相談してください。
今すぐ押せる!頭痛緩和のツボ
薬が飲めない時や、補助的なケアとしてツボ押しも選択肢の一つです。
- 合谷(ごうこく):
- 手の甲、親指と人差し指の骨が交わる部分の少し人差し指側のくぼみ。痛み全般に用いられる代表的なツボです(参考:厚生労働省e-JIM 4)。
- 手三里(てさんり):
- 肘を曲げた時にできるシワから、手首の方へ指3本分下がったところ。
これらを「痛気持ちいい」と感じる強さで、ゆっくり押してみてください。
薬に頼りすぎない!40代からの頭痛予防と食事(食べ物)

毎月のことだからこそ、日頃の生活習慣で頭痛の頻度や強さをコントロールしていくことが大切です。
ホルモンバランスを整える「大豆イソフラボン」と「マグネシウム」
食事においては、神経の興奮を抑える栄養素などを意識して摂りましょう。
- マグネシウム:
- 血管の収縮・拡張を調整し、神経の興奮を鎮める働きがあります。ひじき、わかめなどの海藻類、アーモンドなどのナッツ類、玄米などに多く含まれ、摂取不足は片頭痛発作の誘因となりえます(参考:日本頭痛学会 5)。
- ビタミンB2:
- 卵、レバー、納豆など。細胞のミトコンドリアの働きを助け、片頭痛の予防に役立つと推奨されています(参考:日本頭痛学会 5)。
- 大豆イソフラボン:
- 納豆、豆腐、豆乳など。頭痛ガイドラインにおいて、その他の予防療法の一つとして言及されることがあります(参考:日本頭痛学会 5)。
また、空腹による低血糖は頭痛の引き金になります。
生理中は特に、食事の間隔を空けすぎないよう心がけましょう。
頭痛ダイアリーで自分の「トリガー」を知る
自分の頭痛が「いつ」「どのような状況で」起こるのかを記録する「頭痛ダイアリー」をつけることを強くおすすめします(参考:日本頭痛学会 6)。
- 生理の何日前に痛くなるか
- その時の天気や気圧
- 食べたものや睡眠時間
これらを記録することで、自分特有のパターンが見えてきます。
「そろそろ痛くなりそうだから、今日は早めに寝よう」「薬を準備しておこう」と、事前に対策を打てるようになります。
自律神経を整える睡眠とストレスケア
40代の体は、ホルモンバランスの変化により自律神経も乱れがちです。
自律神経の乱れは頭痛を誘発します。
睡眠不足や過度なストレスは片頭痛の大敵です。
生理前〜生理中は「体調が悪くて当たり前」と割り切り、家事のハードルを下げて、十分な睡眠時間を確保することを最優先にしてください。
この頭痛は危険?病院に行くべき目安と診療科
生理中の頭痛の多くはホルモンバランスによるものですが、中には危険な病気が隠れている場合や、専門的な治療が必要な場合があります。
婦人科?脳神経外科?受診の判断基準
- 生理痛(腹痛)もひどく、日常生活に支障がある場合:
- 月経困難症や子宮内膜症などが背景にある可能性があります。まずは「婦人科」を受診しましょう。
- 頭痛がメインで、市販薬が効かない場合:
- 「頭痛外来」や「脳神経外科」の受診をおすすめします。片頭痛専用の予防薬や、発作時に飲むトリプタン製剤など、市販薬とは異なるアプローチでの治療が可能です(参考:日本頭痛学会 2)。
注意が必要な「閉経前」のサインと他の病気
以下のような頭痛がある場合は、くも膜下出血や脳腫瘍などの危険な病気の可能性があります。ためらわずに直ちに救急車を呼ぶか、脳神経外科を受診してください。
- バットで殴られたような、突然の激しい痛み
- 手足のしびれ、麻痺、ろれつが回らない
- これまで経験したことのない種類の痛み
- 発熱や嘔吐を伴い、首が硬直して動かせない
治験を試すのも一つの方法

病院で直接治療を受ける以外に、治験に参加するというのもひとつの手段です。日本では生理痛や月経困難症でお悩みの方に向け治験が行われています。
治験ジャパンでも治験協力者を募集しています。例えば過去には東京や神奈川、大阪などの施設で行われた試験もありました。
治験にご参加いただくメリットとして挙げられるのは、主に下記3点です。
最新の治療をいち早く受けられることがある
専門医によるサポート、アドバイスが受けられる
治療費や通院交通費などの負担を軽減する目的で負担軽減費が受け取れる
ご自身の健康に向き合うという意味でも、治験という選択肢を検討してみるのも良いでしょう。実施される試験は全て、安全に配慮された状況下で行われます。
まとめ
40代の生理中の頭痛は、閉経に向けた体の変化のサインであり、決して「気のせい」や「我慢不足」ではありません。
原因は、プレ更年期(周閉経期)によるエストロゲンの急激な減少が大きく影響しています。
- ズキズキしたら冷やして安静に
- 薬は痛みの予兆段階で早めに飲む
- 大豆製品やマグネシウムを意識して摂る
これらを意識しつつ、痛みが生活の質を下げている場合は、無理せず婦人科や頭痛外来を頼ってください。
適切な治療を受けることで、つらい期間を驚くほど快適に過ごせるようになることもあります。自分の体をいたわりながら、この時期を乗り越えていきましょう。
よくある質問(FAQ)
- 日本女性医学学会「更年期障害」 https://www.jmwh.jp/
- 日本頭痛学会「頭痛の診療ガイドライン2021」 https://www.jhsnet.net/pdf/guideline_2021.pdf
- 日本頭痛学会「片頭痛におけるエストロゲンの役割と治療オプション」 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjho/50/3/50_590/_pdf/-char/ja
- 厚生労働省「『統合医療』情報発信サイト(e-JIM)」 https://www.ejim.mhlw.go.jp/
- 日本頭痛学会「慢性頭痛の診療ガイドライン」 https://www.jhsnet.net/guideline_GL2013.html
- 日本頭痛学会「頭痛ダイアリー」 https://www.jhsnet.net/dr_medical_diary.html
- 日本頭痛学会「薬剤の使用過多による頭痛」 https://www.jhsnet.net/ippan_zutu_kaisetu_05.html
