中性脂肪とは?
・中性脂肪やその他の脂肪の役割
中性脂肪の危険性
・中性脂肪は少なくてもダメ?
中性脂肪の原因
中性脂肪を減らすには?
・中性脂肪を減らすのに効果的な食材
中性脂肪の治験とは?
自身の生活を見直そう
中性脂肪の増減は体にさまざまな影響を与えます。中性脂肪が過剰な状態が続くと、動脈硬化や糖尿病、高血圧などを発症するリスクが高まるので、早めに対策を講じることが大切です。
今回の記事では、中性脂肪とは何か、中性脂肪の危険性、中性脂肪の減らし方、中性脂肪の治験について解説します。
中性脂肪が気になる方は、ぜひ参考にしてください。
中性脂肪とは?
中性脂肪とは、体内でブドウ糖が不足した場合の備えとして血液中に貯蔵された脂肪のことです。
トリグリセライド、またはトリグリセリドといった名で呼ばれることもあります。
中性脂肪は、外因性トリグリセリドと内因性トリグリセリドの大きく2つに分類されます。
これら2つの中性脂肪は、血液中に取り入れられる経路が異なります。外因性トリグリセリドでは、腸から吸収して血液中に排出されるのに対し、内因性トリグリセリドでは、一旦肝臓に取り込まれた後に、血液中に排出されます。
なお、血液中にある脂肪は中性脂肪だけではありません。コレステロールや遊離脂肪酸といった脂肪も血液中に存在しています。
中性脂肪やその他の脂肪の役割
中性脂肪は動脈硬化の原因とされており、よくないイメージをお持ちの方も多いでしょう。しかし、中性脂肪自体は必ずしも悪いものではありません。
中性脂肪は、身体のエネルギー源が不足したときの備えとして働きます。人間が活動していくためにはある程度必要な物質なのです。
中性脂肪と似たものに皮下脂肪、内臓脂肪、体脂肪がありますが、いずれも中性脂肪と関係が深いものです。
以下でくわしく説明していきます。
まずは体脂肪について説明しましょう。体脂肪とは体の中にある脂肪すべてを指し、皮下脂肪、内臓脂肪の2つに分けることができます。
皮下脂肪は、その名が表すように、皮膚のすぐ下に蓄えられた脂肪のことです。体のエネルギー源としてはもちろんのこと、外気との温度差やぶつかった時の衝撃から体を守るといった役割もあります。
内臓脂肪は、内臓周りに蓄えられた脂肪を指します。
皮下脂肪や内臓脂肪は、中性脂肪を元に作られます。血液中の脂肪である中性脂肪が変化することで、内臓脂肪や皮下脂肪になるのです。
これら3つの脂肪は、エネルギーの取り出しやすさが異なります。
最もエネルギー源として扱いやすいのが中性脂肪です。血液中にあるため、必要になったときにすぐ取り出せます。
次に取り出しやすいのが内臓脂肪です。内臓脂肪はすぐに蓄積されますが、消費もしやすいといえます。
最も取り出しにくいエネルギー源は皮下脂肪です。
一般的に、皮下脂肪は内臓脂肪に比べて落としにくいといわれています。これは、皮下脂肪の方がエネルギー源として使いにくいことに起因します。
中性脂肪の危険性
人間が活動していくうえで必要な中性脂肪ですが、過剰にある状態はよくありません。
体の中性脂肪が過剰になると、血液がドロドロになったり肥満につながったりするため、さまざまな病気が誘発されるのです。
中性脂肪の量が過剰になると、内臓脂肪や皮下脂肪という形で体に貯蔵され、その結果肥満になります。肥満は高血圧、糖尿病といった生活習慣病のリスク因子です。
また、中性脂肪には血液をドロドロにさせる働きがあるので、動脈硬化に注意が必要です。
中性脂肪が増えすぎると、脂質の代謝の異常により悪玉コレステロールが増え、善玉コレステロールは逆に減少します。
善玉コレステロールには余分なコレステロールを肝臓まで運ぶという役割があります。悪玉コレステロールが増加することにより、血液中に脂質が貯まってしまい、血液がドロドロになってしまうのです。
上記の病以外にも、中性脂肪の増加によって脂質異常症、ネフローゼ症、脂肪肝といった体の不調が引き起こされる恐れがあります。
中性脂肪は少なくてもダメ?
中性脂肪は全くない状態もよくありません。中性脂肪が不足した状態になってしまうと、疲れやすくなったり、疲労感が消えないといった症状が出てくるでしょう。
中性脂肪は体温調節機能とも大きく関係しており、不足すると、体の冷えを起こすことがあります。
ビタミンAなどの脂溶性ビタミンを運ぶ役割もあるため、中性脂肪の不足により免疫力の低下や肌荒れといった症状が体に表れる場合もあるでしょう。
以上のように、体の中性脂肪は必ずしも少なければいい訳ではないのです。適度なバランスを保つことが重要といえるでしょう。
中性脂肪の原因
中性脂肪の増減は、食生活や運動不足などの生活習慣に大きく影響されます。
たとえば暴飲暴食、栄養バランスの偏った食事などです。また、タバコには中性脂肪を増やす作用と、善玉コレステロールを減らす作用があるため、喫煙により中性脂肪が増加するリスクが高まります。
食べ物の中には、中性脂肪を増やしやすいものがあるので、中性脂肪が気になる方は、注意して摂取すべきでしょう。
具体的には、牛肉、バターなどの脂質の多い食べ物、果物、ジュースなどの糖質の多い食事、ビールなどのアルコール類があげられます。
中性脂肪を減らすには?
中性脂肪を減らすには、適度な運動と食生活の見直しが重要です。
ただし、食事や運動を改めたとしても、2~3日で体質は変わりません。最低でも2週間から1ヶ月は続けてみて、その後に改善したかどうか調べるようにしてください。
運動に関しては、毎日30分~1時間ほどウォーキングなどを習慣にするとよいでしょう。
食生活の改善に関しては、いろいろと注意すべき点があります。下記で解説していきます。
中性脂肪を減らすのに効果的な食材や栄養素
中性脂肪を減らす食事にしたいのであれば、「青魚を食べる」「食物繊維を摂取する」「植物性タンパク質を摂取する」の3つのポイントを押さえた食材を用意することをおすすめします。
魚には、DHA(ドコサヘキサエン酸)とEPA(エイコサペンタエン酸)という2つの成分が含まれています。
この2つの成分には、血液をサラサラにする効果や中性脂肪を減らす効果があるとされています。とくに、イワシや鯖のような青魚にはこの2つの成分が多く含まれており、中性脂肪を効果的に減らせます。
生の方が火を通す場合よりも効率よく栄養を摂取できるので、おすすめです。
食物繊維は、腸でコレステロールや中性脂肪が吸収されるのを防いでくれる効果があります。
食物繊維を多く含む食材には、野菜、海藻、キノコ類などがあげられます。
植物性タンパク質にも中性脂肪やコレステロールを減らす作用があるので、ぜひ積極的に摂ってください。
植物性タンパク質を含む食材の代表は豆です。毎日調理するのは大変ですが、豆腐や納豆であれば、気軽に取り入れられるでしょう。
中性脂肪を減らす料理のポイント
中性脂肪を減らしたいのであれば、料理の際にも気を付けておくべきポイントがあります。
ここでは、「調理法を変える」「お肉の部位を変える」「主食を変える」の3つのポイントをご紹介します。
まず、調理法を変える際のポイントは、使用する油の量を意識することです。
グリルで焼く場合やフライパンで炒める場合、油で揚げる場合では、調理に使用する油の量が異なります。中性脂肪を減らしたいのであれば、なるべく油を使用量が少ない調理法を選ぶべきです。
意外な盲点になるのが、使用する調理器具です。フッ素加工のフライパンを使えば、炒める際の油を使用量を減らせるので、中性脂肪を抑えたい方に最適でしょう。
お肉は、部位によって脂の量が異なります。脂の少ない部位に変更すれば、それだけで中性脂肪を抑えることができます。
バラ肉やロースといった部位は脂が多めなので、控えるべきです。逆に、ささみやヒレなどは脂身が少ないので、おすすめです。
中性脂肪を減らすという観点では、主食も白米より玄米の方が望ましいといえます。
玄米には、ビタミンやミネラル、食物繊維といった栄養素が豊富に含まれており、栄養満点です。なかでも食物繊維は糖質の吸収を穏やかにする効果があるので、糖質から中性脂肪ができるのを抑える効果が期待できます。
中性脂肪の治験とは?
中性脂肪は病院で検査できますが、そのほか中性脂肪の治験を受けるのもひとつの手段です。
治験とは、薬や治療法の有効性や安全性に関する認可を得るために行う臨床試験のことです。治験は条件さえ満たせば誰でも参加でき、基本的には協力費が受け取れます。
治験にはさまざまなものがあり、中性脂肪の値を測定するような募集もあります。興味があれば試してみるのもよいでしょう。
治験ではまだ認可が下りていない治療を試すため、リスクもあります。そのことをしっかり理解したうえで、応募するようにしてください。
今すぐに自身の生活を見直そう
中性脂肪の危険性や増える原因、中性脂肪を減らす方法、中性脂肪の治験についてご紹介しました。
中性脂肪が過剰な状態が続くと、血液がドロドロになり、動脈硬化の危険性が高まります。また、内臓脂肪や皮下脂肪が増えて、肥満になり、糖尿病や高血圧などの病気を発症することもあります。
中性脂肪を適正値にするためには、適度な運動とバランスの良い食生活を心掛けることです。中性脂肪が気になる方は、今すぐ自身の生活から見直してみましょう。
ここで解決!治験に関するFAQ
- 治験とはなんですか?
- 治験とは、『医薬品の製造販売承認申請の際に提出すべき資料のうち臨床試験の試験成績に関する資料の収集を目的とする試験の実施』、つまり、「国から薬としての販売承認を受けるために行う臨床試験」のことです。
- 治験ボランティアはアルバイト/バイトなのですか?
- 法的にはアルバイト/バイトではありません。治験ボランティア参加は負担軽減費(謝礼金)の支給がありますが、時間的拘束や、交通費などの負担を軽減する目的でお支払いするもので、治験協力費ともよばれます。
- 治験って安全ですか?副作用はありませんか?
- 治験薬は事前に生体への安全性を確認し、問題ないと予想されるものだけが使用され、治験実施についても、国の基準に沿い、参加者の方の安全に配慮した綿密な治験実施計画書に基づいて慎重に進められています。
- 健康被害が生じた場合は?
- 治験薬の副作用などにより、何らかの健康被害が生じた場合には、治験薬との因果関係が否定できない場合に限り、治験依頼者(製薬メーカー)から補償を受けることができます。補償の扱いは治験により異なりますので、それぞれの治験説明の際、医師や治験コーディネーターが詳しくお話しします。
- 都合のいい日程で参加ができますか?
- 治験の日程は予め決められております。決められた期間内での選択できる場合は、その日程内で調整していただきます。