「生理が近づくと、こめかみがズキズキして動けなくなる」
「いつもの頭痛薬を飲んでも、生理中だけは全く効かない」
「吐き気がするほど頭が痛くて、仕事も家事も手につかない」
毎月訪れる生理のたびに、このような激しい頭痛に悩まされていませんか?
お腹の痛みなら温めれば治ることもありますが、頭痛に関しては対処法がわからず、ただ暗い部屋で痛みが過ぎ去るのを待っている方も多いかもしれません。
実は、生理中に起こるひどい頭痛は、単なる「生理痛の一部」ではなく、「月経関連片頭痛」という特有の症状である可能性が高いのです。
通常の片頭痛よりも痛みが強く、持続時間が長いのが特徴で、一般的なケアでは太刀打ちできないことも珍しくありません(参考:日本頭痛学会 1)。
この記事では、生理中のつらい頭痛を今すぐ和らげるための正しい対処法から、薬が効かない原因、毎月の苦しみから解放されるための医療的な選択肢まで網羅的に解説します。
我慢は美徳ではありません。
正しい知識で、痛みのない生活を取り戻しましょう。
※この記事は疾患啓発を目的としています。
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【今すぐできる】生理中のズキズキ頭痛を和らげる応急処置
頭が割れるように痛い時、まずは少しでも症状を緩和させる物理的な対処法が必要です。
ただし、生理痛(腹痛)のケアとは真逆の対応が必要な場合があるため注意が必要です。
患部を「冷やす」のが正解(温めるのはNGな理由)
生理中はお腹や腰を温めるのが定石ですが、ズキズキと脈打つような頭痛(片頭痛)の場合、温めるのは逆効果になることがあります。
片頭痛は、脳の血管が急激に拡張し、周囲の神経を刺激することで起こります。
入浴やホットタオルで体を温めると、血流が良くなり血管がさらに拡張し、痛みが悪化してしまう可能性があります(参考:厚生労働省 2)。
こめかみや首の後ろなど、脈打っている部分に冷却シートや氷枕を当てて冷やしてください。
拡張した血管が収縮し、痛みが和らぎやすくなります。
光と音を遮断して静かな場所で休む
生理中の頭痛は、光や音、匂いに対して非常に敏感になる「知覚過敏」の特徴があります。
スマホのブルーライトやテレビの音、部屋の照明さえも脳への刺激となり、痛みを増幅させます。
可能であれば部屋を暗くし、カーテンを閉め、静かな環境で横になりましょう。
できれば眠ってしまうのが、脳を休ませる最良の方法です(参考:厚生労働省 2)。
カフェインを適量摂取して血管を収縮させる
コーヒーや紅茶、緑茶に含まれるカフェインには、血管を収縮させる作用があります。
拡張した血管が原因の片頭痛には、痛みの引き始めに少量のカフェインを摂ることで症状が緩和することがあります。
ただし、飲み過ぎはかえって頭痛を誘発することもあるため、カップ1杯程度を目安にし、常用しすぎないよう注意してください(参考:日本頭痛学会 1)。
こめかみや目の奥が痛む時のツボ押し
痛みがひどい時は、頭痛に効くツボを優しく刺激するのも一つの方法と言われています。
- 太陽(たいよう):
- こめかみと目尻の間にあるくぼみ。
- 百会(ひゃくえ):
- 頭のてっぺん、左右の耳を結んだ線の交わる点。
これらを、痛気持ちいい程度の強さでゆっくり押してみましょう。
ただし、頭を激しく振ったり強い力でマッサージしたりするのは、かえって痛みを強めるので避けてください。
なぜ生理中は頭痛がひどくなる?原因は「エストロゲンの急降下」
なぜ、生理の時期に限ってこれほど重い頭痛が起きるのでしょうか。
その最大の原因は、女性ホルモンの急激な変動にあります。
女性ホルモンの変動と脳内血管のメカニズム
排卵後から生理前にかけて分泌が増える「エストロゲン(卵胞ホルモン)」は、生理が始まる直前に急激に減少します。
このエストロゲンの急激な減少(消退)が脳内の神経伝達物質(セロトニン)に影響を与え、脳の血管を拡張させたり、炎症物質を放出させたりします。
これが、生理中や生理直前に起こる激しい片頭痛の正体です(参考:日本頭痛学会 1)。
一般的な「片頭痛」よりも重症化しやすい理由
生理に関連して起こる頭痛は「月経関連片頭痛」と呼ばれ、通常の片頭痛と比較して以下の特徴があります(参考:日本頭痛学会 1)。
- 痛みが強い:
- 薬が効きにくいほどの激痛になりやすい。
- 持続時間が長い:
- 通常の片頭痛が数時間〜3日で治まるのに対し、3日以上ダラダラと続くことがある。
- 再発しやすい:
- 一度薬で治まっても、翌日にまた痛くなることが多い。
30代・40代で頭痛が悪化する理由
「若い頃は平気だったのに、30代後半や40代になって頭痛がひどくなった」という声も多く聞かれます。
これは、閉経に向けて卵巣機能が低下し、ホルモンバランスの乱れ(ゆらぎ)が大きくなるためです。
生理中の頭痛に効く薬と正しい飲み方

「市販の頭痛薬を飲んでいるのに効かない」と悩む方は非常に多いです。
これには、薬を飲むタイミングや、薬の種類が関係しています。
痛くなる「前」に飲む!鎮痛薬のタイミング
市販の鎮痛薬(NSAIDs:ロキソニンやイブプロフェンなど)は、痛みの物質(プロスタグランジン)が作られるのをブロックする薬です。
痛みがピークに達してから飲んでも、すでに痛み物質が大量に放出された後なので効果が薄れてしまいます。
「あ、頭痛がきそうだな」「そろそろ生理がきそうだな」と感じた段階、つまり痛みが本格化する前に服用するのが鉄則です(参考:厚生労働省 2)。
市販薬(NSAIDs)で効果がない場合の次の一手
用法用量を守って早めに飲んでも市販薬が効かない場合、それは市販薬の成分では抑えきれないレベルの血管拡張が起きている可能性があります。
この段階で市販薬を乱用すると、かえって「薬物乱用頭痛」を引き起こすリスクがあるため注意が必要です(参考:日本頭痛学会 1)。
医師が処方する「トリプタン製剤」とは
市販薬が効かない生理中の頭痛には、医療機関で処方される「トリプタン製剤」が特効薬となるケースが多いです。
トリプタンは、広がった脳の血管を元の太さに戻し、炎症を抑える作用があります。
これは一般的な鎮痛薬とは全く異なるアプローチの薬であり、急性期治療の中心として推奨されています(参考:日本頭痛学会 1)。
市販はされていないため、医師の処方が必要です。
漢方薬という選択肢
鎮痛薬の頻度を減らしたい方や、むくみが強い方には漢方薬も選択肢になります。
- 五苓散(ごれいさん):
- 水分の巡りを良くし、むくみや低気圧による頭痛、生理中の頭痛に効果が期待できます。
- 呉茱萸湯(ごしゅゆとう):
- 冷え性で、頭痛に伴って強い吐き気がある場合に適しています。
毎月の激痛から解放されたい…根本的な予防・治療法
毎月のことだからと諦める必要はありません。
医療の力を借りて、頭痛が起きないようにコントロールすることも可能です。
低用量ピル(LEP)でホルモンの波をなくす
生理中の頭痛の根本原因は「ホルモンの急激な変動」です。
低用量ピル(LEP製剤)を服用することで、体内のホルモン量を一定に保ち、排卵を止めることができます。
これにより、生理前のホルモンの急降下がなくなるため、頭痛の頻度や程度が劇的に改善するケースが多くあります。
- 【重要】 ただし、「前兆(閃輝暗点など)のある片頭痛」がある方に対しては、脳卒中のリスクを高める恐れがあるため、ピル(エストロゲンを含む製剤)の使用は原則として禁忌とされています(参考:日本産科婦人科学会 3)。必ず医師に頭痛のタイプを伝え、相談してください。
マグネシウムやビタミンB2の摂取
食事やサプリメントで片頭痛を予防するアプローチもあります。
- マグネシウム:
- 血管の収縮・拡張を調整し、神経の興奮を鎮めます(大豆製品、海藻、ナッツ類)。
- ビタミンB2:
- 細胞のエネルギー代謝を助けます(レバー、卵、乳製品)。
これらを意識的に摂取することで、頭痛が起きにくい体質づくりをサポートすることがガイドラインでも推奨されています(参考:日本頭痛学会 1)。
「頭痛ダイアリー」で自分の周期とトリガーを知る
いつ、どのようなタイミングで頭痛が起きたか、生理周期とともに記録をつけることも重要です。
「生理開始2日前に必ず痛くなる」といったパターンが分かれば、予防的に薬を飲んだり、その日の予定を調整したりする対策が立てやすくなります。
受診の際にも医師への貴重な情報となります(参考:日本頭痛学会 4)。
病院へ行く目安は?何科を受診すべきか
「頭痛くらいで病院に行ってもいいの?」と迷う必要はありません。
生活に支障が出ている時点で、それは立派な受診理由です。
こんな症状は危険信号
以下のような場合は、すぐに受診してください。
- 市販薬を飲んでも痛みが治まらない。
- 月に10日以上鎮痛薬を飲んでいる。
- 頭痛だけでなく、吐き気や嘔吐がひどい。
- 手足のしびれや言葉の出にくさを感じる。
- 今まで経験したことのないような激しい痛みがある。
婦人科と脳神経外科、どっちに行くべき?
受診科に迷った場合は、以下の基準を参考にしてください(参考:国立精神・神経医療研究センター 5)。
- 婦人科:
- 生理痛(腹痛)もひどい、生理不順がある、PMS(イライラや落ち込み)も強い場合。ピルによるホルモン治療を検討したい場合。
- 脳神経外科(頭痛外来):
- 生理の悩みよりも「とにかく頭痛がひどい」場合。CTやMRIで脳に異常がないか調べたい、トリプタン製剤などの専門的な頭痛薬を試したい場合。
治験を試すのも一つの方法

病院で直接治療を受ける以外に、治験に参加するというのもひとつの手段です。日本では生理痛や月経困難症でお悩みの方に向け治験が行われています。
治験ジャパンでも治験協力者を募集しています。例えば過去には東京や神奈川、大阪などの施設で行われた試験もありました。
治験にご参加いただくメリットとして挙げられるのは、主に下記3点です。
最新の治療をいち早く受けられることがある
専門医によるサポート、アドバイスが受けられる
治療費や通院交通費などの負担を軽減する目的で負担軽減費が受け取れる
ご自身の健康に向き合うという意味でも、治験という選択肢を検討してみるのも良いでしょう。実施される試験は全て、安全に配慮された状況下で行われます。
まとめ:生理中の頭痛は我慢しないで。適切な対処でQOLを取り戻そう
生理中に起こるひどい頭痛は、ホルモンの変動によって引き起こされる身体的な疾患です。
あなたの忍耐力が足りないわけでも、体質だと諦めるべきものでもありません。
まずは「冷やす」「静かな場所で休む」といった応急処置を試し、市販薬は「痛くなる前」に飲んでみてください。
それでも改善しない場合は、月経関連片頭痛に対応できる薬や治療法が必ずあります。
毎月の数日間を痛みに奪われることのないよう、勇気を出して医療機関に相談し、自分に合った解決策を見つけていきましょう。
- 日本頭痛学会「頭痛の診療ガイドライン2021」https://www.jhsnet.net/pdf/guideline_2021.pdf
- 厚生労働省「女性の健康推進室 ヘルスケアラボ」 https://w-health.jp/woman_trouble/headache/
- 日本産科婦人科学会「産婦人科診療ガイドライン 婦人科外来編2023」 https://www.jsog.or.jp/activity/pdf/gl_fujinka_2023.pdf
- 日本頭痛学会「頭痛ダイアリー」 https://www.jhsnet.net/dr_medical_diary.html
- 国立精神・神経医療研究センター病院「頭痛外来」https://hsp.ncnp.go.jp/clinical/department.php?@uid=JhZ1WWfDJauIFsNy
