「あれ、あの人の名前なんだっけ?」
「買い物に来たのに、何を買うつもりだったか忘れてしまった……」
最近、このような「物忘れ」が増えてきたと感じていませんか?
「年のせいだから仕方がない」と諦めるのはまだ早いです。
近年の研究により、脳は年齢を重ねても、適切な刺激を与えることで機能の維持やネットワークの再構築(可塑性)が可能であることが分かってきました。
物忘れ改善というと、クロスワードパズルや計算ドリルなどの「机の上で行う脳トレ」をイメージしがち。
ですが、実はそれ以上に重要視されているのが「体を動かすトレーニング」です。
この記事では、医学的な知見に基づき、脳の血流を促し、記憶力や判断力の維持・向上を目指すための実践的なトレーニング方法を紹介します。
特別な器具は不要で、今日から自宅でできるものばかりです。
楽しみながら脳を若返らせましょう。
※この記事は疾患啓発を目的としています。

治験という方法で負担軽減費を受け取りながら、より良い治療の選択肢を見つける方が増えています。
※負担軽減費とは:治験協力者が負担する交通費や時間的拘束などがあるためお金が支給されます。
治験ジャパンでは参加者の皆様に医療費の負担を軽減しながら、最新治療を受ける機会のご提供が可能です。
通院1回につき1万円程度、入院1泊あたり2万円程度が負担軽減費の相場
安心・信頼できるのみ試験を紹介しており、安全に配慮された環境下で行われます。
物忘れは改善できる?脳とトレーニングの関係
なぜ加齢とともに物忘れが増えるのか
私たちの脳、特に記憶や思考を司る「前頭葉」や記憶の保管庫である「海馬」は、加齢とともに少しずつ萎縮したり、神経細胞同士のネットワークが弱まったりする傾向があります。
また、加齢による血流の低下も、脳への酸素や栄養の供給に影響を与え、機能低下の一因となります。
しかし、これは「使わなければ衰える」という原則の裏返しでもあります。
筋肉と同様に、脳も使い続けることでネットワークが維持・強化される可能性が示されています(参考:厚生労働省 4)。
「脳トレ」だけでは不十分?運動が不可欠な理由
従来の「計算ドリル」などの脳トレも有効です。
ですが、最新の認知症予防の考え方では、「運動」の重要性が特に強調されています(参考:日本神経学会 2)。
運動が脳に良い理由は主に以下の点が考えられています。
- 血流の改善:
- 有酸素運動などで心拍数を上げると、脳への血流が増加し、酸素や栄養が隅々まで行き渡りやすくなります。
- 脳由来神経栄養因子(BDNF)への影響:
- 運動、特に下半身の筋肉を使うような中強度の運動は、脳の神経細胞の成長や維持に関わる物質(BDNF)の分泌を促す可能性が研究で示唆されています(参考:東京都健康長寿医療センター 5)。
つまり、「体を動かしながら頭を使う」ことこそが、物忘れ改善への効果的なアプローチと言えます。
【実践編】即効性よりも継続!体を動かす「運動トレーニング」5選

まずは、脳の活性化につながる運動系トレーニングをご紹介します。
無理のない範囲で行ってください。
1. 脳の広い範囲を刺激する「指先トレーニング」
手足の末端には多くの神経が集まっています。
特に指先を複雑に動かすことは、脳の広い範囲(運動野や感覚野など)を刺激すると考えられています。
【一人じゃんけん】
- 右手と左手でじゃんけんをします。
- 「右手はグー、左手はパー」のように、左右で違う形を作ります。
- 「せーの」のリズムで、右手と左手の形を交互に入れ替えます。
- 慣れてきたら、「右手が常に勝つように出す(後出しじゃんけん)」などルールを難しくしてみましょう。
2. 認知症予防で推奨される「デュアルタスク(コグニサイズ)」
「2つのことを同時に行う」ことをデュアルタスク(二重課題)と呼びます。
国立長寿医療研究センターなどが提唱する「コグニサイズ(コグニション=認知 + エクササイズ=運動)」がその代表例です(参考:国立長寿医療研究センター 1)。
【しりとりウォーキング】
- その場で足踏み(または室内をウォーキング)しながら、「しりとり」をします。
- 一人で行う場合は、「野菜の名前」「3文字の言葉」などテーマを決めて声に出しながら歩きます。
- ポイント: 足が止まったり、言葉が詰まったりしてもOKです。「間違えた!」と苦笑いして考え直すプロセス自体が脳への良い刺激になります。
【計算ステップ】
- その場で足踏みをします。
- 「100から3を引いていく」計算を声に出しながら行います(100、97、94、91…)。
- 足の動きを止めずに計算を続けることが重要です。
3. 下半身の運動で血流を促す「スクワット&もも上げ」
下半身には全身の筋肉の多くが集まっています。
ここを動かすことで全身の血行が良くなり、結果として脳へ十分な血液を送ることにつながります。
【10秒もも上げ】
- 椅子の背もたれなどに手を添え、姿勢を正して立ちます。
- 片方の太ももを、床と水平になるくらいの高さまでゆっくり上げます。
- そのまま5秒キープし、ゆっくり下ろします。反対の足も同様に行います。
【安全スクワット】
- 椅子の前に立ち、椅子に座るような動作でゆっくりお尻を下ろします(実際には座りきらず、お尻が座面に触れたら立ち上がります)。
- 転倒が不安な方は、実際に椅子に座って立ち上がる動作を繰り返すだけでも十分な筋力トレーニングになります。
【脳トレ編】隙間時間で脳を若返らせる「知的トレーニング」3選
運動で脳の血流を良くした後は、知的な刺激を与えてネットワークの維持を図りましょう。
1. ワーキングメモリを鍛える「直前記憶クイズ」
物忘れの多くは、情報を一時的に保持する「ワーキングメモリ」の低下が関わっていると言われています。
- 方法: テレビのニュースを見て、アナウンサーが話した内容を数秒後に復唱する。あるいは、買い物リストを見ずに記憶し、スーパーで答え合わせをする。
2. 視空間認知を養う「パズル・間違い探し」
新聞のクロスワードパズルや間違い探しは、空間認識能力や集中力を鍛えるのに役立ちます。
- ポイント: 解けなくてイライラするのは逆効果です。時間を決めて取り組み、解けたときの「スッキリ感(アハ体験)」を大切にしましょう。
3. 想起力を高める「日記・回想法」
「思い出す」という行為(想起)が、記憶の引き出しを開けやすくするトレーニングになります。
- 2日前日記: 今日のことではなく、「一昨日(おととい)の夕食」や「一昨日のニュース」を思い出して日記に書きます。直近の記憶よりも思い出す負荷が高く、良いトレーニングになります。
トレーニングの効果を最大化する「生活習慣」のポイント
トレーニング以外にも、日常生活の過ごし方が物忘れ改善に大きく関わります(参考:厚生労働省 4)。
脳の老廃物排出にも関わる「質の高い睡眠」
脳内に蓄積された老廃物(アミロイドベータなど)は、睡眠中に排出されるメカニズムがあることが近年の研究で示唆されています。
睡眠不足は認知機能に悪影響を及ぼすため、十分な睡眠をとることが大切です。
日中に運動をして適度な疲労感を得ることは、良質な睡眠にもつながります。
コミュニケーションこそ最強の脳トレ
人との会話は、相手の話を聞き(インプット)、内容を理解し、適切な返答を考え(処理)、言葉を発する(アウトプット)という、高度な脳機能を使います。
家族や友人とおしゃべりをすること、地域の活動に参加することは、社会的な孤立を防ぎ、認知機能低下のリスクを減らすことにつながります(参考:国立長寿医療研究センター 1)。

病院で直接治療を受ける以外に、治験に参加するというのもひとつの手段です。日本では物忘れや軽度認知障害でお困りの方に向け治験が行われています。
治験ジャパンでも治験協力者を募集しています。例えば過去には東京や神奈川、大阪などの施設で行われた試験もありました。
治験にご参加いただくメリットとして挙げられるのは、主に下記3点です。
最新の治療をいち早く受けられることがある
専門医によるサポート、アドバイスが受けられる
治療費や通院交通費などの負担を軽減する目的で負担軽減費が受け取れる
ご自身の健康に向き合うという意味でも、治験という選択肢を検討してみるのも良いでしょう。実施される試験は全て、安全に配慮された状況下で行われます。
まとめ:楽しみながら続けて「脳の健康」を維持しよう
物忘れの改善には、「運動」と「知的活動」の組み合わせが効果的です。
今回ご紹介したトレーニングのポイントは、「完璧にできなくてもいい」ということです。
「あれ、なんだっけ?」と考え込む時間や、手足がうまくいかずに笑ってしまう瞬間こそが、脳にとって良い刺激となります。
ストイックになりすぎず、ゲーム感覚で毎日の生活に取り入れてみてください。今日からの小さな習慣の積み重ねが、将来のクリアな頭脳を支える土台となります。
参考資料・文献一覧
- 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター「あたまとからだを元気にするMCIハンドブック(第2版)」 https://www.ncgg.go.jp/ncgg-overview/pamphlet/p-mci-v2.html
- 日本神経学会「認知症疾患診療ガイドライン2017」 https://www.neurology-jp.org/guidelinem/degl/degl_2017_00.pdf
- 認知症関連6学会「認知症予防に関する民間サービスの開発・展開にあたっての提言」 https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/ninchisho_wg/pdf/2022_002_05_00.pdf
- 厚生労働省「認知症予防・支援マニュアル(改訂版)」 https://www.mhlw.go.jp/topics/2009/05/dl/tp0501-1h_0001.pdf
- 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター「研究所ニュース No.287 第4章 認知症の予防 4.運動の視点から」 https://www.tyojyu.or.jp/kankoubutsu/gyoseki/ninchisho-yobo-care/h30-4-4.html
