高血圧と診断されている方、あるいは血圧が高めの方が突然めまいを感じると、非常に不安な気持ちになるのではないでしょうか。
めまいが起きたとき、ただ安静にしていれば良いのか、それともすぐに救急車を呼ぶべきなのか、判断に迷う場面は少なくありません。
この記事のポイント
この記事では、高血圧によってめまいが起きたときにその場でできる具体的な応急処置と、危険な状態を見極めるためのサインについて詳しく解説します。
目の前の症状に対する正しい対処法を知り、緊急度を冷静に判断する基準を持つことで、いざというときの不安を和らげることができます。
危険なサインを見逃さず、適切なタイミングで医療機関を受診するための知識を身につけましょう。
※この記事は疾患啓発を目的としています。
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高血圧によるめまいを感じたら、まず試したい応急処置
突然のめまいに襲われるとパニックになりがちですが、まずは落ち着いて行動することが大切です。
ここでは、めまいを感じたその場で直ちに行うべき応急処置のステップを解説します。
落ち着いて安静にするのが最優先
めまいを感じたら、転倒による怪我を防ぐためにも、無理に動かずその場で安静にすることが最も重要です。
可能であれば床やソファに座るか、自分が一番楽だと感じる姿勢をとってください。
頭の高さに注意
なお、めまいの原因が脳血管障害など血圧上昇に伴うものである場合、頭を低くするとかえって脳の血管に負担がかかる恐れがあるため、横になる際は上半身をやや高めに保つようにしてください(参考:松阪地区医師会 1)。
次に、ネクタイやベルト、きつい下着など、体を締め付けている衣服を緩めましょう。衣服の締め付けがなくなると呼吸がしやすくなり、全身の血の巡りも改善します。
そして、ゆっくりと深呼吸を行います。鼻から深く息を吸い込み、口からゆっくりと吐き出す動作を繰り返すことで、高ぶった自律神経が鎮まり、血圧の急激な上昇を抑える効果が期待できます。
水分補給で体調を整える
安静にして少し症状が落ち着いてきたら、水分補給を行いましょう。体内の水分が不足して脱水状態になると、血液がドロドロになり血流が悪化するため、めまいが引き起こされたり、症状が長引いたりする原因になります。
飲むものは、冷たすぎない常温の水や白湯が適しています。一度に大量に飲むのではなく、コップ一杯程度の水をゆっくりと少量ずつ口に含むようにして飲んでください。
このとき、コーヒーや緑茶などのカフェインを多く含む飲料や、アルコール類は絶対に避けてください。
アルコールやカフェインは避ける
特にアルコールは高血圧の悪化原因ともなるため注意が必要です(参考:厚生労働省 2)。
これらは利尿作用によってかえって脱水を進行させたり、血管を収縮させて血圧を変動させたりする恐れがあり、めまいを悪化させる危険性があります。
周囲の人ができるサポートと声かけ
めまいを起こしている本人は、強い不安と恐怖を感じています。もし家族や同僚などがめまいを起こした場面に居合わせた場合は、周囲の人の冷静なサポートが非常に重要になります。
まずは「大丈夫ですか」「ゆっくり呼吸してくださいね」と優しく声をかけ、本人を安心させてください。不安が和らぐだけでも、ストレスによる血圧の上昇を防ぐことができます。
本人が立っている場合は、肩を貸すなどして安全な平らな場所へ誘導し、座らせるか横にさせます。落ち着いてきたら、いつからめまいが始まったのか、めまい以外の症状(頭痛や吐き気など)はないかを確認します。
記録と情報の確認
もし家庭用の血圧計があれば血圧を測定し、数値を記録しておきましょう。
また、普段飲んでいる血圧の薬があるかどうかも確認しておくと、後で医療機関を受診する際のスムーズな情報伝達に役立ちます。
そのめまいは危険信号?緊急度をチェックするポイント
高血圧に伴うめまいの多くは一時的なものですが、中には命に関わる重大な病気のサインが隠れていることがあります。
ここでは、直ちに医療機関を受診すべき危険なサインと、その判断基準について解説します。
直ちに医療機関を受診すべき危険なサイン
POINT
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血圧の異常な高値:家庭用の血圧計で測定した際、上の血圧(収縮期血圧)が180mmHg以上、あるいは下の血圧(拡張期血圧)が120mmHgを超えている場合で、かつめまいや頭痛などの症状を伴うときは「高血圧緊急症」と呼ばれる状態の可能性があります。脳や心臓などの重要な臓器に急激なダメージが及ぶ危険があるため、速やかに医療機関での処置が必要です。ただし、血圧が180/120mmHg以上であっても、他に全く症状がない場合は必ずしも直ちに救急車を呼ぶ必要はありません(参考:厚生労働省 3)。
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めまい以外の深刻な随伴症状:めまいと同時に、今までに経験したことのないような激しい頭痛、強い吐き気や嘔吐、顔の半分や手足のしびれ・麻痺、ろれつが回らない、他人の言葉が理解できないといった症状が現れた場合は、脳卒中(脳出血や脳梗塞)を疑うべきサインです(参考:厚生労働省 4)。
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意識障害や激しいめまい:意識がもうろうとしている、呼びかけても反応が鈍い、あるいは立っていられないほどの突然の激しいめまいが生じた場合も、一刻を争う事態です。
めまいに加えて以下のような症状が見られる場合は、脳の血管に異常が起きている可能性が高く、非常に危険な状態です。決して放置せず、すぐに行動を起こす必要があります。
救急車を呼ぶべきか、かかりつけ医へ連絡すべきかの判断基準
症状の重さによって、救急車を呼ぶべきか、まずはかかりつけ医に相談すべきかの判断が分かれます。
救急車を呼ぶ目安としては、先述した「危険なサイン」が一つでも当てはまる場合です。特に、意識障害がある場合や、手足の麻痺、言語障害が見られる場合は、迷わず119番通報してください。脳血管の病気は時間との勝負であり、早期の治療開始がその後の回復を大きく左右します。
一方、かかりつけ医へ連絡する目安としては、めまいの症状が比較的軽度で一時的なものであり、手足のしびれや激しい頭痛などの危険なサインがない場合です。しかし、症状が治まったとしても「いつもと違う」「なんとなく不安が残る」と感じる場合は、自己判断で放置せず、診療時間内に早めにかかりつけ医に電話で相談するか、受診して指示を仰ぎましょう。
状況別:緊急度判断フローチャート
いざというときに慌てないため、以下の流れを頭に入れておくとスムーズに判断できます。
- めまい発生: まずはその場で座るか、上半身をやや高めにして横になり安静にする。衣服を緩めて深呼吸をする。
- 症状の確認: めまい以外の症状(激しい頭痛、吐き気、手足のしびれ、ろれつが回らないなど)がないか確認する。可能なら血圧を測る。
- 危険サインあり: 激しい頭痛や手足のしびれなどの随伴症状がある場合、または血圧が180/120mmHg以上で何らかの異常な症状を伴う場合は、救急車を呼ぶ(参考:厚生労働省 3)。
- 危険サインなし: 安静にして水分補給を行い、様子を見る。症状が治まれば、念のため後日かかりつけ医を受診する。症状が長引く、または繰り返す場合は、早めに医療機関を受診する。
なぜ高血圧でめまいが起こるのか?主な原因とメカニズム
そもそも、なぜ血圧が高いとめまいが起こりやすくなるのでしょうか。
その背景には、血流の変化や自律神経の働き、そして深刻な疾患のリスクが関係しています。
血圧変動による脳血流の変化
私たちの脳は、血圧が多少変動しても脳内を流れる血液の量を一定に保つ「自己調節機能」を備えています。しかし、慢性的に血圧が高い状態が続くと、脳の血管に常に強い圧力がかかり続け、血管の壁が硬く厚くなる動脈硬化が進行します。
すると、この自己調節機能がうまく働かなくなってしまいます。その結果、立ち上がったときなどに急激に血圧が変動すると、脳へ十分な血液が送り込まれず、一時的に脳が酸欠状態に陥ります。
これが、フワフワとした浮動性のめまいや、目の前が暗くなる立ちくらみとして現れるのです(参考:北海道大学 5)。
自律神経の乱れと高血圧の関係
自律神経のバランス
血圧のコントロールには、交感神経と副交感神経からなる自律神経が深く関わっています。
日々の強いストレスや過労、睡眠不足などが重なると、自律神経のバランスが崩れ、交感神経が優位な状態が続きます。
交感神経が優位になると血管が収縮し、心拍数が増加するため、血圧が上昇しやすくなります。
この自律神経の乱れ自体がめまいを引き起こす原因となるだけでなく、高血圧をさらに悪化させるという悪循環を生み出してしまいます(参考:東海大学 6)。
隠れた病気の可能性:高血圧脳症や脳血管障害
高血圧によるめまいは、単なる血流不足だけでなく、より重篤な病気の初期症状であるケースも存在します。
著しい血圧の上昇によって脳の血管から水分が漏れ出し、脳がむくんでしまう「高血圧脳症」では、頭痛や吐き気とともに強いめまいが現れます(参考:厚生労働省 3)。
重大な病気の予兆に注意
また、動脈硬化が進行して脳の血管が詰まる脳梗塞や、血管が破れて出血する脳出血といった「脳血管障害」の予兆として、めまいが起こることも少なくありません。
めまいを軽く見ず、背景に重大な病気が潜んでいる可能性を常に意識しておくことが重要です。
高血圧によるめまいを予防する日常生活のポイント
めまいの発作を防ぐためには、日頃から血圧を安定させるための生活習慣の改善と、正しい自己管理が不可欠です。
生活習慣の改善で血圧を安定させる
血圧を正常な範囲に保つための基本は、食事、運動、睡眠、そしてストレス管理です。
正しい血圧管理と記録の重要性
家庭血圧の把握
病院で測る血圧だけでなく、自宅でリラックスした状態で測る「家庭血圧」の把握が非常に重要です。
朝起床後(排尿後、朝食前)と夜就寝前の1日2回、同じ条件で血圧を測定する習慣をつけましょう(参考:日本高血圧学会 8)。
測定した数値は、必ず血圧手帳やスマートフォンのアプリなどに記録しておきます。
日々の血圧の推移やパターンを客観的に把握できるだけでなく、めまいが起きたときの血圧値と普段の数値を比較する材料になります。
医療機関を受診する際にも、この記録は医師が正確な診断を下すための非常に重要な情報源となります。
服用中の薬とのかかわり
高血圧の治療で降圧剤を処方されている方は、薬の服用方法にも注意が必要です。
降圧剤がしっかりと効きすぎて血圧が下がりすぎた場合(起立性低血圧など)にも、めまいやふらつきが起こることがあります。
自己判断での服用中止は危険
もし薬を飲んだ後にめまいを感じるようになったとしても、「薬が合わないから」と自己判断で服用を中止したり、量を減らしたりしてはいけません。
急に薬をやめると、反動で血圧が急上昇し、非常に危険な状態を招く恐れがあります(参考:国立病院機構 熊本医療センター 9)。
めまいの症状が出た場合は、必ず次回の診察を待たずに早めにかかりつけ医や薬剤師に相談し、薬の種類や量の調整について指示を仰いでください。
治験を試すのも一つの方法
病院で直接治療を受ける以外に、治験に参加するというのもひとつの手段です。日本では高血圧を含め生活習慣病でお困りの方に向け治験が行われています。
治験ジャパンでも治験協力者を募集しています。例えば過去には東京や神奈川、大阪などの施設で行われた試験もありました。治験にご参加いただくメリットとして挙げられるのは、主に下記3点です。
- 最新の治療をいち早く受けられることがある
- 専門医によるサポート、アドバイスが受けられる
- 治療費や通院交通費などの負担を軽減する目的で負担軽減費が受け取れる
ご自身の健康に向向き合うという意味でも、治験という選択肢を検討してみるのも良いでしょう。実施される試験は全て、安全に配慮された状況下で行われます。
もしもの時に備える!普段からの準備と心構え
いつ起こるか分からないめまいの発作や緊急事態に備えて、普段から周囲との連携体制を整えておくことが、安心な生活につながります。
かかりつけ医との連携と情報共有
定期的な診察の際には、血圧の数値だけでなく、日頃感じているちょっとした体調の変化や、過去にめまいを起こしたことがあるかどうかも詳細に伝えておきましょう。自身の体質やリスクをかかりつけ医と共有しておくことで、より適切なアドバイスや治療を受けることができます。
また、夜間や休日に激しいめまいなどの緊急事態が起きた場合の連絡先や、受診すべき救急病院についても、あらかじめかかりつけ医に確認し、メモなどに控えて目につく場所に貼っておくことをお勧めします。
家族や周囲の人への情報共有
自分自身の病状や、服用している薬の情報を、同居する家族や職場の親しい人に共有しておくことも大切です。
「もし自分がめまいで倒れたり、様子がおかしかったりしたら、このように対処してほしい」「この症状が出たら迷わず救急車を呼んでほしい」という具体的な行動基準を事前に伝えておきましょう。
緊急連絡先や、かかりつけ医の診察券、お薬手帳の保管場所を家族全員が把握しておくことで、いざというときにスムーズな救命行動をとることができます。
まとめ
適切な対応と予防策
高血圧によるめまいが起きた際は、まずは落ち着いて座るか、上半身を少し高めにして横になり、衣服を緩めて深呼吸をするなどの応急処置を行うことが最優先です。安静にした後は、水分を少しずつ補給して様子を見ましょう。
しかし、血圧が180/120mmHgを超えるような異常な高値を示し、かつ症状を伴う場合や、激しい頭痛、吐き気、手足のしびれ、ろれつが回らないなどの症状が伴う場合は、脳血管障害などの危険なサインです。決して自己判断で放置せず、ためらわずに救急車を呼ぶか、速やかに医療機関を受診してください。
めまいを未然に防ぐためには、日頃からの減塩や適度な運動といった生活習慣の改善と、家庭での血圧測定の習慣化が重要です。普段からかかりつけ医や家族と連携し、「もしも」の事態に備えておくことで、安心して毎日を過ごすことができるでしょう。
