「鼻の奥に何かが詰まっている感じがして、ずっと重苦しい」
「黄色いドロドロした鼻水が出て、変な臭いがする」
蓄膿症(副鼻腔炎)に悩む多くの方が、こうした「溜まった膿」による不快感に苦しんでいます。
膿を出すことは、不快な症状を和らげるだけでなく、炎症を鎮めるためにも非常に重要です(参考:日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 1)。
この記事では、自宅で安全に膿を出すための具体的なセルフケア方法から、耳鼻科で行われる最新の治療法までを徹底解説します。
医学的根拠に基づいた正しい知識で、鼻の通るスッキリした毎日を取り戻しましょう。
※この記事は疾患啓発を目的としています。

治験という方法で負担軽減費を受け取りながら、より良い治療の選択肢を見つける方が増えています。
※負担軽減費とは:治験協力者が負担する交通費や時間的拘束などがあるためお金が支給されます。
治験ジャパンでは参加者の皆様に医療費の負担を軽減しながら、最新治療を受ける機会のご提供が可能です。
通院1回につき1万円程度、入院1泊あたり2万円程度が負担軽減費の相場
安心・信頼できるのみ試験を紹介しており、安全に配慮された環境下で行われます。
蓄膿症(副鼻腔炎)で膿が溜まる原因と「出す」ことのメリット
蓄膿症(正式名称:副鼻腔炎)は、鼻の周りにある空洞「副鼻腔」に細菌やウイルスが感染し、炎症が起こる病気です(参考:日本鼻科学会 2)。
なぜ副鼻腔に膿(膿性鼻汁)が溜まってしまうのか?
通常、副鼻腔内で作られた粘液は、細かな毛(線毛)の働きによって鼻腔へと排出されます。
しかし、炎症によって副鼻腔の出口(自然口)が腫れて塞がったり、粘液がドロドロの膿へと変化したりすると、排出がスムーズにいかなくなります(参考:日本鼻科学会 2)。
その結果、行き場を失った膿が副鼻腔の中に溜まってしまい、顔の痛みや鼻詰まり、悪臭の原因となるのです(参考:国立長寿医療研究センター 3)。
膿を排出することで得られる「即効性」と「治癒への影響」
膿を物理的に外へ出すことは、以下の2つの大きなメリットがあります。
- 不快感の即時緩和:
- 圧迫されていた副鼻腔の圧力が下がり、頭重感や顔面痛が楽になります(参考:日本鼻科学会 2)。
- 薬の効果を高める:
- 膿を洗い流すことで、点鼻薬などの薬剤が粘膜に届きやすくなり、炎症の鎮静化を早める効果が期待できます(参考:日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 1)。
【自力で出す】自宅でできる効果的なセルフケアと注意点
「今すぐこのスッキリしない感じをどうにかしたい」という時、自宅でできる最も有効な手段は「鼻洗浄(鼻うがい)」です。
鼻洗浄(鼻うがい)の正しいやり方|痛くない・スッキリ出すコツ
鼻洗浄は、鼻腔内の膿やアレルゲン、雑菌を物理的に洗い流す方法です。
副鼻腔炎の診療ガイドラインでも、症状緩和のために推奨されています(参考:日本鼻科学会 2)。
生理食塩水の作り方(0.9%濃度と温度の重要性)
鼻がツーンと痛くなる原因は、液体と体液の「濃度差」と「温度差」です。
- 濃度: 水1リットルに対し、食塩9gを溶かした「0.9%の生理食塩水」を使用します(参考:日本鼻科学会 2)。
- 温度: 体温に近い40℃前後のぬるま湯にしましょう(参考:日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 1)。
鼻洗浄時の姿勢と「あー」と声を出す理由
- 前かがみの姿勢になり、洗浄器を片方の鼻の穴に入れます。
- 「あー」と声を出し続けながら、ゆっくりと液を流し込みます。
- ※「あー」と言うことで喉の蓋が閉まり、液が耳や口に流れ込むのを防げます(参考:日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 1)。
- 反対側の鼻の穴、または口から液と一緒に膿を排出します。
正しい「鼻のかみ方」|膿を効率的に排出し、耳への影響を防ぐ
力任せに鼻をかむと、膿が耳の方へ逆流し、中耳炎を引き起こすリスクがあります(参考:日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 1)。
- 片方ずつかむ:
- 片方の鼻を指でしっかり押さえ、反対側を優しくかみます。
- 口から息を吸う:
- 鼻から吸うのではなく、一度口から空気を吸い、ゆっくりと細切れに(「フッフッ」というイメージで)出します。
膿を出しやすくする環境づくり(加湿・水分補補給・入浴)
膿が乾燥して固まると排出が困難になります。
- 加湿:
- 部屋の湿度を50〜60%に保つと、鼻の粘膜の線毛活動が維持されやすくなります。
- 水分補給:
- 体内の水分が不足すると鼻水がより粘り気を帯びるため、こまめに水を飲むことが大切です。
- 入浴:
- 暖かい蒸気を吸い込むことで、一時的に鼻腔内の湿度が高まり、膿が排出されやすい状態になります(参考:環境再生保全機構 4)。
【検証】膿を出すマッサージやツボ押しは本当に効果がある?
「迎香(げいこう:小鼻の両脇)」などのツボを刺激すると、鼻周りの血行が良くなり、一時的に鼻の通りが改善したように感じることがあります。
しかし、これらはあくまで「補助的なケア」であり、副鼻腔の奥に溜まった膿を物理的に排出する医学的根拠は十分ではありません。
あくまでリラックスや一時的な緩和策として考えましょう。
【医療機関での治療】専門医が行う膿の排出と根本改善

セルフケアで出し切れない膿や、数ヶ月続く慢性的な症状には、医療機関での処置が必要です。
耳鼻咽喉科での処置(鼻腔吸引・ネブライザー療法)
病院では、専用の吸引器を使って自分では届かない鼻の奥の膿を強力に吸い出します。
その後、ネブライザーを用いて、霧状になった薬剤を副鼻腔まで届け、腫れを鎮めて膿を出やすくします(参考:日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 1)。
膿の排出を助ける「薬物療法」|マクロライド療法と点鼻ステロイド
薬で膿の「性質」を変え、出しやすくするアプローチです。
- マクロライド系抗菌薬:
- 慢性副鼻腔炎に対し、少量を長期間(2〜3ヶ月)服用する治療法です。線毛の働きを回復させ、膿を出しやすくする作用が期待されます(参考:日本鼻科学会 2)。
- 点鼻ステロイド薬:
- 鼻の粘膜の腫れを強力に抑え、塞がっていた副鼻腔の出口を開くことで、膿の自然な排出を促します(参考:日本鼻科学会 2)。
自力で出せない頑固な膿には「手術(ESS)」という選択肢
薬物療法を数ヶ月続けても改善しない場合や、鼻茸(鼻ポリープ)が空気の通り道を塞いでいる場合は、手術が検討されます。
現在は、内視鏡を用いた「内視鏡下鼻副鼻腔手術(ESS)」が主流です(参考:国立長寿医療研究センター 3)。
鼻の穴からカメラを入れて、炎症を起こした粘膜や鼻茸を取り除き、副鼻腔と鼻腔を一つの大きな空間に作り変えることで、膿が溜まりにくい構造にします(参考:日本鼻科学会 2)。
市販薬(チクナイン等)は蓄膿症の膿にどうアプローチする?
ドラッグストアで購入できる蓄膿症の薬も、膿の排出を助ける選択肢の一つとなります。
漢方(辛夷清肺湯など)が持つとされる働き
多くの市販薬の主成分である「辛夷清肺湯(しんいせいはいとう)」は、炎症を鎮めることや、排膿を助ける目的で使用されることがあります。
医学的な証明がすべての症例でなされているわけではありませんが、初期の軽い症状や、病院へ行くまでの繋ぎとしては中立的に活用できる選択肢です。
市販薬で改善しない場合に考えられるリスク
市販薬を数週間服用しても症状が変わらない場合、あるいは悪化している場合は、耐性菌の関与や構造上の問題(鼻中隔湾曲症など)の可能性があります。
そのため、自己判断で使い続けず専門医を受診してください(参考:厚生労働省 5)。
要注意!すぐに耳鼻咽喉科を受診すべき「危険なサイン」
蓄膿症は単なる鼻の病気ではありません。稀に炎症が周囲の組織へ波及し、重大な合併症を引き起こすことがあります。
以下の症状が出た場合は、早急な専門医受診が必要です(参考:日本鼻科学会 2)。
- 激しい顔面痛や頭痛:
- 鎮痛剤が効かないほどの強い痛み(参考:日本鼻科学会 2)。
- 視覚の異常:
- 視力が落ちる、物が二重に見える、目が腫れる(参考:日本鼻科学会 2)。
- 高熱:
- 38℃以上の熱が続く(参考:厚生労働省 5)。
- 意識の混濁:
- 炎症が髄膜などに及んでいる危険性があります(参考:日本鼻科学会 2)。

病院で直接治療を受ける以外に、治験に参加するというのもひとつの手段です。日本では蓄膿症(副鼻腔炎)でお困りの方に向け治験が行われています。
治験ジャパンでも治験協力者を募集しています。例えば過去には東京や神奈川、大阪などの施設で行われた試験もありました。
治験にご参加いただくメリットとして挙げられるのは、主に下記3点です。
最新の治療をいち早く受けられることがある
専門医によるサポート、アドバイスが受けられる
治療費や通院交通費などの負担を軽減する目的で負担軽減費が受け取れる
ご自身の健康に向き合うという意味でも、治験という選択肢を検討してみるのも良いでしょう。実施される試験は全て、安全に配慮された状況下で行われます。
まとめ
蓄膿症の膿を出すためには、まず「鼻洗浄」を正しく取り入れることが、自宅でできる効果的なステップです。
0.9%の生理食塩水を使い、正しい姿勢で行うことで、痛みを抑えつつ膿を洗い流すことができます。
しかし、セルフケアは症状の緩和を目的としたものであり、根本的な治療には耳鼻咽喉科での診断が欠かせません。
特に黄色い鼻水が長引く場合や顔の痛みがある場合は、早めに専門医へ相談しましょう。
参考資料・文献一覧
- 一般社団法人日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会「鼻・副鼻腔炎」 https://www.jibika.or.jp/modules/disease/index.php?content_id=21
- 日本鼻科学会「急性鼻副鼻腔炎診療ガイドライン 2010年版」 https://minds.jcqhc.or.jp/summary/c00181/
- 国立長寿医療研究センター「蓄膿になりやすいのはどういう人?」 https://www.ncgg.go.jp/ri/advice/37.html
- 独立行政法人環境再生保全機構「②副鼻腔炎|医療トピックス」 https://www.erca.go.jp/yobou/zensoku/sukoyaka/53/medical/medical04.html
- 厚生労働省「抗微生物薬適正使用の手引き 第二版」 https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000573655.pdf
- 難病情報センター「好酸球性副鼻腔炎(指定難病306)」 https://www.nanbyou.or.jp/entry/4537
