「糖尿病と言われたら、もう好きなものは食べられないの?」

「血糖値を下げるために、具体的に何を食べればいいのか分からない」

健康診断の結果や日々の食事管理で、このような不安を抱えていませんか?

糖尿病の食事療法において最も大切なのは、「食べてはいけない」と悲観することではなく、適切なエネルギー量の範囲内で「栄養バランスを整える」ことです(参考:日本糖尿病学会 1)。

実は、身近なスーパーやコンビニで買える食材の中には、血糖値の急上昇を抑え、健康維持に役立つ食べ物がたくさんあります。

この記事では、医学的なガイドラインに基づき、日々の食事に取り入れたいおすすめの食材や、無理なく続けられる食事のコツを具体的に解説します。

今日からの食事選びに、ぜひお役立てください。

※この記事は疾患啓発を目的としています。

糖尿病でお悩みの方へ

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糖尿病の食事で意識したい3つのポイント

具体的な食材を見る前に、食品選びの基準を知っておきましょう。

これを知るだけで、外食や買い物の際の迷いが減ります。

1. 食物繊維が豊富なもの(野菜・海藻・きのこ)

食物繊維には、小腸での糖質の吸収を緩やかにし、食後の血糖値上昇を抑える働きが期待されています

また、満腹感を得やすく、食べ過ぎ防止にも役立ちます(参考:日本糖尿病学会 1)。

2. GI値(グリセミック・インデックス)を考慮する

GI値とは、食後血糖値の上昇度合いを示す指標の一つです。

エネルギー摂取量の管理が最優先ですが、同じ炭水化物を選ぶなら、GI値が低い食品(精製度の低い穀物など)を選ぶことで、食後の血糖変動が有利になる可能性があります(参考:日本糖尿病学会 1)。

  • 高GIの傾向: 白米、食パン、うどん
  • 低GIの傾向: 玄米、全粒粉パン、そば

3. 良質なタンパク質を適量摂る

筋肉量の維持は糖代謝において重要です。

肉・魚・大豆などのタンパク質は、血糖値を直接的には上げにくい栄養素であるため、主食(糖質)の量を適正化した際の満足感を補う役割も果たします。

※ただし、糖尿病性腎症などの合併症がある方はタンパク質の摂取制限が必要な場合があるため、必ず主治医の指示に従ってください。

【ジャンル別】日々の食事にプラスしたい食べ物一覧

ここからは、日々の食事バランスを整えるために役立つ食材を紹介します。

野菜・海藻・きのこ類(食物繊維の供給源)

野菜・海藻・きのこ類は低エネルギーでビタミンやミネラルも豊富です。

毎食、両手一杯分(生野菜なら)を目安に積極的に取り入れましょう(参考:厚生労働省 2)。

  • ネバネバ野菜(オクラ、モロヘイヤ):
    • 食物繊維(ペクチンなど)を含み、健康的な食材です。
  • きのこ類(舞茸、しいたけ):
    • 低カロリーで食物繊維が豊富です。一部の研究では特有の成分(MXフラクション等)への期待も寄せられていますが、まずは「食物繊維源」として活用しましょう。
  • 海藻類(わかめ、めかぶ、昆布):
    • 水溶性食物繊維を含みます。
  • ブロッコリー・ほうれん草:
    • ビタミンやミネラルを豊富に含み、食事の栄養価を高めます。

穀物・主食(精製度の低いものを選ぶ工夫)

主食を完全に抜くのではなく、指示された単位数の中で「質の良い炭水化物」を選ぶのがコツです。

  • 玄米・雑穀米:
    • 白米に比べて食物繊維が多く含まれています。
  • 大麦(押し麦・もち麦):
    • 水溶性食物繊維(β-グルカン)を含み、食後の血糖値上昇抑制効果が期待されています。
  • 全粒粉パン・ブランパン(ふすまパン):
    • 食物繊維が多く、噛みごたえがあります。

魚・肉・大豆製品(主菜の選び方)

  • 青魚(サバ、イワシ、サンマ):
    • 良質な脂質(n-3系脂肪酸:EPA・DHA)が含まれ、動脈硬化予防の観点からも推奨されます。
  • 大豆製品(納豆、豆腐、おから):
    • 植物性タンパク質と食物繊維を同時に摂取できます。
  • 鶏むね肉・ささみ:
    • 低脂肪・高タンパクな食材の代表です。揚げ物などは控え、蒸す・焼くなどの調理法がおすすめです。

飲み物・調味料などの活用

  • トマトジュース(無塩):
    • 野菜不足を補う補助的な食品として活用できます。
  • 酢(リンゴ酢、黒酢など):
    • 調味料として酢を利用することで、食後血糖値の上昇を緩やかにする効果が報告されている研究もあります。
  • 緑茶:
    • 一般的な水分補給として適しており、無糖であることが重要です。

おやつ・果物・コンビニ食品の選び方

「甘いものは絶対禁止」と思い込んでストレスを溜めていませんか?

量と頻度を守れば、食事療法の中で楽しむことも可能です。

糖尿病でも食べていい果物とその適量

果物には果糖が含まれますが、ビタミンや食物繊維も摂取できます。

日本糖尿病学会の食品交換表などでは、「1日80kcal(1単位)」が目安とされています(参考:日本糖尿病学会 1)(参考:農林水産省 3)。

ジュースではなく、食物繊維が摂れる「生の果物」がおすすめです。

  • 1単位(80kcal)の目安: りんご半分、キウイフルーツ1個強、みかん2個程度
  • 注意: 缶詰(シロップ漬け)やドライフルーツは糖分が多いため控えましょう。

間食の工夫

空腹を紛らわせたい時は、血糖値を上げにくい食品を選びましょう。

ただし、これらもエネルギー(カロリー)があるため、1日の総摂取エネルギー内に収めることが原則です。

  • 素焼きナッツ(アーモンド、くるみ):
    • 糖質が少なく、良質な脂質を含みます。
  • ハイカカオチョコレート:
    • 嗜好品として少量楽しむ程度にしましょう。
  • 無糖ヨーグルト:
    • カルシウム補給にもなります。

コンビニでの選び方

  • サラダチキン + 海藻サラダ + おにぎり(大麦入りなど)
  • ブランパン + ゆで卵 + 野菜スープ
  • おでん(大根、こんにゃく、卵) ※練り物は糖質を含むため個数に注意

食材だけじゃない!血糖値を意識した「食べ方」の工夫

何を食べるかと同じくらい、「どう食べるか」も大切です。

1. 食べる順番を意識する(野菜から食べる)

食事の際、まずは野菜・海藻・きのこから食べ始め、次にタンパク質、最後に炭水化物を食べる方法は「ベジファースト」と呼ばれます。

医学的なエビデンスは限定的との指摘もありますが、野菜摂取量を増やし、早食いを防ぐための実践的な工夫として広く知られています(参考:日本糖尿病学会 1)。

2. よく噛んでゆっくり食べる

早食いは食後血糖値の急上昇を招きやすく、満腹感も得にくいため食べ過ぎの原因になります。

一口ごとによく噛み、ゆっくり食べることを心がけましょう。

3. 欠食せず、規則正しく食べる

食事を抜くと、次の食事で血糖値が急上昇しやすくなったり、まとめ食いにつながったりします。

できるだけ決まった時間に3食摂ることが推奨されます(参考:厚生労働省 2)。

注意が必要!控えるべき食べ物

血糖コントロールを乱す原因となりやすい食品は、摂取量や頻度に注意が必要です。

  • 清涼飲料水・加糖コーヒー:
    • 糖類(ブドウ糖果糖液糖など)が多く含まれる液体は、吸収が極めて速く、急激な血糖上昇の原因となります。
  • 菓子パン・甘いお菓子:
    • 糖質と脂質が多く、高エネルギーになりがちです。
  • 加工食品:
    • 塩分が多く含まれるものもあるため、高血圧予防の観点からも成分表示を確認しましょう。
治験を試すのも一つの方法

病院で直接治療を受ける以外に、治験に参加するというのもひとつの手段です。日本では糖尿病の方に向け治験が行われています。

治験ジャパンでも治験協力者を募集しています。例えば過去には東京や神奈川、大阪などの施設で行われた試験もありました。

治験にご参加いただくメリットとして挙げられるのは、主に下記3点です。


ご自身の健康に向き合うという意味でも、治験という選択肢を検討してみるのも良いでしょう。実施される試験は全て、安全に配慮された状況下で行われます。

よくある質問(FAQ)

Q. トマトジュースや特定のお茶で糖尿病は治りますか?

A. 特定の食品を摂るだけで糖尿病が治るということはありません。あくまで食事療法全体のバランス(適正エネルギーと栄養素)が基本であり、補助的なものとして捉えてください。

Q. 糖質制限はしたほうが良いですか?

A. 極端な糖質制限の長期的な有効性や安全性については、まだ定まった見解が得られていません。自己判断で行うと栄養バランスが崩れたり、筋肉量が減少したりするリスクもあります。必ず主治医や管理栄養士と相談し、ご自身の病態に合った食事療法を行ってください(参考:日本糖尿病学会 1)。

Q. アルコールは飲んでもいいですか?

A. アルコールは1gあたり約7kcalあり、食欲を増進させるだけでなく、インスリン注射や経口薬を使用している場合は低血糖を引き起こすリスクもあります。主治医の許可がある場合のみ、適量を守って楽しみましょう。また、週に数日は休肝日を設けることが大切です。

まとめ:バランスの良い食事でコントロールを

糖尿病に良い食べ物とは、魔法のような特定の食材ではなく、「食物繊維が豊富」「栄養バランスが整っている」食品を、「適正なエネルギー量」で摂ることです。

まずは、今日の食事に「野菜料理を一品足す」「よく噛んで食べる」といった、無理のない範囲での工夫から始めてみてください。

※本記事は情報提供を目的としており、医師の診断や治療に代わるものではありません。食事療法を行う際は、必ず主治医や管理栄養士の指導に従ってください。

参考資料・文献一覧

  1. 一般社団法人日本糖尿病学会「糖尿病診療ガイドライン2024」第3章 食事療法 https://www.jds.or.jp/uploads/files/publications/gl2024/03_1.pdf
  2. 厚生労働省 e-ヘルスネット「糖尿病の食事」 https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/food/e-02-004.html
  3. 農林水産省「果物と健康」 https://www.maff.go.jp/j/seisan/ryutu/engei/attach/pdf/iyfv-53.pdf