年々ひどくなる生理痛や、生理期間以外にも続く下腹部・腰の痛み。

もしかしてこれは「子宮内膜症」なのではないかと、不安を感じている方もいるかもしれません。

市販の鎮痛剤でなんとか乗り切っているけれど、このままで良いのだろうかと悩むのは自然なことです。

この記事では、ご自身の症状が子宮内膜症のサインに当てはまるかを確認できるセルフチェックリストをご紹介します。さらに、チェック後にどのようなタイミングで医療機関を受診すべきか、具体的な検査方法や不妊との関連性まで、気になる疑問を一つひとつ解説します。

ただし、この記事はあくまで一般的な情報提供を目的としており、セルフチェックは自己診断に代わるものではありません。最終的な診断は必ず医療機関で行われます。

もし気になる症状があれば、どうか一人で抱え込まず、早めに専門医へ相談することを検討してください。

※この記事は疾患啓発を目的としています。

子宮内膜症でお困りの方へ

治験という方法で負担軽減費を受け取りながら、より良い治療の選択肢を見つける方が増えています。

※負担軽減費とは:治験協力者が負担する交通費や時間的拘束などがあるためお金が支給されます。

治験ジャパンでは参加者の皆様に医療費の負担を軽減しながら、最新治療を受ける機会のご提供が可能です。

  • 通院1回につき1万円程度、入院1泊あたり2万円程度が負担軽減費の相場
  • 安心・信頼できる試験のみを紹介しており、安全に配慮された環境下で行われます。

詳しくはこちらから

子宮内膜症とは?基礎知識

まず、子宮内膜症がどのような病気なのか、基本的な知識から確認しましょう。

子宮内膜症の基本的な定義とメカニズム

子宮内膜症とは

子宮内膜症とは、本来であれば子宮の内側にしか存在しないはずの「子宮内膜」またはそれに似た組織が、子宮以外の場所(例えば卵巣、腹膜、腸など)で発生し、増殖してしまう病気です(参考:日本産科婦人科学会 1)。

この子宮以外の場所で増殖した組織も、本来の子宮内膜と同じように女性ホルモンの影響を受けます。つまり、月経周期に合わせて増殖し、月経のときには出血を起こすのです(参考:日本産科婦人科学会 1)。

なぜ痛みや不調が起こるのか

子宮の中であれば、出血は経血として体外に排出されます。

しかし、子宮以外の場所で起きた出血は体外に出ることができず、その場に溜まってしまいます。この溜まった血液が周辺組織に炎症を引き起こしたり、組織同士がくっついてしまう「癒着(ゆちゃく)」を起こしたりすることが、さまざまな痛みの原因となります(参考:日本産科婦人科学会 1)。

特に卵巣の中に血液が溜まって袋状になったものは「チョコレートのう胞」と呼ばれます(参考:日本内分泌学会 2)。

どんな女性に多い?発症しやすい年代と特徴

子宮内膜症は、月経がある女性なら誰でも発症する可能性がありますが、特に20代後半から40代前半の女性に多く見られます(参考:日本産科婦人科学会 1)。

初経年齢が早い、月経周期が短い、出産経験がない、といったことも発症リスクに関連すると考えられています。近年では10代で発症するケースも少なくありません。

【セルフチェック】子宮内膜症のサインを見つける

ご自身の症状が子宮内膜症の可能性と関連があるか、以下の項目でチェックしてみてください。当てはまる項目が多いほど、注意が必要かもしれません。

月経時に感じるつらい症状

月経痛は多くの女性が経験しますが、その痛みの「質」や「変化」に注意が必要です。

  • 生理痛が年々ひどくなっている、または以前より明らかに痛みが強くなった
  • 市販の鎮痛剤が効きにくくなった、もしくは飲む量や回数が増えている
  • 経血の量が多く、レバーのような血の塊が混じることがある
  • 生理中に、ひどい頭痛、吐き気、めまい、立ちくらみ、強い倦怠感を伴う

特に重要なサイン

以前は問題なかったのに、最近になって痛みが強くなってきたという変化は、特に重要なサインです。子宮内膜症の月経痛は年々悪化する傾向があります(参考:日本産科婦人科学会 1)。

月経時以外に現れる痛みや不調

子宮内膜症の痛みは、生理中だけに限りません。月経期間外にも、以下のような不調が現れることがあります。

  • 性交時に、腟の奥の方に突き上げるような痛みを感じる
  • 排便時に、肛門の奥や下腹部が痛む
  • 生理の時期に関係なく、慢性的に下腹部痛や腰痛が続いている
  • 排尿時に痛みを感じたり、違和感があったりする

これらの痛みは、病巣が直腸や膀胱の近くにでき、癒着を引き起こしている可能性を示唆します(参考:日本産科婦人科学会 1)。

その他の見過ごせない症状にも注意

痛み以外の症状が、子宮内膜症のサインであるケースも存在します。

  • 特に原因が見当たらないのに、長期間にわたり妊娠しにくい状態が続いている(不妊)
  • 慢性的な疲労感や、常に体がだるいといった全身の倦怠感が続く
  • 便秘や下痢を繰り返すなど、過敏性腸症候群に似た消化器系の症状がある

これらの症状は他の病気とも共通するため、見過ごされがちです。しかし、つらい痛みを伴う場合は、子宮内膜症の可能性も視野に入れる必要があります。

セルフチェックで該当したら?受診の目安と適切なタイミング

セルフチェックでいくつかの項目に心当たりがあった場合、いつ、どのような状態で病院へ行けばよいのでしょうか。

どんな症状があれば医療機関へ相談すべきか

受診を検討するべき具体的な目安は、症状が生活の質(QOL)にどれだけ影響しているかです。

  • 痛みで学業や仕事に集中できない、休んでしまうことがあるなど、日常生活に支障が出ている
  • 月を追うごとに痛みが悪化している、または痛みを感じる頻度が増えている
  • 市販の鎮痛剤を規定量飲んでも、痛みを十分にコントロールできない

これらのうち、一つでも当てはまる場合は、我慢せずに婦人科を受診することをおすすめします。

迷ったら早めに受診を

子宮内膜症は、症状がゆっくりと進行することが多いため、「いつからだろう?」とはっきり気づきにくい病気です。だからこそ、少しでも「おかしいな」と感じたら、迷わず受診することが大切になります。

放置するとどうなる?

子宮内膜症は放置すると病巣が広がり、癒着が進行して治療が難しくなる可能性があります。また、不妊の原因となったり、ごくまれにがん化したりするリスクもあるため、早期発見・早期治療が重要です(参考:日本産科婦人科学会 1)。

生理中でも基本的な診察や超音波検査は可能です。むしろ、症状が最も強く出ている時期に受診することで、医師が状態を把握しやすくなる場合もあります。受診する科は「婦人科」または「産婦人科」です。

子宮内膜症の検査方法:診断の流れと種類

婦人科では、診断のためにいくつかの検査を組み合わせて行います。どのような検査が行われるのか、その流れを知っておくと、少し安心して受診できるかもしれません。

診察の第一歩:問診で症状を詳しく伝える

はじめに、医師から症状について詳しい質問があります。いつから、どのような症状があるのか、痛みの程度、月経周期との関連、妊娠の希望の有無などをできるだけ具体的に伝えましょう。事前にメモを準備しておくとスムーズです。

内診・触診でわかること

内診では、医師が腟に指を入れ、子宮や卵巣の大きさ、硬さ、位置、痛みのある場所などを確認します。癒着があると、子宮の動きが悪くなっていたり、特定の場所を押すと強い痛みを感じたりすることがあります。

画像診断:超音波検査とMRI検査

内診と合わせて、画像で子宮や卵巣の状態を詳しく調べます。

  • 超音波検査(エコー検査):腟の中から細い器具(プローブ)を挿入する「経腟エコー」が一般的です。子宮の形や卵巣の状態を映像で確認でき、特にチョコレートのう胞の発見に有効です(参考:日本産科婦人科学会 専攻医教育プログラム 3)。性交経験がない場合などは、お腹の上から検査する「経腹エコー」を行うこともあります。
  • MRI検査:超音波検査でさらに詳しい情報が必要と判断された場合に行われます。磁気を利用して体の断面を撮影する検査で、病巣の正確な位置や広がり、癒着の程度などをより詳細に把握できます(参考:日本産科婦人科学会 専攻医教育プログラム 3)。

血液検査で腫瘍マーカーなどをチェック

血液検査では、炎症の程度や貧血の有無などを調べます。

CA125はあくまで補助的な指標

「CA125」などの腫瘍マーカーを測定することもあります。これは子宮内膜症で数値が上昇することがあるため、診断の補助や治療効果の判定に用いられますが、感度・特異度は高くなく、この数値だけで確定診断はできません(参考:日本産科婦人科学会 専攻医教育プログラム 3)。

確定診断のための腹腔鏡検査とは

ここまでの検査で子宮内膜症が強く疑われるものの、確定診断が必要な場合や、治療を兼ねて行われるのが腹腔鏡検査です。

おへそのあたりに小さな穴を開け、そこから腹腔鏡というカメラを挿入して、お腹の中を直接観察します。これにより、病巣の位置や癒着の状態を正確に確認し、確定診断を下すことができます(参考:日本産科婦人科学会 専攻医教育プログラム 3)。

検査にかかる費用や痛みはどのくらい?

問診から超音波検査、血液検査までは、いずれも健康保険が適用されます。費用は医療機関や検査項目によって異なりますが、初診で数千円から1万円程度が目安となることが多いようです。MRI検査や腹腔鏡検査はさらに費用がかかりますが、こちらも保険適用の対象です。

痛みについては個人差がありますが、内診や経腟エコーで違和感や軽い痛みを伴うことはあります。不安な場合は、事前に医師や看護師に伝えておきましょう。

不妊との関連性:妊娠を希望するなら知っておきたいこと

子宮内膜症と診断された方、あるいはその疑いがある方の中には、将来の妊娠について心配される方も少なくありません。

子宮内膜症が不妊を引き起こすメカニズム

子宮内膜症が不妊の原因となる理由は、一つではありません。

卵管が周囲の組織と癒着してしまい、卵子がうまく卵管内に取り込まれなくなったり、精子が通過しにくくなったりします。また、炎症によって放出される物質が、卵子の質や受精、着床のプロセスに悪影響を与える可能性も指摘されています。

チョコレートのう胞がある場合は、正常な卵巣組織がダメージを受け、排卵障害につながることも(参考:日本産科婦人科学会 1)。

妊娠を希望する場合の治療や対策

妊娠希望は必ず医師に伝える

もし将来的に妊娠を希望しているのであれば、その旨を必ず医師に伝えることが重要です。妊娠の希望の有無や、いつ頃妊娠したいかによって、治療方針が大きく変わってくるからです。

治療法には、痛みを和らげ病気の進行を抑える薬物療法と、病巣を取り除く手術療法があります。

妊娠を希望する場合には、年齢や病状、不妊期間などを総合的に考慮し、腹腔鏡手術で病巣を取り除いた後にタイミング法や人工授精を試みたり、体外受精などの生殖補助医療(ART)を検討したりします(参考:日本産科婦人科学会 1)。

治験を試すのも一つの方法

病院で直接治療を受ける以外に、治験に参加するというのもひとつの手段です。日本では子宮内膜症でお困りの方に向け治験が行われています。

治験ジャパンでも治験協力者を募集しています。例えば過去には東京や神奈川、大阪などの施設で行われた試験もありました。

治験にご参加いただくメリットとして挙げられるのは、主に下記3点です。

  • 最新の治療をいち早く受けられることがある
  • 専門医によるサポート、アドバイスが受けられる
  • 治療費や通院交通費などの負担を軽減する目的で負担軽減費が受け取れる

ご自身の健康に向き合うという意味でも、治験という選択肢を検討してみるのも良いでしょう。実施される試験は全て、安全に配慮された状況下で行われます。

治験ジャパンに登録する

子宮内膜症と上手に付き合うための生活習慣とケア

子宮内膜症は、治療と並行して日々の生活習慣を見直すことで、症状の緩和や体質の改善につながることがあります。

食事や栄養の工夫で体質改善を目指す

バランスの取れた食事は、健康の基本です。特に体を冷やさないように、温かい飲み物や食べ物を意識的に摂ると良いでしょう。血行を促進するビタミンE(ナッツ類、アボカドなど)や、炎症を抑える働きが期待されるオメガ3系脂肪酸(青魚など)を食事に取り入れることも一つの方法です。

適度な運動と十分な休息

痛みが強い時期は無理をしない

ウォーキングやストレッチなど、無理のない範囲での適度な運動は、全身の血行を改善し、痛みの緩和につながることがあります。ただし、痛みが強い時期は無理をせず、体を休めることを優先してください。

質の良い睡眠を十分にとることも、心身のバランスを整える上で欠かせません。

ストレス管理の重要性

ストレスは自律神経のバランスを乱し、痛みを増強させる要因にもなり得ます。リラックスできる時間を作り、趣味やアロマ、音楽などで上手にストレスを発散させることが大切です。

一人で抱え込まず、専門医への相談を

子宮内膜症の症状や悩みは、他人には理解されにくいことも多く、一人で抱え込んでしまいがちです。

信頼できる医療機関の探し方

婦人科を選ぶ際には、専門医がいることはもちろん、ご自身の話をじっくりと聞いてくれ、治療方針について丁寧に説明してくれる医師を見つけることが望ましいです。通院のしやすさも、長く付き合っていく上では重要なポイントになります。

QOL(生活の質)向上のために

治療の目標はQOLの向上

子宮内膜症の治療目標は、単に病巣をなくすことだけではありません。痛みや不調から解放され、学業や仕事、プライベートを自分らしく快適に送れるようにすること、つまりQOL(生活の質)を高めることが最も重要です。

自分に合った治療法やケアを見つけるために、遠慮なく医師に相談しましょう。

まとめ

子宮内膜症は、多くの女性が経験する可能性のある身近な疾患です。しかし、その痛みや不調は「生理だから仕方ない」と見過ごされがちです。この記事で紹介したセルフチェックは、ご自身の体からのサインに気づくための一つのきっかけです。

もしチェック項目に当てはまる点があり、日常生活に影響が出ているのであれば、それは専門家へ相談すべきサインかもしれません。決して一人で抱え込まず、婦人科を受診してください。

早期に専門医と協力することで、痛みや不妊といった悩みを解決し、より良い生活を取り戻すための道筋が見つかるはずです。この記事が、あなたがご自身の体と向き合い、前向きな一歩を踏み出すきっかけとなることを心から願っています。

子宮内膜症に関するよくある疑問

子宮内膜症は放置するとどうなりますか?
放置すると病巣が広がり、月経痛やその他の痛みが悪化する傾向があります。また、周辺組織との癒着が進行し、不妊の原因となったり、手術が複雑になったりすることがあります。ごくまれですが、卵巣にできたチョコレートのう胞ががん化するリスクも報告されています(参考:日本産科婦人科学会 1)。
生理痛が軽い場合でも子宮内膜症の可能性はありますか?
可能性はあります。痛みの感じ方には個人差が大きく、生理痛が比較的軽くても、性交痛や排便痛、不妊といった他の症状が主である場合もあります。痛みの強さだけで判断せず、総合的に症状を見ることが大切です。
子宮内膜症の検査は痛いですか?
痛みには個人差があります。内診や経腟超音波検査では、圧迫感や違和感、軽い痛みを伴うことがありますが、通常は短時間で終わります。痛みが強い場合や不安な場合は、検査中に医師に伝えることで力加減を調整してもらえることもあります。確定診断で行う腹腔鏡検査は、麻酔下で行われるため手術中の痛みはありません。
子宮内膜症の予防法はありますか?
残念ながら、現時点で子宮内膜症の発症を確実に防ぐ確立された予防法はありません。しかし、バランスの取れた食事や適度な運動、ストレス管理といった健康的な生活習慣は、体の免疫機能やホルモンバランスを整える上で良い影響を与えると考えられています。
子宮内膜症は遺伝しますか?
直接的な遺伝病ではありませんが、家族歴が関連すると考えられています。母親や姉妹など第一度近親者に子宮内膜症の方がいる場合、いない場合と比較して発症リスクが数倍高まるという研究報告があります(参考:厚生労働科学研究成果データベース 4)。近親者に子宮内膜症の方がいる場合は、早めに婦人科で相談することも選択肢の一つです。