「目が乾くだけだから大丈夫」
「市販の目薬をさせばなんとかなる」
そのように考えて、ドライアイの症状を我慢していませんか?
実は、ドライアイは単なる「目の乾燥」にとどまらず、放置すると目の表面を深く傷つけたり、頭痛や肩こりといった全身の不調に関連したりする病気です(参考:日本眼科学会 1, 国立長寿医療研究センター 7)。
「最近、なんとなく目が見えにくい」
「ひどい疲れやめまいを感じる」
もしそのような症状があるなら、それはドライアイが重症化しているサインかもしれません。
この記事では、ドライアイがひどくなると体にどのような変化が起こるのか、そのリスクと具体的な症状、そして重症化を防ぐための対策について、医学的な観点から分かりやすく解説します。
※この記事は疾患啓発を目的としています。
ドライアイでお困りの方へ

治験という方法で負担軽減費を受け取りながら、より良い治療の選択肢を見つける方が増えています。
※負担軽減費とは:治験協力者が負担する交通費や時間的拘束などがあるためお金が支給されます。
治験ジャパンでは参加者の皆様に医療費の負担を軽減しながら、最新治療を受ける機会のご提供が可能です。
通院1回につき1万円程度、入院1泊あたり2万円程度が負担軽減費の相場
安心・信頼できるのみ試験を紹介しており、安全に配慮された環境下で行われます。
結論:ドライアイがひどくなると起こる3つのリスク
結論からお伝えすると、ドライアイを「たかが乾燥」と侮って放置し重症化させた場合、主に以下の3つの深刻なトラブルを引き起こすリスクがあります。
- 角膜(黒目)の損傷・感染症
- 「実用視力」の低下
- 頭痛・肩こり・心身の不調
それぞれの状態について、詳しく見ていきましょう。
1. 角膜(黒目)が傷つき、感染症のリスクが高まる
涙には、目の表面を潤すだけでなく、細菌やウイルスから目を守る「バリア機能」や、栄養を届ける役割があります。
ドライアイが進行して涙の量が減ったり成分のバランスが崩れたりすると、この防御機能が失われます。
その結果、まばたきの摩擦だけで角膜(黒目の表面)が傷ついてしまうことがあります(参考:日本眼科学会 1)。
- 角膜上皮剥離(かくまくじょうひはくり):
- 角膜の表面が剥がれてしまった状態。激しい痛みや充血を伴います。
- 角膜感染症・角膜潰瘍(かくまくかいよう):
- 傷ついた部分から細菌が入り込み、炎症を起こしたり、角膜が白く濁ったりする状態(参考:厚生労働省 5)。
これらは非常に危険な状態で、最悪の場合は視力が大幅に低下したり、治った後も濁りが残ったりする可能性があります。
2. 「実用視力」が低下し、見えづらくなる
「視力検査(Cのマークを見る検査)では1.2あるのに、普段の生活ではボヤけて見えにくい」
ドライアイの方の多くが、このような悩みを抱えています。
これは「実用視力」の低下が原因です(参考:日本眼科学会 1)。
涙の層が不安定になり、目の表面がデコボコになると、光が正しく入ってこなくなります。
これを「不正乱視」のような状態と呼びます。
特に、目を使って作業を続けると数秒で見えにくくなるのが特徴で、「夕方になるとかすむ」「ピントが合わない」といった症状に繋がります。
これは仕事のパフォーマンスや運転の安全性にも関わる重大な問題です。
3. 頭痛・肩こり・自律神経への影響(全身症状)
意外に思われるかもしれませんが、ドライアイがひどくなると、目以外の全身にも不調が現れることがあります。
これを「眼精疲労」と呼びます。
単なる疲れ目とは違い、休息しても回復しないのが特徴です。
- 頭痛・肩こり:
- 目のピントを合わせる筋肉が過度に緊張し、それが首や肩の筋肉に伝播して血流が悪くなることで起こります。
- 心身への影響:
- 目の痛みや「見えにくさ」というストレスが慢性的に続くと、自律神経のバランスに影響を与えることがあります。研究では、ドライアイの症状が重いほど主観的な幸福度が低下し、睡眠の質や抑うつ状態とも関連があることが報告されています(参考:国立長寿医療研究センター 7)。
「原因不明の頭痛やだるさが、実はドライアイから来ていた」というケースは珍しくありません。
これって重症?病院へ行くべき危険なサイン

もしご自身に以下の症状が当てはまる場合、ドライアイがすでに進行している可能性があります。
市販薬での対処には限界があるため、早急に眼科を受診することをお勧めします。
- 目が痛くて開けていられない
- 光を見ると異常にまぶしい(羞明感)
- 10秒以上、まばたきを我慢して目を開けていられない(※)
- 目の中に砂が入っているような「ゴロゴロ感・異物感」が強い
- 白っぽい目やにが出る
- 充血が治らない
※医学的な診断基準(BUT)では「涙が5秒以内に乾く」ことがドライアイの定義の一つとされていますが(参考:日本眼科学会 2)、セルフチェックとしては「10〜12秒程度開け続けられるか」が一つの目安となります(参考:順天堂大学 3)。
「痛み」や「異物感」が強い場合は要注意
特に「痛み」は体が発する危険信号です。
目が乾く感覚を超えて「刺すような痛み」や「ゴロゴロする異物感」がある場合、すでに角膜に傷がついている可能性が高いと考えられます。
この段階では、自然治癒を待つのではなく、適切な治療が必要です。
なぜ悪化するの?ドライアイを重症化させる主な原因
軽度だったドライアイがなぜひどくなってしまうのでしょうか。
主な原因を知ることで、対策の手がかりになります。
コンタクトレンズの過度な使用
コンタクトレンズは、角膜の上にある涙の層を分断してしまいます。
特にソフトコンタクトレンズはレンズ自体が涙を吸収するため、乾燥を加速させます。
違和感があるのに無理に装用し続けることは、角膜を傷つける直接的な原因になります。
長時間のVDT作業(スマホ・PC)と瞬きの減少
パソコンやスマートフォンなどの画面を集中して見ている時、まばたきの回数は普段に比べて激減すると言われています。
まばたきが減ると涙が蒸発しやすくなり、目の表面が長時間空気にさらされるため、重症化しやすくなります。
加齢や他の病気(シェーグレン症候群など)
加齢とともに涙の分泌量は自然と減少します。
また、膠原病の一種である「シェーグレン症候群」などの全身疾患が原因で、極端に涙が出なくなるケースもあります。
この場合、通常の目薬だけでは改善しないことが多く、専門的な治療が必要です。
ひどくなったドライアイの治療法・対処法
「もう治らないのではないか」と不安になる必要はありません。
眼科では、症状の重さに応じて様々な治療法が用意されています。
眼科での専門治療
重症化したドライアイには、市販の目薬ではなく、医師の処方が必要な治療が行われます。
- 専門的な点眼薬:
- 角膜の傷を修復する成分(ヒアルロン酸など)
- 涙の成分である「ムチン」の分泌を促進する新しいタイプの目薬(ジクアホソルナトリウムなど)(参考:参天製薬/PMDA 6)
- 炎症を抑えるステロイド点眼薬(重症例)
- 涙点プラグ:
- 目頭にある涙の排水口(涙点)に栓(プラグ)をして、少ない涙を目に溜める治療法です。非常に効果が高く、重症の方によく選択されます(参考:日本眼科学会 1)。
- IPL治療:
- 涙の油分を分泌する「マイボーム腺」が詰まっている場合、特殊な光を当てて機能を改善させる治療法です。近年注目されていますが、多くの場合は自由診療(保険適用外)となります(参考:日本角膜学会 4)。
日常生活でできる悪化予防
治療と並行して、環境を見直すことも大切です。
- 加湿:
- 部屋の湿度を保ち、風が直接目に当たらないようにする。
- まばたき意識:
- 意識的に「パチパチ」と強めにまばたきをする。
- 温める:
- ホットアイマスクなどで目を温めると、油分の分泌が良くなり涙が蒸発しにくくなります(※目が充血して炎症がある時は控えてください)(参考:日本角膜学会 4)。
治験を試すのも一つの方法

病院で直接治療を受ける以外に、治験に参加するというのもひとつの手段です。日本ではドライアイでお悩みの方に向け治験が行われています。
治験ジャパンでも治験協力者を募集しています。例えば過去には東京や神奈川、大阪などの施設で行われた試験もありました。
治験にご参加いただくメリットとして挙げられるのは、主に下記3点です。
最新の治療をいち早く受けられることがある
専門医によるサポート、アドバイスが受けられる
治療費や通院交通費などの負担を軽減する目的で負担軽減費が受け取れる
ご自身の健康に向き合うという意味でも、治験という選択肢を検討してみるのも良いでしょう。実施される試験は全て、安全に配慮された状況下で行われます。
よくある質問(FAQ)
まとめ:目の不調は体のSOS。早めの受診で快適な視界を
ドライアイがひどくなると、以下のようなリスクがあります。
- 目の表面(角膜)が傷つき、視力障害の原因になる
- 見えづらさから仕事や生活の質が下がる
- 頭痛や肩こり、精神的な不調にもつながる
「たかが目の乾き」と思わず、体が発しているSOSだと受け止めてください。
特に、痛みや強い異物感がある場合は、重症化のサインです。
現在は治療法も進歩しており、自分に合った治療を受けることで、辛い症状は劇的に改善する可能性があります。
我慢して悪化させる前に、ぜひ一度眼科専門医に相談してみてください。
あなたの視界が再びクリアになり、快適な毎日が戻ることを願っています。
- 日本眼科学会「ドライアイ診療ガイドライン」https://www.nichigan.or.jp/Portals/0/resources/member/guideline/dryeye_guideline.pdf
- 日本眼科学会「日本のドライアイの定義と診断基準の改訂(2016年版)」 https://www.nichigan.or.jp/member/journal/guideline/detail.html?itemid=309&dispmid=909
- 順天堂大学「ドライアイのセルフチェックに有用な最大開瞼時間を検証(プレスリリース)」 https://www.juntendo.ac.jp/news/02852.html
- 日本角膜学会「マイボーム腺機能不全診療ガイドライン」 https://www.nichigan.or.jp/Portals/0/resources/member/guideline/MGD.pdf
- 厚生労働省「重篤副作用疾患別対応マニュアル 角膜混濁」 https://www.pmda.go.jp/files/000240112.pdf
- 参天製薬/PMDA「ジクアス点眼液3% 添付文書」 https://www.info.pmda.go.jp/go/pack/1319758Q1021_1_11/
- 国立長寿医療研究センター「病院レター第72号 急増するドライアイ」https://www.ncgg.go.jp/hospital/iryokankei/letter/072.html
