健康診断などで「BMI35」という数値を目にし、自分の体重がどのくらい危険な状態なのか不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
BMI35は、医学的に「高度肥満」または「病的肥満」と呼ばれる非常に重大な状態を指しています。
単なる「太りすぎ」ではなく、放置すると命に関わる重篤な健康リスクを引き起こす可能性があるため、適切な対処が必要です。
本記事では、BMI35が具体的にどのような状態なのか、引き起こされる病気のリスク、そして自己流のダイエットではなく専門機関で受けられる治療の選択肢や保険適用の条件について詳しく解説します。
現状に不安を抱えている方が、専門家への相談を検討し、健康な生活を取り戻すための第一歩を踏み出すための情報をお届けします。
※この記事は疾患啓発を目的としています。
肥満症でお困りの方へ
治験という方法で負担軽減費を受け取りながら、より良い治療の選択肢を見つける方が増えています。
※負担軽減費とは:治験協力者が負担する交通費や時間的拘束などがあるためお金が支給されます。
治験ジャパンでは参加者の皆様に医療費の負担を軽減しながら、最新治療を受ける機会のご提供が可能です。
- 通院1回につき1万円程度、入院1泊あたり2万円程度が負担軽減費の相場
安心・信頼できる試験のみを紹介しており、安全に配慮された環境下で行われます。
BMI35とは?「高度肥満」「肥満症」の定義と基準
BMIとは?基本的な計算方法と日本肥満学会の基準
BMI(Body Mass Index)は、体重と身長から算出される肥満度を表す国際的な体格指数です。
計算式は「体重(kg)÷ 身長(m)÷ 身長(m)」で求められます。
日本肥満学会の基準では、BMI22が最も病気になりにくい標準体重とされています(参考:厚生労働省 1)。
18.5未満が「低体重(やせ)」、18.5以上25未満が「普通体重」と分類されます。
そして、BMI25以上が「肥満」と定義され、その程度に応じて肥満1度(25以上30未満)、肥満2度(30以上35未満)、肥満3度(35以上40未満)、肥満4度(40以上)の4段階に分けられています。
BMI35が示す「高度肥満」とは?
この分類において、BMIが35以上になると「肥満3度」または「肥満4度」に該当します。
医学的には、BMI35以上の状態を総称して「高度肥満」と呼びます(参考:日本肥満学会 2)。
高度肥満は、通常の肥満と比べて健康障害を合併するリスクが飛躍的に高まる状態です。
そのため、単なる体重過多としてではなく、積極的な医学的介入が必要なレベルとして位置づけられています。
「肥満症」と診断される条件とBMI35の位置づけ
「肥満」と「肥満症」は似ていますが、医学的な意味合いが異なります。
肥満は単に脂肪が蓄積した状態を指しますが、肥満症は「肥満に起因する健康障害(合併症)を合併しているか、合併が予測される状態で、医学的に減量治療を必要とする疾患」と定義されています。
特にBMI35以上の高度肥満の場合、「高度肥満症」と診断されて治療の対象となるには、肥満に関連する健康障害を有するか、あるいは内臓脂肪の蓄積を認める必要があります(参考:日本肥満学会 2)。
つまり、BMI35という数値に加えてこれらの条件を満たす状態は、病気として治療に向き合うべき明確なサインと言えます。
あなたのBMIは?具体的な計算と目安
ご自身のBMIは、先ほどの計算式「体重(kg)÷ 身長(m)÷ 身長(m)」で簡単に計算できます。
例えば、身長170cm、体重105kgの方の場合、「105 ÷ 1.7 ÷ 1.7 = 約36.3」となり、BMI35を超えていることがわかります。
身長別のBMI35の体重目安
自分がBMI35に達しているか、あるいはどのくらいの体重になるとBMI35になるのかをイメージしやすくするため、身長別の体重目安をいくつか挙げます。
これらの体重を超えている場合、高度肥満の領域に入っていると考えられます。
BMI35で高まる健康リスクと合併症
なぜ危険?BMI35が引き起こす主な病気
BMI35以上の高度肥満は、全身のさまざまな臓器や血管に大きな負担をかけます。
内臓脂肪の過剰な蓄積は、炎症を引き起こす物質を分泌させ、ホルモンバランスを崩す原因となります。
これにより、複数の深刻な病気を引き起こすリスクが高まります。
糖尿病、高血圧、脂質異常症などの生活習慣病
高度肥満と最も関連が深いのが生活習慣病です。
脂肪細胞が肥大化すると、インスリンの働きが悪くなり、血糖値が下がりにくくなるため2型糖尿病のリスクが跳ね上がります。
また、血液中の悪玉コレステロールや中性脂肪が増加する脂質異常症、血管に圧力がかかり続ける高血圧も引き起こされやすくなります。
これらが重なると動脈硬化が急速に進行し、心筋梗塞や脳卒中といった命に関わる病気の引き金となります。
睡眠時無呼吸症候群、関節疾患、がんリスク
生活習慣病以外にも多くの合併症があります。
首回りの脂肪が気道を圧迫することで起こる睡眠時無呼吸症候群は、睡眠の質を著しく低下させ、日中の強い眠気や心不全のリスクを高めます。
また、重い体重を支えることで膝や腰の関節軟骨がすり減る変形性関節症など、運動器の障害も頻発します。
さらに、近年の研究では、高度肥満が大腸がん、乳がん、子宮体がんなど、いくつかのがんの発症リスクを上昇させることも明らかになっています。
BMI35と寿命の関係性
高度肥満は寿命にも影響を与えます。
複数の研究データにおいて、BMIが一定の基準を超えて高くなればなるほど、死亡リスクが上昇する傾向が示されています。
特にBMI35以上の状態を長く放置することは、心血管疾患やがんなどの重篤な合併症を引き起こしやすくなるため、健康寿命を縮める大きな要因となります。
早めに適切な治療を受け、体重をコントロールすることが、将来の健康と長寿を守るために不可欠です。
見た目や日常生活への影響
BMI35という状態は、健康面だけでなく日常生活の質(QOL)にも影響を及ぼします。
少し動いただけで息切れがする、汗をかきやすい、合うサイズの服が見つかりにくいといった身体的な不便さを感じる場面が多くなります。
また、自分の体型に対するコンプレックスから自己肯定感が低下し、外出や人との交流を避けるようになってしまうなど、心理的な負担を抱える方も少なくありません。
BMI35からの減量:治療の必要性と専門的なアプローチ
自己流ダイエットでは難しい理由
BMI35以上の高度肥満からの減量は、食事を少し減らしたり、軽く運動したりする程度の自己流ダイエットでは成功しにくいのが現実です。
長年の生活習慣によって体がその体重を維持しようとする働きが強くなっているため、一時的に体重が落ちてもリバウンドを繰り返すケースが多々あります。
また、極端な食事制限や無理な運動は、かえって体調を崩したり、関節を痛めたりする危険性があります。
専門機関での治療が推奨されるケース
BMI35以上で、これまで何度もダイエットに失敗してきた方や、すでに健康診断で血圧、血糖値、脂質などの異常を指摘されている方は、自己判断での減量に見切りをつけ、医療機関を受診することが強く推奨されます。
高度肥満は個人の意志の弱さが原因ではなく、医学的な治療を要する状態であるという認識を持つことが大切です。
肥満外来・ダイエット外来とは?
高度肥満の治療を専門に行っているのが肥満外来やダイエット外来です。
ここでは、医師、管理栄養士、理学療法士、公認心理師などの専門チームが連携し、患者一人ひとりの原因や生活背景に合わせたオーダーメイドの治療プログラムを提供します。
詳細な血液検査や体組成測定に基づき、医学的根拠のある食事指導、無理のない運動指導、そして必要に応じて後述する薬物療法や行動療法などを組み合わせて減量をサポートします。
薬物療法(新薬ウゴービ等)の可能性と注意点
食事療法や運動療法で十分な効果が得られない場合、薬物療法が検討されることがあります。
近年、肥満症治療薬の選択肢は広がっており、食欲を抑える効果があるGLP-1受容体作動薬(ウゴービなど)が新たに保険適用となるケースも出てきました。
これらの薬は、脳に直接働きかけて満腹感を高めることで、自然な食事量の減少を促します。
ただし、誰でも使用できるわけではなく、厳密な処方条件(BMIの基準や合併症の有無など)があり、吐き気や便秘などの副作用が生じる可能性もあります。
必ず専門医の診断と管理のもとで使用する必要があります。
高度肥満症における外科手術(減量手術)
BMI35以上の高度肥満で、他の治療法で効果が見られず、重篤な合併症を抱えている場合には、外科手術(減量・代謝改善手術)が選択肢となることがあります。
代表的なものに、胃の一部を切り取って胃の容量を小さくする腹腔鏡下スリーブ状胃切除術があります。
食事の摂取量が物理的に制限されるため、長期的に確実な減量効果と、糖尿病などの合併症の大幅な改善が期待できます。
手術である以上、リスクや術後の食事制限などの課題はありますが、状態を改善するための有効な手段として確立されています。
食事と運動:専門家が推奨する効果的な方法
医療機関での指導に基づく食事と運動は、すべての治療の基礎となります。
専門家のアドバイスを受けながら、無理なく継続できる習慣を身につけることが成功の鍵です。
治験を試すのも一つの方法
病院で直接治療を受ける以外に、治験に参加するというのもひとつの手段です。
日本では肥満症でお困りの方に向け治験が行われています。治験ジャパンでも治験協力者を募集しています。例えば過去には東京や神奈川、大阪などの施設で行われた試験もありました。
治験にご参加いただくメリットとして挙げられるのは、主に下記3点です。
- 最新の治療をいち早く受けられることがある
- 専門医によるサポート、アドバイスが受けられる
- 治療費や通院交通費などの負担を軽減する目的で負担軽減費が受け取れる
ご自身の健康に向き合うという意味でも、治験という選択肢を検討してみるのも良いでしょう。実施される試験は全て、安全に配慮された状況下で行われます。
BMI35以上の治療は保険適用される?費用と条件
保険適用の条件と流れ
高度肥満の治療において、多くの方が心配されるのが費用の問題です。
結論から言うと、一定の条件を満たせば、肥満外来での診療や一部の治療は健康保険が適用されます。
ただし、薬物療法や外科手術にはそれぞれ厳格な基準が設けられています。
薬物療法(ウゴービ等)の場合は、前提として高血圧・脂質異常症・2型糖尿病のいずれかがあり内科的治療で効果不十分な上で、「BMI35以上」または「BMI27以上で肥満に関連する健康障害を2つ以上有すること」などが条件となります(参考:厚生労働省 3)。
また外科手術(スリーブ状胃切除術など)については、BMI35以上(特定条件を満たせば32.5以上)で、6ヶ月の内科的治療でも十分な効果が得られず、糖尿病・高血圧・脂質異常症・閉塞性睡眠時無呼吸症候群のいずれかを合併していることなどが要件として定められています(参考:奈良県立医科大学 4)。
治療を希望する場合は、まず肥満外来や内科を受診し、医師の診察と検査を受けて正確な診断と適応の確認を受けることからスタートします。
治療にかかる費用の目安
保険適用(3割負担の場合)となった場合の費用の目安ですが、一般的な肥満外来での初診料や検査費用は数千円程度です。
その後の通院による再診料や指導料も、1回あたり数千円の範囲に収まることがほとんどです。
薬物療法を行う場合は、処方される薬の種類によって月額の薬代が追加されます。
外科手術(スリーブ状胃切除術など)の場合、入院費用を含めて数十万円の負担となることがありますが、高額療養費制度を利用することで、所得に応じた自己負担限度額に抑えることが可能です。
一方、美容目的のダイエットクリニックなどでの自由診療(自費診療)の場合は全額自己負担となり、薬代や施術代で月に数万円から十数万円かかることもあります。
まずは保険診療を行っている医療機関へ相談することをお勧めします。
BMI35に関するよくある質問 (FAQ)
BMI35は、日本肥満学会の基準で「高度肥満(肥満3度)」に分類され、医学的に見て非常に注意が必要な状態です。
糖尿病や高血圧などの生活習慣病をはじめ、心疾患、脳卒中、睡眠時無呼吸症候群など、重大な合併症を引き起こす可能性が高くなります。
放置せず、早急に医療機関へ相談すべきレベルと言えます。
薬物療法や減量手術などの積極的な治療には、単なるBMIの数値だけでなく、特定の合併症の有無やこれまでの内科的治療の経過など、厳格な条件が設けられています。
ただし、BMI35以上の高度肥満はそれ自体が重大な健康リスクを伴う状態であるため、肥満外来での検査や指導などの基礎的な診療は保険診療の枠組みで進められることが多くなります。
最終的な判断は医師の診断に基づくため、まずは受診して確認することが重要です。
肥満症診療ガイドラインなどでは、高度肥満症の場合、まずは現在の体重から5〜10%の減量を目標とすることが推奨されています(参考:日本肥満学会 2)。
例えば体重100kgの方であれば、5kg〜10kgの減量です。
これだけの減量でも、血圧や血糖値、脂質などの検査数値が大きく改善し、合併症のリスクを減らす効果が期待できます。
一気に標準体重を目指すのではなく、無理のない段階的な目標設定が大切です。
女性の場合、高度肥満は月経異常や不妊の原因となる多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)のリスクを高めることが知られています。
また、妊娠中の肥満は、妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病、難産などの合併症リスクを上昇させるため注意が必要です。
さらに、閉経後の肥満は乳がんや子宮体がンのリスクを高める要因にもなります。
具体的な個人名は控えますが、テレビ番組の企画や自身の健康への意識から、専門家の指導のもとで大幅な減量に成功し、健康的な体型を取り戻した著名人は多数いらっしゃいます。
彼らの成功の裏には、自己流ではなく、適切な食事管理や運動指導、時には医療のサポートを受けるといった、正しいアプローチの継続があります。
まとめ
本記事では、BMI35という数値が持つ意味やリスク、そして治療の選択肢について解説しました。
BMI35は単なる体型の問題ではなく、放置すれば健康に重大な影響を及ぼしかねない「高度肥満」というサインです。
しかし、決して諦める必要はありません。
医療機関の肥満外来などを受診し、専門家による適切な診断とサポートを受けることで、健康的な体重への減量と合併症の改善は十分に可能です。
保険適用となる治療の選択肢も増えています。
ご自身の健康と将来を守るためにも、一人で悩まず、まずは専門家への相談という一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。
