【保存版】覚えておきたい正しい薬の使い方

2020年8月4日

「用法・容量を守って正しくお使いください」
どんな薬にも、必ずこの文言は書いてあります。なぜなら、薬は正しく使えば健康に対して頼もしい味方になりますが、用法・容量を厳格に守って使用しないと、健康に害を及ぼしてしまうからです。特に薬効が高い薬ほど、副作用には充分注意が必要になります。そこで今回は、薬を正しく用いる方法について解説します。
これまで独断で薬の量を調節したり、勝手に投薬を止めていた人は、これを機に薬との向き合い方を考え直してみましょう。

薬を正しく使う重要性

処方薬の誤使用経験
上述したように、薬には「用法・容量を守って正しく使わなければならない」決まりがあります。ただ、日本製薬工業協会が公表している「処方薬の情報とイメージ」によると、処方薬の誤使用経験率は60%を超えていることが分かっています。特に事例で多かったのは以下の4つです。[注1]

・指示されたと回数どおりに飲まなかったことがある

・症状が良くなったので自分の判断で服用を中止した

・自分の判断で薬の服用量を加減して飲んだことがある

・ジュースや牛乳で飲んだことがある

[注1]日本製薬工業協会 「第1章・処方箋の情報とイメージ」
http://www.jpma.or.jp/about/issue/gratis/survey/pdf/09_02.pdf

これらは決して好ましい行為ではありません。前提として、薬には身体に何かしらの影響を与える成分が含まれています。それらは臨床研究の段階で「どれくらい飲めば副作用が起こりづらく、かつ薬の有効性を最大限引き出すことができるか」を分析され、最適なものとして世に出されているのです。
したがって、自己判断で飲み過ぎてしまうと身体への負担は余計に大きくなりますし、自己判断で止めたり量を加減したりすると、薬の有効性を最大限得られません。
さらに、ジュースや牛乳といった他の成分と混ぜて飲むと薬効が打ち消されたり、過剰に増幅する可能性があるのです。以下は一緒に大量摂取してはいけない薬と食べ物、飲み物の一覧です。これらは『禁忌』『要回避』と呼ばれており、注意しないと命に関わるほどのものがあります。

禁忌の食べ物・飲み物 詳細
カルシウム拮抗薬 グレープフルーツジュース グレープフルーツの種に含まれる成分が、薬物による代謝を阻害し、血中濃度を上昇させてしまう。結果として血圧の低下や、頭痛、めまいを引き起こすことがある。
催眠鎮静薬
精神神経薬
高脂血症治療薬
抗血栓薬
(ワルファリン)
クロレラ クロレラに含まれるビタミンKがワルファリンの持つ抗血液凝固の作用を弱める。そのため、血液凝固を起こしやすくなる。
緑黄色野菜 緑黄色野菜にもビタミンKが含まれているため、大量摂取してしまうとワルファリンの薬効を弱めてしまう可能性がある。
納豆 クロレラと同様、納豆にもビタミンKが大量に含まれており、抗血液凝固の作用を弱め、血液凝固を引き起こしやすくなる。
選択的セロトニン再取り込み阻害剤
(SSRI)
カフェイン SSRIの成分がカフェインの分解を抑えてしまい、イライラや不眠、神経過敏などを引き起こす。
解熱鎮痛薬・抗血栓薬 カフェインによって血中濃度が上昇してしまい、鎮痛効果や抗血栓効果が強まる。
抗菌薬
キノロン系薬
抗菌薬の成分がカフェインの分解を抑えてしまい、イライラや不眠、神経過敏などを引き起こす。
強心・気管支拡張薬 気管支拡張薬に含まれる成分の体内代謝が抑えられてしまう可能性がある。
抗結核薬 チーズ チーズ含まれる「チラミン」が抗結核薬や消化性潰瘍治療薬で分解されづらくなり、チラミン中毒を起こしやすくなる。
消化性潰瘍治療薬
精神神経薬 アルコール アルコールによって薬剤の血中濃度が上昇し、それぞれの薬が持つ作用が強くなってしまう。
糖尿病用剤
解熱鎮痛薬
抗ガン剤 体内でアルコールが分解されづらくなり、頭痛や嘔吐、顔面紅潮(赤くなる)といった不快症状が出る。
狭心症治療薬 アルコールにより血管拡張作用が強くなり、起立性低血圧や低血圧による失神を引き起こしてしまう。 

このように、私達の身近にあり、よく口にする食べ物や飲み物も『禁忌』や『要回避』に含まれているのです。せっかく薬を使って身体を健康な状態に戻そうとしているのに、飲み合わせを間違えただけでそれを阻害されたり、余計に悪化させたりするのは本末転倒になってしまいます。
以上のことより、自身の健康を少しでも維持増進させるためにも薬を正しく使うことは重要なのです。

薬を正しく使うための4つの方法

薬を正しく使うための4つのポイント
薬を正しく使うには、

  1. 薬を飲むタイミングを理解する
  2. 飲み合わせに注意する
  3. 薬を正しく保存する
  4. 余った薬は早めに処分する

の4点が挙げられます。

1.食前・食直前・食間・食後の意味を理解する

薬の中には、飲むタイミングが指示されているものがあります。これらは薬の効果が出るタイミングに合わせた指示であるため、正確に守らないといけません。特に食事の前後に関しては明確に時間が決まっているので、以下を参考にして覚えておきましょう。

飲むタイミング 意味
食前 食事をとる約30分前を目安に飲む薬に対して出す指示。食べ物が胃に到達する前に飲むことで、胃の粘膜に接して効果を出しやすくする薬や、胃の働きをよくする薬、胃に食べ物が入っていないほうが吸収や効果がよい薬などに多い。
食直前 食事をとる直前に飲む薬に対して出す指示。食後の血糖上昇を抑える「インスリン注射」などが代表例。また食直前の薬を飲んだあとに食事を取らないと副作用が起こりやすくなるので、食直前の薬を飲んだ後は必ず食事をとるようにしなければならない。
食後 食事をとった後、約30分以内に飲む薬に対して出す指示。胃もたれや胃粘膜への影響を起しやすい薬に対して用いられることが多い。胃が空っぽの状態や空腹時に飲むと胃への負担を大きくしてしまう可能性がある。
食間 食事をとった後2時間が目安の薬に出す指示。「食間=食事中」と思われがちだが、食事と食事の間という意味を持っているので、間違えないようにすることが大切。

2. 組み合わせに注意する

上述したように、薬を正しく使うためには飲み物や食べ物にも注意が必要です。加えてもう1つ大切なのが、薬同士の飲み合わせです。人によっては慢性的な鼻炎などで毎日市販の薬を飲んでいる場合があるでしょう。そのような人が風邪を引いたとき、市販の薬と飲み合わせてもいいのか確認する必要があります。
特に以下の飲み合わせに関しては注意が必要です。

危険な飲み合わせの例 詳細
ワルファリン+風邪薬・解熱鎮痛薬 抗血栓薬であるワルファリンに対し、風邪薬や解熱鎮痛剤を飲み合わせてしまうと血が止まりにくくなる可能性がある。
抗生物質+胃腸薬 胃腸薬に含まれる成分が抗生物質の有効性を薄めてしまう可能性がある。
鼻炎薬+胃腸薬 多くの鼻炎薬に含まれる成分、抗ヒスタミンと胃腸薬に含まれる鎮痛鎮痙成分が同じ作用を持つため、口渇や便秘の副作用が強く出る可能性がある。
風邪薬+咳止め薬 多くの風邪薬と咳止め薬に「ジヒドロコデインリン酸塩」という成分が含まれており、過剰摂取を起こし口渇を引き起こしてしまう。

3.薬の間違った保存方法は品質変化の原因になる

薬には正しい保存方法があります。正しい保存方法を知らずに、放置しておくと品質の変化や腐敗の要因になるので、以下のポイントを踏まえた正しい所に保存するようにしましょう。

保存ポイント 詳細・理由
直射日光が当たらない場所・高温多湿ではない場所に保存する 直射日光があたり高温になると、薬の品質の変化が起きてしまう可能性がある。また多湿は腐敗の要因になる。
保存できる薬でも1年に1回は整理 保存できる薬でも物によって期間が異なるので、薬ごとに期限を記しておくようにする。
他の容器に移し替えたりはしない 薬ごとに最適な容器に保存しているので、自己判断で容器を移し替えることはしない。品質の低下につながってしまう。
農薬や防虫剤と同じ箱に入れない 薬と同じ箱に入れると、誤飲のリスクが高まってしまう。
付属の説明書は必ず一緒に保存する 薬ごとの注意書きがいつでも確認できるように、説明書は見える場所に必ず保管しておく方がよい。

4.余った薬は早めに処分する

薬は、保存状態によっては記載されている日付よりも早く、期限切れになっている可能性があります。
そのため、薬が余ってしまった場合は、早めに処分した方がいいでしょう。
処理方法は、病院やクリニックといった医療機関に持っていき、処分するのが最適です。クリニックによっては専用の廃棄場所を設置しているところがあるので、最寄りにそのような設置場所がないか確認してみましょう。
また、中身が液体のものは水道水で1000倍に薄めて流して処分するのが基本です。
多くの薬に処分方法が記載されているので、それを見ながら個別に処分できます。まずは確認をしましょう。

妊娠中に飲んでいい薬と期間

妊娠中は時期と飲む薬によって、胎児に影響を及ぼしてしまう可能性があります。そのため、妊娠中は、必ず医師に相談をしたうえで薬を服用してください。
すべての薬がリスクを抱えているわけではありませんが、以下の期間はリスクが高いため気をつけるべきでしょう。

妊娠期 リスクの詳細
妊娠3週目まで 妊娠に気づかずに薬を飲むリスクあり。胎児への影響はほとんどなし。
妊娠4周目~7週目まで 胎児の神経や心臓、消化器官といった重要な器官が作られる時期であるため、この時期に影響がある薬を飲んでしまうと、奇形のリスクが上がる可能性あり。
妊娠8週~16週前後 奇形の形成がずれこみ、手足の奇形が起こる可能性あり。
妊娠17週以降 奇形のリスクは減少するが、血管の収縮や子宮内での発育に影響が出てしまうリスクが高くなる。

子どもが嫌がらない薬の飲ませ方

子どもによって薬の好き嫌いが分かれます。
シロップしか飲まないお子さんに錠剤を飲ませるのは一苦労です。
また、固形の薬は飲めても、粉薬を嫌うお子さんがいます。
大きくなるにつれ、薬の大切さを理解できますが、まだ小さいうちは難しいでしょう。
なので、子どもが薬を楽しく飲めるような方法を見つけてください。
近年では薬と一緒に服用しても問題がないゼリーや甘酸っぱい味に改良された薬があるので、進んで取り入れてあげましょう。

薬は正しく使おう

すべての薬には正しい使い方があります。それぞれの使い方を誤ってしまうと、薬の効果が出ないだけでなく、身体に重大な影響を及ぼしてしまいかねません。
わからないことがあれば自己判断せず、説明書を読み直すか医師に相談しましょう。

ここで解決!治験に関するFAQ

治験とはなんですか?
治験とは、『医薬品の製造販売承認申請の際に提出すべき資料のうち臨床試験の試験成績に関する資料の収集を目的とする試験の実施』、つまり、「国から薬としての販売承認を受けるために行う臨床試験」のことです。
治験ボランティアはアルバイト/バイトなのですか?
法的にはアルバイト/バイトではありません。治験ボランティア参加は負担軽減費(謝礼金)の支給がありますが、時間的拘束や、交通費などの負担を軽減する目的でお支払いするもので、治験協力費ともよばれます。
治験って安全ですか?副作用はありませんか?
治験薬は事前に生体への安全性を確認し、問題ないと予想されるものだけが使用され、治験実施についても、国の基準に沿い、参加者の方の安全に配慮した綿密な治験実施計画書に基づいて慎重に進められています。
健康被害が生じた場合は?
治験薬の副作用などにより、何らかの健康被害が生じた場合には、治験薬との因果関係が否定できない場合に限り、治験依頼者(製薬メーカー)から補償を受けることができます。補償の扱いは治験により異なりますので、それぞれの治験説明の際、医師や治験コーディネーターが詳しくお話しします。
都合のいい日程で参加ができますか?
治験の日程は予め決められております。決められた期間内での選択できる場合は、その日程内で調整していただきます。