「糖尿病と診断されたけれど、納豆は食べてもいいのだろうか」「納豆は体に良いと聞くけれど、糖尿病にはダメだという噂もあって不安だ」
日々の食事管理に気を使っているからこそ、このような疑問を抱える方は非常に多くいらっしゃいます。
結論から申し上げますと、糖尿病の方が納豆を食べることは決して「ダメ」ではありません。
むしろ、納豆は血糖値のコントロールを助け、糖尿病の食事療法において非常に良い影響を与える強力な味方となる食品です。
本記事では、なぜ納豆が糖尿病に悪いという誤解が生じているのかを紐解きながら、納豆が持つ血糖値抑制のメカニズムや具体的な健康効果を科学的な視点から分かりやすく解説します。
さらに、1日の適切な摂取量や、血糖値に配慮した効果的な食べるタイミング、おすすめのアレンジレシピ、そして注意すべきポイントまで網羅的にお伝えします。
正しい知識を身につけ、安心して納豆を日々の食生活に取り入れていきましょう。
※この記事は疾患啓発を目的としています。
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なぜ「糖尿病に納豆はダメ」という誤解が生まれるのか?
納豆に対する一般的な誤解と、その背景
納豆が健康に良いことは広く知られていますが、糖尿病の食事療法においては「控えた方が良いのではないか」と誤解されることが少なくありません。
この誤解の背景には、いくつかの理由があります。
納豆が誤解される3つの理由
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炭水化物(糖質)への過度な警戒:一つ目は、納豆の原料である大豆に含まれる炭水化物(糖質)に対する過度な警戒です。糖尿病の食事療法では糖質の摂取量を管理することが重要であるため、「豆類にも糖質が含まれているから避けるべきだ」と極端に解釈されてしまうことがあります。確かに納豆にはわずかに糖質が含まれていますが、その量はごくわずかであり、血糖値を急上昇させるようなものではありません。
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タレに含まれる糖分や塩分への懸念:二つ目は、付属のタレに含まれる糖分や塩分への懸念です。市販の納豆に付いている甘辛いタレには砂糖や果糖ぶどう糖液糖が含まれており、これを毎日使うことで血糖値に悪影響が出るのではないかという情報が独り歩きし、「納豆そのものがダメ」という誤解に発展しているケースです。
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特定の薬との飲み合わせの悪さ:また、特定の薬との飲み合わせの悪さが強調されすぎていることも原因の一つです。後述しますが、血液をサラサラにする特定の薬を飲んでいる方は納豆を控える必要があります。この情報が「糖尿病の薬を飲んでいる人は納豆を食べてはいけない」と誤って伝わってしまっていることもあります。
納豆は非常に優秀な食品です
納豆そのものは非常に優秀な低糖質・高タンパクな食品であり、正しい食べ方をすれば糖尿病の食事管理において大きなメリットをもたらします。
納豆が糖尿病に良いとされる科学的根拠と健康効果
血糖値の急上昇を抑える「水溶性食物繊維」
納豆には、食物繊維が豊富に含まれています。
食物繊維には水に溶ける水溶性と水に溶けない不溶性の2種類がありますが、納豆はその両方をバランス良く含んでいるのが特徴です。
中でも、糖尿病の食事において注目すべきは水溶性食物繊維です。
水溶性食物繊維は、胃や腸の中で水分を吸収してゼリー状になり、一緒に食べた糖質の消化・吸収を緩やかにする働きがあります。
これにより、食後に血糖値が急激に跳ね上がる「血糖値スパイク」を抑制する効果が期待できます(参考:農研機構 1)。
さらに、水溶性食物繊維は大腸に届くと善玉菌のエサとなり、腸内環境を整える役割も果たします。
近年の研究では、腸内環境の改善がインスリンの働きを良くすることに関連しているとも言われており、間接的にも血糖値コントロールに良い影響を与えます。
インスリン感受性を高める「植物性タンパク質」
納豆の原料である大豆は「畑の肉」と呼ばれるほど良質なタンパク質を含んでいます。
大豆タンパク質は植物性であり、動物性タンパク質に比べて脂質が少なく、カロリーを抑えながら必要な栄養を摂取できるというメリットがあります。
筋肉は、血液中のブドウ糖を消費してエネルギーに変える最大の器官です。
良質なタンパク質を摂取して筋肉量を維持・増加させることは、インスリンの効きやすさ(インスリン感受性)を高め、基礎代謝を向上させるために非常に重要です。
満腹感の持続効果
また、タンパク質は消化に時間がかかるため、食事に納豆を取り入れることで満腹感が持続しやすくなります。
これにより、食間の空腹感を和らげ、間食や過食を防ぐ効果も期待できます。
糖尿病合併症予防に役立つ「ナットウキナーゼ」と「大豆イソフラボン」
低GI食品としての納豆のメリット
GI(グリセミック・インデックス)値とは
GI(グリセミック・インデックス)値とは、食後血糖値の上昇度合いを示す指標です。
GI値が低い食品ほど、糖のおだやかな吸収を促し、血糖値が上がりにくいとされています。
納豆は、このGI値が非常に低い「低GI食品」の代表格です。
白米やパンなどの高GI食品を単体で食べるよりも、納豆のような低GI食品を一緒に組み合わせることで、食事全体のGI値を下げることができます。
納豆ご飯が日本の伝統的な朝食として親しまれてきたのは、栄養学的にも非常に理にかなった食べ方なのです。
糖尿病患者のための納豆の「正しい食べ方」と「効果を最大化するコツ」
1日あたりの適切な摂取量と頻度
健康に良い納豆ですが、「たくさん食べれば食べるほど良い」というわけではありません。
1日あたりの適切な摂取量の目安は「1日1パック(約40〜50g)」です。
納豆には良質なタンパク質や脂質が含まれているため、食べ過ぎるとカロリーオーバーにつながる可能性があります。
食べ過ぎには注意が必要です
また、納豆にはプリン体も含まれています。
極端に過剰摂取すると尿酸値の上昇を招く恐れがあるため、痛風の懸念がある方は特に注意が必要です(参考:厚生労働省 4)。
毎日1パックを継続して食べるのが、最も無理がなく効果的な頻度と言えます。
血糖値に配慮した「食べるタイミング」
納豆を食べるタイミングによっても、得られる効果の大きさが変わってきます。
血糖値コントロールを目的とする場合、おすすめのタイミングは「食事の最初(食前)」または「食事中」です。
最初におかずとして納豆を食べ、その後にご飯などの炭水化物を食べることで、納豆に含まれる食物繊維が先に胃腸に届き、後から入ってくる糖質の吸収を緩やかにしてくれます。
また、朝食に納豆を食べるか、夕食に食べるか迷う方も多いでしょう。
朝食に食物繊維やタンパク質を摂ることで、昼食後の血糖値上昇まで抑える「セカンドミール効果」が期待できるため、朝の納豆は非常におすすめです(参考:農研機構 5)。
一方で、ナットウキナーゼの血栓予防効果を期待する場合は、血栓ができやすい夜間から早朝にかけて作用させるため、夕食に食べるのが良いとも言われています。
ご自身のライフスタイルに合わせて、続けやすいタイミングを選んでください。
おすすめの食べ合わせとアレンジレシピ
納豆は他の食材と組み合わせることで、さらに血糖値抑制効果を高めることができます。
ご飯と一緒に食べる際の注意点として、納豆をかけるとご飯がスルスルと食べやすくなり、噛む回数が減ったり、ついご飯の量が増えたりしがちです。
ご飯の量は普段通りか少し少なめにし、よく噛んで食べることを意識しましょう。
さらに、市販のタレの使い方も工夫が必要です。
付属のタレには糖分が含まれているため、半分だけ使うようにする、あるいはタレを使わずに醤油を数滴垂らす、お酢や黒酢で味付けをするといった工夫で、糖分や塩分の摂取を抑えることができます。
納豆を食べる上での注意点とデメリット
納豆を食事療法に取り入れる際、絶対に知っておかなければならない注意点があります。
ワーファリン服用中の方は禁忌です
それは、血栓症の治療薬である「ワーファリン(ワルファリンカリウム)」を服用している場合です。
ワーファリンはビタミンKの働きを抑えることで血液を固まりにくくする薬ですが、納豆にはビタミンK2が極めて豊富に含まれており、さらに腸内でビタミンKを産生する納豆菌も含まれています。
そのため、ワーファリン服用中に納豆を食べると薬の効き目が打ち消され、健康に影響を及ぼす危険性があります。
ワーファリンを処方されている方は、納豆を食べることは禁忌(絶対に食べてはいけない)とされています(参考:厚生労働省 7)。
また、まれに大豆アレルギーを持つ方がいらっしゃいます。
大豆製品を食べて皮膚の痒みや息苦しさなどを感じたことがある場合は、納豆の摂取を避け、医療機関に相談してください。
治験を試すのも一つの方法
病院で直接治療を受ける以外に、治験に参加するというのもひとつの手段です。
日本では糖尿病で今後に不安を感じている方、糖尿病による心不全リスクに備えたい方に向け治験が行われています。治験ジャパンでも治験協力者を募集しています。例えば過去には東京や神奈川、大阪などの施設で行われた試験もありました。治験にご参加いただくメリットとして挙げられるのは、主に下記3点です。
- 最新の治療をいち早く受けられることがある
- 専門医によるサポート、アドバイスが受けられる
- 治療費や通院交通費などの負担を軽減する目的で負担軽減費が受け取れる
ご自身の健康に向き合うという意味でも、治験という選択肢を検討してみるのも良いでしょう。実施される試験は全て、安全に配慮された状況下で行われます。
納豆以外にも!糖尿病の食事管理に役立つ食品
血糖値コントロールに良いとされるその他の発酵食品
納豆だけでなく、発酵食品全般は腸内環境を整え、代謝をサポートするため、糖尿病の食事療法において推奨されます。
積極的に摂りたい野菜やタンパク質源
血糖値のコントロールを成功させるためには、納豆などの特定の食品に偏らず、バランスの良い食事を心がけることが不可欠です。
多様な食材を組み合わせ、彩り豊かな食卓を作ることが、無理のない糖尿病の食事管理への近道となります。
まとめ
血糖値コントロールを強力にサポート
「糖尿病に納豆はダメ」という情報は、糖質やタレの成分、一部の薬との飲み合わせに関する情報が部分的に切り取られたことによる誤解です。
実際には、納豆は水溶性食物繊維や良質な植物性タンパク質を豊富に含み、食後の血糖値スパイクを抑え、インスリンの働きを助ける非常に有益な食品です。
さらに、ナットウキナーゼや大豆イソフラボンによる合併症予防の効果も期待できます。
1日1パックを目安に、お酢や野菜と組み合わせたり、食事の最初の方に食べたりといった工夫を取り入れることで、納豆の健康効果を最大限に引き出すことができます。
ただし、ワーファリンを服用している方は絶対に避ける必要があるなど、個人の治療状況に応じた注意も必要です。
正しい知識を持ち、適切な量と食べ方を守ることで、納豆はあなたの血糖値コントロールを強力にサポートしてくれる頼もしい味方になるでしょう。
FAQ(よくある質問)
はい、毎日食べても基本的には問題ありません。むしろ、腸内環境を整え、血糖値の安定をサポートするためには、継続して摂取することが推奨されます。ただし、カロリーやプリン体の観点から、1日1パック(約40〜50g)を目安にすることをおすすめします。極端な食べ過ぎは栄養バランスの偏りにつながるため避けましょう。
納豆そのものは低糖質・低GI食品であり、納豆を食べたこと自体で血糖値が急上昇することは考えにくいです。むしろ、豊富に含まれる食物繊維の働きにより、一緒に食べたご飯などの糖質の吸収を穏やかにし、血糖値の上昇を抑える効果が期待できます。ただし、甘いタレを大量に使ったり、納豆をご飯にのせて白米をかき込むように食べ過ぎてしまえば、結果的に血糖値は上がってしまいます。
最も注意すべきなのは、血栓症の薬である「ワーファリン」を服用している場合です。納豆に含まれるビタミンKや納豆菌が薬の血を固まりにくくする効果を打ち消してしまうため、服用中は納豆を食べることができません。また、ご飯と一緒に食べる際は、よく噛まずに早食いになったり、ご飯の量が増えたりしないよう、食べる量とスピードに気をつけることが大切です。
付属のタレには砂糖や果糖ぶどう糖液糖などの糖分や、塩分が含まれています。厳密な食事管理をしている場合は、タレを半分にする、あるいは使わずに少量の醤油やお酢で味付けをするのが理想的です。カラシについては、少量であれば糖質やカロリーへの影響はほぼないため、風味付けとして使用して問題ありません。お酢を加える「酢納豆」にすると、減塩と血糖値上昇抑制の両方の効果が期待できるので特におすすめです。
