突然、心臓がドクドクと強く脈打ったり、脈が飛ぶような感覚に襲われたりすると、「心臓の病気ではないか」「このまま止まらないのではないか」と強い不安を感じるものです。動悸は誰にでも起こりうる症状ですが、その背後にはストレスや生活習慣、あるいは治療が必要な疾患が隠れていることもあります(参考:厚生労働省 1)。
この記事では、動悸を感じた時にその場ですぐに実践できる応急処置から、動悸を引き起こす原因、病院を受診すべき危険なサインについて網羅的に解説します。まずは深呼吸をして、この記事を読み進めながら対処していきましょう。
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今すぐ動悸を治す・落ち着かせる応急処置
動悸が始まったとき、最も大切なのは「焦らないこと」です。パニックになると交感神経がさらに刺激され、動悸が悪化する悪循環に陥ります。まずは以下の方法を試し、心拍を落ち着かせましょう。
まずは衣服を緩めて楽な姿勢で安静にする
ネクタイ、ベルト、下着の締め付けなど、体を圧迫しているものを緩めてください。その上で、椅子に座るか、横になれる場合は仰向けになります。
ただし、心不全などの影響で横になると息苦しさが増す場合は、クッションなどを背中に当てて上体を起こした姿勢(ファーラー位)をとると楽になることがあります。
自律神経を整える「呼吸法」
呼吸を整えることは、高ぶった自律神経を鎮める有効な手段の一つです。
- ステップ1: 口から細く長く息を吐き切ります(6秒〜8秒かけるイメージ)。
- ステップ2: お腹を膨らませるように、鼻からゆっくりと息を吸います(4秒程度)。
- ステップ3: これを数分間繰り返します。
ポイント
「吸う」ことよりも「吐く」ことに意識を集中させるのがポイントです。息を吐く時には副交感神経が優位になり、心拍数の低下を促します。
顔を冷やす・リフレッシュする
冷たいタオルを顔に当てたりしてリフレッシュすることで、気持ちを落ち着かせる効果が期待できます。
注意
一部で「冷水に顔をつける(潜水反射)」という方法が紹介されることがありますが、急激な冷水刺激は心臓に過度な負担をかけ、かえって不整脈を悪化させるリスクもあるため、自己判断での無理な実施は控えてください。
リラックス効果のあるツボ押し(内関・神門など)
医学的な治療法ではありませんが、手首周辺にあるツボを刺激することで、気持ちを落ち着かせるきっかけになることがあります。
これらを親指で、痛気持ちいい程度の強さでゆっくりと押して、リラックスを促しましょう。
水分補給を行う(脱水が疑われる場合)
夏場や運動後など、脱水状態になると循環血液量を維持するために心拍数が上がることがあります。この場合は、コップ1杯の常温の水や経口補水液をゆっくりと飲むことで落ち着く場合があります。ただし、心不全等で水分制限を指示されている方は主治医の指示に従ってください。
動悸が起こる主な原因とメカニズム
動悸の原因は心臓そのものの病気だけではありません。なぜ心臓がドキドキするのか、そのメカニズムを理解することで不安を和らげることができます。
心臓に原因がある場合(不整脈・心不全など)
心臓の拍動リズムが乱れる「不整脈」は動悸の代表的な原因です(参考:日本循環器学会 2)。
その他、心不全や心臓弁膜症などにより、心臓が血液を送り出す機能が低下した際にも、代償的に心拍数を上げて動悸が生じることがあります。
心臓以外に原因がある場合(貧血・甲状腺・低血糖など)
心臓自体は健康でも、他の臓器の影響で動悸が起こります(参考:厚生労働省 1)。
ストレスや自律神経の乱れ(精神的要因)
強いストレス、不安、緊張を感じると自律神経のバランスが崩れ、交感神経が活発になります。検査で異常が見つからない場合、「心臓神経症」や「パニック障害」などの診断名がつくこともあります。更年期障害による女性ホルモンの減少も、自律神経に影響し動悸を引き起こす大きな要因です。
薬剤や嗜好品の影響
コーヒーやエナジードリンクに含まれるカフェイン、アルコール、タバコのニコチンは心拍数を上昇させる作用があります。また、気管支拡張薬や一部の風邪薬など、医薬品の副作用として動悸が現れることもあります。
病院受診の目安と危険な動悸のサイン
重要
「もう少し様子を見てもいいのか」「すぐに救急車を呼ぶべきか」の判断は非常に重要です。以下のサインを見逃さないようにしてください(参考:総務省消防庁 3)。
すぐに救急車を呼ぶべき症状
動悸に伴って以下の症状がある場合は、心筋梗塞や致死的な不整脈の可能性があります。ためらわずに119番通報してください。
早めに循環器内科を受診すべきケース
緊急性はなくとも、以下の場合は病気が隠れている可能性があります。近日中に内科や循環器内科を受診しましょう。
- 脈がバラバラで規則性がない
- 安静にしているのに突然脈が速くなり、突然止まる
- 動悸とともにめまいやふらつきを感じる
- 坂道や階段で息切れや動悸が強くなる
様子を見ても良い動悸の特徴
運動した後、緊張した場面、興奮した後などに起こる動悸は「洞性頻脈」と呼ばれる生理的な反応であることが多く、原因が去れば自然に治まる場合は過度な心配は不要です。しかし、不安が続くようであれば、一度検査を受けて「異常なし」を確認することも精神的な安定につながります。
日常生活でできる動悸の予防・改善策
病気が原因でない動悸の場合、生活習慣を見直すことで症状の頻度を減らすことが可能です(参考:厚生労働省 1)。
自律神経を整える睡眠と休息
睡眠不足は自律神経のバランスを崩す最大の敵です。質の高い睡眠を確保するために、就寝前のスマートフォンの使用を控え、リラックスできる環境を作りましょう。
カフェイン・アルコール・喫煙を控える
動悸を感じやすい時期は、刺激物を控えるのが賢明です。特にカフェインは交感神経を刺激するため、夕方以降の摂取を避けるか、デカフェ(カフェインレス)の飲み物に切り替えることをおすすめします。
アルコールも一時的にはリラックスできますが、代謝過程や分解後の脱水作用により、夜間や翌朝の動悸を誘発します。
ストレス管理とリラックス方法
ストレスを完全にゼロにすることは難しいため、溜め込まない工夫が必要です。ぬるめのお湯にゆっくり浸かる入浴や、好きな音楽を聴く、アロマテラピーを取り入れるなど、自分なりのリラックス方法を見つけてください。
適度な運動と食事の工夫
ウォーキングなどの軽い有酸素運動は、心肺機能を高め、自律神経を整える効果があります。また、食事では血糖値の急激な変動を防ぐため、野菜から先に食べる(ベジファースト)や、1日3食規則正しく食べることを心がけましょう。
治験を試すのも一つの方法
治験という方法で負担軽減費を受け取りながら、より良い治療の選択肢を見つける方が増えています。
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病院での検査と治療法
医療機関を受診すると、まずは問診が行われ、必要に応じて検査が進められます。
病院で行われる主な検査
一般的な薬物療法
原因に応じて適切な薬が処方されます(参考:日本循環器学会 2)。
カテーテルアブレーションなどの専門治療
頻脈性の不整脈など、原因となる心臓の電気回路の異常部位が特定された場合、カテーテルという細い管を使ってその部分を焼灼(しょうしゃく)し、根治を目指す治療が行われることもあります(参考:日本循環器学会 2)。
動悸に関するよくある質問(FAQ)
まとめ
動悸は体からのSOSサインです。その多くは一時的なものやストレスによるものですが、中には治療が必要な心臓の病気が隠れていることもあります。
まずは焦らず、深呼吸や楽な姿勢で症状が落ち着くのを待ちましょう。それでも「いつもと違う」「症状が重い」「繰り返す」と感じる場合は、自己判断で放置せず、医療機関を受診して安心を得ることが大切です。適切な診断と対策を行えば、動悸への恐怖心は大きく軽減できるはずです。
