「手足が急に力が入らなくなった」
「尿の色がいつもと違って茶色っぽい」
このような症状に心当たりはありませんか。
もしかすると、それは「横紋筋融解症(おうもんきんゆうかいしょう)」という、放置すると命に関わる重大な病気の初期サインかもしれません。
横紋筋融解症は、何らかの原因で筋肉(骨格筋)の細胞が壊れ、その成分が血液中に流れ出してしまう病態です。
早期に気づいて適切な処置を受ければ回復が見込めますが、発見が遅れると深刻な腎障害を引き起こし、人工透析が必要になるケースもあります(参考:日本救急医学会 2)。
この記事では、厚生労働省の資料などの医学的根拠に基づき、横紋筋融解症の初期症状を見分けるためのセルフチェック項目と、原因、対処法について分かりやすく解説します。
※この記事は疾患啓発を目的としています。

治験という方法で負担軽減費を受け取りながら、より良い治療の選択肢を見つける方が増えています。
※負担軽減費とは:治験協力者が負担する交通費や時間的拘束などがあるためお金が支給されます。
治験ジャパンでは参加者の皆様に医療費の負担を軽減しながら、最新治療を受ける機会のご提供が可能です。
通院1回につき1万円程度、入院1泊あたり2万円程度が負担軽減費の相場
安心・信頼できるのみ試験を紹介しており、安全に配慮された環境下で行われます。
【セルフチェック】横紋筋融解症を疑う初期症状リスト
まずは、現在のあなたの状態をチェックしてみましょう。
以下の項目に複数が当てはまる場合、あるいは尿の色に明らかな異変がある場合は、すぐに医療機関への相談を検討してください。
1. 筋肉に関するサイン
- 手足、肩、腰など、特定の部位または全身の筋肉が痛む
- 手足がしびれる、ピリピリする(参考:PMDA 3)
- 手足に力が入らない(脱力感)
- 筋肉がこわばる、硬くなった感じがする
- 筋肉を押すと強く痛む(把握痛・圧痛)
2. 尿と全身の異変
- 尿の色が「赤褐色(レンガ色のような茶色)」のように濃くなった(参考:厚生労働省 1)
- 全身がだるい、ひどい倦怠感がある
- むくみ(浮腫)がひどい
- 尿の量が急に減った
3. 背景要因の確認
- 脂質異常症(コレステロール)の薬(スタチン系など)を服用している(参考:厚生労働省 1)
- 最近、慣れない激しい運動や筋トレを行った
- 暑い環境で長時間過ごした(熱中症の疑い)
これらの症状は、特に新しい薬を飲み始めた後や、運動の負荷を変えた後に現れやすいのが特徴です。
横紋筋融解症とは?筋肉が壊れて腎臓にダメージを与える仕組み

「横紋筋(骨格筋)」とは、自分の意思で動かすことができる筋肉のことです。
この筋肉の細胞が何らかのダメージを受けて壊れる(融解・壊死する)と、細胞の中に含まれていた「ミオグロビン」や「クレアチニンキナーゼ(CK/CPK)」などの成分が大量に血液中へ漏れ出します。
なぜ「尿の色」が変わるのか?
筋肉から漏れ出した「ミオグロビン」というタンパク質は赤い色をしています。
これが血液中から尿として排出される際、尿が赤茶色に見えるのです。
これを「ミオグロビン尿」と呼びます。
見た目は「赤褐色」と表現されることが一般的で、血尿とは異なり、沈殿物がなく透き通った茶色を呈することがあります(参考:東邦大学医療センター大森病院 4)。
一般的に「紅茶やコーラのような色」と例えられることもあります。
恐ろしい合併症「急性腎障害(AKI)」
血液中に大量に流れ出したミオグロビンは、腎臓のフィルター(尿細管)に詰まってしまいます。
その結果、腎臓の機能が急激に低下する「急性腎障害」を引き起こします。
腎臓が働かなくなると、老廃物を体外に排出できなくなり、体内のカリウム濃度が上昇して心停止を招くなど、極めて危険な状態に陥る可能性があります(参考:日本救急医学会 2)。
横紋筋融解症を引き起こす主な原因
横紋筋融解症の原因は多岐にわたりますが、日常的に注意すべき主なものは以下の通りです。
1. 医薬品の副作用
最も多い原因の一つが、薬の副作用です。
- スタチン系薬剤: コレステロールを下げる薬(脂質異常症治療薬)として広く使われていますが、稀に横紋筋融解症を引き起こすことがあります。
- フィブラート系薬剤: これも中性脂肪を下げる薬で、スタチンと併用するとリスクが高まることが知られています。
- ニューキノロン系抗菌薬や向精神薬なども、原因となる場合があります(参考:厚生労働省 1)。
厚生労働省の「重篤副作用疾患別対応マニュアル」では、これらの薬を服用中に前述の初期症状が現れた場合、すぐに医師・薬剤師に相談するよう強く推奨しています。
2. 過度な運動・熱中症
スポーツ選手だけでなく、普段運動不足の人が急に激しい筋トレを行ったり、マラソンに参加したりすることで発症するケース(運動誘発性横紋筋融解症)があります。
また、高温多湿の環境で体温が上昇し、筋肉の細胞がダメージを受ける「熱中症(特に重症の熱射病)」でも発症します(参考:日本救急医学会 2)。
3. 外傷や圧迫(クラッシュ症候群)
事故や災害などで長時間、体(特に足や腰)が重いものに挟まれて圧迫されると、筋肉が壊死します。
救出されて圧迫が解除された瞬間に、壊れた細胞成分が一気に血液中へ流れ出し、急死や腎不全を招く「クラッシュ症候群(挫滅症候群)」として知られています。
症状が出た時の対処法と受診すべき診療科
もし「横紋筋融解症かもしれない」と思ったら、以下のステップで対応してください。
すぐに薬の服用を中止する(薬が原因と疑われる場合)
副作用が疑われる場合は、自己判断で放置せず、まずは服用を中断し、処方医または薬剤師に連絡してください。
ただし、基礎疾患の状態によっては急な中止が危険な場合もあるため、可能な限り速やかに電話等で指示を仰ぎましょう(参考:PMDA 3)。
何科を受診すべき?
- 内科 / 腎臓内科: 倦怠感や尿の色の変化、筋肉痛が主な場合はこちらが適しています。
- 整形外科: 激しい運動後の筋肉の痛みや腫れがひどい場合に相談しやすいでしょう。
- 救急外来: 尿が全く出ない、呼吸が苦しい、意識が朦朧とするなどの重篤な症状がある場合は、夜間・休日を問わず救急受診が必要です。
※薬を服用中の場合は、まずその薬を処方した医師に連絡することが重要です。
病院で行われる主な検査
診断のために、血液検査と尿検査が行われます。
- 血液検査: CK(CPK)値の上昇(通常、基準値の数十倍〜数百倍になります)、血中ミオグロビン、カリウム、クレアチニン(腎機能)の値を調べます。
- 尿検査: 尿中のミオグロビンを測定します(参考:東邦大学医療センター大森病院 4)。

病院で直接治療を受ける以外に、治験に参加するというのもひとつの手段です。日本では横紋筋融解症でお困りの方に向け治験が行われています。
治験ジャパンでも治験協力者を募集しています。例えば過去には東京や神奈川、大阪などの施設で行われた試験もありました。
治験にご参加いただくメリットとして挙げられるのは、主に下記3点です。
最新の治療をいち早く受けられることがある
専門医によるサポート、アドバイスが受けられる
治療費や通院交通費などの負担を軽減する目的で負担軽減費が受け取れる
ご自身の健康に向き合うという意味でも、治験という選択肢を検討してみるのも良いでしょう。実施される試験は全て、安全に配慮された状況下で行われます。
横紋筋融解症に関するよくある質問(FAQ)
Q:症状は薬を飲み始めてからいつ頃出ますか?
A:服用開始から数日〜数週間で出ることが多いですが、数ヶ月経ってから現れることもあります。用量を増やした時や、他の薬との飲み合わせが変わった時にも注意が必要です。
Q:筋肉痛との違いは何ですか?
A:通常の筋肉痛は数日で軽快しますが、横紋筋融解症の痛みは「尋常ではない強さ」であったり、脱力やしびれを伴ったりします。最も確実な違いは「尿の色(赤褐色)」です。筋肉痛と共に尿が茶色くなれば、強くこの病気を疑います。
Q:後遺症なく治りますか?
A:早期に発見し、速やかに原因を除去(薬の中止や大量点滴による治療)すれば、多くの場合、筋肉の症状も腎機能も元通りに回復します。しかし、対応が遅れて腎不全が進行してしまうと、永続的な透析治療が必要になるリスクがあります(参考:厚生労働省 1)。
まとめ:少しでも「おかしい」と感じたら早めの相談を
横紋筋融解症は、「筋肉が溶ける」という衝撃的なイメージとは裏腹に、初期段階では「少し強い筋肉痛」や「体のだるさ」として見過ごされがちです。
早期発見の鍵は、「筋肉の違和感」と「尿の色」のセットで注意しておくことです。
特に、薬を飲んでいる方や、激しい負荷がかかった後の方は、自分の体のサインに敏感になってください。
「このくらいの痛みなら大丈夫」と我慢せず、おかしいと感じたらすぐに医師や薬剤師に相談しましょう。
あなたの「気づき」が、重大な合併症を防ぐための第一歩となります。
参考資料・文献一覧
- 厚生労働省「重篤副作用疾患別対応マニュアル 横紋筋融解症」 https://www.mhlw.go.jp/topics/2006/11/tp1122-1c.html
- 一般社団法人日本救急医学会「医学用語解説集 横紋筋融解症」 https://www.jaam.jp/dictionary/dictionary/word/0629.html
- 独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)「重篤副作用疾患別対応マニュアル(患者・一般の皆様へ)」 https://www.mhlw.go.jp/topics/2006/11/dl/tp1122-1c10.pdf
- 東邦大学医療センター大森病院「実は身近な横紋筋融解症について」 https://www.omori.med.toho-u.ac.jp/e-health/kensa011.html
