トイレに行くたびに感じる痛みや残尿感、頻尿……。

膀胱炎の症状は非常に不快で、「今すぐこの辛さから解放されたい」と願う方は多いはずです。

「病院に行かずに自力で治せないか?」

「市販薬でも効果はあるの?」

そんな疑問を持つ方のために、この記事では医学的な観点から膀胱炎の正しい治し方について解説します。

自宅でできる応急処置から、病院での標準的な治療、そして悪化させないために「やってはいけないこと」まで、網羅的にご紹介します。

※この記事は疾患啓発を目的としています。

膀胱炎でお困りの方へ

治験という方法で負担軽減費を受け取りながら、より良い治療の選択肢を見つける方が増えています。

※負担軽減費とは:治験協力者が負担する交通費や時間的拘束などがあるためお金が支給されます。

治験ジャパンでは参加者の皆様に医療費の負担を軽減しながら、最新治療を受ける機会のご提供が可能です。

膀胱炎は自力で治せる?自然治癒と病院治療の違い

結論からお伝えすると、膀胱炎の原因の多くは「細菌感染」です。

そのため、細菌を死滅させる「抗生物質(抗菌薬)」を服用するのが最も早く、確実な治し方です(参考:和歌山県立医科大学 1)。

基本は「抗生物質」による治療が最速・確実

医療機関(泌尿器科や内科、婦人科)を受診し、適切な抗生物質を処方してもらうことが治療の基本です。

抗生物質を服用すれば、多くの場合、服用開始から数日程度で症状が改善します。

原因菌をしっかりと叩くことで、腎盂腎炎(じんうじんえん)などの重篤な病気への悪化を防ぐことができます(参考:東北大学病院 2)。

初期段階の水分摂取と自然治癒のリスクについて

ごく軽度の初期症状であれば、水分を十分に摂取して菌を尿と一緒に洗い流すことで軽快する場合もあります(参考:厚生労働省 3)。

しかし、自己判断で様子を見ている間に菌が増殖し、「治ったと思ったら再発した」「高熱が出て腎盂腎炎になった」というケースも少なくありません

基本的には医療機関での治療が推奨されます。

「自力で治す」と「病院へ行く」の判断基準チェックリスト

以下のような症状がある場合は、自力での治癒を待たず、速やかに医療機関を受診してください。

  • 血尿が出ている(尿が赤い、ピンク色)(参考:和歌山県立医科大学 1)
  • 腰や背中に痛みがある(腎臓へ炎症が広がっている可能性)(参考:東北大学病院 2)
  • 発熱がある(37.5度以上)
  • 痛みが強く、日常生活に支障がある
  • 水分摂取等のケアをしても改善しない

今すぐできる!膀胱炎の症状を和らげるセルフケア(応急処置)

夜間や休日ですぐに病院に行けない場合や、受診までの間の辛さを少しでも和らげたい場合に有効なセルフケアをご紹介します。

あくまで「対症療法」や「治癒のサポート」であり、根本治療ではない点を理解して行いましょう。

水分を多めに摂り、尿で菌を洗い流す

最も重要なセルフケアです。

水分(水、お茶など)を多めに摂取し、尿量を増やしましょう(参考:和歌山県立医科大学 1)。 

膀胱内の細菌を尿と一緒に体の外へ強制的に排出することで、菌の繁殖を抑える効果が期待できます。

トイレの回数は増えますが、我慢せずに出すことが大切です。

下腹部を温めて血流を良くする

冷えは膀胱炎にとって良くない要因の一つとされています。

カイロやひざ掛け、腹巻きなどを使って下腹部や骨盤部を冷やさないようにしましょう(参考:青森労災病院 4)。

血流を保つことで、不快感が和らぐことがあります。

市販薬(漢方・生薬)の活用について

ドラッグストアで購入できる市販薬を利用するのも一つの手段です。

これらは主に「炎症を抑える」「利尿作用を高める」といった働きを目的としています。

ただし、一般的な市販薬の多くは、原因菌そのものを殺す強い抗菌作用(抗生物質と同等の効果)は持たない場合が多いです。

使用しても症状が改善しない場合は、細菌が死滅していない可能性があるため、すぐに受診へ切り替えることが重要です。

病院での治療法と完治までの期間

泌尿器科・内科での検査と抗生物質の処方

病院では尿検査を行い、白血球や細菌の有無を確認して診断します。

治療には、原因菌(多くは大腸菌など)に有効な抗生物質(ニューキノロン系やセフェム系など)が処方されます(参考:日本感染症学会・日本化学療法学会 5)。

薬を飲んでどれくらいで治る?

処方された抗生物質を服用すれば、通常は数日(早ければ翌日〜3日程度)で症状が落ち着きます。

ガイドラインでは、使用する薬剤に応じて3日〜7日間の投与期間などが示されています(参考:日本感染症学会・日本化学療法学会 5)。

症状が消えても薬を飲みきることが重要な理由

最も注意が必要なのが「自己判断での中断」です。

症状が消えても、体内の細菌が完全に死滅していないことがあります。

この段階で薬をやめてしまうと、生き残った菌が再び増殖して再発したり、薬が効きにくい耐性菌を生み出してしまう恐れがあります(参考:日本感染症学会・日本化学療法学会 5)。

医師から処方された日数は、必ず最後まで飲みきってください。

逆効果かも?膀胱炎の時に「やってはいけないこと」

良かれと思ってやった行動や、無意識の習慣が治りを遅くしているかもしれません。

トイレ(排尿)を我慢する

尿を膀胱に溜めることは、細菌にとって絶好の繁殖時間を与えてしまうことになります。

尿意を感じたら我慢せずにすぐに行きましょう(参考:青森労災病院 4)。

アルコール・カフェイン・刺激物の摂取

一般的に、アルコールやカフェイン、香辛料などの刺激の強い成分は、炎症を起こしている膀胱粘膜を刺激する可能性があると言われています。

治療中はこれらを控え、体に優しい食事や水分補給を心がけることが望ましいでしょう。

性交渉(患部への刺激と細菌侵入)

治療中の性交渉は控えるべきです。

患部への物理的な刺激となるだけでなく、新たな細菌の侵入や、パートナーへの感染等のトラブルを避けるためにも、性交後は清潔にし排尿することが予防策としても挙げられています(参考:青森労災病院 4)。

完全に治るまでは控えましょう。

繰り返さないために!日常生活でできる予防習慣

膀胱炎は生活習慣によって細菌が侵入しやすい環境が続いていると、再発しやすくなります。

こまめな水分補給と排尿

細菌が入っても、増える前に尿で洗い流せば膀胱炎の発症を防げます。

日頃から水分を意識して摂り、トイレを我慢しない習慣をつけましょう(参考:青森労災病院 4)。

陰部を清潔に保つ

  • 排便後の拭き方: 女性の場合、肛門の菌が尿道に入らないよう、「前から後ろ」へ拭くことを徹底してください(参考:青森労災病院 4)。
  • 生理用品: ナプキンやおりものシートはこまめに交換し、蒸れや菌の繁殖を防ぎましょう。

免疫力を落とさない生活リズム

疲労や睡眠不足、過度なダイエットなどで免疫力が低下していると、細菌に感染しやすくなります。

規則正しい生活と十分な休息も立派な予防策です(参考:青森労災病院 4)。

治験を試すのも一つの方法

病院で直接治療を受ける以外に、治験に参加するというのもひとつの手段です。日本では膀胱炎の方に向け治験が行われています。

治験ジャパンでも治験協力者を募集しています。例えば過去には東京や神奈川、大阪などの施設で行われた試験もありました。

治験にご参加いただくメリットとして挙げられるのは、主に下記3点です。


ご自身の健康に向き合うという意味でも、治験という選択肢を検討してみるのも良いでしょう。実施される試験は全て、安全に配慮された状況下で行われます。

まとめ:痛みや違和感が続く場合は早めの受診を

膀胱炎は、初期であれば水分摂取や保温などのセルフケアで改善することもありますが、最も確実な治し方は医療機関での抗生物質治療です。

特に「痛みが強い」「血尿がある」「熱がある」といった場合は、迷わず泌尿器科、内科、婦人科を受診してください。

早期に適切な治療を行えば、辛い症状から解放されます。

無理に我慢せず、専門家の力を借りてしっかりと治しましょう。

参考資料・文献一覧

  1. 和歌山県立医科大学「尿路感染症 – 膀胱炎」 https://www.wakayama-med.ac.jp/med/urourodir/guide/infection.html
  2. 東北大学病院 泌尿器科「患者様へ:泌尿器感染症」 http://www.uro.med.tohoku.ac.jp/patient_info/diseases14.html
  3. 厚生労働省「働く女性の心とからだの応援サイト 膀胱炎」 https://www.bosei-navi.mhlw.go.jp/glossary/symptom13.html
  4. 独立行政法人 労働者健康安全機構 青森労災病院「膀胱炎ってどんな病気?」 https://www.aomorih.johas.go.jp/guide/umineko/2007/12.php
  5. 一般社団法人日本感染症学会・公益社団法人日本化学療法学会「JAID/JSC 感染症治療ガイドライン 2015 ―尿路感染症・男性性器感染症―」 https://www.kansensho.or.jp/uploads/files/guidelines/guideline_JAID-JSC_2015_urinary-tract.pdf