ふと耳の後ろに触れたとき、コリッとした「しこり」を見つけてドキッとしたことはありませんか?
インターネットで検索すると「白血病」や「悪性リンパ腫」といった怖い病名が目に入り、
「もしかして大きな病気の前兆ではないか」
「ニュースで見たあの人の症状と同じではないか」
と、不安でいっぱいになってしまっているかもしれません。
結論からお伝えすると、耳の後ろにできるしこりの多くは、リンパ節炎や粉瘤(ふんりゅう)といった「良性の病気」によるものです。
しかし、ごく稀に白血病や悪性リンパ腫といった血液の病気が隠れているケースがあることも事実です。
この記事では、過度な不安を解消し、正しく対処できるように、「危険なしこりの特徴」と「白血病を疑うべき全身のサイン」について、医学的な根拠に基づき分かりやすく解説します。
※この記事は疾患啓発を目的としています。

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結論:耳の後ろのしこりが「白血病」である確率は高い?低い?
多くは「良性疾患」や「炎症」によるもの
耳の後ろには、体の中に細菌やウイルスが侵入するのを防ぐ「リンパ節」が集まっています。
そのため、風邪を引いたり、中耳炎になったり、頭皮に湿疹ができたりすると、免疫反応としてリンパ節が腫れてしこりとして触れることがあります。
これを「リンパ節炎」と呼びます(参考:国立がん研究センター 1)。
また、皮膚の下に袋状のものができて垢がたまる「粉瘤(アテローム)」や、脂肪の塊である「脂肪腫」といった良性の腫瘍であるケースも非常に一般的です(参考:日本皮膚科学会 3, 4)。
つまり、しこりがあるからといって、すぐに「=白血病(がん)」と結びつける必要はありません。
白血病・悪性リンパ腫の可能性もゼロではない
一方で、白血病や悪性リンパ腫といった「血液のがん」の一症状として、リンパ節の腫れが現れることがあります。
特に、リンパ球ががん化する「悪性リンパ腫」や「急性リンパ性白血病」では、耳の後ろや首、脇の下などのリンパ節が腫れることが知られています(参考:国立がん研究センター 2)。
確率は低いとはいえ、「絶対に大丈夫」と自己判断して放置するのは危険です。
次項で解説する「危険なサイン」に当てはまるかどうか、冷静にセルフチェックを行ってください。
【セルフチェック】白血病や悪性リンパ腫を疑うべき「危険なしこり」の特徴

良性のしこりと、悪性を疑うべきしこりには、触った時の感触や変化の仕方に違いがあります。
以下の特徴に当てはまる場合は、早めの受診が推奨されます。
1. 痛みがない(無痛性)
ここが最も重要なポイントの一つです。
風邪などの炎症によるリンパ節の腫れは、押すと痛かったり、ズキズキしたりすることが一般的です(圧痛)。
しかし、白血病や悪性リンパ腫によるしこりは、多くの場合「痛みがない(無痛性)」のが特徴です(参考:国立がん研究センター 1)。
「痛くないから大丈夫」ではなく、「痛くないしこりが大きくなっている」場合こそ、注意が必要です。
2. 硬くて動かない(弾性硬~石様硬)
しこりを指で触れたとき、どのような感触でしょうか?
- 良性の場合:
- 柔らかい、クリクリとよく動く、表面がツルッとしている。
- 注意が必要な場合:
- ゴムまりやスーパーボールのような弾力のある硬さ(弾性硬)、あるいは石のようにカチカチに硬い(石様硬)。また、根が張ったように皮膚の下で固定されていて動かない(参考:国立がん研究センター 1)。
3. 短期間で急激に大きくなる・数が増える
「気づいたら1cmが3cmになっていた」というように、週単位で明らかに大きくなっている場合は注意が必要です。
また、耳の後ろだけでなく、首、鎖骨のくぼみ、脇の下、足の付け根など、体の他の部分にもしこりが増えていないか確認してください。
全身のリンパ節が腫れることは、血液の病気を疑うサインの一つです。
しこりだけじゃない!白血病を見逃さないための「全身症状」チェックリスト
白血病などの血液の病気であれば、耳の後ろのしこり(局所症状)だけでなく、全身に何らかの不調(全身症状)が現れることがほとんどです。
しこりと合わせて、以下の症状がないか確認してください。
原因不明の発熱・寝汗
- 風邪症状がないのに38度以上の熱が続く。
- 抗生物質や解熱剤を飲んでも熱が下がらない。
- 夜、着替えが必要なほどびっしょりと寝汗をかく(盗汗)。
これらは、体の中で悪い細胞が増殖しているときに見られる症状(B症状)として知られています(参考:日本血液学会 7)。
出血傾向(あざ、鼻血、歯茎からの出血)
白血病になると、正常な血液を作る機能が阻害され、血小板が減少することがあります。
- どこにもぶつけていないのに、手足に青あざ(紫斑)がたくさんできる。
- 鼻血が止まりにくい。
- 歯磨きのたびに出血する。
- 皮膚に点々とした赤い出血斑が出る。
これらは急性白血病などで見られる代表的な症状です(参考:国立がん研究センター 2)。
強い倦怠感・体重減少
- 激しい運動をしたわけでもないのに、体が鉛のように重く、動くのが辛い。
- ダイエットをしていないのに、数ヶ月で体重が数キロ減った。
- 顔色が悪い、息切れがする(貧血症状)。
「痛みのないしこり」に加えて、これらの「全身症状」が一つでも当てはまる場合は、迷わず医療機関を受診してください。
耳の後ろにしこりができる「その他の一般的な病気」との違い
不安を少しでも和らげるために、よくある良性の病気との違いを整理します。
リンパ節炎(風邪、中耳炎など)
- 原因: ウイルスや細菌の感染。
- 特徴: 押すと痛い。発熱やのどの痛み、耳の痛みなどを伴うことが多い。原因となっている風邪や中耳炎が治れば、しこりも自然に小さくなります。
粉瘤(アテローム)・脂肪腫
- 原因: 皮膚の下に袋ができたり、脂肪細胞が増殖したりするもの。
- 特徴: ドーム状に盛り上がり、中心に黒い点(開口部)が見えることがある(粉瘤)。基本的に柔らかく、数年単位でゆっくり大きくなるか、変化しません。炎症を起こすと赤く腫れて痛みますが、これは細菌感染によるものです(参考:日本皮膚科学会 3, 4)。
おたふく風邪(流行性耳下腺炎)
- 原因: ムンプスウイルスへの感染。
- 特徴: 耳の後ろというよりは、「耳の下(耳の前下方)から顎のライン」にかけて腫れます(耳下腺の腫脹)。食事の時などに強い痛みを感じることが特徴です(参考:国立感染症研究所 5)。
何科を受診すべき?タイミングと検査内容
まずは「耳鼻咽喉科」または「皮膚科」へ
耳の後ろのしこりが気になる場合、まずは以下の基準で受診先を選びましょう。
- 耳鼻咽喉科: 耳の後ろ、首周りのリンパ節の腫れに詳しい専門科です。まずはここへの受診をおすすめします。
- 皮膚科: しこりが皮膚の表面に近い、赤みがある、ニキビや粉瘤のように見える場合。
もし、発熱や出血傾向などの全身症状が強く出ている場合は、「内科」や「血液内科」を受診しても構いません。
ですが、まずはかかりつけ医や耳鼻科で診てもらい、必要に応じて専門病院を紹介してもらうのがスムーズです。
病院で行われる検査
医師による触診のほか、超音波検査(エコー)でしこりの内部の状態を確認します。
血液の病気が疑われる場合は、血液検査を行い、白血球の数や異常な細胞の有無を調べます。
確定診断には、しこりの一部を採取する「生検」や、骨髄液を調べる「骨髄検査」が必要になることもあります。

病院で直接治療を受ける以外に、治験に参加するというのもひとつの手段です。日本では白血病や悪性リンパ腫でお困りの方に向け治験が行われています。
治験ジャパンでも治験協力者を募集しています。例えば過去には東京や神奈川、大阪などの施設で行われた試験もありました。
治験にご参加いただくメリットとして挙げられるのは、主に下記3点です。
最新の治療をいち早く受けられることがある
専門医によるサポート、アドバイスが受けられる
治療費や通院交通費などの負担を軽減する目的で負担軽減費が受け取れる
ご自身の健康に向き合うという意味でも、治験という選択肢を検討してみるのも良いでしょう。実施される試験は全て、安全に配慮された状況下で行われます。
FAQ(よくある質問)
Q: 子供の耳の後ろにしこりがあります。白血病ですか?
A: お子さんは免疫系が発達途中であるため、少しの風邪や虫刺され、湿疹などでもリンパ節が腫れやすく、しこりが目立つことがよくあります。元気に遊び、食欲もあり、しこりを痛がる様子(炎症)があれば、リンパ節炎の可能性が高いです。しかし、小児がんの中で白血病は最も多い病気でもあります(参考:国立成育医療研究センター 6)。痛みがなく、ぐったりしている、顔色が悪い、アザができているといった場合は、念のため小児科を受診してください。
Q: しこりを押すと痛いのですが、ガンですか?
A: 一般的に、押して痛みがある場合は「炎症」が起きているサインであり、良性のリンパ節炎や粉瘤の炎症であることが多いです。悪性の腫瘍は初期には痛みを伴わないことが多いですが、例外もありますので、痛みが続く場合は受診しましょう。
Q: 何センチ以上だと危険ですか?
A: 明確な基準はありませんが、一般的に1cm~1.5cmを超えるしこりが持続する場合や、直径が3cmを超えるような大きなものは詳しく調べる必要があります。サイズだけでなく「大きくなり続けているか」という変化も重要な判断材料です。
まとめ:過度に恐れず、冷静に症状を確認して早期受診を
耳の後ろのしこりは、その多くが良性のものです。「しこり=白血病」と決めつけてパニックになる必要はありません。
しかし、体からのSOSである可能性もゼロではありません。
- しこりに痛みがない
- 硬くて動かない
- 原因不明の発熱やアザなどの全身症状がある
これらに当てはまる場合は、自己判断で様子を見ずに、早めに医療機関を受診してください。
早期に専門医の診察を受けることが、何よりの安心につながります。
参考資料・文献一覧
- 国立がん研究センター がん情報サービス「悪性リンパ腫」 https://ganjoho.jp/public/cancer/ML/index.html
- 国立がん研究センター がん情報サービス「急性リンパ性白血病」 https://ganjoho.jp/public/cancer/ALL/index.html
- 公益社団法人日本皮膚科学会「皮膚科Q&A アテローム(粉瘤)」 https://www.dermatol.or.jp/qa/qa17/
- 公益社団法人日本皮膚科学会「皮膚科Q&A 脂肪腫」 https://qa.dermatol.or.jp/qa17/q04.html
- 国立感染症研究所「流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)」 https://id-info.jihs.go.jp/infectious-diseases/mumps/index.html
- 国立成育医療研究センター「急性骨髄性白血病(AML) Q&A」 https://www.ncchd.go.jp/hospital/sickness/children/aml.html
- 一般社団法人日本血液学会「造血器腫瘍診療ガイドライン 2023年版」 http://www.jshem.or.jp/gui-hemali/table.html
