「顔の赤みがずっと引かない」
「ニキビのようなブツブツがあるけれど、薬を塗っても治らない」
「緊張したり、暖かい部屋に入ったりするとすぐに顔がほてる」
このような症状に悩み、鏡を見るたびに落ち込んでしまっていませんか?
それは単なる肌荒れではなく、「酒さ(しゅさ)」 という慢性的な皮膚疾患の可能性があります。
酒さは、一見するとニキビやただの赤ら顔に見えるため、誤ったケアをして症状を長引かせてしまう方が少なくありません。
結論からお伝えすると、酒さの根本的な原因は、現代医学でもまだ完全には解明されていません(参考:日本皮膚科学会 1)。
しかし、「なぜ症状が出るのか」というメカニズムや、「何が症状を悪化させるのか」という悪化因子(トリガー)については、かなり詳しく分かってきています。
この記事では、現在明らかになっている酒さの原因やメカニズム、多くの人が不安に感じるニキビダニとの関係、そして日常生活で避けるべき悪化因子について、医学的な視点から分かりやすく解説します。
原因を正しく知ることは、つらい症状をコントロールし、改善へと向かうための最初の一歩です。
ぜひ最後までお読みいただき、日々の対策にお役立てください。
※この記事は疾患啓発を目的としています。

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酒さ(赤ら顔)の根本原因とは?医学的なメカニズム
多くの医療機関や研究機関の見解として、酒さの原因は「これ一つ」と特定できるものではありません。
遺伝的な体質や環境要因など、複数の要素が複雑に絡み合って発症すると考えられています(参考:日本皮膚科学会 1)。
現在、有力視されている主なメカニズムは以下の3つです。
1. 免疫システムの異常(自然免疫)
私たちの体には、紫外線や細菌などの外敵から身を守る「自然免疫」というシステムが備わっています。
酒さの患者さんは、この自然免疫システムが過敏に反応しやすい状態にあることが分かっています。
通常なら反応しないようなわずかな刺激(日光や化粧品の成分など)に対し、皮膚内部で過剰な防御反応が起こり、それが「炎症」となって赤みや腫れを引き起こしてしまうのです。
2. 血管の拡張と血流の調節障害
酒さの最も特徴的な症状である「赤み」や「ほてり」は、毛細血管の異常が関係しています。
健康な皮膚では、気温の変化や感情の高ぶりに応じて血管が拡張・収縮をスムーズに行います。
しかし酒さの場合、血管が拡張しやすい上に、一度開くとなかなか元の太さに戻らないという調節障害が起きています(参考:日本皮膚科学会 1)。
これにより、常に顔が赤く見えたり、血管が透けて見えたりするようになります。
3. 遺伝的要因(体質)
「家族に赤ら顔の人がいるとなりやすい」といわれるように、遺伝的な素因も関係していると考えられています。
特に色白で皮膚が薄いタイプの方は、血管の拡張が目立ちやすく、紫外線の影響も受けやすいため、酒さを発症しやすい傾向にあります。
【チェックリスト】酒さを悪化させる「トリガー(誘因)」

根本的な原因は体質による部分が大きいですが、「今ある症状を悪化させるきっかけ(トリガー)」 は非常に明確です。
これらを日常生活から取り除くことが、酒さ治療の第一歩となります。
ご自身の生活を振り返り、以下の項目に当てはまるものがないかチェックしてみましょう。
外部環境の刺激
- 紫外線(日光):
- 最も強力な悪化因子の一つです。日焼けは血管を拡張させ、炎症を激化させます(参考:日本皮膚科学会 1)。
- 激しい温度差:
- 寒い屋外から急に暖かい部屋に入る、熱いお風呂に入る、サウナに入るなどの行為は、血管を急激に拡張させます。
- 風:
- 強い風が顔に当たることも刺激になります。
食事と嗜好品
血管を拡張させる作用のある飲食物は、食べた直後から顔の赤みを増強させることがあります。
ただし、これらには個人差があるため、ガイドラインでは一律の制限までは推奨されていません。
ご自身の症状が悪化するかどうかを確認することが大切です(参考:日本皮膚科学会 1)。
- アルコール:
- 特に赤ワインなどは血管拡張作用が強いため注意が必要です。
- 香辛料(スパイス):
- 唐辛子、カレー、胡椒などの辛い食べ物。
- 熱い飲み物・食べ物:
- 成分だけでなく「温度」そのものが刺激になります。
- カフェイン:
- コーヒーや紅茶に含まれます。悪化因子となる場合もありますが、逆に予防的に働くという報告もあり、影響は人によって異なります。
精神的ストレスと自律神経
緊張したり、イライラしたりすると、自律神経の働きにより顔がカッと熱くなることがあります。
慢性的なストレスは免疫機能を乱し、症状の悪化につながります。
よくある誤解!「ニキビダニ(顔ダニ)」と酒さの関係
インターネットで酒さについて検索すると、必ずといっていいほど目にするのが「ニキビダニ(毛包虫・デモデックス)」という言葉です。
「顔にダニがいる」と聞くと、不潔にしていたせいだと自分を責めたり、恐怖を感じたりする方もいるかもしれません。
ここで、正しい医学的知識を持っておくことが重要です。
ニキビダニは「不潔だから」湧くわけではありません
まず安心していただきたいのは、ニキビダニは健康な人の皮膚にもほぼ100%存在する「常在菌」の一種だということです(参考:日本皮膚科学会 1)。
赤ちゃんの頃から誰の肌にも住んでおり、皮脂バランスを保つ役割も担っています。
決して「洗顔不足」や「不潔」が原因で発生するわけではありません。
なぜ酒さの人で増加するのか?
問題なのは「いること」ではなく、「異常に増えすぎていること」 です。
酒さの患者さんの皮膚では、皮脂の成分変化や免疫のバランスの乱れにより、ニキビダニが繁殖しやすい環境になっています。
ダニが異常増殖すると、ダニの体そのものや、ダニに付着した細菌などに対して過剰な免疫反応が起こり、強い炎症を引き起こします。
これが、赤くて硬いブツブツ(丘疹・膿疱)を作る原因となります。
この場合、通常のニキビ治療薬ではなく、ニキビダニの増殖を抑える塗り薬などを使用することで、劇的に症状が改善することがあります。
ステロイドが原因?「酒さ様皮膚炎」との違い
「原因」を探る中で、もう一つ注意しなければならないのが「酒さ様皮膚炎(しゅさようひふえん)」 です。
これは、本来の「酒さ」とは異なり、長期間にわたるステロイド外用薬の使用が原因で引き起こされる副作用の一種です(参考:日本皮膚科学会 1)。
- 経緯:
- 湿疹や軽い肌荒れに対し、顔にステロイド薬を長く塗り続けた。
- 症状:
- 薬を塗っている間は良いが、やめると急激に顔が赤くなり、ブツブツが悪化する(リバウンド現象)。
もし、過去にステロイド薬を漫然と使用していた心当たりがある場合は、通常の酒さ治療とは異なるアプローチ(脱ステロイドなど)が必要になることがあります。
自己判断で薬を中断・再開せず、必ず医師にその旨を伝えてください。
原因を踏まえた正しい対策と治療アプローチ
ここまで解説してきた通り、酒さは「体質(素因)」に「悪化因子(トリガー)」が重なることで発症します。
原因が分かれば、対策も見えてきます。
1. 生活習慣でのコントロール(回避療法)
まずは、血管を開かせ、炎症を起こすトリガーを避けることが最優先です。
- 紫外線対策:
- 1年を通して低刺激の日焼け止めを使用する。
- 温度管理:
- 長湯やサウナを控え、洗顔は「ぬるま湯(32〜34度)」で行う。
- 食事:
- 辛いものやアルコールを控える日記をつけ、何を食べた時に赤くなるか把握する。
- スキンケア:
- 摩擦は禁物です。こすらず、シンプルな保湿を心がけましょう。
2. 皮膚科での専門治療
セルフケアだけで改善しない場合は、医療の力が必要です。
現在は酒さに対する有効な治療法が増えています。
- 外用薬:
- ニキビダニの増殖を抑え、活性酸素を除去する薬剤(メトロニダゾールなど)(参考:PMDA 3)や、血管収縮作用のある新しい塗り薬など。
- 内服薬:
- 炎症を抑える抗生物質(ドキシサイクリンなど)や漢方薬。
- レーザー治療:
- 開きっぱなしになった血管をレーザーや光治療(Vビーム、IPLなど)で収縮させ、赤みを根本から薄くする方法。

病院で直接治療を受ける以外に、治験に参加するというのもひとつの手段です。日本では酒さ(赤ら顔)の方に向け治験が行われています。
治験ジャパンでも治験協力者を募集しています。例えば過去には東京や神奈川、大阪などの施設で行われた試験もありました。
治験にご参加いただくメリットとして挙げられるのは、主に下記3点です。
最新の治療をいち早く受けられることがある
専門医によるサポート、アドバイスが受けられる
治療費や通院交通費などの負担を軽減する目的で負担軽減費が受け取れる
ご自身の健康に向き合うという意味でも、治験という選択肢を検討してみるのも良いでしょう。実施される試験は全て、安全に配慮された状況下で行われます。
まとめ:原因を正しく理解し、焦らず治療に取り組もう
酒さの原因は、「免疫」「血管」「神経」などの複雑な要因が絡み合っており、一言で説明できるものではありません。
しかし、「何が症状を悪化させるか」を知り、それを避けるだけでも、肌の状態は大きく変わります。
「原因不明」という言葉に絶望する必要はありません。
適切なスキンケアと生活習慣の見直し、そして皮膚科での専門的な治療を組み合わせることで、赤みのない健やかな肌を取り戻すことは十分に可能です。
まずは、今日からできる「悪化因子(トリガー)の回避」から始めてみませんか?
そして、一人で悩まず、酒さ治療に詳しい皮膚科医に相談することをおすすめします。
参考資料・文献一覧
- 日本皮膚科学会「尋常性ざ瘡・酒皶治療ガイドライン 2023」 https://www.dermatol.or.jp/dermatol/wp-content/uploads/xoops/files/guideline/zasou2023.pdf
- 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA)「ロゼックスゲル0.75% 審査報告書」 https://www.pmda.go.jp/drugs/2022/P20220603001/730155000_22600AMX01405_K100_1.pdf
- 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA)「ロゼックスゲル0.75% 添付文書」 https://www.pmda.go.jp/drugs/2022/P20220603001/730155000_22600AMX01405_A100_1.pdf
