子宮筋腫の手術費用はいくら?保険適用や手術方法ごとの費用内訳を徹底解説

2025年3月26日

「子宮筋腫と診断されたけど、手術の費用ってどれくらい?」

「保険は使える?高額療養費制度ってなに?」

子宮筋腫と診断されると、手術が必要かどうか、そしてその費用がどれくらいかかるのかが気になりますよね。

特に初めて手術を検討する方にとって、医療費の負担は大きな不安材料です。

この記事では子宮筋腫の手術費用や保険適用の条件、手術方法ごとの違いを詳しく解説します。

さらに、高額療養費制度や民間保険の活用法、実際の体験談まで網羅。

あなたの疑問を解消し、安心して治療に臨める情報を提供します。

子宮筋腫とは?

子宮筋腫は、子宮の筋層にできる良性の腫瘍です。

厚生労働省の「令和5年患者調査」によると、日本での総患者数は約27万4,000人と推定されています(参考:厚生労働省※1)。

多くの場合、無症状で経過観察で済みますが、過多月経や貧血、腹痛などの症状が現れることもあります。

治療方針は症状の重さや年齢、妊娠希望の有無によって異なり、手術が必要になるケースも少なくありません。

手術が検討されるのは、筋腫が大きくなって症状が悪化した場合や、不妊の原因と判断されたときです。

では具体的にどのような手術方法があり、それぞれの費用はどのくらいかかるのでしょうか。

以下で詳しく見ていきましょう。

子宮筋腫の主な手術方法と特徴

子宮筋腫の手術には複数の方法があり、それぞれ特徴や体への負担が異なります。

ここでは代表的な4つの手術方法を紹介します。

開腹手術

お腹を切開して筋腫や子宮を摘出する方法です。

筋腫が大きい場合や複雑な状態に適しており、確実に取り除けるメリットがあります。

ただし、傷が大きく、回復に時間がかかる点が特徴。

入院期間は通常7〜10日程度です。

腹腔鏡手術

お腹に小さな穴を数カ所開け、カメラや器具を使って手術を行います。

傷が小さく、術後の回復が早いのが利点。

入院期間は5〜7日程度で、体への負担も軽減されます。

ただし、技術的な難易度が高く、すべての症例に適用できるわけではありません。

子宮鏡手術

子宮内に細いカメラを挿入し、筋腫を切除する方法。

お腹を切らないため傷跡が残らず、日帰りや短期間入院(2〜4日)で済む場合も。

粘膜下筋腫など、子宮の内側に突出した筋腫に適しています。

子宮全摘出術

子宮をすべて摘出する手術で、再発のリスクをゼロにできるのが特徴とされています。

妊娠を希望しない場合や、筋腫が複数あるときに選ばれることが多いです。

開腹や腹腔鏡で行われ、入院期間は手術方法によって5〜10日程度。

これらの手術方法は、患者の状態や希望に応じて選択されます。

次に気になる費用について、具体的な相場と内訳を解説します。

子宮筋腫 手術費用の相場と内訳

子宮筋腫の手術費用は、手術方法や入院期間によって大きく異なります。

以下に、健康保険適用(3割負担)を前提とした相場を表でまとめました。

手術方法総費用(自費)健康保険3割負担時入院期間の目安
開腹手術約50万〜60万円約15万〜20万円約7〜10日
腹腔鏡手術約60万〜70万円約18万〜23万円約5〜7日
子宮鏡手術約30万〜40万円約10万〜12万円約2〜4日
子宮全摘出術約50万〜70万円約15万〜23万円約5〜10日

費用の内訳

手術費用には以下のような項目が含まれます。

  • 診察料・検査料:術前の血液検査やエコー、心電図などで約1万〜3万円。
  • 手術料:手術の種類により10万〜30万円程度(保険適用後)。
  • 麻酔料:全身麻酔で約2万〜5万円。
  • 入院費:1日あたり約1万〜2万円(食事代や個室代は別途)。

これらはあくまで目安であり、医療機関や地域、追加治療の有無で変動します。

健康保険と高額療養費制度の解説

子宮筋腫の手術は基本的に健康保険が適用されます。

ただし、保険が使える条件や、高額療養費制度の活用法を知っておくと、さらに負担を軽減できます。

保険適用の条件

保険が適用されるのは、医師が必要と判断した治療の場合です。

たとえば、症状がない場合の予防的摘出や、先進医療は対象外となることがあります。

高額療養費制度の具体例

高額療養費制度は、1カ月の医療費が自己負担限度額を超えた場合、超過分が払い戻される制度です。

限度額は年齢や所得で異なります。

例えば年収370万〜770万円の人は約8万円+(総医療費−26万7,000円)×1%が上限(参考:厚生労働省※2)。

例えば、腹腔鏡手術で総費用70万円の場合、3割負担で21万円。

限度額が約9万円なら、約12万円が後で戻ります。

事前に「限度額適用認定証」を申請すれば、窓口負担が上限まで抑えられるので便利です。

医療費控除との違い

医療費控除は、1年間の医療費が10万円を超えた場合、確定申告で税金の一部が戻る制度。

高額療養費制度が月単位なのに対し、医療費控除は年単位で計算される点が異なります。

子宮筋腫の手術は民間医療保険の対象になるか?

民間医療保険に加入している場合、子宮筋腫の手術で給付金を受け取れる可能性があります。

ただし、いくつかの条件に注意が必要です。

給付金の対象になる手術

一般的な保険では、開腹手術や腹腔鏡手術、子宮全摘出術が対象に含まれます。

ただし、保険商品や契約内容で異なるため、事前に確認をしておきましょう。

注意点

給付には医師の診断書が必要で、保険会社が定める手術リストに該当しないと対象外になることも。

また、既往症として子宮筋腫がある場合、加入時に条件が付く可能性があります。

実際にかかる子宮筋腫の手術費用例

以下に実際に手術にかかる費用の一例を紹介します。

  • Aさん(42歳、開腹手術)
    入院10日で総費用60万円、3割負担で18万円。高額療養費で約9万円が戻り、実質負担は9万円。
  • Bさん(35歳、腹腔鏡手術)
    入院6日で総費用65万円、3割負担で19.5万円。限度額認定証で窓口負担は8.5万円に。
  • Cさん(29歳、子宮鏡手術)
    入院3日で総費用35万円、3割負担で10.5万円。

これらの例からも、制度を活用すれば負担が軽減されることがわかります。

手術費用を抑えるためにできること

手術費用を少しでも抑えたい場合、以下のポイントを押さえておくとよいでしょう。

手術方法の選び方

子宮鏡手術など低侵襲な方法は費用が安く済む傾向があります。

医師と相談しつつ、自分に合った方法を選ぶのが重要です。

セカンドオピニオンの活用

病院によって費用や治療方針が異なるため、複数の意見を聞くのも有効。

最適な治療法が見つかる可能性があります。

地方と都市部の費用差

都市部の病院は設備が整っている分、費用が高めになることもあります。

地方の医療機関を検討するのも一つの手です。

子宮筋腫に関するよくある質問(FAQ)

「日帰り手術はできる?」

子宮鏡手術など条件が合えば可能です。

ただし、筋腫の大きさや状態次第なので、医師に確認を。

「帝王切開と同時手術は保険適用になる?」

医学的に必要と判断されれば適用されます。

事前に相談するのが確実です。

「子宮を残したいけど費用は高くなる?」

筋腫核出術は全摘より技術的に難しく、費用がやや高くなる場合もあります。

ただし、差額は大きくないことが多いです。

まとめ

子宮筋腫の手術費用は方法や保険の活用で大きく変わります。

自分に合った治療法を選び、高額療養費制度や民間保険を上手に使うことで、医療費の不安を減らせます。

不明点があれば、医療機関や保険者に早めに相談するのがおすすめ。

安心して治療に臨むためにも、情報をしっかり把握しておきましょう。

参考資料・サイト一覧

※1.厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kanja/10syoubyo/
※2.厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/juuyou/kougakuiryou/index.html