「最近、膝の痛みが気になる」「階段の上り下りが辛くなってきた」 もしかして、変形性膝関節症かもしれない……と不安を感じていませんか?
変形性膝関節症は、年齢を重ねるごとに発症リスクが高まる病気ですが、全員がなるわけではありません。
実は、この病気になりやすい人には「共通点」があることがわかっています。
この記事では、変形性膝関節症になりやすい人の「7つの特徴」と、その理由を医学的な背景を交えて解説します。
また、リスクが高い人が今日から始められる「悪化させないための対策」も紹介します。
ご自身やご家族に当てはまる項目がないか、まずはチェックしてみましょう。
※この記事は疾患啓発を目的としています。

治験という方法で負担軽減費を受け取りながら、より良い治療の選択肢を見つける方が増えています。
※負担軽減費とは:治験協力者が負担する交通費や時間的拘束などがあるためお金が支給されます。
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変形性膝関節症はどんな人に多い?主な3大リスク要因
変形性膝関節症は、関節の軟骨がすり減り、痛みや変形が生じる病気です。
国内の患者数は、レントゲンで変形が確認できる予備軍を含めると推計で2,500万人にも上ると言われています(参考:金沢大学 1)(参考:国立長寿医療研究センター 2)。
その発症には特に強い関連性を持つ「3大リスク要因」が存在します。
1. 年齢:50代以降の中高年に急増する理由
最も大きな要因は「加齢」です。
変形性膝関節症は中高年から増え始め、高齢者になるほど罹患率は高くなります(参考:日本整形外科学会 3)。
- 軟骨の摩耗: 長年の使用によって膝の関節軟骨が弾力性を失い、すり減っていきます。
- 修復力の低下: 加齢とともに軟骨や骨の代謝が変化し、修復機能が追いつかなくなることがあります。
「年齢のせいだから仕方ない」と思いがちですが、早期に対策することで進行を遅らせることは可能です。
2. 性別:なぜ「女性」は男性の約4倍もなりやすいのか
変形性膝関節症の大きな特徴として、圧倒的に「女性に多い」という点が挙げられます。
その比率は男性対女性で「1:4」程度と言われています(参考:日本整形外科学会 3)。
なぜ女性に多いのでしょうか? 主な理由は以下の通りと考えられています。
- 筋肉量の少なさ: 膝関節は「大腿四頭筋(太ももの筋肉)」などの筋肉によって支えられています。女性は男性に比べて元々の筋肉量が少ない傾向があります。
- ホルモンバランスの変化: 閉経後、骨や軟骨の健康に関わるホルモンの分泌が変化することも影響していると考えられています。
3. 体型:肥満が膝にかける大きな負荷
「肥満(体重過多)」は、変形性膝関節症の最大のリスク要因の一つであり、同時に「改善可能な要因」でもあります(参考:金沢大学 1)。
膝にかかる負担は、単に体重そのものではありません。
歩行時や階段昇降時には、体重の数倍もの負荷がかかると一般的に言われています。
また、近年の研究では、過剰な脂肪組織が関節の炎症に関与している可能性も指摘されています。
太っていることは、物理的にも膝にとって過酷な環境を作ってしまう要因となります。
生活習慣や体質も影響する?見落としがちな4つの特徴

年齢や体重以外にも、生活環境や過去の経験が発症に関わることがあります。
これらは「二次性変形性膝関節症」の原因となる場合もあります(参考:兵庫医科大学病院 4)。
4. O脚(ガニ股)の傾向がある人
日本人に多い「O脚(内反膝)」の人は、変形性膝関節症になりやすい傾向があります(参考:関西医科大学附属病院 5)。
O脚の人は、立っている時や歩く時に、膝の「内側」に体重が集中してかかります。
その結果、膝の内側の軟骨だけが偏ってすり減っていき、変形が進行しやすくなります。
5. 過去に膝の怪我(半月板・靭帯損傷)をした経験がある
学生時代にスポーツなどで膝を怪我した経験はありませんか?
半月板損傷や靭帯損傷などの外傷を負ったことがある人は、怪我をしていない人に比べて、将来的に変形性膝関節症を発症するリスクが高くなります(参考:日本整形外科学会 3)(参考:慶應義塾大学病院 6)。
これを「二次性」の原因と呼びます。
怪我によって関節の安定性が損なわれたりすることで、比較的若い年代でも発症することがあります。
6. 膝を酷使する仕事や激しいスポーツをしている
職業や趣味も膝への負担に関係します。
重い荷物を運ぶ重労働や、深くしゃがみ込む動作が多い職業などは、膝軟骨への機械的なストレスを蓄積させる可能性があります。
7. 運動不足で足の筋肉量が落ちている人
「膝を使わないから大丈夫」かというと、そうではありません。
極度の運動不足は、膝を守るための筋肉(特に太ももの筋肉)を衰えさせます。
筋肉という天然のサポーターを失った膝関節は不安定になり、結果として軟骨への負担が増して変形性膝関節症のリスクを高めます(参考:日本整形外科学会 7)。
【セルフチェック】あなたは大丈夫?リスク診断リスト

ここまで紹介した特徴を踏まえ、ご自身のリスクを確認してみましょう。
当てはまる項目が多いほど、変形性膝関節症の発症・進行リスクが高いと言えます。
- [ ] 年齢が50歳以上である
- [ ] 性別は女性である
- [ ] 若い頃より体重が増えた(または肥満傾向にある)
- [ ] 鏡で見るとO脚(両膝の間に指が2本以上入る)である
- [ ] 過去に膝の靭帯や半月板を痛めたことがある
- [ ] 重い荷物を持つ仕事や、しゃがみ込む作業が多い
- [ ] 最近、運動不足で足が細くなってきた気がする
- [ ] 動き始め(立ち上がる時など)に膝がこわばる・痛む
特に最後の「動き始めの痛み」は、変形性膝関節症の初期症状の代表格です(参考:日本整形外科学会 3)。
これがある場合は、早めの対策が不可欠です。
変形性膝関節症を「悪化させない」ためにしてはいけないこと・すべきこと
変形性膝関節症は進行性の病気ですが、適切なケアを行えば進行を遅らせ、痛みをコントロールすることが可能です。
避けるべきNG行動(正座・和式トイレ・急激な運動)
膝に過度な負担がかかる以下の動作は、可能な限り避けましょう(参考:日本整形外科学会 3)。
- 正座、横座り: 膝関節を深く曲げ、強い負担をかける動作です。椅子中心の生活(洋式生活)への切り替えをおすすめします。
- 和式トイレの使用: しゃがみ込む動作は膝への負担が大きいため、洋式トイレの使用が推奨されます。
- 急な激しい運動: 「痛いから鍛えなきゃ」といって、いきなり長時間ランニングをするなどの無理な運動は、炎症を悪化させる恐れがあります。
今日からできる予防・改善アクション
体重のコントロール(減量)
肥満であれば減量することが推奨されます。
体重を適正に保つことは、膝への負担を物理的に減らすための最も効果的な手段の一つです(参考:日本整形外科学会 3)(参考:金沢大学 1)。
大腿四頭筋のトレーニング
膝への負担を減らすには、太ももの前の筋肉(大腿四頭筋)を鍛えることが重要です(参考:日本整形外科学会 7)。
- おすすめの運動(脚上げ体操):
- 椅子に座り、片足の膝を伸ばしてつま先を上げます。
- そのまま5〜10秒間キープして下ろします。
- これを繰り返します。 関節に強い負担をかけずに筋肉を鍛えられます(参考:厚生労働省 8)。
適切な靴選び
膝への衝撃を和らげるため、クッション性が高く、足にフィットする靴を選ぶことも大切です。

病院で直接治療を受ける以外に、治験に参加するというのもひとつの手段です。日本では変形性膝関節症でお困りの方に向け治験が行われています。
治験ジャパンでも治験協力者を募集しています。例えば過去には東京や神奈川、大阪などの施設で行われた試験もありました。
治験にご参加いただくメリットとして挙げられるのは、主に下記3点です。
最新の治療をいち早く受けられることがある
専門医によるサポート、アドバイスが受けられる
治療費や通院交通費などの負担を軽減する目的で負担軽減費が受け取れる
ご自身の健康に向き合うという意味でも、治験という選択肢を検討してみるのも良いでしょう。実施される試験は全て、安全に配慮された状況下で行われます。
よくある質問(FAQ)
Q. 若い人(20代・30代)でも変形性膝関節症になりますか?
A. 高齢者に比べると少ないですが、なる可能性があります。
特に、過去にスポーツで半月板損傷や靭帯損傷などの大きな怪我をした経験がある場合、20代や30代でも「二次性」として発症することがあります(参考:慶應義塾大学病院 6)。
若いからといって放置せず、痛みが続く場合は整形外科を受診してください。
Q. 変形性膝関節症は遺伝しますか?
A. 肥満や遺伝などの素因も、発症や進行に関与していると考えられています(参考:金沢大学 1)。
骨の形や体質などは親から受け継ぐ要素があります。
親御さんが変形性膝関節症の場合、ご自身もリスクが高いと意識して、早めに体重管理や筋力トレーニングを行うことをおすすめします。
Q. 痛みが強くなったら障害者手帳の対象になりますか?
A. 診断名だけで直ちに対象になるわけではありませんが、病気が進行し、人工関節置換術を行った場合や、関節の機能に著しい障害が認められた場合には、身体障害者手帳の交付対象となることがあります。
詳しくは主治医や自治体の窓口へご相談ください。
まとめ
変形性膝関節症になりやすい人の特徴は、主に以下の通りです。
- 50代以上の中高年
- 女性
- 肥満傾向にある人
- O脚の人
- 過去に膝の怪我をした人
- 膝を酷使する環境にいる人
- 筋力が低下している人
これらの特徴に当てはまるからといって、必ずしもすぐに歩けなくなるわけではありません。
しかし、膝からの「サイン(痛みや違和感)」を無視し続けると、症状は進行してしまう可能性があります。
「自分はなりやすいタイプだ」と自覚した今が、対策を始めるベストなタイミングです。
体重管理や簡単なストレッチなど、できることから始めましょう。
もし既に痛みがある場合は、自己判断せずに整形外科専門医に相談し、正しい診断と治療を受けることが、長く自分の足で歩き続けるための第一歩です。
参考資料・文献一覧
- 金沢大学 附属病院整形外科「変形性膝関節症」 https://ortho.w3.kanazawa-u.ac.jp/examination/target_disease/knee-joint/
- 国立長寿医療研究センター「高齢者の関節疾患」 https://www.ncgg.go.jp/hospital/iryokankei/letter/042.html
- 公益社団法人日本整形外科学会「変形性膝関節症」 https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/knee_osteoarthritis.html
- 兵庫医科大学病院「変形性膝関節症」 https://www.hosp.hyo-med.ac.jp/disease_guide/detail/69
- 関西医科大学附属病院「変形性膝関節症」 https://hp.kmu.ac.jp/hirakata/visit/search/sikkansyousai/d16-010.html
- 慶應義塾大学病院 KOMPAS「変形性膝関節症」 https://kompas.hosp.keio.ac.jp/disease/000190/
- 公益社団法人日本整形外科学会 パンフレット「変形性ひざ関節症の運動療法」 https://www.joa.or.jp/public/pdf/knee_osteoarthritis.pdf
- 厚生労働省「変形性ひざ関節症の人を対象にした 運動プログラム」 https://www.mhlw.go.jp/content/000656473.pdf
