いつもより生理の量が多いのはなぜ?原因と対処法を徹底解説

2025年4月24日

生理の量がいつもより多いと、「これって正常?」「何か病気?」と不安になりますよね。

実はホルモンバランスや生活習慣、婦人科疾患など、さまざまな原因で経血量が増えることがあります。

この記事では、いつもより生理の量が多い原因を分かりやすく解説。

正常な経血量の目安や、病院を受診すべきタイミング、日常生活でできるセルフケアまで、信頼できる情報をもとに詳しくお伝えします。

気になる変化を見逃さず、安心して対処するための第一歩を踏み出しましょう。

いつもより生理の量が多い…これって大丈夫?

正常な経血量の目安や経血量が増えるのはよくあることなのかを解説します。

生理の量が増えることはよくある?

生理の量が増えるのは、必ずしも異常とは限りません。

多くの女性が特定の周期やライフステージで経血量の変化を経験します。

たとえば、ホルモンバランスの変動やストレスが原因で、一時的に量が増えるケースは珍しくありません。

ただし、変化が続く場合や他の症状を伴う場合は、原因を特定する必要があります。

いつもより生理の量が多いと感じたら、まずは自分の体の状態を観察し、必要に応じて専門医に相談することが大切です。

正常な経血量の目安とは?

経血量の「正常」は個人差が大きく、明確な基準を設けるのは難しいですが、一般的な目安は存在します。

日本産科婦人科医会によると、1回の生理で排出される経血量は20~140ml程度とされています(参考:日本産婦人科医会1)。

これは1日にナプキンを2~5枚程度使用する量に相当します。

量が多いと感じる場合でも、この範囲内であれば問題ないことが多いです。

しかし、ナプキンが1時間持たない、夜用ナプキンでも漏れるといった場合は「過多月経(かたげっけい)」の可能性も。

経血量を把握するために、ナプキンの使用頻度や量を記録しておくと、受診時に役立ちます。

正常範囲か気になるなら、まず自分の経血量をチェックしてみましょう。

生理の量が多くなる原因とは

経血量が増える要因について解説します。

ホルモンバランスの乱れ

生理の量が増える最も一般的な原因の一つが、ホルモンバランスの乱れです。

エストロゲンとプロゲステロンという女性ホルモンが、子宮内膜の増殖や剥離を調節していますが、これらのバランスが崩れると、子宮内膜が厚くなりすぎ、経血量が増えることがあります。

たとえば、思春期や更年期、産後など、ホルモンが変動しやすい時期にこの現象が起こりやすいです。

ホルモンの影響は一時的な場合もありますが、続く場合は婦人科での検査が必要です。

ホルモンバランスが原因で生理の量が多い場合は、適切な診断が重要です。

子宮筋腫やポリープなどの婦人科疾患

子宮筋腫(しきゅうきんしゅ)や子宮内膜ポリープ、子宮腺筋症(しきゅうせんきんしょう)などの婦人科疾患も、経血量増加の原因となります。

子宮筋腫は子宮の筋層にできる良性の腫瘍で、30~40代の女性に多く見られます。

成人女性の約20~25%が子宮筋腫を持っていると推定されています。

これらの疾患は子宮内膜の表面積を増やしたり、子宮の収縮を妨げたりすることで、経血量を増やすことがあります。

たとえば、子宮筋腫がある女性の約半数が過多月経を経験するとされています。

こうした疾患は放置すると症状が悪化する可能性があるため、早めの受診が推奨されます。

ストレスや生活習慣の乱れ

ストレスや生活習慣の乱れも、意外と見過ごせない原因です。

過度なストレスは脳の視床下部(ししょうかぶ)というホルモン調節を司る部位に影響を与え、ホルモンバランスを乱します。

また、睡眠不足や過労、過激なダイエットも同様の影響を及ぼすことがあります。

たとえば、仕事のプレッシャーで睡眠が不足した女性が、生理の量が増えたという事例も。

生活習慣を見直すことで改善する場合もあるため、まずはストレス管理や十分な休息を心がけましょう。

出産・流産後や閉経前の変化

出産や流産後、閉経前には、体のホルモン環境が大きく変化し、経血量が増えることがあります。

出産後は子宮が元の大きさに戻る過程で、子宮内膜の剥離が活発になり、一時的に量が増えるケースが一般的です。

また、40代後半から50代の閉経前(更年期)には、ホルモンの変動により生理周期が不安定になり、経血量が増えることもあります。

これらの変化は自然な場合もありますが、長期間続く場合は医師に相談してください。

ピルや薬の影響

低用量ピルや一部の薬が、経血量に影響を与えることがあります。

ピルは通常、経血量を減らす効果がありますが、服用開始直後や種類の変更時に一時的に量が増える場合も。

抗凝固薬(こうぎょうこやく)や一部の抗うつ薬も、血液の凝固を抑える作用により、経血量を増やす可能性があります。

薬を服用中で生理の量が多いと感じる場合は、自己判断で中止せず、医師に相談することが大切です。

どんな症状なら病院に行くべき?

どのような症状の場合病院に行くべきかを解説します。

明らかにナプキンの交換頻度が増えたとき

ナプキンの交換頻度が極端に増えた場合は、早めに病院を受診しましょう。

具体的には1時間以内にナプキンを交換する必要がある、夜用ナプキンでも漏れるといった場合です。

こうした状況の場合過多月経の可能性があるため、婦人科疾患の可能性を考慮すべきとされています。

たとえば、子宮筋腫や子宮内膜症が原因で、交換頻度が増えたケースが報告されています。

放置すると貧血などのリスクが高まるため、早めの受診が賢明です。

レバー状の血の塊が増えてきたとき

経血にレバー状の血の塊(けっかい)が頻繁に見られる場合も、注意が必要です。

少量の血の塊は正常な場合もありますが、大きさ2~3cm以上の塊が毎回見られる場合は、子宮内膜の異常や疾患の可能性が考えられます。

子宮腺筋症の患者で血の塊が増えたという報告もあります。

こうした症状がある場合は、婦人科での超音波検査などを受けることをおすすめします。

貧血症状(めまい・息切れ・顔色不良)を感じたとき

過多月経が続くと、貧血を引き起こすリスクがあります。

めまい、息切れ、顔色の悪さ、強い倦怠感(けんたいかん)といった症状が現れたら、すぐに病院へ。

月経のある20代~40代の女性の約65%が貧血、またはかくれ貧血であるとされています(参考:厚生労働省※2)。

また、経血量が多いためにヘモグロビン値が低下し、日常生活に支障をきたしたケースも報告されています。

貧血は放置すると全身の健康に影響するため、早急な受診が必要です。

日常生活でできるセルフケアと対処法

経血量が多い方に向け、セルフケア方法を解説します。

体を冷やさない工夫

体を温めることは生理の量を抑え、快適に過ごすための簡単な方法とされています。

冷えは血流を悪化させ、子宮の収縮を妨げる可能性があります。

たとえば、腹巻きやカイロを使ってお腹を温めたり、シャワーではなく湯船に浸かったりする習慣が効果的。

冷たい飲み物を控え、温かいスープやハーブティーを取り入れるのもおすすめです。

食事で鉄分を補う

経血量が多い時期は、鉄分不足による貧血を防ぐため、食事での鉄分補給が重要です。

レバー、赤身肉、ホウレン草、小松菜などに鉄分が多く含まれます。

厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」では、成人女性の鉄分推奨摂取量は1日10.5~11.0mgとされています(参考:厚生労働省※3)。

たとえば牛レバー100gで約13mgの鉄分が摂取可能。

ビタミンCを一緒に摂ると鉄の吸収率が上がるとされているため、野菜や果物も組み合わせましょう。

ストレスを溜めないライフスタイル

ストレスはホルモンバランスを乱し、経血量を増やす要因になります。

リラックスできる時間を作ることで、ストレスを軽減しましょう。

ヨガや瞑想、軽いウォーキングなど、自分に合った方法を取り入れるのが効果的。

十分な睡眠もホルモン安定に役立つため、1日7~8時間の睡眠を心がけてください。

受診前に知っておきたいこと

受診前に準備など、あらかじめ知っておきたいことを解説します。

診察時に伝えるとよい情報(周期・量・塊など)

婦人科を受診する際は、正確な情報を伝えることで診断がスムーズに進みます。

生理の周期(何日おきか)、経血量(ナプキンの使用枚数や交換頻度)、血の塊の有無や大きさ、痛みの程度などを記録しておきましょう。

こうした情報が診断の精度を高めると推奨しています。

たとえば、「2時間ごとにナプキンを交換し、3cmの血の塊が毎日出る」と具体的に伝えられると、医師が適切な検査を提案しやすくなります。

メモやアプリを活用して、事前に情報を整理しておくと安心です。

どの科を受診すればいいの?

生理の量が多い場合、基本的には婦人科(産婦人科)を受診するのが適切です。

婦人科では超音波検査や血液検査を通じて、ホルモン異常や子宮の疾患を調べることができます。

総合病院では「女性外来」を設けている場合も。

婦人科受診が推奨されていますが、かかりつけ医がいる場合はまず内科で相談し、必要に応じて紹介を受けるのも一つの方法。

迷った場合は、近くの婦人科クリニックに電話で相談してみましょう。

治験に参加するのも一つの方法

病院で直接診察を受ける以外に、治験に参加するというのもひとつの手段です。

日本では経血の量でお悩み(過多月経)の方に向け治験が行われています。

治験ジャパンでも治験協力者を募集しています。

例えば過去には東京や神奈川、大阪などの施設で行われた試験もありました。

治験にご参加いただくメリットとして挙げられるのは、主に下記3点です。

・最新の治療をいち早く受けられる
・専門医によるサポート、アドバイスが受けられる
・治療費や通院交通費などの負担を軽減する目的で負担軽減費が受け取れる

ご自身の健康に向き合うという意味でも、治験という選択肢を検討してみるのも良いでしょう。

実施される試験は全て、安全に配慮された状況下で行われます。

>>治験ジャパン新規登録はこちら<<

まとめ|気になる変化は放置せず、まずは確認を

いつもより生理の量が多いと感じたら、ホルモンバランスの乱れや生活習慣、婦人科疾患など、さまざまな原因が考えられます。

ナプキンの交換頻度が増えたり、血の塊や貧血症状が現れたりする場合は、早めに婦人科を受診しましょう。

日常生活では、体を温め、鉄分を補い、ストレスを溜めない工夫が効果的です。

気になる変化を放置せず、自分の体と向き合うことが、健康を守る第一歩。

信頼できる医療機関で相談し、安心を手に入れてください。

関連記事

月経困難症の治験とは?新しい治療法を探りながら自分に合う選択を

更年期の月経過多を徹底解説!原因から改善法まで知っておきたいポイント

子宮内膜症は治るのか?治療法・完治の可能性・再発リスクを解説

子宮筋腫の手術費用はいくら?保険適用や手術方法ごとの費用内訳を徹底解説

参考資料・サイト一覧
1.日本産婦人科医会 https://www.jaog.or.jp/qa/youth/qashishunki5/
2.厚生労働省 https://www.bosei-navi.mhlw.go.jp/health/anemia.html
3.厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/05/dl/s0529-4aq.pdf