更年期に差し掛かると、月経の変化に戸惑う女性は少なくありません。
特に「月経過多」は、経血量が増えることで日常生活に影響を及ぼすことがあります。
この記事では、更年期の月経過多が起こる原因や症状、放置するリスクを詳しく解説。
セルフケア方法から病院での治療法まで詳しい情報を提供します。
更年期の月経過多で悩む方々が快適に過ごせるヒントをお届けするので、ぜひ最後までご覧ください。
更年期の月経過多とは?
更年期に起きやすい月経の変化や、月経過多と判断される目安を解説します。
更年期に起きやすい月経の変化
更年期に入ると、月経のパターンが大きく変わることがあります。
多くの女性が経験するのは、周期の乱れや経血量の増加です。
これは卵巣機能が徐々に低下し、ホルモンバランスが不安定になるため。
具体的には月経が短期間で繰り返したり、逆に間隔が長くなったりするケースが目立ちます。
さらに経血量が増える「月経過多」に悩む人も少なくありません。
更年期の多くの女性がこうした変化を経験するとされています。
このような変化は自然な過程ではあるものの、生活に支障をきたす場合は注意が必要。
こうした背景を理解することで、自分の体の状態を冷静に見つめ直すきっかけになります。
過多月経の目安(経血量の基準)
月経過多かどうかを判断するには、経血量の目安を知っておくことが大切です。
一般的に1回の月経で使うナプキンやタンポンが通常より頻繁に交換が必要だったり、夜間に漏れが頻発したりする場合、過多月経の可能性があります。
医学的には、1回の月経で140~150ml以上の出血が続く状態を「過多月経」と定義されています。
日本婦人科腫瘍学会の資料によれば、ナプキンを1時間に1~2枚交換するペースが続く場合も目安の一つとされています。
例えば、普段は5日で終わる月経が7日以上続き、量も明らかに多いと感じるなら要注意。
この基準を知ることで、早めに適切な対処ができます。
更年期の月経過多が起きる主な原因
更年期に月経過多が起きる原因について解説します。
女性ホルモン(エストロゲン・プロゲステロン)の乱れ
更年期の月経過多で最も多い原因は、女性ホルモンのバランスが崩れることです。
女性ホルモンの一種であるエストロゲンとプロゲステロンは、子宮内膜の成長や剥がれ落ちる過程を調整しています。
しかし、更年期になると卵巣の機能が低下し、これらのホルモンの分泌が不安定に。
例えば、エストロゲンが過剰に分泌されると子宮内膜が厚くなりすぎ、結果として経血量が増えることがあります。
この仕組みを理解すれば、体の変化に納得がいくはずです。
婦人科疾患(子宮筋腫・子宮内膜症など)
月経過多の背後には、婦人科疾患が隠れている場合もあります。
特に子宮筋腫(しきゅうきんしゅ)や子宮内膜症は、更年期の女性に多く見られる病気です。
子宮筋腫は子宮にできる良性の腫瘍で、内膜を圧迫することで出血量を増やすことがあります(参考:日本産婦人科学会※1)。
厚生労働省の調査によると、子宮筋腫の総患者数は約27万4,000人と推定されています(参考:厚生労働省※2)。
一方子宮内膜症は内膜組織が子宮外で増殖し、炎症や過剰な出血を引き起こすもの。
こうした疾患が原因の場合、単なる更年期症状と見過ごさず、早めに検査を受けることが重要です。
ストレスや生活習慣の影響
ストレスや生活習慣も、月経過多を悪化させる要因として見逃せません。
過度なストレスは自律神経を乱し、ホルモン分泌に影響を与えます。
また、睡眠不足や過食、運動不足も血流や代謝に悪影響を及ぼし、経血量の増加につながることがあるとされています。
日々の生活を見直すことで、月経過多の予防や軽減が期待できるのです。
月経過多に伴う症状と注意すべきサイン
月経過多に伴う症状について解説します。
貧血症状(めまい・倦怠感・動悸など)
月経過多が続くと、貧血症状が現れることがあります。
経血量が多いと鉄分が失われ、めまいや倦怠感(けんたいかん)、動悸(どうき)といった不調が起こりやすいのです。
厚生労働省によると、月経のある20代~40代の女性の約65%が貧血、またはかくれ貧血であるとされています(参考:厚生労働省※3)。
例えば、長時間立ち続けられない、朝起きるのがつらいといった症状が続くなら要注意。
これらのサインを見逃さないことが、健康を守る第一歩になります。
月経痛や下腹部痛が悪化するケース
月経過多に伴い、月経痛や下腹部痛が強くなることもあります。
これは子宮が大量の経血を排出しようと収縮を繰り返すため。
子宮筋腫や内膜症が原因の場合、痛みがさらに増す傾向があります。
この痛みが日常生活に影響を与えるなら、我慢せず対処法を考えるべきです。
不正出血や周期の乱れが現れた場合
不正出血や周期の乱れも、月経過多と関連が深いサインです。
更年期ではホルモンの変動により不正出血が起こることがありますが、頻度が多い場合や量が異常に多い場合は要注意。
例えば、月経と月経の間に大量の出血が続くなら、婦人科疾患の可能性も。
日本婦人科腫瘍学会は、不正出血が続く場合、早急な受診を推奨しています(参考:日本産婦人科学会※4)。
このサインに気づくことで、重大な問題を防げるのです。
更年期の月経過多を放置するリスク
更年期の月経過多を放置するリスクについて解説します。
鉄欠乏性貧血や慢性的疲労感
月経過多を放置すると、鉄欠乏性貧血や慢性的な疲労感に悩まされるリスクが高まります。
鉄分が不足すると、酸素を運ぶ赤血球が減り、全身に倦怠感が広がるのです。
例えば、階段を上るだけで息切れするようになったら、放置は危険。
早めに医師の診察を受けましょう。
すぐに受診が必要な症状の判断基準
すぐに受診すべき症状を見極めることも大切です。
例えば、経血に大きな血の塊が混じる、1時間に何度もナプキンを交換するほどの出血が続く、激しい痛みを伴う場合は急を要します。
こうした基準を把握しておけば、適切なタイミングで医療機関に頼れるでしょう。
更年期の月経過多を改善するセルフケア方法
更年期による月経過多のヘルスケア方法を紹介します。
食生活と栄養バランスの整え方
食生活を見直すことは、月経過多の改善に役立ちます。
鉄分やビタミンB12を豊富に含むレバー、ほうれん草、魚介類などを積極的に摂取することが推奨されます。
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」によると、成人女性の鉄分摂取目安は1日およそ10.5mg(参考:厚生労働省※5)。
貧血予防のためにも、バランスの良い食事を心がけましょう。
こうした栄養を意識することで、体調が整いやすくなります。
ストレス解消法とリラックス習慣
ストレスを減らすことも、ホルモンバランスの乱れによる月経過多の軽減に効果的とされています。
ヨガや深呼吸、アロマテラピーなど、自分に合ったリラックス法を取り入れてみてください。
心身を落ち着かせる習慣が、症状の緩和につながるのです。
運動習慣や睡眠改善のポイント
更年期の不調を改善するには、適度な運動と質の良い睡眠も欠かせないとされています。
ウォーキングや軽いストレッチは血流を改善し、月経過多の予防に役立ちます。
また、睡眠不足はホルモンバランスを乱すため、毎晩7~8時間の睡眠を確保することが理想。
病院での診察・治療法
病院で月経過多の診察を受ける際の検査内容や治療法について解説します。
受診する診療科目
月経過多が気になるなら、婦人科や更年期外来を受診するのが適切です。
婦人科では一般的な検査や治療が行われ、更年期外来ではホルモン変動に特化した診察が受けられます。
検査内容や診察の流れ
診察では問診や超音波検査、血液検査が行われることが一般的とされています。
問診で症状や生活習慣を確認した後、超音波で子宮や卵巣の状態をチェック。
血液検査では貧血やホルモン値が調べられます。
薬物療法やホルモン療法の種類と効果
治療法には、薬物療法やホルモン療法があります。
鎮痛剤や止血剤で症状を抑えたり、低用量ピルでホルモンバランスを整えたりする方法が一般的。
ホルモン療法が月経過多を含め、更年期不調の改善に有効とされています(参考:ヘルスケアラボ※6)。
こうした治療を知ることで、選択肢が広がるでしょう。
更年期を快適に過ごすために
更年期を快適に過ごす上で抑えておきたいことを解説します。
更年期の症状とうまく付き合うコツ
更年期を快適に過ごすには、症状を受け入れつつ対処することが大切です。
自分の体の変化を記録したり、信頼できる人に相談したりするのも一つの方法。
このコツを押さえることで、更年期との向き合い方が楽になります。
月経過多以外の更年期症状
月経過多以外にも、ホットフラッシュや気分の浮き沈みが更年期にはよく見られます。
ホットフラッシュは突然の暑さや発汗を伴い、気分の浮き沈みは感情のコントロールが難しくなる状態です。
ヘルスケアラボによると、これらはホルモン変動によるものとされています(参考:ヘルスケアラボ※7)。
更年期による不調の全体像を把握することで、対処がしやすくなるのです。
まとめ
更年期の月経過多は、原因や症状を理解し、早めに対処することが重要です。
セルフケアで改善を目指しつつ、必要なら医療機関に相談を。
気になる症状があれば、迷わず専門家に頼るのが賢明です。
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参考資料・サイト一覧
1.日本産婦人科学会 https://www.jsog.or.jp/citizen/5711/
2.厚生労働省 厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kanja/10syoubyo/
3.厚生労働省 https://www.bosei-navi.mhlw.go.jp/health/anemia.html
4.日本産婦人科学会 https://www.jsog.or.jp/citizen/5710/
5.厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/05/dl/s0529-4aq.pdf
6.厚生労働省事業「ヘルスケアラボ」 https://w-health.jp/climacterium_trouble/menopause_treatment/
7.厚生労働省事業「ヘルスケアラボ」 https://w-health.jp/climacterium_trouble/hot_flash/