「緑内障と診断されました。これからの生活でしてはいけないことはありますか?」 「コーヒーや運動は目に悪いのでしょうか?」 「風邪薬を飲むと眼圧が上がると聞いて怖いです……」
今はそのような不安や心配もあるかもしれません。
緑内障は、日本における中途失明原因の第1位とされる病気です。
そのため、診断された瞬間に「失明してしまうのではないか」という強い不安に襲われ、これまでの生活をガラリと変えなければならないと思い詰めてしまう方が少なくありません。
結論から申し上げますと、緑内障だからといって、極端に生活を制限する必要はありません。
趣味や仕事を辞める必要も、好きな食事を完全に断つ必要も基本的にはないのです。
しかし、知らず知らずのうちに「治療の効果を弱めてしまう行動」や「リスクとなる習慣」を続けていれば、目の健康を損なう可能性はゼロではありません。
この記事では、緑内障の患者さんが日常生活で気をつけるべきポイントを、医学的な根拠に基づき、分かりやすく解説します。
「噂」と「本当に注意すべきポイント」を正しく区別し、不安のない快適な毎日を取り戻しましょう。
※この記事は疾患啓発を目的としています
緑内障でお困りの方へ

治験という方法で負担軽減費を受け取りながら、より良い治療の選択肢を見つける方が増えています。
※負担軽減費とは:治験協力者が負担する交通費や時間的拘束などがあるためお金が支給されます。
治験ジャパンでは参加者の皆様に医療費の負担を軽減しながら、最新治療を受ける機会のご提供が可能です。
通院1回につき1万円程度、入院1泊あたり2万円程度が負担軽減費の相場※内容により異なります
安心・信頼できるのみ試験を紹介しており、安全に配慮された環境下で行われます
【結論】緑内障で「絶対にしてはいけないこと」はほとんどない
まず安心していただきたいのは、緑内障と診断されたからといって、日常生活の中で「これをしたら一発でアウト」というような危険な行動は、基本的にはないということです。
読書をしても、テレビを見ても、適度な運動をしても構いません。
むしろ、「あれもダメ、これもダメ」と神経質になりすぎて、強いストレスを感じてしまうことの方が、自律神経を乱し、目にとって悪影響となる場合すらあります。
自己判断での「治療の中断」が最大のリスク
生活習慣よりも何よりも、絶対に「してはいけない」唯一のことは、自己判断で点眼や通院をやめてしまうことです。
緑内障は、初期〜中期では自覚症状がほとんどありません。
そのため、「見えているから大丈夫」「目薬が面倒」といって治療を中断してしまうケースが後を絶ちません。
しかし、治療を止めている間も視神経のダメージは静かに進行します。
「治療を継続すること」が、何よりの制限事項であり、最大の予防策であることを忘れないでください。
要注意!眼圧や血流に影響を与える可能性がある行動

日常生活に大きな制限はありませんが、一部の行動については注意が必要だと言われることがあります。
これらは必ずしも「絶対禁止」ではありませんが、眼圧変動のリスク因子として知っておくことは大切です。
1. 長時間の「うつむき姿勢」やスマホ操作
スマートフォンを見たり、読書をしたりする際の「うつむき姿勢」や「うつぶせ寝」は、眼圧を変動させる要因の一つとして知られています(参考:日本緑内障学会 1)。
特に暗い部屋での長時間の操作は、瞳孔が散大し、タイプによっては眼圧上昇のリスクとなることがあります。
長時間作業をする際は、適度に休憩を挟み、顔を上げて遠くを見るなどリラックスする時間を持ちましょう。
2. 息を止めて力む「激しい運動」
適度な有酸素運動は眼圧下降効果も期待できるため推奨されますが、顔を真っ赤にして息を止めて力むような高強度の動作(バルサルバ効果)や、頭が心臓より低い位置になるような姿勢(逆立ちなど)は、眼圧を変動させる可能性があるため注意が必要です。
無理のない範囲で運動を楽しむことが重要です。
3. カフェインや水分の摂取方法
「コーヒーは目に悪いですか?」という質問は非常に多いですが、常識的な量であれば問題ないというのが一般的な見解です。
ただし、カフェインの過剰摂取や、短時間に大量の水分を一気に摂取する行為(例:1リットルの水を数分で飲むなど)は、眼圧変動のリスク因子となり得るため、こまめな水分補給を心がけると良いでしょう(参考:日本緑内障学会 1)。
4. 喫煙(タバコ)による血流障害
タバコは眼圧そのものへの影響だけでなく、視神経の血流を悪くするリスク因子として知られています。
喫煙は血管収縮を引き起こし、緑内障性視神経障害の進行に悪影響を及ぼす可能性があります(参考:日本緑内障学会 1)。
緑内障の進行を少しでも抑えたいのであれば、禁煙に取り組むことは非常に意義のある選択です。
【薬の注意点】緑内障のタイプ別「飲んではいけない薬」
市販の風邪薬や胃腸薬の説明書に「緑内障の方は医師に相談してください」と書かれているのを見て、不安になったことはありませんか?
実は、これには「緑内障のタイプ」が深く関係しており、すべての患者さんが薬を飲めないわけではありません。
「開放隅角緑内障」と「閉塞隅角緑内障」で制限が違う
薬の制限については、ご自身が以下のどちらのタイプかを知っておくことが非常に重要です。
- 開放隅角緑内障(広義)の方
日本人の緑内障の多くを占めるタイプです。
以前は一律に禁忌とされることがありましたが、現在では添付文書の改訂により、抗コリン作用を持つ薬の使用は「慎重投与」となり、使用が禁じられているわけではありません(参考:厚生労働省 2)。
多くの市販薬は使用できるケースが大半ですが、念のため医師や薬剤師に相談すると安心です。
- 閉塞隅角緑内障の方
房水の出口(隅角)が狭いタイプです。
「抗コリン作用」のある薬(一部の風邪薬、鼻炎薬、安定剤、胃腸薬など)の使用は「禁忌(使用してはいけない)」とされています(参考:日本緑内障学会 1)。
これらを摂取すると、散瞳(瞳孔が開くこと)により隅角が塞がり、急激な眼圧上昇(発作)を引き起こすリスクがあるためです。※ただし、レーザー治療や白内障手術を受けて隅角が広くなっている場合は、使用可能になることがあります。
ご自身がどちらのタイプか分からない場合は、必ず眼科の主治医に確認し、お薬手帳に記載しておきましょう。
ステロイド薬の使用には注意が必要
緑内障のタイプに関わらず注意が必要なのが「ステロイド(副腎皮質ホルモン)」です。
ステロイド薬を長期間使用すると、副作用で眼圧が上昇する「ステロイド緑内障」になることがあります。
アトピー性皮膚炎や喘息などでステロイドを使用する場合は、眼科医と連携して定期的に眼圧チェックを受けることが推奨されます。
緑内障の進行を防ぐために「やるべきこと」
してはいけないことを避けるのと同時に、積極的なケアを行うことで、目の健康を維持しましょう。
- 規則正しい生活とストレスケア: 十分な睡眠をとり、リラックスして過ごすことは、自律神経を整える上で大切です。
- 定期的な眼科検診と点眼の継続: 何よりも大切なのは、治療を中断しないことです。
治験を試すのも一つの方法

病院で直接治療を受ける以外に、治験に参加するというのもひとつの手段です。日本では緑内障でお悩みの方に向け治験が行われています。
治験ジャパンでも治験協力者を募集しています。例えば過去には東京や神奈川、大阪などの施設で行われた試験もありました。
治験にご参加いただくメリットとして挙げられるのは、主に下記3点です。
最新の治療をいち早く受けられることがある
専門医によるサポート、アドバイスが受けられる
治療費や通院交通費などの負担を軽減する目的で負担軽減費が受け取れる
ご自身の健康に向き合うという意味でも、治験という選択肢を検討してみるのも良いでしょう。実施される試験は全て、安全に配慮された状況下で行われます。
緑内障に関するよくある疑問
緑内障に関するよくある疑問を紹介します。
Q. テレビやパソコンのブルーライトは目に悪いですか?
A. ブルーライト自体が直接的に緑内障を悪化させるという明確な証拠は現時点ではありませんが、眼精疲労の原因にはなります。適度な休憩を心がけましょう。
Q. 飛行機や温泉は大丈夫ですか?
A. 基本的には問題ありません。ただし、眼科手術を受けた直後などは制限がある場合があるため、主治医に確認してください。
まとめ:正しい知識を持って、恐れすぎずに快適な生活を
緑内障の方にとって、本当に注意すべきことは以下の点です。
- 自己判断で点眼や通院をやめないこと(最重要)
- 閉塞隅角緑内障の方が、抗コリン薬などの禁忌薬を使用しないこと
- 喫煙習慣を見直すこと
これらを守れば、旅行も運動も、読書も食事も、今まで通り楽しんでいただいて構いません。
「失明するかもしれない」と怯えて生活するよりも、正しい知識を持ってリスクを管理し、リラックスして過ごすことこそが、あなたの目の健康を守る一番の近道です。
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参考資料・文献一覧
1.日本緑内障学会 緑内障診療ガイドライン(第5版) https://www.nichigan.or.jp/Portals/0/resources/member/guideline/glaucoma5th.pdf
2.厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/content/11121000/000519058.pdf
