ニキビが治らない?原因と正しいケア方法を徹底解説

2025年5月21日

ニキビがなかなか治らないと、鏡を見る度に気持ちまで沈んでしまいますよね。

実は繰り返すニキビや長引く肌トラブルは、間違ったケアや生活習慣が原因かもしれません。

この記事では皮膚科専門医 川島眞医師の監修のもと、ニキビが治らない理由を詳しく解説。

洗顔方法から皮膚科での治療まで、科学的根拠に基づいた正しいケア方法を紹介します。

ニキビを根本から改善したい方は、ぜひ最後までご覧ください。

なぜニキビが治らないのか?考えられる7つの原因

ニキビが中々治らない理由を解説します。

洗顔やスキンケアの方法が間違っている

適切な洗顔やスキンケアはニキビ予防の基本ですが、方法を間違えると肌トラブルが悪化します。

過度な洗顔や刺激の強い洗顔料は、肌のバリア機能を損ない、乾燥や皮脂の過剰分泌を招きます。

1日2回の洗顔が理想的で、ゴシゴシ洗いは避けるべきです(参考:日本皮膚科学会1)。

洗顔料をしっかり泡立て、30秒程度で優しく洗うことで、肌への負担を軽減できます。

正しい洗顔方法を身につけることで、ニキビの悪化を防ぎ、肌環境を整えられるでしょう。

皮脂や汚れが毛穴に詰まっている

毛穴に詰まった皮脂や汚れがニキビの主な原因の一つです。

メイクや汗、古い角質が毛穴を塞ぐと、アクネ菌が増殖しやすくなります。

毛穴の詰まりがニキビの初期段階である「面皰(めんぽう)」を形成することがわかっています。

例えば、クレンジングを怠ると、メイク残りが毛穴に蓄積し、ニキビを誘発します。

毛穴を清潔に保つケアを続けることで、ニキビの発生リスクを下げられるのです。

ホルモンバランスの乱れによる過剰な皮脂分泌

ホルモンバランスの乱れは、ニキビが治らない大きな要因です(参考:日本皮膚科学会2)。

思春期や生理前、ストレス時には男性ホルモン(アンドロゲン)が活発になり、皮脂分泌が増加します。

例えば、生理周期に合わせて顎やフェイスラインにニキビができるケースは、ホルモンの影響が強いです。

ホルモン由来のニキビには、適切なケアと生活習慣の見直しが効果的です。

食生活・生活習慣の乱れ

食生活や生活習慣の乱れがニキビを悪化させます。

高脂肪・高糖質の食事は皮脂分泌を促進し、ニキビを増やす可能性があります。

乳製品や高GI食品(白米、菓子類)がニキビ悪化と関連しているとの指摘もあります。

例えば、チョコレートやファストフードを頻繁に食べる人は、ニキビが治りにくい傾向があるとされています。

バランスの取れた食事と規則正しい生活が、ニキビ改善の鍵となります。

ストレスや睡眠不足による肌への影響

ストレスや睡眠不足は、肌の回復力を下げる原因です。

ストレスはコルチゾールというホルモンを増加させ、皮脂分泌を促します。

また、睡眠不足はホルモンバランスを崩し、ニキビの悪化要因となる可能性があります(参考:日本皮膚科学会3)。

例えば、徹夜後にニキビが増えた経験がある人も多いでしょう。

十分な睡眠とストレス管理は、ニキビ改善に欠かせません。

間違ったニキビケアや触る癖

間違ったケアやニキビを触る癖が悪化を招きます。

ニキビを潰したり、頻繁に触ったりすると、細菌が広がり炎症が悪化します。

ニキビをつぶす行為がニキビ跡や色素沈着の原因になるとされているため注意が必要です。

例えば、鏡を見ながら無意識にニキビを押す習慣がある人は、治りが遅くなる傾向があります。

ニキビに触らず、適切なケアを続けることが重要です。

マラセチア菌など他の皮膚疾患の可能性

ニキビに見える症状が、実は他の皮膚疾患である場合があります。

マラセチア菌による毛包炎や酒皶性痤瘡は、ニキビと似た症状を引き起こします。

赤ニキビと思われる症状が治らない場合、皮膚科での診断が必要です。

ニキビ以外の可能性を考慮し、皮膚科専門医の診察を受けることが大切です。

ニキビを治すために見直すべき習慣とケア方法

ニキビを治すためのケア方法を解説します。

洗顔は1日2回、泡で優しく洗うのが基本

正しい洗顔方法はニキビケアの第一歩です。

過剰な洗顔は肌を乾燥させ、逆に皮脂分泌を増やします。

朝晩の1日2回、泡立てた洗顔料で優しく洗うことが推奨されます。

例えば、低刺激の洗顔料を使い、ぬるま湯で洗い流すと、肌への負担が減ります。

適切な洗顔を習慣化することで、ニキビの予防と改善が期待できます。

保湿はニキビ肌にも必要不可欠

ニキビ肌でも保湿は欠かせません。

乾燥した肌はバリア機能が低下し、ニキビが悪化しやすくなります。

ヘパリン類似物質やセラミドやヒアルロン酸配合の軽い保湿剤が適しており、油分が多いクリームは避けましょう。

例えば、ジェルタイプの保湿剤は、ニキビ肌に適した軽い使用感です。

毎日保湿を続けることで肌の健康を保ち、ニキビを減らせます。

油分の多い化粧品やヘアケア製品の見直し

油分の多い製品はニキビを悪化させる可能性があります。

ファンデーションやヘアワックスが毛穴を塞ぎ、ニキビを誘発することがあります。

ノンコメドジェニック(毛穴を詰まりにくくする)製品を選ぶのが賢明です。

例えば、オイルフリーの化粧品に切り替えると、ニキビが減るケースがあります。

製品選びを見直すことで、ニキビの原因を減らせます。

栄養バランスの取れた食事と水分補給

食事と水分は肌の健康に直結します。

ビタミンA・C・Eや亜鉛を含む食品は、肌の修復を助けます。

一方、乳製品や高糖質食は控えめにしましょう。

例えば、緑黄色野菜や魚を積極的に摂ると、肌の調子が整います。

バランスの良い食事を心がけることで、ニキビの改善が期待できます。

睡眠の質を高めて肌の回復力を促す

良質な睡眠は肌の回復に不可欠です。

睡眠中は肌のターンオーバーが活発になり、ニキビの治癒が促されます。

7~8時間の睡眠を確保し、寝る前のスマホ使用を控えるのが理想的です。

例えば、就寝1時間前に入浴すると、リラックスでき睡眠の質が上がります。

十分な睡眠を確保することで、ニキビの治りが早まります。

ストレス管理とリラックス習慣の重要性

ストレスを減らすことはニキビケアに有効です。

ヨガや瞑想、軽い運動はストレスホルモンの分泌を抑えるとされています(参考:日本統合医学協会4)。

ストレスがニキビ悪化の要因であることは、複数の研究で確認されています。

週に数回の散歩を取り入れるだけで、気分が落ち着き、肌の調子が改善することがあります。

リラックス習慣を続けることで、ニキビの予防につながります。

セルフケアで治らない場合は皮膚科の受診を

セルフケアで治らない際の対処法を解説します。

皮膚科で受けられる代表的な治療法

皮膚科では、ニキビの状態に応じた治療が受けられます。

外用薬(過酸化ベンゾイル、アダパレン、抗菌薬)、内服薬(抗菌薬)、ケミカルピーリングなどが一般的です。

これらはアクネ菌の増殖や毛穴の詰まりを効果的に改善します。

炎症が強い場合は、抗菌薬と外用薬の併用が推奨されます。

皮膚科専門医の治療を受けることで、ニキビの根本改善が可能です。

市販薬との違いと効果

皮膚科の治療は市販薬より効果が高いことは明白です。

市販薬は軽度のニキビに有効なこともありますが、中等症以上では効きません。

一方皮膚科の処方薬は、アクネ菌や炎症に直接作用する成分が含まれています。

例えば、過酸化ベンゾイルやアダパレンは強力に毛穴の詰まりを解消します。

皮膚科での治療を選ぶことで、治りにくいニキビにも対応できます。

皮膚科受診の目安とタイミング

ニキビが自己治療で治らない場合、かえって悪化した場合は、早めの受診が重要です。

2ヶ月以上セルフケアで改善しない場合や、ニキビ跡が目立つ場合は皮膚科へ相談しましょう。

早い段階での治療は、ニキビ跡の予防にもつながります。

例えば、赤みや膿を伴うニキビは、炎症が強いサインです。

適切なタイミングで受診することで、ニキビの悪化を防げます。

新たな治療法を試すのも一つの方法

病院で直接治療を受ける以外に、治験に参加するというのもひとつの手段です。

日本ではニキビでお悩みの方に向け治験が行われています。

治験ジャパンでも治験協力者を募集しています。

例えば過去には東京や神奈川、大阪などの施設で行われた試験もありました。

治験にご参加いただくメリットとして挙げられるのは、主に下記3点です。

・最新の治療をいち早く受けられる
・専門医によるサポート、アドバイスが受けられる
・治療費や通院交通費などの負担を軽減する目的で負担軽減費が受け取れる

ご自身の健康に向き合うという意味でも、治験という選択肢を検討してみるのも良いでしょう。

実施される試験は全て、安全に配慮された状況下で行われます。

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実は誤解が多い?よくあるニキビケアの間違い

ニキビに関する誤解を解説します。

「皮脂=悪」は誤解!必要な油分まで落とす危険性

皮脂を全て取り除くのは逆効果です。

皮脂は肌のバリア機能を保つ役割があり、過剰に落とすと乾燥や皮脂の過剰分泌を招くとされています。

適度な油分を残すケアを推奨しています。

例えば、洗浄力の強い洗顔料を避け、洗顔後は軽い保湿剤を使うのが賢明です。

皮脂と上手に付き合うことで、ニキビを減らせます。

潰して治すのはNG!ニキビ跡になるリスク

ニキビを潰すと、肌に深刻なダメージを与えます。

潰す行為は炎症を広げ、色素沈着や凹凸のニキビ跡を引き起こします。

触るなどの物理的な刺激がニキビ悪化の要因であるとの報告もあります。

膿を持ったニキビを潰すと、周辺の肌まで炎症が広がるリスクがあるため注意が必要です。

ニキビを触らず、適切なケアを続けることが大切でしょう。

乾燥させすぎると悪化する理由

過度な乾燥はニキビを悪化させます。

乾燥した肌はバリア機能が低下し、外部刺激に弱くなります。

また、乾燥を補うために皮脂が過剰分泌され、ニキビが増えることもあります。

アルコールベースの化粧水を多用すると、肌が乾燥してニキビが悪化するケースがあります。

適度な保湿を心がけることで、ニキビの改善が期待できます。

まとめ|ニキビが治らないと悩んだら、まず原因を知ろう

ニキビの改善には、正しい知識が不可欠です。

間違ったケアや生活習慣がニキビを悪化させるため、科学的根拠に基づいた方法を取り入れましょう。

例えば、洗顔や保湿の基本を押さえるだけで、肌の状態が大きく変わります。

正しい知識を基にしたケアで、ニキビを効果的に改善できます。

セルフケアに頼らないで、早期の皮膚科の受診が最善です。

参考資料・サイト一覧
1.日本皮膚科学会 https://www.dermatol.or.jp/qa/qa3/q18.html
2.日本皮膚科学会 https://www.dermatol.or.jp/qa/qa3/q07.html
3.日本皮膚科学会 https://www.dermatol.or.jp/qa/qa3/q24.html
4.日本統合医学協会 https://www.medical-aroma.jp/blog/e/001735.php

記事監修・執筆者情報
監修者画像

記事監修・執筆者情報

川島 眞(かわしま まこと)

皮膚科専門医・医学博士

東京女子医科大学 名誉教授

日本皮膚科学会認定専門医として、アトピー性皮膚炎など皮膚疾患の診療・研究に長年従事。

本記事では医学的情報の正確性と内容監修を担当。


所属学会:

日本皮膚科学会

日本美容皮膚科学会

日本皮膚アレルギー学会

日本香粧品学会

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