「突然、体に蚊に刺されたような発疹が出た」

「仕事でイライラしている時に限って、全身が痒くなる」

今、このページをご覧になっているあなたは、耐えがたい痒みや、赤く腫れあがった皮膚の症状に不安を感じているのではないでしょうか。

「最近疲れているし、ストレスが原因かも…」と思い当たる節があるかもしれません。

蕁麻疹(じんましん)は、全人口の15〜20%が一生に一度は経験すると言われる皮膚トラブルです(参考:日本皮膚科学会 1)。

その原因はさまざまですが、確かに「ストレス」や「疲労」は、蕁麻疹の症状を悪化させたり、長引かせたりする要因となることが知られています。

この記事では、今すぐできる痒みへの対処法から、ストレスと蕁麻疹の関係、そして繰り返さないための根本的な治し方について、医学的エビデンスに基づいて解説します。

まずはつらい痒みを落ち着かせ、身体からの「休んでほしい」というサインに耳を傾けてみましょう。

※この記事は疾患啓発を目的としています。

蕁麻疹(じんましん)でお困りの方へ

治験という方法で負担軽減費を受け取りながら、より良い治療の選択肢を見つける方が増えています。

※負担軽減費とは:治験協力者が負担する交通費や時間的拘束などがあるためお金が支給されます。

治験ジャパンでは参加者の皆様に医療費の負担を軽減しながら、最新治療を受ける機会のご提供が可能です。

今すぐ痒みを止めたい!自宅でできる応急処置(治し方)

蕁麻疹の痒みは強烈で、かきむしりたくなる衝動に駆られます。

しかし、かけばかくほど症状は広がってしまいます。

まずは自宅でできる応急処置で、痒みの悪循環を止めましょう。

まずは「冷やす」が鉄則(入浴は要注意)

蕁麻疹が出ている時、皮膚の血管は拡張し、ヒスタミンという痒み物質が放出されています。 

最も効果的で即効性があるのは「患部を冷やすこと」です。

  • 冷たいタオルや保冷剤を使う:
    • タオルに包んだ保冷剤や、冷水で絞ったタオルを患部に当ててください。血管が収縮し、痒みが和らぎます。
  • 【重要】お風呂で温まるのはNG:
    • 「ストレス解消にお風呂でリラックスしたい」と思うかもしれませんが、蕁麻疹が出ている時の入浴は逆効果になることが多いです。体が温まり血行が良くなると、痒みが増強しやすくなります(参考:日本皮膚科学会 2)。特に「コリン性蕁麻疹」と呼ばれるタイプでは、入浴や運動による体温上昇が直接的な刺激となります(参考:日本皮膚科学会 1)。症状が出ている間は、熱いお湯は避け、ぬるめのシャワーで汗を流す程度に留めましょう。

患部への刺激・圧迫を取り除く

皮膚への物理的な刺激も、蕁麻疹を悪化させます。

  • 締め付けを解放する:
    • 下着のゴム、ベルト、ストッキングなど、体を締め付けるものを緩めたり脱いだりしてください。近年の研究では、皮膚のマスト細胞が物理的な「圧力」を感知するセンサー(PIEZO1)を持っており、締め付け刺激によってヒスタミンを放出することが解明されています(参考:山梨大学 3)。
  • かかない:
    • 患部をかくと、その刺激でさらにヒスタミンが分泌され、ミミズ腫れが広がってしまいます。どうしても痒い時は、かく代わりに「冷やす」か、軽く叩く程度にして耐えましょう。

市販薬(抗ヒスタミン薬)の活用

夜間ですぐに病院に行けない場合などは、市販薬を活用するのも一つの手です。

ドラッグストアで購入できる「抗ヒスタミン成分」が配合された内服薬(アレルギー用薬など)や、痒み止めの外用薬が効果的です。

薬剤師に相談し、「蕁麻疹に効くもの」を選んでもらいましょう。

ただし、市販薬はあくまで一時的な対処です。

数日飲んでも改善しない場合は、早めに医療機関を受診してください。

なぜストレスで蕁麻疹が出るの?「心と皮膚」の関係

「特に変わったものは食べていないのに、なぜ?」と疑問に思う方も多いでしょう。

実は、皮膚と心(脳)は密接に繋がっています。

ストレスが引き金になるメカニズム

過度なストレスや疲労が蓄積すると、蕁麻疹が悪化しやすくなることが臨床的に知られています。

医学的に完全に解明されたわけではありませんが、ストレスが重なることで、痒みを引き起こす「マスト細胞」が活性化しやすい状態になったり、自律神経のバランスの変化が影響したりすると考えられています。

また、緊張したり焦ったりして冷や汗をかいた時などに出る「コリン性蕁麻疹」というタイプもあります。

これは精神的な緊張や入浴、運動などで発汗刺激が加わった時に生じるのが特徴です(参考:日本皮膚科学会 1)。

「ストレス性」と判断する前のチェックポイント

「きっとストレスのせいだ」と自己判断して放置するのは危険です。

蕁麻疹の原因は多岐にわたります。以下の要因がなかったか、振り返ってみましょう。

  • 直前の食事: 青魚、蕎麦、乳製品、甲殻類など。
  • 薬の服用: 解熱鎮痛剤や抗生物質など(参考:厚生労働省 4)。
  • 物理的刺激: 日光、寒暖差、振動、衣類の擦れ。

原因が特定できないものを「特発性蕁麻疹」と呼びますが、全体の約7割はこのタイプです(参考:日本皮膚科学会 1)。

その背景にストレスや疲労が隠れているケースも多くあります。

「いつ、どんな時に出たか」をメモしておくと、受診時に役立ちます。

病院での治療と「治るまでの期間」

「そのうち治るだろう」と放っておくと、慢性化して数ヶ月〜数年以上続いてしまうこともあります。

早めに皮膚科を受診し、適切な治療を受けることが完治への近道です。

皮膚科での標準的な治療法

皮膚科では主に、痒みの原因物質であるヒスタミンの働きを抑える「抗ヒスタミン薬(抗アレルギー薬)」の内服治療が行われます。

塗り薬は痒みを一時的に抑える補助的なもので、基本は飲み薬で体の中から治していきます(参考:日本皮膚科学会 1)。

患者さんの生活スタイル(眠くなりにくい薬が良いなど)に合わせて処方されることが一般的ですので、運転をする仕事の方などは医師に相談しましょう。

どのくらいで治る?(急性か慢性か)

蕁麻疹は発症してからの期間によって2つに分類されます(参考:日本皮膚科学会 1)。

  • 急性蕁麻疹:
    • 発症から1ヶ月以内のもの。適切な治療をすれば、比較的短期間で治まることが多いです。
  • 慢性蕁麻疹:
    • 症状が1ヶ月以上続いているもの。原因不明の場合が多いですが、ストレスや疲労が背景にある場合、慢性化しやすい傾向があります。

最も大切なのは、症状が消えたからといって自己判断で薬をやめないことです。

見た目は治っていても、体内ではまだ過敏な状態が続いています。

医師の指示に従い、徐々に薬を減らしていくことが、再発を防ぐ鍵となります。

薬に頼りすぎない!ストレス蕁麻疹を防ぐ生活習慣

薬による治療と並行して、蕁麻疹の悪化因子となっているストレスや疲労をケアすることも重要です。

自律神経を整える「質の高い睡眠」

睡眠不足は身体的なストレスとなり、蕁麻疹の悪化要因です。

皮膚の修復や免疫機能の回復は、寝ている間に行われます。

「忙しくて時間が取れない」という方も、まずは「日付が変わる前に布団に入る」「寝る前のスマホを控える」ことから始めてみましょう。

十分な睡眠は、回復への重要なステップになります。

食事と嗜好品の注意点

治療中は、体に負担をかけるものを控えるのが賢明です。

  • アルコール:
    • 血行を良くし、痒みを増強させます。症状が出ている時は禁酒しましょう(参考:日本皮膚科学会 2)。
  • 香辛料:
    • 唐辛子などの激辛料理も、体温を上げ刺激となります。
  • ヒスタミンを含む食品:
    • マグロやサバなどの赤身魚(特に鮮度が落ちたもの)、ほうれん草、トマトなどはヒスタミンそのものを多く含むか、仮性アレルゲンとして作用する場合があるため、過剰摂取に注意してください(参考:厚生労働省 5)。

心のデトックス(リラックス法)

痒み自体がストレスになり、そのイライラがさらに痒みを呼ぶ…という悪循環に陥ることがあります。

入浴が制限される分、別の方法でリラックスしましょう。

  • 好きな音楽を聴く。
  • アロマを焚く。
  • 深呼吸や瞑想を取り入れる。
  • 「今は体を休める時期だ」と割り切り、無理な予定をキャンセルする。

こんな時はすぐに受診を(危険なサイン)

多くの蕁麻疹は数時間〜1日程度で跡を残さずに消えますが、中には緊急を要する危険なサインもあります。

以下の症状がある場合は、迷わず救急外来を受診するか、救急車を呼んでください。

  • 呼吸が苦しい、ゼーゼーする(気道の浮腫)
  • まぶたや唇が急激に腫れ上がった(血管性浮腫の疑い)
  • 激しい腹痛、嘔吐、下痢がある
  • 血の気が引く、意識がもうろうとする

これらは「アナフィラキシーショック」の前兆である可能性があり、命に関わることがあります(参考:厚生労働省 4)。

皮膚だけでなく全身に症状が出た場合は、一刻を争う対応が必要です。

治験を試すのも一つの方法

病院で直接治療を受ける以外に、治験に参加するというのもひとつの手段です。日本では蕁麻疹(じんましん)の方に向け治験が行われています。

治験ジャパンでも治験協力者を募集しています。例えば過去には東京や神奈川、大阪などの施設で行われた試験もありました。

治験にご参加いただくメリットとして挙げられるのは、主に下記3点です。


ご自身の健康に向き合うという意味でも、治験という選択肢を検討してみるのも良いでしょう。実施される試験は全て、安全に配慮された状況下で行われます。

まとめ:蕁麻疹は「休んで」のサイン

ストレス性の蕁麻疹は、心と体が悲鳴を上げている証拠かもしれません。

「これくらいで病院なんて」と思わず、まずはしっかりと体を冷やし、痒みを抑えましょう。

そして、早めに医師の力を借りて、乱れたバランスを整えていくことが大切です。

焦る必要はありません。

適切な治療と休息をとれば、蕁麻疹は必ず落ち着いていきます。

まずは今日、温かいお風呂の代わりにぬるめのシャワーで済ませ、いつもより少し早くベッドに入って、頑張っているご自身の体を労ってあげてくださいね。

参考資料・文献一覧

  1. 公益社団法人日本皮膚科学会「蕁麻疹診療ガイドライン 2018」 https://www.dermatol.or.jp/dermatol/wp-content/uploads/xoops/files/guideline/urticaria_GL2018.pdf
  2. 公益社団法人日本皮膚科学会「皮膚科Q&A(蕁麻疹)」 https://qa.dermatol.or.jp/qa9/index.html
  3. 国立大学法人山梨大学「プレスリリース:ベルトや下着などの締め付けによって蕁麻疹が起こるメカニズムを解明」 https://www.med.yamanashi.ac.jp/cat_news/24688
  4. 厚生労働省「重篤副作用疾患別対応マニュアル 非ステロイド性抗炎症薬による蕁麻疹/血管性浮腫」 https://www.mhlw.go.jp/topics/2006/11/dl/tp1122-1h13.pdf
  5. 厚生労働省「4.食物アレルギー(アレルギー疾患対策)」 https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/kenkou/ryumachi/dl/jouhou01-08.pdf