健康診断の結果を見て、「LDLコレステロール値が高い」という判定に驚かれたことはないでしょうか。
「脂っこい食事は控えているつもりなのに」「太ってもいないのになぜ?」と疑問に思う方も多いはずです。
LDLコレステロール(悪玉コレステロール)が高い状態を放置すると、血管の壁に余分な脂質が蓄積して動脈硬化が進み、将来的に心筋梗塞や脳梗塞といった重大な病気を引き起こすリスクが高まります(参考:厚生労働省 1)。
しかし、過度に恐れる必要はありません。
正しい知識を持ち、適切な対策を行えば、数値をコントロールすることは十分に可能です。
この記事では、LDLコレステロールが上がる原因から、今日から始められる食事・運動の具体的な対策を徹底解説。
また医療機関を受診すべきタイミングまで、医学的な視点を踏まえて分かりやすくご紹介します。
※この記事は疾患啓発を目的としています。

治験という方法で負担軽減費を受け取りながら、より良い治療の選択肢を見つける方が増えています。
※負担軽減費とは:治験協力者が負担する交通費や時間的拘束などがあるためお金が支給されます。
治験ジャパンでは参加者の皆様に医療費の負担を軽減しながら、最新治療を受ける機会のご提供が可能です。
通院1回につき1万円程度、入院1泊あたり2万円程度が負担軽減費の相場
安心・信頼できるのみ試験を紹介しており、安全に配慮された環境下で行われます。
なぜLDLコレステロールは高くなる?「太っていないのに」の謎
まずは敵を知ることから始めましょう。
LDLコレステロールは「悪玉」と呼ばれますが、本来は体の細胞膜やホルモンの材料となる必要な物質です。
問題なのは、血液中で「増えすぎ」てしまい、血管壁に入り込んでしまうことです。
LDL(悪玉)が増えるメカニズム
体内のコレステロールの約7〜8割は糖や脂肪を材料として肝臓などで作られ、食事から摂取されるのは残りの2〜3割程度です(参考:厚生労働省 2)。
通常は肝臓がその量を一定に保つよう調整していますが、何らかの原因でこのバランスが崩れると、血中のLDLコレステロール値が上昇します。
原因は食事だけじゃない? 3つの要因
「高コレステロール=食べ過ぎ・肥満」というイメージがありますが、実はそれだけではありません。
主な要因は以下の3つに分類されます。
- 生活習慣の乱れ
- 動物性脂肪の摂り過ぎ、野菜不足、運動不足などは、LDL値を上げる直接的な要因です。
- 加齢・ホルモンバランスの変化
- 特に女性は、閉経後に女性ホルモン(エストロゲン)が減少すると、脂質代謝に影響が出てコレステロール値が上昇しやすくなります(参考:日本老年医学会 3)。「昔と同じ食事なのに数値が上がった」というケースの多くはこれが原因です。
- 体質・遺伝
- 痩せているのにLDL値が高い場合、遺伝的にLDL受容体の働きが弱く、血中のLDLコレステロールが処理されにくい体質(家族性高コレステロール血症など)の可能性があります(参考:日本動脈硬化学会 4)。
【食事編】LDLコレステロールを下げる食べ物・飲み物

LDLコレステロールを下げるための基本は、「上げる食品を控え、下げる食品を摂る」ことです。
毎日の食事を少し工夫するだけで、数値改善が期待できます。
動脈硬化性疾患予防ガイドラインでは、伝統的な日本食(The Japan Diet)のパターンが推奨されています(参考:日本動脈硬化学会 4)。
積極的に摂りたい「下げる」食品
以下の食品群には、余分なコレステロールを体外へ排出したり、吸収を抑えたりする働きがあります。
- 水溶性食物繊維(海藻・大麦・野菜)
- ワカメやメカブなどの海藻類、大麦(もち麦)、野菜や果物に含まれる「水溶性食物繊維」は、腸内でコレステロールを吸着し、便と一緒に排出する働きがあります(参考:国立国際医療センター 5)。
- 大豆製品(納豆・豆腐)
- 大豆に含まれるタンパク質などは、血清コレステロールを下げる効果が期待されています。納豆や豆腐を毎日の食事に取り入れることが推奨されます(参考:川崎医科大学附属病院 6)。
- 青魚(サバ・イワシ・サンマ)
- 魚の脂に含まれるn-3系多価不飽和脂肪酸(EPAやDHA)は、血液中の中性脂肪を減らし、動脈硬化を防ぐ働きがあります。肉料理を魚料理に置き換える頻度を増やすことが有効です(参考:日本心臓財団 7)。
控えるべき「上げる」食品
一方で、以下の食品はLDLコレステロールを増やしやすいため、摂りすぎに注意が必要です。
- 飽和脂肪酸(肉の脂身・バター・生クリーム)
- 肉の白い脂身部分、バター、乳脂肪分の高い食品は「飽和脂肪酸」が多く、血中コレステロールを上昇させる大きな要因です。肉は赤身や皮なしの鶏肉を選び、調理油は植物油に変えるなどの工夫が必要です(参考:厚生労働省 8)。
- トランス脂肪酸(マーガリン・ショートニング・加工菓子)
- 加工油脂に含まれる工業由来のトランス脂肪酸は、LDLコレステロールを増やし、HDL(善玉)コレステロールを減らす作用があるため、過剰摂取を控えることが推奨されています(参考:国立国際医療センター 5)。
- コレステロールを多く含む食品(鶏卵・魚卵)
- 食事からのコレステロール摂取自体が血中値に与える影響は個人差がありますが、すでにLDLコレステロール値が高い方は、摂取量を「1日200mg未満」に抑えることが推奨されています(参考:日本心臓財団 7)。卵黄や魚卵、レバーなどの内臓類の頻繁な摂取は控えめにしたほうが良いでしょう。
飲み物の選び方と注意点
飲み物に関しては、ジュースや加糖飲料を控え、水やお茶(無糖)を選ぶことが基本です。
一部の茶カテキンなどを含む特定保健用食品(トクホ)などが利用されることもありますが、治療の基本はあくまで食事全体の栄養バランスを整えることです。
また、アルコールは適量であればHDLコレステロールを増加させる可能性があります。
ですが、飲みすぎは中性脂肪の増加や血圧上昇を招くため、適量(日本酒1合程度まで)を守るか、休肝日を設けることが重要です(参考:厚生労働省 8)。
【運動・生活編】数値改善を加速させる習慣
食事だけでなく、体の代謝機能を高めることも重要です。
有酸素運動の効果的な取り入れ方
運動は、特に善玉(HDL)コレステロールを増やし、中性脂肪を減らすなど、脂質代謝を改善する効果があります。
おすすめは、ウォーキング、速歩、水泳、サイクリングなどの有酸素運動です。
強度は「中強度以上(通常速度のウォーキング程度)」で、「毎日合計30分以上」を目標に行うことが推奨されています(参考:厚生労働省 9)。
まとまった時間が取れない場合は、10分×3回など、短時間の積み重ねでも効果が期待できます。
喫煙は「下げる」努力を無駄にする
タバコに含まれる成分は、HDL(善玉)コレステロールを減少させるだけでなく、LDLコレステロールの酸化を促進し、動脈硬化を進行させる大きな危険因子となります(参考:日本動脈硬化学会 4)。
数値を改善し血管を守るためには、禁煙が強く推奨されます。
「薬なし」でどこまで下がる? 病院へ行くべきタイミング
生活習慣の改善は必須ですが、それだけですべて解決するわけではありません。
「頑張っているのに下がらない」と悩む前に、医療介入の必要性も知っておきましょう。
生活習慣改善で効果が出るまでの期間
食事や運動を見直してから、血液検査の数値に変化が現れるまでには、個人差はありますが数ヶ月程度かかると言われています。
まずは3ヶ月〜6ヶ月間、生活習慣改善に取り組み、再検査の結果を確認してみましょう。
食事・運動だけでは限界があるケース
以下のような場合は、生活習慣の改善だけでは管理目標値に達しないことがあり、早期の薬物療法が検討されます。
- 遺伝的要因(家族性高コレステロール血症)
- 家族(両親や兄弟)に高コレステロール血症や若くして心筋梗塞を起こした人がいる場合、また未治療時のLDLコレステロール値が180mg/dL以上と非常に高い場合は、遺伝的な要因が疑われます(参考:日本動脈硬化学会 4)。
- 合併症のリスクが高い場合
- 糖尿病、高血圧、慢性腎臓病(CKD)、末梢動脈疾患などをすでに患っている場合、動脈硬化のリスクが重複して高まるため、より厳格な管理目標値が設定されています(参考:日本老年医学会 3)。
薬物療法を怖がりすぎない
「一度薬を飲むと一生やめられない」と不安に思う方もいますが、薬(スタチン等)は動脈硬化性疾患の発症や再発を予防するための有効な手段です。
主治医と相談しながら、自分のリスクに応じた適切な治療を選択することが重要です。

病院で直接治療を受ける以外に、治験に参加するというのもひとつの手段です。日本では高コレステロールの方に向け治験が行われています。
治験ジャパンでも治験協力者を募集しています。例えば過去には東京や神奈川、大阪などの施設で行われた試験もありました。
治験にご参加いただくメリットとして挙げられるのは、主に下記3点です。
最新の治療をいち早く受けられることがある
専門医によるサポート、アドバイスが受けられる
治療費や通院交通費などの負担を軽減する目的で負担軽減費が受け取れる
ご自身の健康に向き合うという意味でも、治験という選択肢を検討してみるのも良いでしょう。実施される試験は全て、安全に配慮された状況下で行われます。
まとめ:まずは3ヶ月、生活習慣を変えてみよう
LDLコレステロールを下げるには、特別な魔法はありません。
「飽和脂肪酸を減らし、食物繊維と青魚を増やす」「毎日30分の有酸素運動を行う」という地道な積み重ねが近道です。
まずは次の健康診断までの数ヶ月間、できることから始めてみてください。
それでも数値が改善しない場合や、元々の数値が非常に高い場合は、迷わず医療機関を受診しましょう。
自分の体の状態を正しく知り、適切なケアを行うことが、将来の健康への最大の投資となります。
参考資料・文献一覧
- 厚生労働省 e-ヘルスネット「脂質異常症」 https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/metabolic/m-05-004
- 厚生労働省 e-ヘルスネット「コレステロール」 https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/dictionary/food/ye-012
- 一般社団法人日本老年医学会「高齢者脂質異常症 診療ガイドライン 2017」 https://www.jpn-geriat-soc.or.jp/tool/pdf/guideline2017_03.pdf
- 一般社団法人日本動脈硬化学会「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版 一般の皆様へ」 https://www.j-athero.org/jp/general/4_atherosclerosis_yobou/
- 国立国際医療センター「脂質異常症 ライフスタイル」 https://www.hosp.jihs.go.jp/cancer/021/lifestyle/index.html
- 川崎医科大学附属病院 栄養部「脂質異常症と食事について」 https://h.kawasaki-m.ac.jp/data/5841/mi_dtl/
- 公益財団法人日本心臓財団「動脈硬化性疾患予防ガイドライン・エッセンス」 https://www.jhf.or.jp/pro/a%26s_info/guideline/post_2.html
- 厚生労働省 e-ヘルスネット「脂質異常症の食事」 https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/food/e-02-012
- 厚生労働省 e-ヘルスネット「脂質異常症を改善するための運動」 https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/exercise/s-05-003
