【赤ら顔】朝は白いのに昼から赤くなる原因は?皮膚科医が教える改善法

2025年8月19日

朝、鏡を見ると肌は白く落ち着いているのに、日中になると顔が赤くなる…そんな「赤ら顔」に悩む方は少なくありません。

人目が気になることもありますし、赤ら顔がストレスになってしまうこともあるでしょう。

この記事では赤ら顔の原因や日中に赤くなるメカニズム、日常でできるセルフケアから皮膚科での治療法まで、わかりやすく解説します。

皮膚科専門医 川島眞医師の監修のもと、赤ら顔を改善するための具体的な方法をお伝えするので、ぜひ最後までお読みください。

赤ら顔とは?

赤ら顔に関する基礎知識を解説します。

赤ら顔の定義と特徴

顔が赤くなる「赤ら顔」は、鼻や頬、額を中心に赤みやほてり、違和感などが現れる状態を指します。

特に酒さ(しゅさ)と呼ばれる皮膚疾患や、敏感肌による一時的な赤みが代表的です。

赤ら顔の特徴としては、以下のような症状が挙げられます。

  • 頬や鼻、顎周辺に慢性的な赤み
  • 毛細血管が浮き出たように見える
  • ほてりやヒリヒリ感、軽いかゆみ

これらの症状は、見た目だけでなく心理的なストレスにもつながることがあります。

一時的な赤みと慢性的な赤みの違い

赤ら顔には、一時的な赤みと慢性的な赤みに分けられます。

一時的な赤みは運動後や恥ずかしさ、気温の変化で生じ、数分から数時間で自然に引くもの。

一方慢性的な赤みは、酒さや毛細血管の拡張によるもので、長期間続くのが特徴です。

慢性的な赤みは朝は白くても日中に赤みが目立つようになり、夕方にかけて悪化する場合もあります。

この違いを理解することで、自分の赤みが一過性か治療が必要かを判断しやすくなります。

赤みが長期間続く場合は、早めに専門医に相談することが大切です。

赤ら顔と酒さ・敏感肌の関係性

赤ら顔の原因としてよく挙げられるのが「酒さ」と「敏感肌」です。

酒さは鼻や頬などに赤みや皮膚の表面が盛り上がる丘疹(きゅうしん)が現れる慢性疾患です。

酒さには毛細血管の拡張や免疫反応が関与していると考えられています(参考:National Rosacea Society1)。

一方敏感肌は、化粧品や気温変化などの外的刺激に過敏に反応し、赤みやヒリヒリ感を引き起こす状態。

敏感肌の人は皮膚のバリア機能が弱いため、赤みが頻繁に現れやすい傾向にあります。

酒さと敏感肌は症状が似ているため、自己判断せず皮膚科で正確な診断を受けることが重要です。

>>酒さは一生治らない?その真実と向き合い方を徹底解説

朝は白いのに日中に赤ら顔になる理由とは?

朝は白いのに次第に赤ら顔になるのは自律神経や外的刺激、ストレスなど複数の要因が考えられます。

自律神経の働きと血流の関係

朝は白いのに日中に顔が赤くなるのは、自律神経の働きが関わっている場合があります。

自律神経は血管の収縮や拡張を調節し、血流をコントロールします。

ストレスや疲労で自律神経が乱れると血流が増加し、顔の毛細血管が拡張して赤みが目立つようになるのです。

例えば、朝はリラックス状態で血流が落ち着いているため、肌が白く見えることが多いです。

しかし、日中の活動やストレスで交感神経が優位になると、血流が活発になり赤みが現れやすくなります。

外的刺激(温度変化・紫外線・乾燥)の影響

温度変化や紫外線、乾燥といった外的刺激も、赤ら顔の大きな原因です。

特に朝と日中で気温差のある場所に移ると、血管が急に拡張して赤みが目立つことがあります。

また、紫外線は肌のバリア機能を弱め、炎症を引き起こす要因になり得ます。

実際、紫外線によるダメージは、肌のコラーゲンやエラスチンを破壊し、毛細血管を目立たせる可能性が指摘されています。

さらに乾燥は肌の水分を奪い赤みを悪化させる可能性があるため、加湿器の使用や保湿剤の適切な選択が推奨されます。

感情やストレスによる一時的な赤み

感情の変化やストレスも、顔の赤みを引き起こす要因です。

緊張や恥ずかしさを感じると交感神経が刺激され、血流が増えて顔が赤くなります。

これは「フラッシング」と呼ばれる現象で、特に赤ら顔の人に顕著です。

このような一時的な赤みは自然に引くことが多いですが、頻度が高い場合はストレス管理が重要。

リラックス法や深呼吸を取り入れることで、こうした赤みを抑えられる可能性があります。

朝と日中で変化する肌状態(皮脂分泌・水分量)

朝と日中で肌の状態が異なるのも、日中にかけて赤ら顔になる要因です。

朝は皮脂分泌が少なく、肌の水分量も安定しているため白く見えることが多いです。

しかし、日中は皮脂分泌が増え、汗や乾燥で肌のバリア機能が低下することがあります。

すると刺激に弱くなり、赤みが目立つようになります。

スキンケアで保湿を徹底し、皮脂バランスを整えることが重要です。

赤ら顔のその他の原因

ホルモンバランスの変化や生活習慣も赤ら顔の原因となり得ます。

ホルモンバランスやアレルギー反応

ホルモンバランスの乱れやアレルギー反応も、赤ら顔の原因となります。

更年期や生理周期によるホルモン変動は、血流や血管の反応に影響を与え、赤みを引き起こすことがあります。

また、化粧品や食品によるアレルギー反応が、肌の炎症や赤みを誘発する場合もあります。

アレルギー反応を避けるには、肌に合う化粧品を選ぶことが大切です。

生活習慣やスキンケアの影響

生活習慣や誤ったスキンケアも、赤ら顔を悪化させる要因です。

睡眠不足、過度な飲酒、刺激の強い化粧品の使用は、肌の炎症や血管拡張を引き起こします。

特にアルコールや辛い食べ物は、血管を広げて赤みを増すことが知られています。

また、洗顔時にゴシゴシ擦ると、肌のバリア機能が損なわれ、赤みが悪化するリスクが。

適切なスキンケアと生活習慣の見直しが、赤ら顔の予防に直結します。

自宅でできる!赤ら顔のセルフケア対策

スキンケアの見直しや紫外線対策は自分でできる赤ら顔対策として効果的です。

洗顔とスキンケアの見直しポイント

赤ら顔を抑えるには、洗顔とスキンケアの見直しが重要です。

低刺激の洗顔料を選び、ぬるま湯で優しく洗うことが基本。

洗顔後はセラミドやヒアルロン酸配合の保湿剤で肌のバリア機能を強化しましょう。

正しい洗顔とスキンケアを続けることで、赤ら顔の症状を軽減できます。

肌にやさしい紫外線対策の方法

紫外線は赤ら顔を悪化させる大きな要因の1つです。

SPF30以上の日焼け止めを使用し、帽子や日傘で物理的な防御を加えるのが効果的です。

紫外線によるダメージは肌の炎症を増やし、赤みを悪化させる可能性があります(参考:日本皮膚科学会2)。

朝のスキンケアに日焼け止めを必ず組み込みましょう。

食事・睡眠・ストレス管理の重要性

食事や睡眠、ストレス管理も赤ら顔に影響します。

ビタミンCやEを多く含む食品(ブロッコリー、ナッツなど)は、肌の健康を保つ効果が期待できます。

また、十分な睡眠は肌の修復を促し、ストレス管理は自律神経のバランスを整えます。

生活習慣を整えることで、肌の状態が安定します。

避けるべきNG行動・習慣とは?

赤ら顔を悪化させるNG行動には、以下のようなものがあります。

  • 熱いお湯での洗顔
  • アルコールや刺激物の過剰摂取
  • スクラブ入り洗顔料の使用

これらは肌のバリア機能を弱め、炎症を誘発する可能性があります。

皮膚科で受けられる治療法とは?

皮膚科では薬での治療以外にも、レーザー治療なども受けられます。

外用薬・内服薬の選択肢

皮膚科では、赤ら顔の症状に応じて外用薬や内服薬が処方されます。

丘疹を伴う酒さの場合、メトロニダゾール含有の外用薬が一般的に使用されます。

内服薬では抗生物質や血管収縮剤が処方されることもあります。

例えば、メトロニダゾールは炎症を抑え、赤みを軽減する効果が臨床試験で確認されています(参考:日本皮膚科学会3)。

ただし、効果には個人差があるため、医師と相談しながら選ぶ必要があります。

レーザー治療・IPL治療の効果

レーザー治療やIPL(フォトフェイシャル)は、毛細血管の拡張を抑える効果が期待できる治療法です。

IPLは赤ら顔の治療として開発され、赤みや血管の目立ちを軽減します。

保険適用の有無と費用感

赤ら顔治療の保険適用は症状や治療法によります。

酒さの外用薬や内服薬は保険適用されることが多いですが、レーザー治療やIPLは自費診療となる場合が一般的です。

費用は1回あたり1~5万円程度で、クリニックによって異なります。

そのため事前にクリニックで費用を確認することが大切です。

症状別におすすめされる治療法

症状の重さや原因によって推奨される治療は異なります。

軽度の赤みなら外用薬、毛細血管の目立ちが強い場合はレーザー治療、ホルモン関連の赤みにはプラセンタ注射が適していることもあります。

医師は肌の状態や生活習慣を考慮して最適な治療を提案してくれるため、自己判断せず、専門医の診断を受けることが重要です。

>>赤ら顔の治し方完全ガイド!原因から皮膚科治療まで解説

新たな治療法を試すのも一つの方法

病院で直接治療を受ける以外に、治験に参加するというのもひとつの手段です。

日本では赤ら顔でお悩みの方に向け治験が行われています。

治験ジャパンでも治験協力者を募集しています。

例えば過去には東京や神奈川、大阪などの施設で行われた試験もありました。

治験にご参加いただくメリットとして挙げられるのは、主に下記3点です。

  • 最新の治療をいち早く受けられる
  • 専門医によるサポート、アドバイスが受けられる
  • 治療費や通院交通費などの負担を軽減する目的で負担軽減費が受け取れる

ご自身の健康に向き合うという意味でも、治験という選択肢を検討してみるのも良いでしょう。

実施される試験は全て、安全に配慮された状況下で行われます。

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皮膚科医 川島眞医師が酒さ(赤ら顔)の疑問に回答

酒さ(赤ら顔)に悩む患者の質問
Q1:酒さ(赤ら顔)の原因は何ですか?
皮膚科専門医 川島眞
明確な原因は不明ですが、皮膚のバリア機能低下、血管の過敏性、免疫異常、皮膚ダニ(デモデックス)、紫外線、ストレス、アルコール、温度変化などが関係すると考えられています。
酒さ(赤ら顔)に悩む患者の質問
Q2:酒さは完治しますか?
皮膚科専門医 川島眞
根本的な完治は難しいですが、適切な治療とスキンケアで症状のコントロールは可能です。
ただし再発・再燃しやすいため、継続的なケアと環境調整が重要です。
酒さ(赤ら顔)に悩む患者の質問
Q3:皮膚科ではどのような治療をしますか?
皮膚科専門医 川島眞
抗炎症外用薬(メトロニダゾール、アゼライン酸)や内服薬(抗菌薬、ドキシサイクリン、ミノサイクリン)を使用します。
重症例では血管レーザー治療も行います。
別の病気の可能性もあるため、自己判断で市販薬を使わず、必ず皮膚科で診断を受けましょう。
酒さ(赤ら顔)に悩む患者の質問
Q4:アルコールはやはり控えた方がいいですか?
皮膚科専門医 川島眞
はい。アルコールは血管を拡張させ、症状を悪化させやすいです。
酒さの名前に「酒」が含まれますが、飲酒が原因という意味ではありませんが、避けた方が望ましい誘因のひとつです。
酒さ(赤ら顔)に悩む患者の質問
Q5:スキンケアで気をつけるべきことは?
皮膚科専門医 川島眞
・低刺激・無香料・アルコールフリーの化粧品を選ぶ
・クレンジングや洗顔は擦らず優しく行う
・紫外線対策は必須
保湿は重要ですが、べたつくものは避け、肌に合うものを選びましょう。

まとめ:朝は白いけど赤くなる顔、正しく理解して対処を

朝は白いのに日中に顔が赤くなるのは、自律神経や外的刺激、感情、肌状態の変化が関与していると考えられます。

これらの要因を理解することで、適切な赤ら顔の対策が可能です。

自分の生活環境を見直すことが、改善の第一歩です。

赤ら顔は正しいスキンケアや生活習慣、必要に応じた治療で改善が期待できます。

継続的な努力で赤ら顔を改善し、自信を取り戻しましょう。

参考サイト・資料一覧
1.National Rosacea Society– “All About Rosacea: What Causes Rosacea?” – https://www.rosacea.org/patients/all-about-rosacea
2.日本皮膚科学会 https://www.dermatol.or.jp/qa/qa2/q02.htm
3.日本皮膚科学会「尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン 2023」 https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/guideline/zasou2023.pdf

記事監修者情報

記事監修者情報

川島眞の画像
川島 眞(かわしま まこと)
皮膚科専門医・医学博士
東京女子医科大学 名誉教授
Dクリニックグループ代表

日本皮膚科学会認定専門医として、アトピー性皮膚炎など皮膚疾患の診療・研究に長年従事。

本記事では医学的情報の正確性と内容監修を担当。

所属学会:

  • 日本皮膚科学会
  • 日本美容皮膚科学会
  • 日本皮膚アレルギー学会
  • 日本香粧品学会
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