治験モニターの注意事項

2019年9月19日

新薬などを試す被験者となって、その薬の効きめや安全性などのデータをとることに協力する治験モニターは、一般的なバイトよりも高額のお金が手に入ることもあり、ひそかに注目を集めています。治験モニター募集情報に興味を持つ人も多いのですが「新薬を試す」というものだけに「健康な人でないと無理なのか」「応募後に途中辞退してもいいのか」など、不安点や疑問点が出てきやすいのも事実です。ここでそうした不安や疑問を解消していきましょう。

・治験モニターは健康な人でないと無理?

治験モニターは、健康な人を募集するケースももちろんありますが、基本的には「新薬の効きめなどを確かめる」というものですから、たとえば抗アレルギー薬の治験モニターには、アレルギー持ちの人が求められるなど、治験に使う新薬の種類におうじた疾患などを抱えている人をモニターとして募集するケースが多いです。

ただし、以下の状況にあてはまる人は、たとえ健康な人、あるいは治験に使う新薬の種類におうじた疾患などを抱えている人であっても、原則としてモニターになることはできません。

*過去4ヶ月以内に治験あるいは献血をしている人

*入れ墨やタトゥーのある人

*未成年者(一部治験では例外あり)

*生活保護受給者

*身分証明ができない人

*治験の募集地域エリア外の人

・治験モニターの途中辞退は可能か?

治験モニターは、基本的には「自由意思で参加するもの」というスタンスですので途中辞退することも可能です。

たとえば「治験モニターに応募したものの、やっぱりやめたくなった」という場合は、予約確定前であれば問題なく辞退可能です。

ただし、予約確定後の急な辞退となると、最悪の場合「被験者である治験モニターの数が足りず、必要十分なデータが取れないため治験が中止になって薬の開発が遅れる」という状況を招くリスクがありますので、この段階での辞退はできるだけ避けたいものです。

ただし、実際に病院で医師から新薬や治験内容に関する詳しい説明を受けた際にどうしてもその内容に納得できない場合は辞退することができます。

また、治験薬服用が始まってからの途中辞退も可能ではありますが、この場合はすでに薬の服用が始まっていることもあり、安全性の確認が必要となるケースもあります。

・その他、治験モニターの基本的なルールは?

その他の治験モニターの基本的なルールとしては、おもに以下のようなものが挙げられます。

*「治験モニターに応募すれば必ず参加できる」というものではなく、事前検診が必要

*「自分が参加したい日だけ治験参加する」ということはできない、その治験で決められている入所日や通所日のすべてに参加することが必要

*一部の例外を除いて、治験期間中の外出は認められない

*家族や友達との面会も治験期間中はできない

治験モニターで「こんなものだとは思ってなかった」とならないためにも、こうした基本的ルールはしっかり理解しておきましょう。